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2022年3月18日金曜日

プーチンが本当に取り返したいもの

 昨日の記事で私は、プーチンが本当に狙っている、目的としている領土範囲に旧東ドイツの領土が含まれていると書きました。この理由について書きますが、あくまで素人の妄想じみた意見として取り扱いください。

 なんでこんな風に思うのかというと、プーチンの経歴と性格、そして態度などを見てそう感じるからです。まず経歴ですが言わずと知れたKGB出身で、なんでも子供のころからKGB入りを夢見ていたそうです。念願かなってスカウトを受けてKGBとなったわけですが、ソ連崩壊のきっかけにもなったベルリンの壁崩壊時、ちょうど東ドイツのその現場にプーチンはいたそうです。
 割とこの時の体験はかなりのトラウマだったらしく、本国に何度も軍隊を送り込め、暴徒を鎮圧しろと言っていたにもかかわらず黙殺され、いろんな人間が彼のターニングポイントになった事件だったと指摘しており、私自身もそう思います。

 次に彼の性格についてですが、一言で言って執念深く、非常に自分の評判を気にする性格であるように見えます。過去のロシア国内におけるテロ事件などに対する発言を見ると、テロリストらに対し感情をはっきり込めてマジギレしており、やられた分は必ず報復し返さないと気が済まないような人間に見えました。過去を水に流して、なんていうとそれこそさらにヒートアップしそうな印象があり、和解するには最低でも、向こうに殺された分だけ向こうの人間を殺し返さないと絶対に応じないような人間だと私は考えています。
 それくらい過激な性格なのですが、意外とナイーブなのか自分の評判をかなり気にする素振りも見えます。この辺は大統領の座を一時下りていた頃にやや顕著だったと思うとともに、自信を批判したジャーナリストの多くが不審死、っていうかほぼ確実に暗殺されていて、国内に厳しい報道規制を敷く点などからも、このように感じます。

 上記のような要素に、やはり赴任地で思い入れもあったのか、ドイツに対する態度がなんか柔らかいと感じることも多いです。もちろん打算からそうした態度を見せていただけなのかもしれませんが、日本や米国などと比べても対ドイツとなるとなんか全然表情も変わってくるように思え、どことなくドイツに対し深いシンパシーを持っているように見えました。

 以上の要素を総括し、またロシア人全体として王権神授説のような、上に立つべきものはそのような神の決めた運命が初めからあるという神秘的価値観も匂わせることから、旧ソ連の影響範囲を取り戻すことが自分の生れて来た意味だと考えている節があります。尚且つ個人的に思い入れのある東ドイツに関しては、西側に「奪われた」と考えるならば、プーチンの性格からして取り返さない限りは絶対に納得しないように思え、今回はウクライナが狙われましたが、最終的にはポーランドも丸ごと取り込んで衛星国化し、長期的には東ドイツまで切り取ることを狙っていたのではないかと自分は考えています。
 そうした観点からすると、仮にウクライナの併合を認めたところでプーチンの野心が止まることはなく、むしろさらにエスカレートしていたと思います。恐らくこの次はグルジアやバルト三国で、その後でポーランドやルーマニア、ハンガリー、ポーランドときて東ドイツまで影響を及ぼす気満々だったと考えています。

 そういう点も踏まえて言うと、仮に今起こっているウクライナ戦争が終了したとしても、プーチンが残っている限りは火種は残り、仮にその座に残ることを米欧が認めた場合、かつての中東戦争後のフセインのような存在になるのではないかという気がします。従ってもし停戦協議をするならば、最低でもプーチンのロシア追放まで仕向けないと将来の禍根を残すことになるようにも見えます。
 とはいえ、戦果を止めることが何よりも優先されるため、実際にはこの条件を米欧やウクライナは出すことはできないでしょう。無論、出さずとも国内反発を受けてプーチン政権が崩壊する可能性も十分あり得ますが、何が起こるかわからないロシアのことだから、そういう楽観視はよした方がいいのではとも思う次第です。

2022年3月17日木曜日

プーチンが狙う領土版図

 半隔離中なので今日もずっと自宅でお仕事してたのに、やけにおなかすいて晩御飯は作り置きのシチューとごはん1合食べたけどまだ足りず、チャルメラ1杯と草団子食べたらおなかすぐ下しました。食欲にいがついていっていない。
 昔から胃が弱く占いでも胃腸の病気で死ぬとしのせんこく喰らっているので今更ですが、学生時代は結構普通にごはん3合とか食べてたこと考えると、状況次第でどうとでもなる気がします。

