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2016年2月10日水曜日

今日の自転車100km走行について

 三日前の日曜日に約100km走って体調悪くしたのに、懲りずに今日も約100km走ってきました。前回は虹橋空港付近から私が前住んでいた昆山市へ、実質西へ一直線に走るというルートでしたが今回は方角を南に向け、また虹橋空港付近から杭州湾こと海を目指して一直線に走りました。

 朝8時40分くらいに自宅を出発。三日前の走行が影響してまだお尻が痛みますがそこは我慢してサドルにまたがります。ルート的にはほぼ南へ一直線で道も聯華南路をひたすら走るだけ。域は割と好調でこの分なら早く終わるかなと思っていたところ、第一の関門に当たる黄浦江こと川が邪魔してきました。
地図を見るとフェリーがあるとのことなので早速フェリー乗り場へと向かったところ、チケット売り場で前にならんでいたおっさんがチケットを買いもしないのに窓口のおばさんと何故か長々と話し始めたので持ってたバナナを頭めがけて投げつけたくなりました。上海市内とは言えかなり南の郊外であるため、なんていうか中心部と比べると明らかに民度が落ちているのを感じました。

フェリーの中。ロードバイクが珍しいためか周りからやけにじろじろ見られた

 ひとまずそこをぐっとこらえてフェリーに乗りこみ川を渡るとと再び出発。地図にははっきり書かれていませんでしたがちょうど走ったあたりは上海化学工業区だったためあちこちに煙もくもくな煙突備えた工場がやたら見られるのと、工業地帯らしく中途半端な工事で放置されている道路や建物が散見されました。

 フェリー乗り場から下りてそこそこの距離を走り、化学工業区内の敷地にそのまま突っこみました。入り口ゲートに守衛立ってて入れるか心配でしたが無視したところ何も言われずに入れましたが、海までもう少しというところで再びゲートがあってそこは守衛に止められ突破が出来なかったものの、迂回すれば海の見える岸壁に行けると教えてもらい、その案内に従って再び走り出しました。
 教えてくれた道はどうも、砕石とか廃棄物を運ぶ道だったようで舗装もされておらずかなり凸凹で泥濘の多い道でしたが、その先にはきちんと岸壁があってようやく海を見ることが出来ました。もっとも中国の海は日本と違って茶色いからあんまきれいに感じないけど。

杭州湾が臨める岸壁から 

すぐ後ろはめっさ工業地帯 

 この時点で12時40分を回っていましたが、往路は真正面からの向かい風だった文復路は追い風になってきっと楽になるだろうと予想しており、その予想通りに往路の倍近くの速度で復路は走り続けることが出来ました。もっともまた疲労が出てきて、特に左膝が乗り始めから痛かったのにますます痛くなってちょっと情けない走り方となっていましたが。
 途中でケンタッキーによって昼食を取り、その近くでたこ焼きも売ってたので一緒に食べました。なおたこ焼きの値段は6個で15元(約300円)、8個で18元(約360円)でしたが、6個だけ頼んで堪能しました。

 昼食を取る以外は一切休憩せずに走り続け、最終的には3時45分に帰宅できました。帰宅してから2時間半ほど横になって睡眠を取り、その後ふらふらと起きてから近くの喫茶店で晩御飯食べて、シャワー浴びて、軽く背中を揉みつつ今この記事書いています。
 走り切った感想を述べると、川を越える辺りまでは距離的にも全然余裕だし途中途中でいくらでも補給が利くルートでしたが、川を越えて工業地帯へ入る辺りからは殺伐とした風景が延々と広がり続けるなど、心理的にも体力的にも急にハードさを増しました。もし上海市内からサイクリングで行くなら川越えの直前あたりでやめておき、虹梅路の先にある「浜江公園」当たりを目指す方が分なんじゃないかなという気がしました。人いないし平坦だしで工業地帯は自転車で走ってて楽っちゃ楽ですが、昆山の工業地帯と比べるとやけに今回の工業地帯は殺伐とした印象を覚えました。


