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2019年4月9日火曜日

紙幣新デザインについて

 この前ニトリ行ったら売れ残った加湿器が安売りされてましたが、今冬に限ってはガチで除湿機を買うべきかどうか悩みました。実際4月に入って以降、湿度は12~3月の頃より下がってますし、70%超える日もなくなりました。っていうかマジ今年の冬はおかしかった。

 話は本題に入りますが、紙幣のデザイン変更ニュースが話題となっています。人選に関しては私の見方だと無難かつ適切だと思え、渋沢栄一を持ってくるのは自然な成り行きかと考えます。あと一分で何故変えるんだとか無駄金だとかいう人もいますが、偽札対策のことを考えたら変えるのが当たり前で、実際に今日も台湾で大量の偽一万円札が見つかったというニュースが出ています。文句をいうのはそれぞれの勝手ですが、どうせ口に出すならもっと面白くて建設的なこと言えよなと思います。

 話を戻すと、紙幣デザインに使う人物に関しては昔に友人とも話題になって誰がいいかという風になり、最終的には日ハムや巨人で活躍した小笠原道大選手(ヒゲ有り)がいいという結論に落ち着きました。それにしても思い返すにつけ、統一球最大の被害者だろうなこの人。
 改めて今回考え直したところ、やはりこのところは明治以降の人物に限定されていますがもっと遡っていいのではないかと考えたところ、最初に浮かんできたのはマッカーサーでした。まぁ日本にとって必要な改革をバンバンやり遂げた人には間違いありませんが。それ以外となると、渋沢栄一に連なる人物として田沼意次が浮かびます。田沼意次の紙幣で賄賂送ったらいろいろと楽しめそうです。

 そのほか好きな人物を選んでいいんだったらやはり、水木しげるが一番に来ます。っていうか生誕100年に当たる2022年には何かしら記念紙幣を出してほしいです。八百万の神様にかけて水木しげる800万円札(妖怪銀行券)とか出たら、国債でも構わないから借金してでも私は買うでしょう。
 このほか文化人枠なら不倫を文化にまで高めた石田純一氏とか、国際的な知名度を考え安藤広重とかも有りでしょう。

 あと、ガチで選ぶとしたら立花宗茂を推します。理由は全国に名を轟かすほどの猛将であるのと、関ヶ原の合戦で領地をまるまる失いながらその後見事本領復帰を果たしており、七転び八起きを実践した点からも、今後の日本の目指すべき姿と重なるためです。

2019年4月7日日曜日

フランカー(゚∀゚)


 昨日からも書いている通りハセガワのSu-35S、通称セルジュコフカラースキーム・フランカーと呼ばれるプラモを作りました。このキットは去年に発売されたばかりのもので、通っているプラモ屋でも、旧共産圏の戦闘機は人気なためか入荷していたので、自分もこの度買ってみました。


 上の写真は以前に作ったSu-34・フルバックです。同じフランカー系列の期待ですがこちらは前述爆撃機ということもあって今回作ったフランカー(後ろ)と比べると、フルバックの方がかなりでかいです。
 逆にと言うか、前回フルバックを作ったときはでかすぎてあまり愛着を感じなかったのですが、スリムなフランカーは素直に好きになりました。

清明節なので草団子と比較 

 実を言うと前回、スバル・サンバーという軽トラのプラモを作ったものの技術不足から完成に至らず、少しプラモから離れようかと考えるくらいショックを受けていました。ただ三連休で何もしないのも何だし、改めてフランカー作りたいと思って今回買ってみましたが、買う前からキットがタミヤ製じゃなくハセガワ製だから難しいかもとやきもきしてました。

草団子(左)とフランカー(真ん中)とF-16(右) 

 ただ実際作ってみたところ、最新のキットであることも大きいでしょうが思っていた以上に組みやすく、割と短時間で完成に至りました。パーツ同士の合いも非常によく、説明書もわかりやすかったので太鼓判の押せるキットです。