 話は本題に入りますが、ロシアとウクライナの戦争では以前とウクライナが持ちこたえ、逆にロシア軍が明らかに進行速度を落としています。もっともこれはロシア軍が戦闘能力を失ったと即判断できず、次の攻勢に向け準備しているだけの可能性もあるだけに、依然楽観視はできないでしょう。
 とはいえ、義勇兵が続々とウクライナに入っており、恐らく米英の現役特殊部隊も身分を偽って入っているであろうことから、マジでこのままウクライナが勝つのではないかという風にも見えてきました。

 そんなウクライナ関連ニュースが今も報道の大半を占めていて、各コメンテーターもウクライナと無関係なのにあれこれコメントしています。自分が見る限りでは、東国原氏はロシアの問題と絡めて中国の動向にも言及し、尚且つひあっく的筋の通った論理を展開しているので、このところ見ている中では一番共感できるコメンテーターとなっています。
 逆に橋下氏に関しては、はっきり言って何を言っているのか理解できない水準にあり、全く共感が持てません。誰かも言ってましたが、中国や北朝鮮がいきなり日本にミサイル打ち込んできて、韓国人が「日本は早く降伏すべきだ」なんて言って納得する日本人がいるかという話でしょう。これ以外のコメントもあまり実情に即していないように感じます。

 そのウクライナ関連のコメントでは、ゼレンスキー大統領は有能か無能の議論が比較的大きいと感じます。私自身はウクライナの敢闘は彼なくしてあり得ず、また主張もロシアの脅威を訴え続けていることで一貫しており、事実そうなっているということからも有能論を推しています。
 一方、無能論を唱える人は、ロシアの今回の侵攻はゼレンスキー大統領がNATOに加盟しようとしたことが最大の原因であり、彼自身の隣国を無駄に刺激する政治センスのなさが今回の戦争を生んだという主張をよく見ます。しかしこの点について、私は異なる見方を持っています。

 そもそも、ウクライナがNATO加盟に至った経緯は、2014年のウクライナ東部への進駐に端を発していると私は見ています。この際にドネツク、ルガンスクの二つの自治州がロシアの傀儡として生まれましたが、この時点でロシア、というよりプーチンはゆくゆくはウクライナ全土の従属化、衛星国化を企図していたとみて間違いないと思います。
 むしろ、そうは考えられない根拠があるなら自分は教えてほしいものです。

 突然国境沿いの地域に攻め込んで領土を切り取るような行為をしてきたのだから、自国防衛を検討するのはむしろ当たり前で、そういう意味ではゼレンスキー大統領がNATO加盟に動いたのは将来への予防として適切な判断だったと思います。実際にロシアは今の様に攻め込んできたのだし。
 逆にNATO加盟に動かなかったらどうなったのか。恐らく攻め込むタイミングは現実より遅れたかもしれませんが、それでもいつかタイミングが来たと判断されたらロシアはウクライナに攻め込んできていたと私は思います。

 またこうしたプーチンの思考について、ウクライナやベラルーシなどスラブ系民族が多い地域はロシアの庭と考えており、他の地域はともかくこれら地域がロシアに反抗的な態度を取るのは我慢ならず、また直接的な影響力を行使したがっているという分析もよく見られます。なので、ウクライナ以外の、具体的にはポーランドやハンガリーまでの野心はないのだから、ウクライナまでならくれてやれ、その方が世界全体の安定にいいというような意見まで言う人もいます。

 この意見に関しても自分は別の見方を持っています。結論から言うと、あくまでロシアを専門的に研究していない一素人の意見であると踏まえて言うと、プーチンは旧東ドイツまでロシアの支配権を拡大しようという野心を持っていると考えています。長くなってきたので、続きは次回にて。

 なおこの前、二人の同僚がフュージョンして「佐藤、鈴木→鈴藤」みたいになる夢を見ました。あとプーチンに関しても後世、「プーチンの野望」みたいなゲーム出るのかなと空想してました。

2022年3月15日火曜日

封鎖措置下の上海

年金受給者に5000円の給付金が唐突に提案される…国民の玉木さん「賃金上昇の恩恵が受けられない若い人にも配らないとおかしい」(ハムスター速報)

 真面目に上のニュースを見た時はわが目を疑いました。マジでここ5年間で言えばアベノマスクと並んで、「本気で日本はもう落ち続けるだけかもしれない」と感じる内容でした。誇張ではなく、この案に提唱、賛成する人間は将来の禍根にしかならず、この後生きていても人の足を引っ張り続けることしかしないと思えます。