 携帯のカメラ性能が悪いためやや移りが悪いですが、この写真の靴は私の靴で、見ての通り右足側だけがやけに真っ白です。これは岸壁目指して泥濘の多い道を自転車下りて歩いていたところ、突然「バシャッ」っという音と共に一瞬で靴が泥まみれになってしまったためです。このところ全く雨降ってないのに何であんなにぬかるんでいたのかミステリーですが、おかげでアウトレットで買ったこの靴がえらいことになってしまいました。
 これでも一応、泥かかってすぐティッシュで泥をぬぐっているのですがそれでもきれいにならず、結局さっき軽く水洗いしました。あとズボンと靴下も靴ほどではないものの少し泥がかかり、一応水で流したけどあした洗濯しないといけません。これさえなければ完勝ムードだったのになぁ。

産経の「魅せる」政治記事

 昨夜久しぶりに友人と会話した際、向こうから以下のニュースについて話しを振られました。

【政界ゲス不倫疑惑】イクメン装いつつ身重の妻を裏切った宮崎謙介議員の自覚なき言動の数々… 政府・自民党も怒り心頭(産経新聞)

 このニュースについて私は一応耳にしていたものの詳しい内容は把握していなかったので、「ほんと今年はニュースが多い年だね。SMAP解散で大騒ぎしたのが遠い昔に思える」と、すぐ話題を切り替えてしまいました。でもって上記の記事を読んでみて改めて内容を知ったのですが、中々この産経の記事はよく書かれていると唸らされました。
 まず事件の内容について簡潔に書かれてあり、概要をすぐに理解できました。日本の政治部記者というのは記者としての文章力や取材力以前に議員や官僚といった交友関係、言うなれば人脈で評価されることが多いため、はっきり言ってしまえば記事文章が非常に読み辛い上に見当違いな内容を主題に置いて書く記者が多かったりします。なおこれは余談ですが、関係会社に転籍した政治部記者が、「俺は絶対に頭を下げない!」と言い出して客先とトラブル起こしたということを以前に知り合いから聞いたことがあります。

 なもんだから私は政治部出身の記者をそれほど評価しておらず、真に実力がある記者は一に科学部記者、二に経済記者で、取材力だけなら芸能記者という風に勝手なランクをつけています。しかしこの記事を書いた水内茂幸氏という記者はなかなかにポップな文体で記事を書いており、内容が内容だからってのもありますが政治記事というよりはもはや完全に芸能記事みたいに仕上げています。夫側である宮崎議員の経歴や過去のトラブルをまとめているだけでなく妻側の金子議員についてもその人となりを紹介しており、一記事で全体像が把握できるうえに読んでて楽しませられることもあって、「産経の政治部にはこんな記者もいたのか」とつくづく思ったわけです
 とりわけ、末尾のこの一文は秀逸です。

「しかも身長168cm、バスト90cmの巨乳タレントと…。なめてんじゃね〜ゾ。」

 あくまで個人的な意見ですが、このニュースで何が一番重要かって言ったらこの不倫相手となる女性の特徴でしょう。他社のお堅い政治記事にはまず書かれることない情報でしょうが、それを外さずに書き切っているのは見事の一言に尽きます。

2016年2月9日火曜日

政策金利のマイナス金利導入についての解説

<長期金利>初めてマイナスに 一時-0.010%(毎日新聞)

 今日も日経平均が900円超も下がるなど大幅下落となりましたが、なんかこのところこういう乱高下が普通に多いからもうなんか慌てる気持ちにすらならなくなりました。一応今日の下ぶれについて理由を追うと上記リンク先記事に書いている通りに長期金利、言い換えれば日本国債の金利が史上初めてマイナスに突入したことが主因で、後は欧州の株安と北朝鮮のミサイル発射が副因ではないかとみています。

 ほかの記事にも書いていますが長期金利がマイナスになるとはどういう事なのかというと、日本政府が発行している国債を投資目的で1万円で購入したところ償還期限を迎えると9900円になって、増えるどころか減ってしまう金利状況の事を指します。実際にはそうはならないでしょうが短期で取引している分には買えば買うだけお金が目減りする状態なのでまぁ異次元っちゃ異次元です。