裏から見た形

 作ってみて感じたこととしては、現役戦闘機としてはぶっちぎりなくらいにでかい機体なだけあって、平気の搭載量が半端じゃないです。上の写真を見てもわかるとおりに翼だけでミサイルを計8本も載せられ、更に真ん中には今回付けませんでしたが増槽(追加タンク)も搭載可能と、桁外れな武装量を誇ります。

 あと、これまでのフランカーの代名詞と呼ばれた前翼(カナード)はこのタイプからとっぱらわれています。なぜかって言うとこのフランカーからエンジンの噴出口が推力偏向ノズルといって、状況に合わせてノズの向きを変えられるようになり、カナードがなくても縦横無尽な機動力が確保できるようになったためと説明されています。
 上の写真だと少し分かりづらいでしょうがこのキットでも推力偏向ノズルは再現されており、噴出口のパーツは水平に向いたものと、やや斜め内側下向きに傾いたパーツの2種類が用意されています、自分が採用したのは後者で、写真でも少し内側を向いています。

2019年4月6日土曜日

甲子園記事の裏側

甲子園DVDから見えてくる高校野球の不思議な世界(JBpress)

 先週は本気で倒れそうなくらい忙しかったので全くかけなかったこの記事の裏側について書きます。ちなみにフランカーは無事作り上げ、明日に武装つけてステッカー貼るだけです。
 あと先週は本気で仕事が忙しく、残業時間はそれほどでもないもの仕事内容が常に9回裏みたいな緊張感強いられるくらい集中の必要な作業であることから、これまでやってきたどの仕事よりも疲労感が高いです。幸いというか、昨日は二回も昼寝を取ったことから今日になって体調が劇的に良くなりました。

 話は本題に入りますが、この甲子園の記事は以前ブログで高野連を批判した際に友人から、「もっとやれ」と言われ、「高野連の財務諸表とか見れたら面白いんだけど」とつぶやいたら速攻でリンク送られてきたので書き始めました。見ての通り取材料は半端なく、先月の国際電話料金は高くつきました。
 しかし配信後の結果はあまり良くなく、アクセスは壊滅状態、ツイッター等につぶやかれることもほぼなく記事としては失敗しました。友人からはタイミングが悪かっただけだと慰めてもらいましたが、結果が第一の世界に置く身としてはやはり反省せざるを得ないところです。

 ただ、配信前の段階でこの記事は多分受けないだろうという予感はありました。その理由というのも私の記事の場合、記事への反響は取材量の多さに反比例する傾向があるからです。これまでも派遣マージン率や職場受け取り事情の記事で取材範囲を大きく広げたことがありましたが、こういった記事ほどあまり反響は良くなく、逆に何も取材せずに思い付きで書いた記事ほど大反響となるパターンが多いです。
 こうした傾向は何もジンクスというわけではなく、そうなるべき理由も確かに存在します。単純に取材量が多いと記事内容は複雑化し、読む側としては負担が大きくなります。そのため周りにも言っていますが、取材記事を書く際に何が重要かというと、いい取材内容を得ること以上に無駄な取材内容をそぎ落とす作業だと日頃考えています。まぁそれが出来なかったんだから今回外したんだけど。

 取材時の裏話をすると、今回は高野連事務局、朝日放送、毎日放送へ取材を行っていますが、意外だったというか一番取材対応が良かったのは高野連でした。最初に電話をかけたら事務責任者が不在とのことでまた明日かけてくれと言われたのですが、メールで質問まとめて送るから担当者のアドレスを教えてほしいと頼んだところ、「でもそれってそちらの都合ですよね(^ω^)」と結構痛い切り返しのされ方され、ぐうの音も出ませんでした。
 仕方ないので言われたとおりに翌日電話をかけたら予告通りに責任者がいて、電話もすぐ繋いでもらえました。でもって質問にもよどみなく迅速に答えてくれて、こっちとしては気持ちのいい取材でした。