 話は本題ですが、ウクライナ問題のせいで全く報じられませんが、今中国で「バイオハザードアウトブレイク」みたいな状態になっています。
 ちなみにゲームの方のバイオハザードアウトブレイクは初代からコード・ベロニカまでのラジコン操作方式の作品に連なり、本編以上に武器弾薬が制限されるなど地味にめちゃ難しくて怖いゲームでしたが、一番怖いのはタイラントですら平気で薙ぎ倒すラクーン市民たちだというゲームでした。

 話を本題に戻しますが、中国で広まっているのはTウイルスではなくコロナで、上海もこの2週間くらいは数人から数十人単位ですが、毎日新規感染者が出ています。日本と比べたら些細な数字ですがこれまでは実質的にゼロコロナをほぼ達成していただけに、明らかに前とは異なる状況です。
 こうした状況を受けて上海市でも不要不急の外出が制限され、商業ビルを含む多くの施設で営業停止命令が出たため、自分も昨日から自宅で仕事しています。また急に団地閉鎖とかにあったらまずいので、昨日は切れかかっていたお米を買うため夜中にチャリで急ぎお米を買いに行きました。

 先ほど知り合いから回ってきた情報によると、私の住んでいるエリアも閉鎖されるのか、「明日から明後日にかけて団地の外には出るな」みたいなお触れが回ってきました。でもって団地内住民はPCR検査を2日連続で受けろとか書かれてありましたが、外国人の自分も受けられるのか、っていうかPCR今までやったことないからマジわかんないみたいな状態でそこそこ面倒です。
 幸い、食料に関しては昨日にお米と一緒にある程度買っており、今日もしばらく食えるようシチュー作ったのであんま困らなそうです。でもって仕事忙しいから時間的に外出する余裕もないので2日間程度なら平気ですが、長引くとなんかいろいろ面倒そうです。何気にこの前買ったゲームも、あんま楽しくなかったから籠っていても楽しくなさそう。

 それにしても昨日今日と自宅勤務で買い出し以外だと一切外に出てないため、時間の感覚がやや曖昧です。昨夜も夜中割と元気であんま楽しくなかったこの前買ったゲームを「(゚д゚)!(゚д゚)」みたいな感じで遊んでましたし、動かない分だけ体力余っている感覚あります。通勤しない分、始業時間ギリギリまで寝られるし。
 ただ体力は有り余っていても仕事は減りません。最近、マジでこの世のすべてが自分を殺しにかかってきているのではないかと思うくらい仕事が多く、無茶な依頼してきた相手に「常識的に考えろよ(・ω・)」とだけ書いたメールをマジで送り返すなど、周囲から止められるくらいメールが刺々しくなってきています。あんま頭使わなくて済む内容だから、疲労はそんな感じないけど時間がともかく足らない。あとゲームしたい。

2022年3月14日月曜日

またヤクザ

ヤクザより凶暴?素人相手に拳銃をぶっ放し青龍刀を振り回す中国人マフィア(JBpress)

 前回の配信記事に続いてまた中国人マフィアについての記事を出しました。なんでヤクザ続いたのかというと、普段の仕事が忙しくて全く取材とかできないからです。なので手軽でパパっとできて、確実にアクセス稼げるのでヤクザにしました。
 どうでもいいけど自分の中でヤクザというと「平成の怪物」が真っ先に出てきます。

 記事内容に関しては追加で解説する点はなく、友人などから聞いた中国人マフィアとの違いをただ羅列しただけに過ぎません。内容で言えば前回の記事は外部専門家のコメントを引用したり、歌舞伎町の昔の姿を紹介したりしている点で今回よりずっと優れており、今回は本当に逃げの一手のような記事に過ぎません。正直あんまり誇れない。

 記事末尾にある中国メディアからの日本のヤクザに関する取材は本当にあったことで、当時中国語で昔と今の日本人のヤクザ観について語り、その語った内容は中国メディアに確か掲載されました。確か当時のブログ記事にも書いていますが、海外メディアの方が日本のヤクザについてかなり突っ込んだ部分まで分析を紹介しており、意外とこういうアングラ系の研究は海外の方が進むのではないかと当時思いました。