 今回何故長期金利がマイナスへと突入したのかというと、その背景は間違いなく日銀が先週にマイナス金利政策を導入すると発表したことにあるでしょう。日銀がマイナス金利を導入する先は政策金利(公定歩合)で、これは「民間銀行が日銀から日本円を借りる際の金利」を指しています。ほかにもっといい解説サイトがあるでしょうが一応簡単に説明すると、UFJとかみずほなどみんなにお馴染みの民間銀行はどこも日銀から日本円を借りて、借りた日本円を民間に貸すことで業務を回しています。そのため民間銀行は日銀からお金を借りるかわりに日銀へ金利分の利息を支払わなくてはならず、この民間銀行から日銀への金利のことを政策金利と呼びます。
 仮に政策金利が5%だったら、民間銀行は5%より高い利率で他の人に日本円を課さないと儲からなくて潰れてしまいます。しかし政策金利が1%だったら民間銀行は利率が2%でも3%でも儲かるため、実質この政策金利が動くことによって民間銀行のローン利率も変動してくわけです。

 これまで日本はゼロ金利政策と言ってこの政策金利が、0.5%とか0.25%に設定されており、民間銀行からしたらタダでお金が借りられるので低い金利で他の人にも貸せて利ざやを得ることが出来ました。しかしこの政策金利が仮にマイナス、それこそマイナス0.5%にでも設定されたら、民間銀行としては日銀からお金を借りれば借りるほどお金(資産)が増えていくことになりますし、その上で他の人に貸す際に金利を取ればさらに儲けられることになります。
 道義的な問題は置いといて日銀は何故マイナス金利にしてまで民間銀行に日本円を借りさせようとするのかというと、市場にお金を流通させ、だぶつかせ、デフレ(物価が下がる状態)から脱却してインフレ(物価が上がる状態)に持ち込みたいからです。人間お金が有り余ると必要のない物でも高くで買っちゃうみたいに、流通するお金の量を増やすことでバナナの値段もプレイステーションの値段も給料の値段も揃って引き上げたいというのが日銀の狙いです。

 とはいえ、政策金利にマイナス金利を入れるというのはG8の先進国では日本が初めてで、他にやっている国と言ったらスイスくらいしかありません。そのスイスは日本より先にマイナス金利を導入していますが導入してからどうなったのかという報道が日本でなされないのが非常に不満ですが、どちらにしろ前例のない世界なので前例を捜したり、セオリーを無理に適用しようとすること自体がナンセンスでしょう。
 私としては現在の日銀の姿勢を支持する立場にあり、そもそも今の世界金融を取り巻く状況は過去に例のない事態と言ってもよく、従来の方法を適用するのではなく手探りで新しい手段を対症療法的にぶつけていくしかない状態です。そういう意味ではこのマイナス金利導入も思い切った手段であるものの何もしないよりかはやってみる価値があると思うだけに、たとえ株価が乱高下しようとも私が日銀を支持する立場を変えることはありません。

 ほんとは今日の株価についてだけ書こうかなと思ったら、随分とまた変な方向に記事が流れていきました。ま、でも、たまにこういうどうでもいい金融記事書いてみたくなるのですが。

2016年2月8日月曜日

昨日の自転車100km走行について


 先月、マジ頑張り過ぎな自分へのご褒美として新しい自転車を購入しました。
 前に昆山で乗っていた自転車は購入から一年乗り続けましたが引越しの際に持って行くのがやや面倒だったのと、別の自転車にも乗ってみたかったことから知人へと譲ったので、上海市内で今後使っていくようにと新たに自転車を購入したわけです。