 一方、テレビ局というかマスコミ二社はひどいもいいところでした。記事中にも書いていますがどちらも質問には回答せず、毎日放送に至っては都合のいいように質問を解釈して聞いてもない内容を回答として出してきました。でもって突っ込んだら、「忙しいのでお宅ばかり相手にしてられない」と言って対応を拒否してきました。
 実は最初、夏の甲子園DVDを作っている朝日放送だけ取材すればいいかと思って毎日法曹は無視する予定だったのですが、一番答えなさそうだと思っていた高野連から契約内容とか聞きだせ、朝日放送が完全回答拒否してきたから、毎日放送の見解も聞いといた方がいいだろうと思って追加取材を決めました。そのため毎日放送には接触の段階から、「別方面への取材から事実背景については既に大方把握している。契約など最低限の事実認定さえしてくれれば悪いようには書かないよ」と好意から教えてあげたのですが、どうも毎日放送の担当者はこれを挑発と受け取ったのか、「おたくの取材姿勢は正直不愉快だ」と、広報なのに自ら火の粉を振りまいてきました。

 それどころかやり取りの中では、「うちは既存メディアだけではなくウェブメディアなどの新興メディアも相手してやっている」、「ウェブメディアの人とも仲良くしようと思ったのですが無駄でしたね」などと、やたら既存メディアと分けて、っていうかウェブメディアを見下すような発言を何度も繰り返してきました。そもそも自分はフリーの立場でJBpressの専従者でもないのですが、なんか勘違いしているなと思うとと同時に、大丈夫かここの広報と疑問に感じました。
 内心というかこういう会社だろうなという予感は普段の放送を見ていて最初からあり、だからこそ当初取材対象に入れていなかったのですが、ちょっと挑発して左右に振ればどんどんぼろを出しそうな広報で、見ていて不安です。っていうか偉そうなこと言う割にはマスコミなのに取材に何も答えないってのはどうだろう。

 このほか余談を書くと、何気に自分の祖父は高野連の理事を務めていたことがあったりします。なのでこの取材の最中、ちょうど「金田一少年 犯人たちの事件簿」とか読んでたこともあって無駄に「じっちゃんの名に懸けて!」などと呟いてました。まぁあんま祖父とは年も離れてたので交流はなかったんだけどね。

2019年4月5日金曜日

産経の中国批判記事への逆批判

 フランカー作るのに忙しいので、先日友人から来た質問への回答をそのまま流用します。

【田村秀男のお金は知っている】中国「6%成長目標」は真っ赤な嘘なのか 信憑性を検証(産経新聞)

 上の記事は産経新聞上で連載されているコラムなのですが、この記事で中国経済、特に建設投資に関する発表は嘘っぱちなのではという主張が展開されており、この主張は事実なのかと友人から尋ねられました。
 実はこの記事、掲載当初に私も読んでいて、このブログでも取り上げようかと考えたもののその時は見送った経緯がありました。それが思わず友人から直接尋ねられたので驚くとともに、やっぱきちんと解説したほうがいいのではないかと思ってこうして書いています。

 さてまずこの記事ではどんな主張が展開されているのかざっくりまとめると、

<固定資産投資(建設投資)が伸びているのにセメント生産量が減少している。
→だからデータは偽装だ!中国の経済成長は嘘だ!>

 という主張が展開されていますが、まず考えてほしいのはセメントの増減は建設投資と完全にリンクするのかです。というのもセメントに関しては生産量データが使われているのに対し、建設投資は金額で測られています。スパッと言うと、セメントの使用量が減った(≒建築面積)としても、土地取得費や鉄骨といった資材費など、建設費に含まれるほかの費用項目が高騰していたら、結果的に建設量が変化しなくとも建設投資は増加(≒成長)することとなります。
 特に中国では近年、日本以上に人件費が高騰しています。セメント価格なってよっぽど逼迫しているのなら話は別ですが普通そんな変動するとは思えず、建設作業員の人件費、あと不動産(建物)の取引価格が高騰しているのなら、セメント生産量が減っっていたとしても建設投資額は増えることも十分有り得るかと思われます。