 今回購入した自転車のメーカーは前とおなじくGIANTです。ほかのメーカーも試していようと思い最初にスペシャライズドのお店へ訪れましたが、「明後日この店閉めるんだ」と、セールをしている理由を店員が教えてくれましたが、いくら安いからって今後のメンテナンスを考えると購入に踏み切れず、結局すぐ隣のGIANTに行きました。ちなみにそのお店の周辺は上海市内でも自転車乗りが多いとのことで、すぐ近くにはMERIDAの店もありました。行かなかったけど。



 でもって買ったのが上の自転車、あんまり名前チェックしてないけど多分「GIANT DEFY3」。パーツ諸々と合わせて5000元(約100000円)の所を4200元(約84000円)に値下げしてもらって即日購入しました。なんでこれにしたのかというと以前に昆山で乗っていた「GIANT OCR3300」が3400元くらいで買ったので、これより値段的にワンランクアップさせた物に乗りたくて、予算的に4000~5000元のラインにこれがあったからです。値段の差ってのがどれくらいなのかを確かめたいのがむしろ大きかったかも。

 そんなわけで試乗とばかりに今回、上海市の虹橋空港周辺から昆山市内中心部まで片道約50km、往復100kmの走行へと繰り出したわけです。最初の写真は昆山に入ったばかりの所、具体的に言えば昆山経済技術開発区内の道路で見事なくらい地平線まで人も車も何もない光景でしたが、こんな感じの道路を延々と走っていました。もっとも写真じゃ見え辛いけど真ん中のあたりにある赤い点は赤い服着た女性で、バス停で一人ぽつんと待っていましたが無事にバスに乗れたのかなあの後。

 話はサイクリングに戻りますが朝9時過ぎに出発してまずは境界線付近にある安亭という場所を目指しました。逆ルートというか昆山市内から安亭まではサイクリング部と共に何度も行ったことあったのですが上海市内からのルートはこれが初めてで、地図であらかじめチェックした通りのルートを沿って全く迷うことなくたどり着けました。
 ただ、思ったより時間がかかったというか安亭に着いたのは11時前でした。てっきり1時間くらいで来れてそこから昆山市内の方が遠いのかなと思っていましたが、実際は逆で安亭までの道のりの方が長かった感じがします。なお安亭付近には地下鉄もあればショッピングモールもあり、上海市内のはずれとはいえなかなか栄えているというか郊外型の住宅地という印象を覚えました。

 そっから境界を越えて昆山へ侵入。そっからはひたすら工業地帯を抜けるというルートでところどころ、「ああ、ここ前に通ったな」と思いつつ無心で漕ぎ続けました。ただ市内中心部に近づいてきた辺りで、その日の朝は食パン一枚(生)しか食べてなかったこともあって急激にお腹すいてヤバくなってきました。安亭で休憩取ろうかなとも思ったけどそしたらお昼ご飯の時間に昆山市内へつけないと無駄に焦ってノンストップで来たツケがここにきて、ふらふらしながらもどうにか12時半ごろに昆山市内中心部にたどり着けました。

 昼食は春節休暇中にも開いていた日本料理屋で、しょうゆラーメン大盛り+ギョーザ+半チャーハンを残さず食べて飢えからようやく解放されました。餓える度に思いますが二次大戦で兵隊に補給なしで戦わせた日本軍の指揮官はマジアホだと思うし、その中で戦っていた兵隊に強い同情心を覚えます。本当に餓えると、体力は体感で十分の一くらいしかでません。

 昼食を食べ終えると休憩もそこそこに再び自転車にまたがり復路へと出発。往路が強風ではなかったものの向かい風だった分、復路は追い風で楽になるかなという期待がありましたが、確かに往路よりは速度が出たもののあんまり速度アップにはつながりませんでした。往路でスタミナ切れした反省からギアは低めで割かしのんびりと走り続けましたが、乗り始めとあって低速ギアの調整がやや悪く、具体的には二速を入れるとチェーンが上手くはまらず異音を鳴らし続け、また口から「ファックファック」と呟くながら二速を避けつつ三~四速で走り続けました。逆に上の高速ギアの噛み合わせは抜群に良く、びっくりする位がちっとはまってたのは爽快でした。

 3時半くらいに安亭に着き、「無駄に焦るな」と自分に言い聞かせてバーガーキングで休憩。ポテトとコーヒーだけ頼んで30分くらい休憩して再びレッツゴー。往路と同じく、昆山~安亭よりも安亭~虹橋までの方が明らかに長く感じ、「おうちはまだかいな?」と呟きつつ5時20分に無事帰宅しました。そのままどこかに夕食でも行こうかと考えましたが、昼に大盛りラーメン食べたことからお腹がすかず、結局コンビニ弁当だけ買って夜9時にレンジでチンしてそれ食って終いにしました。

 明けて今日、めっちゃ体がだるかったです。足の筋肉痛は全くなく、O脚だからかやや膝の外側が少し痛みましたが正午にはその痛みも抜けたものの、右側頭部がずっと痛くて昼過ぎに昼寝を取るなどしましたがこっちはなかなか治りませんでした。
 昼寝を終えた後に「一体何故なんだ?」と少し考えてみて、自分は利き足が左であるため自転車走行中は通常やや左側に重心が傾いており、それをバランスとるためハンドルを握る右腕で支えた状態が続くのではと思い、もしかした右肩から右腕の疲労が原因ではと閃いてこの箇所にマッサージした所、大分調子戻して元気になってブログ書けるようになりました。いやまぁ、頭痛薬飲んだのも大きいのかもしんないけど。

 最後に今回新しく買った自転車について感想を述べると、車重は明らかに前の自転車と比べて軽く、軽く障害物に当たった際などふわっと浮かぶ感覚があって「車体ごと飛ぶのでは?」と最初感じたほどでした。しかし走行に関して述べるとそれほど極端な差はなく、長距離を走っていて特段速いとか加速がいいとか、前の自転車との差はそれほど感じませんでした。もう少し短い距離とかなら加速や速度の持ちの良さが感じられたかもしれませんが、長距離走行なら少なくとも大きく性能が変わるってほどではないような気がします。
 ただちょっと今回の自転車でミスったなと思ったのは、自転車を駐輪時に立たせるためのサイドスタンドです。普通ロードバイクにはこんなの付けないのですが私は付けないと気が済まないというか不便に感じるのでつけてもらいましたが、これがペダルの回転中に何度も左足かかとに当たって邪魔くさいのなんの。前の自転車では一回もそんなことなかったので多分取り付け位置が悪いか、スタンド自体のでっぱり部が大きいせい(前のと比べて明らかにでかい)であることが原因だと思え、休み明けにでも自転車屋に行って相談しようかなと思います。順回転する際はそんな当たることはないんだけど、逆回転したり停車する際などはほんとよく当たり、前ほどアクロバティックな乗り方はできないのがやや苦痛でした。

 それにしても100km程度でこんなに疲れるとは思いませんでした。なんか体感的には140km位走ったような気がするのですが、中国の地図だから縮尺おかしいのではと勝手に疑ってます。

2016年2月7日日曜日

北朝鮮のミサイル発射が早まった理由

 今日は自転車で約100km走って疲れてるので短くまとめます。

 報道されている通りに北朝鮮がまたミサイルを発射し、沖縄上空を越えて太平洋にまで飛んだそうです。このミサイルの性能については専門家に聞くしかないでしょうが発射時期について私の方から述べると十中八九、中国への遠慮から今日になったと思います。
 というのも中国は明日から春節に入るため、言うなれば明日は中国にとって元旦に当たります。人間誰しもお祝いムードの時に水差されたらカチンと来るでしょうし、直前に中国の公館が北朝鮮を訪問して「言うべきことを全て言ってきた」とコメントしたそうですが、私が考えるに恐らく、ミサイル発射の抑止と共に撃つのだったら春節期間を外せと言ったのではないかと思います。それにこたえる形で大晦日の今日に発射を実行したのかなと思いました。

 とはいえ、中国側としてもやっぱり楽しくはないでしょう。一応、大晦日の今日から長期連休に入っていますがこんな時期にミサイル飛ばされたらクリントンでなくても頭に来るはずです。中国人としても近年は北朝鮮に対して、「余計なトラブルを起こす国」という印象が国民にまで広がっていますが、それでも各国の制裁協議において中国はまだ北朝鮮を擁護するのではないかと思うものの、果たしてそれがいつまで続くかは私にもわかりません。

 っていうか100km位余裕と思ったのに、なんでこんなに時間食ったんだろう。地図の縮尺とかおかしくね?