 ただそれ以前というか、とりあえず下記アドレスを開いてください。

2018年全国水泥产量21.77亿吨同比增长3%(東方財富網)

 こちらは中国セメント協会発表の、中国国家統計局調査に基づく2016~2018年における毎月のセメント生産量データ(一番上)です。見てもらえば分かる通り、春節による季節変動を受ける1、2月を除くと、2017年後半から減少トレンドに入っているもののその下がり幅は前年比5%未満と小さく、ほぼ横ばいと行っていい程度で、また2018年下半期からは再びプラス成長に転じています。でもって、2018年通年では同3.0%増と報告されています。
 一方、産経の記事グラフを見ると2017-2018年でマイナストレンド、右肩下がりとなっており、中国の統計とは真逆の結果となっています。なお、産経のグラフは年次であるのに対し、中国の統計は月次で、統計偽装の何度で言えば年次に対し月次は跳ね上がります。

 無論、結果が真逆のデータが二つあることからどっちかが間違えているということになるのですが、最初のセメント生産量が建設投資に完全リンクするという主張からして無理があると思うのと、中国のデータのほうが月次で細かいという点を加味して、私としては中国のデータに肩を持ちます。

 このように、この記事に関しては前提となるデータからして間違っている、とまでは言わずとも議論の余地があります。しかし仮にそれを指摘したら、「中国の統計の方が弄くられているんだ!」と反論されて話にならないのが目に見えているので、前回は記事化を見送った背景があります。
 そもそも産経はあからさまに中国を敵視して、これまでにも根拠のあやふやなネガティブな記事を量産しており、私自身もかねてからその姿勢に関して疑問視しています。なので友人には、日経メディア、特に産経に関しては中国報道をあまり鵜呑みにしないほうがいいというアドバイスを行いました。中国報道で比較的信用できるのは日経ですが、それ以上にどこがというより誰が書いているかのほうが案外重要なのかもしれません。中国批判で飯食っているライターも少なからずいるだけに、誰がこれまでどんな記事を書いてきたのかを見るのも割と重要だということを最後に添えておきます。

2019年4月2日火曜日

元号記事エクスプレス

 っていうかマジ倒れそう……。

特撮オタクも! 中国人が日本の新元号に大興奮(JBpress)

 昨日に甲子園のDVD販売について記事を出しましたが、今日も二日連続で上記記事を出しました。理由は簡単で、緊急オーダーに対応したためです。
 もともと、編集部から何も言われなくても需要があるだろうし求められるだろうと考えていたことから、日本の新元号に対する中国の反応というテーマで記事を書いて、「もしよければ使って」といって出そうと考えていました。そう思っていた矢先に昨夜帰宅してメール見たら「なにか書いて♪」と依頼が来ていたので、そんじゃやるかと調べて書いてすぐ出しました。

 あらかじめ記事を書く腹づもりと言うか覚悟はあったものの、ネタとなる中国の反応は元号が発表されなきゃ出てこないわけで、準備の類は一切ありませんでした。そのため、帰宅して雑炊作って食べてパソコンに向かった夜8時からネタ探しから執筆まで一からやって、10時半までの約2時間半で一気に記事を書き上げました。
 記事を書くにあたって重視したのは、とにもかくにもネタが被らないようにするという点でした。中国側の反応については他のメディアも昨日夕方の時点で数多く取り上げており、一夜明けた今日にもたくさん出ることが予想されたため、仮に内容が被ってしまったら記事が埋没する恐れが高かっただけに、他の連中がまずは書かないであろうというポイントを意識して選びました。

 編集部からは依頼にあたって、初めて中国の古典以外から引用がなされたことへの反応などについて書いてほしいと言われたので、一応まずはこの点に触れることとしました。ただこの点については他の日系メディアで既にたくさん報じられていたので普通に書いては面白くなく、そこで思いついたのが中国外交部報道官への質問でした。
 記事中にも書いていますが中国メディアから外交部へこの点が質問されており、しかも一回ノーコメントと言ってるのに再び質問されたというやり取りがあり、それだけ中国メディアも関心持ってるということを紹介するのにいいなと思ったのでここを拾いました。

 続いて拾ったネタとしては、「令」と「和」の漢字意味についてでした。なんとなく他のメディアの報道を見ていると「令和」とひとくくりの単語で意味を推測、当てはめようとする報道が多かったように見え、中国の掲示板でちょうどそれぞれの個別の意味について議論があったのでここを引用し、その上で「一見すると女性っぽい印象のする年号」という友人のコメントを引っ張ってきました。
 なおその直後に「和」の漢字は中国語で柔らかいといった意味を持つと書いた直後、「柔な印象を受ける」と書いて、「和」の漢字には「柔」という漢字の組み合わせがあることを敢えて強調してみせました。まぁ中国語に限らなくても「和」が柔らかいという意味は日本語にもありますが。

 その後、中国の古典に関する意識や教育について、多くの日本人はないがしろにしていると誤解していることが前から気になっていたので、実際には大学受験とかでも要求されて割りと勉強しているというエピソードを、ちょうどいいので載せました。その後の日中共通の使用元号も、ネタ探し中に見つけた解説でしたが自分好みのエピソードだったので入れました。

 そして最後ですが、実質的に今回の記事で最大のストロングポイントとなった令和ウルトラマンの話を持ってきました。一応言っときますがこの話は作ったわけではなく、実際に中国人がネットに書いていたのを見つけ、ひと目でこれは絶対に記事に入れようと思ったくらい興奮しました。
 この話の何がいいのかと言うと、日本人を含めまだ誰も「令和〇〇」の話をしていなかったからです。「平成ライダー」、「平成ガンダム」という言葉はよく使われていて実際に認知されているものの、この言葉の発展形に当たる「令和〇〇」は昨日の時点で私が確認する限りは誰も言及しておらず新鮮味があるのと、「令和ウルトラマン」って書くとなんか公家っぽい響きがして印象に残るはずだと考えたわけです。

 なおこの手の元号と合わせた呼び方では上にも書いた通り「平成ライダー」こと仮面ライダーのほうがメジャーですが、敢えて記事中では触れませんでした。これは触れずとも「令和ウルトラマン」を見れば仮面ライダーを連想する人は多くいるだろうし、むしろ敢えて書かないことで「令和ライダー」って言葉を話題にしたくなるだろうと考え、話題を広げさせるよう仕向けました。Yahoo記事へのコメントを見ると実際にこの計算は当たってたのかやはり「令和ライダー」について言及する人も多く、うまく読者のイメージを醸成できたのではないかと考えています。

 ざっとこんな感じで今回の記事は書き上げたわけですが、唯一の問題はタイミングでした。というのもこの時期、年で二番目くらいに仕事が忙しい時期で、昨日は記事書くだろうと思って残業はしなかったものの就業時間中はフルパワーで稼働しており、体力的には結構来てました。でもって今日は昨日早く返った分だけ残業する羽目となり、帰宅したのも9時過ぎで、今こうやって記事書いててなんか視界霞むし体の節々が痛いです。まぁ今週過ぎたら多分楽になるだろうからまだいいけど、夏場は多分、もう桜の花を見ることできないくらい忙しくなりそうです。

2019年3月31日日曜日

日本の人手不足はいつから始まったのか

 つい最近、それこそここ2年位で人手不足が大きく日本で騒がれるようになりましたが、結論から言えば日本の人手不足はバブル期途中の90年代からすでに始まっていたと私は思います。