2016年2月6日土曜日

鴻海がシャープ買収にこだわる理由

 

 昨夜はこのガチャピンの光学迷彩が気になり過ぎたため、昨夜書いた記事で一番大事な内容を書きそびれてしまいました。それにしてもここ一ヶ月くらい、こんなに大笑いすることなかったなぁ。あとこのお天気お姉さんの対応の仕方は本当に素晴らしい……。

 昨夜は「鴻海によるシャープの買収について」という見出しで鴻海精密工業によるシャープの買収についてあれこれ背景なり展望なりを書きました。書くべき情報はあらかた書きましたが一つ書き忘れたことがあり、これはほかの日系メディアが一社たりとも指摘しないというか触れもしないのでそっちも疑問なのですが、そもそも何故鴻海はこれほどまでにシャープを買収しようとするのか、この点がよく理解できず友人と一緒に頭を抱えました。

 鴻海は数年前の時点でシャープの堺工場に出資していますが、当初はこの際にシャープ本体へも出資、あわよくば買収しようとも動いておりました。当時のシャープであれば確かにまだ液晶の生産技術は他社よりリードしていたし何よりも堺工場はできたてほやほやで設備などもよく、出資するだけの価値は私から見てもありましたが、現在においては状況は変わっており少なくとも数千億円を支払ってまで救う価値があるかと言えば採算的にやや疑問を感じる経営状態です。
 昨日の記事にも書いた通り、確かに鴻海はI-Phoneを筆頭に液晶を用いる製品を多数生産していることから今回の買収は垂直統合となり、原価の圧縮だけでなく生産調整も行いやすくなるなどメリットが全くないわけではありません。しかし6000億円強ともいえる金額を支払うほどの価値があるかとなるとやはり疑問で、また買収後にシャープの経営が果たして再建できるのか、下手したら余計に赤字を生み続ける可能性もあるのではと考えるとややリスキーです。にもかかわらず何故ここまで買収にこだわるのか。2000億円くらいだったらまだ理解できたのですが。

 この点が本当にわからなくて昨夜も友人と一体何なんだろうかなどと議論しつつも、結局答えは出てきませんでした。この点だけは謎のまま、なんて昨日の記事に付け加える予定だったのですが今日になってちょっと事態が変わったというか、全く根拠もないただの私の直感が告げる一つの仮説でしかないものの、一つの考え方を閃いたのでそれをここに記します。結論から述べると、真の狙いは液晶ではなく太陽電池だったのかもといったところです。

 鴻海のCEOであるテリー・ゴウ(郭台铭)はかねてから記者に対して、「シャープの赤字は太陽電池部門が主犯で、この不採算部門を切り離せば再建は可能だ。シャープブランドもシャープの法人格も維持した上で再建してみせる」と話していました。この主張自体は至極もっともな意見で太陽電池業界は世界規模で深刻な不況が4年くらい前から続いており、生産量で世界最大手だった中国のサンテックパワー(尚德太陽能電力有限公司)も、一時期はニューヨーク市場にも上場してましたが不況の煽りをモロに受けて破綻へ至りました。
 なのでテリー・ゴウの意見に私は納得、っていうか何故シャープはもっと早く太陽電池部門をリストラしなかったのかとも思っており、くそくだらねぇことばっかしか言わない日本の銀行関係者とかアナリストなんかよりずっとこの人の方がまともなこと言ってるし信頼できると思って今回の買収を歓迎する気持ちで見てたわけです。

 しかし、今日昼飯食って歩きながらふと気が付いたこととして、シャープの太陽電池部門が切り離されるとして一体どこが買うのだろうかと考えたところ、まず日系他社は太陽電池市場が不況であることから絶対に買わないだろうと踏んで、となるとやはり中国企業……もしかして中国ファンドか……といったところまで考えが行ったところで、「もしかしてテリー・ゴウは中国政府の指示を受け、シャープの太陽電池部門を中国資本に引き渡す密命でも帯びているのでは?」という考えに至りました。

 私はかねてからシャープについて、「言われている程この会社に技術はない」と言い続けました。今でもこの考えに変わりはないのですが、こういう時に言う「技術」というのは液晶技術を指しており、太陽電池となると話は別です。シャープは太陽電池の変換効率(光を当ててどれだけ電力に変えられるか)で一時期はずっと世界最高記録を出し続けており(この前どっかに抜かれたというニュースは見たが)、太陽電池の研究技術であれば世界最高水準にあると私は見ております。ただ先ほども言った通りに太陽電池は市場が不況であることからお金にはならずシャープに限らずどこも太陽電池で赤字を作ってる状態なのですが、中国であればたとえ事業が赤字であってもシャープの研究技術を欲しがる可能性が高いと思っています。
 というのも中国はエネルギーや半導体などの分野で世界シェアを握り、かつてのレアアースのように出荷量をコントロールすることで外交のカードにしようとするところが見て取れ、特に半導体関連は中国政府指導者に理系が多いこともあって並々ならぬ情熱を燃やしていて実際この分野への投資は赤字だろうと何だろうとお構いなしとばかりにつぎ込んでいます。太陽電池も半導体の一種であることもさることながら不況の現状でも政府が中国国内の太陽電池メーカーを熱烈に支援し続けており、世界シェアを必死で高めようと補助金をつぎ込んでいます。

 そんな中国からしたら、今すぐお金にならないとしてもシャープの太陽電池の研究技術は高い金払ってでも欲しいと思うのでは。あくまで仮説ですがこんな考え方が今日思い浮かんできたわけです。そもそも鴻海のテリー・ゴウ自体がいわゆる政商で中国政府とのパイプも強いだけに、好き勝手にドラマチックな陰謀論を組み立てるとしたら内心有り得なくもないかなぁと追加でさらに思うわけです。特に根拠も何もないですが少なくとも私にとってすれば、この理由であれば鴻海がシャープ買収にこだわったのも少しは理解できるかなと思えます。

  おまけ
 この記事書く前に友人へこの話題を振った際、こんな会話がありました。

「そもそも鴻海のトップは政商で中国政府にも近い。えっと名前は……レリー・ゴウだっけ?」
「似てるけどちょっと違う!」

鴻海によるシャープの買収について

 既にあっちこっちでニュースになっているのでニュース記事リンクを貼りませんが、本日シャープので開かれた取締役会では、台湾の鴻海精密工業の出資を引き受ける方針が決定されたとのことです。かねてから官制ファンドこと産業革新機構と鴻海のどちらの出資をシャープは引き受けるのか議論されており、先週まではほぼ産業革新機構側の案でほぼ決定と言われながらも鴻海がこの度出資額を6000億円強にまで引き上げたことから、見事に逆転ホームランとばかりにこのディールを物にしました。この鴻海によるシャープの事実上の買収について私の意見を述べると、シャープにとっても日本にとっても一番望ましい形に落ち着いたんじゃないかと考えております。

 私が何故このような意見を主張するのかというといくつか理由がありますが、一番大きなものとしては、取引として考えるのであれば高い値段を出した側が勝つべきだという商売原則上の正当性です。産業革新機構はうろ覚えだけどシャープの出資行に対して2000億円の債務放棄を行わせた上で1000億円程度の追加出資で合計3000億円のバリューを提示したと報じられているのに対し、鴻海が今回出してきたのは6000億円強と実質二倍です。もちろん金額が大きくとも再建案に中身が無ければ意味はないですが、それにしたってお金はあるだけある方がいいに決まっています。なお私の友人は以前、「お金イコール幸せじゃないけど、幸せになるためには最低限お金が必要だよ」と言ってました。
 そしてシャープに出資する銀行団にとっても、返済期限の引き伸ばしなどの要求はあるかもしれませんが産業革新機構と比べると債務法規することが無くなり、言うなれば銀行側は2000億円の融資残高を捨てずに済みます。銀行団からすればこの上なくありがたいでしょうし、日本全体でも2000億円のキャッシュフローを潰さずに済むのだから、平等性という点から考えると私は前から鴻海案の方が理に適っているように考えていました。