 何故そういうのかと言うと、90年台において既に労働力を国外から補充していたからです。具体的には悪名高き技能実習生制度、それと日系ブラジル人移民の受入です。後者は血統主義の観点から日系ブラジル人に限定されましたが実際には審査は曖昧で、旧日本国籍の血縁者でない人間も少なからずいたといいますがそれは置いといて、このように国外から度々労働力を補充し、いわゆる3K労働を支えていました。
 加えて言えば、90年代当時に置いて仮に大学生アルバイトがいなかったらどうなっていたのか。検証するまでもなく、ほぼすべての小売、サービス業は店舗運営が成り立たなくなっていたでしょう。日本では大学生がアルバイトに従事することはさも当たり前のように扱われますが、中国にいる身からすると、大学生すら労働力として扱わなければならないというのはむしろ異常に思え、彼ら大学生に依存していた時点で日本は大幅な労働力不足が続いていたと思うようになってきました。

 またポスト大学生こと90年代中盤からはフリーターという職業が生まれ、定職ではなくアルバイトを継続、点々とし続けるライフスタイルも生まれましたが、これは単純に労働単価の切り下げの末に生まれた結果と言えるでしょう。その上で、アルバイト故に職業訓練の継続、定着が悪化したことで、労働生産性をこれ以降大幅に下げることとなったのではと思う節があります。
 ここ数年でデービッド・アトキンソン氏の指摘により労働生産性の向上の重要性が二本でも叫ばれるようになりましたが、本来この議論は90年代初頭より行い、人口減少の背景を考慮に入れて向上策を忠実に実行するべきだったでしょう。しかし実際はさにあらず、むしろ逆に弥縫策とばかりに外国人労働者を一貫しないまま導入するなどして労働生産性を下げた上、労働生産性の向上に取り組まない業者を延命させ続けました。その結果が現在だと私は見ています。

 要するに何が言いたいのかと言うと、人手不足を議論する時代はもう既に終わっているのではないかということです。じゃあ何を議論するのか、生産性向上なのかという意見もあるでしょうが私の意見は異なり、そういうのはもういいから生き残りだけを考えたほうがいいのではという結論に落ち着きます。

2019年3月30日土曜日

仲間を呼ぶ中国人アルバイト

新入社員時代の「恥ずかしい思い出」、変な敬語で笑いもの、大遅刻…(ダイヤモンド)

 この記事で無駄に過剰な敬語を使った女性社員に「A式部」ってあだ名を付けた会社はいいセンスをしていると思います。

 話は本題に入りますが、先月日本に帰った際にとあるところで中国人アルバイトについて話を聞きました。その商工関係者によると同じ中国人アルバイトでも、国立大学などに通う留学生は非常に物覚えもよく優秀なのに対し、語学専門学校通いだとか、その多目的での来日者は留学生と比べてポテンシャルで落ちるようです。留学生であれば日本人をも上回るくらいのポテンシャルを発揮することもあり、地方の商工関係者からしたら非常に望ましい人材だとして重宝されていると教えてくれました。

 それともう一つ、中国人留学生をアルバイトに雇う上での地味に大きなメリットとして、彼らはドラクエのマドハンドよろしく仲間を沢山呼んでくれるそうです。
 アルバイト経験者ならわかるでしょうが基本どの現場でも人手は不足し、また退職者などが出るとその穴埋めには苦労します。その点、中国人アルバイトであれば友人知人の横のつながりが強いだけに一人雇うとガンガン仲間を呼んでくれるそうで、これが雇用側としては非常にありがたいオプションとなっているという現状を教えてくれました。

 論理的にもよく分かる話だし、中国人留学生がそのネットワークでアルバイト先を紹介し合うという話は自分もかねてからよく聞いていました。またこの話を聞いた直後に私が世話している中国人留学生にも話を振ったところ、「自分もこれまでに何度も紹介したことがある!」と胸を張って主張してきました。
 そういう意味では今に始まるわけではありませんが、外国人留学生の日本の労働現場における重要性を改めて示された感じがします。それと同時に、改めて考えるにつけ、日本の人手不足はいつから始まったのかという点が少し気になりました。この点についてはまた次回にて書きます。