 次に再建案の中身です。鴻海案ではあくまで自力再生を図るとのことで収益の見込みがない太陽電池部門のみを切り離した上で、シャープブランドを存続したまま再建に取り組むとしています。目下の大赤字部門である液晶部門についてはシャープの顔であることから切り離しはしないとのことですが、鴻海は液晶パネルを使用する携帯電話やパソコンなど電化製品を作るメーカーでもあるので垂直統合の効果は確かに得られるしその点ではいくらか期待はできます。
 逆に産業革新機構案は液晶部門を切り離して国内競合のジャパンディスプレイに統合させるという計画でした。しかし腑に落ちないというか非常に癇に障った点なのですが、仮にジャパンディスプレイと統合させるとなると同社の液晶パネルの国内シェアは確実に八割を超すと見られ、その場合に独禁法は適用されないのでしょうか。国策だからとかそういうもんではなく完全に市場を独占させていいものか、また日本国内はよくても海外市場で独禁法が適用され合併が認められない可能性もあり、合併手続きが長引く恐れもあることから私はこの案に対して非常に疑問を感じていました。それ以上に一切この手の話をしないマスコミには驚きを通り越して呆れていましたが。

 また液晶部門の切り離し自体は別にいいと思うし再建案としてはよくわかる内容なのですが、昨年にシャープの銀行団が出した再建案は液晶どころか不採算の太陽電池部門も切り離さず、むしろその太陽電池部門を強化して収益を再建するという、どこの馬鹿が考えたクソ案だと言いたくなるようなひどい内容が出されていました。産業革新機構入りとなるとまた銀行団が口を出す恐れ、もといセンスのない経営者がでしゃばる可能性も感じられたために、それだったらグローバル市場で戦ってる外資経営者の方が絶対にマシだろうという確信がありました。

 ここで一番最初の平等性についての話に戻りますが、鴻海の買収話が出るやネット、っていうか普通にマスコミも、「海外に技術流出する恐れが……」などと否定的に書き立てていました。断言してもいいですがこのようなことを主張してた連中は本気で技術流出を懸念しているというより、ただ単に外国企業によって日系企業が買収されることにアレルギーを持っているだけでしょう。
 そもそも、今のシャープに流出するような技術があるのでしょうか。イグゾーだがイクゾー(ナイトハルト殿下)だか知りませんが、店頭に並んでいるテレビの液晶を見て一目でシャープの液晶だと気づくような人はいるのでしょうか。なんだかんだ言いつつLGとかスカイワース、TCLなども技術上げてきているし、パッと見だと区別つかないんだからシャープの品とか技術が特別だと言われても疑問符が付きます。おまけに、ジャパンディスプレイは来年あたりからとんでもない液晶パネル作ると言っているし。

 これはこの件に限るわけじゃないですが、日本はもっと市場を外国に開放するべきだと思います。外資というと毎回悪者のようにされて批判されますが、その外資によって、むしろ外資でなければ救えない会社や従業員だっているのです。りそな銀然り。
 自分なんか中国にいるから特に強く感じますが、やっぱり会社にも多様性があった方がよく、日本式経営ではなく米国式、中国式、インド式経営の方が肌に合う労働者もおれば相性のいい業種だってあるだろうし、外からの新鮮な風を受け入れる形で今回の鴻海の買収劇もはっきりとした結果が出るまでゆっくり見守ってほしいというのが偽らざる私の信条です。

  おまけ
 今日のニュースにあった、ガチャピンの光学迷彩には本気で爆笑しました。