 何気にこの辺は専門の社会学の話に入ってきますが、ローカルすぎる文化というのはかえって土着の人間にはその特徴が見えず、外部の異邦人の方が特殊性や傾向に気付きやすい点があり、単純に地元とよその比較をするだけでも研究として成り立ちます。
 先日の記事にも重なりますが、自分も今回の記事を書いてて初めて、「なんでヤクザはスーツを着るんだ?」という疑問にはたと気が付きました。日本で初めてスーツを着て、流行らせたヤクザは誰なんだとかも気になってます。青山商事の人とかに聞いたら教えてくれるだろうか。

 なお現在仕立て中の自分のスーツで、内側の左胸部分に名前の刺繍はいるかと聞かれて、なんか小学生っぽいなと思っていらないと答えたのですが、あとから考えてみたら好きな言葉を入れられるんだったら刺繍してもらえばよかったかもとちょっと思いました。
 具体的には、「Mig-29」とか「Futonga-Futtonda」、「GDP」、「Shigaraki-Yaki」など、見た人間がやばい奴だと感じるような単語入れてもらえば個性が出てよかった気がします。さすがに「Yakuza」はまずいかとは思ったほか、「Yakult」なら飲料じゃなくて衣類だから商標的にもギリセーフかななどとも考えています。

2022年3月13日日曜日

円安が深刻(´・ω・)

 このところ日本のあちこちで値上げラッシュが続いていますが、主原因は原油価格の高騰で間違いないものの、地味に大きな要因として円安の進行もあります。現在1米ドル当たり約117円で、110円前後だった時代が遠く感じる有様ですが、意味にこの円安は自分にとっても深刻です。

 というのも、自分の給与は全額人民元で得ているため、日本円換算だと為替の変動の仕方によってその価値が大きく変わってくるからです。自分のイメージでは1元当たり大体15円くらいというイメージを長らく持っていたのですが、現在のレートだと18.5円になってて、ガチで為替の動きによっては100万円単位で価値が動くようになってきています。
 もっとも円安なのだから自分にとっては有利となるのですが。

 なお自分が最初に上海で新聞記者やってた頃の為替は1元当たり12.5円くらいで、あの頃は日本円換算でガチで年収が200万円切っていました。外国で働くというのは、こうした為替リスクに常に向き合うこととなり、人によっては円安の頃に中国に来て、円高になってから帰任する悲劇のような人もいます。

 以上のような話を友人に昨夜話したところ、「そんなの言ったら、今ロシアに駐在していてルーブルで貯金持ってる人なんかどうなんだよ」と言われました。あっちはリアルで0か1かの瀬戸際であるだけに、人民元で円安どうこう騒いでいる自分がなんか情けなくなりました(´・ω・)

2022年3月12日土曜日

ヤクザスーツ

 とうとう2着しかないスーツの片方のズボンが尻のところで擦り切れたので、さすがにまずいと思ってスーツの調達に動きました。調べてみたら案外家の近くで日系のオーダーメードスーツ屋があると知って、さっそく今朝上海市内の「Suit Story」というお店に行ってきました。

 行ってみたところ、前情報の通り料金設定もわかりやすくまとめられており、店員も日本語で丁寧に対応していただき、これから仕立てに入るので最終入手まではまだ時間がかかるものの、とりあえず現地調達について目途が立ちました。
 何気にオーダーメードスーツ作るのはこれが初めてです。あと採寸の時にふくらはぎを一回測られて寸法出した後、「すいません、もう一回」と言われ測りなおされました。というのも、自分の体型に比してふくらはぎが異常に太かったため、測り間違えたのではと思われたそうです。職業柄からわかるのか、「自転車に乗っているのですか?」と見抜かれていました。

 採寸後は裏地などのデザインについてあれこれ打合せしたのですが、その際相手してくれた日本語使いの中国人店員さんに、「あの、変なことをお聞きしますけど……」と前振り打って、「なんで中国のヤクザはスーツ着ないんですか?」という問いをぶつけました。ぶつけた瞬間、店員さんも爆笑してました。
 この話、次の月曜にJBpressで出す記事でも触れているのですが、日本のヤクザと中国人マフィアの最大の見た目の違いはスーツ着用の有無です。中国人マフィアはどちらかというと日本の下っ端ヤクザが切るようなド派手で威嚇するような服を着ることが多く、折り目正しくスーツを着ることは香港マフィアを除きほぼ皆無です。この点について同僚に「中国のヤクザはフォーマルじゃないよね(´・ω・)」といったらそこそこ受けてました。

 話を戻すと、中国人店員さんによると確かに中国人マフィアはスーツを着ることはないそうです。というより、何故日本のヤクザはスーツを着るが伝統となっているのかが不思議だよねって話になっていきました。
 そこまで面白い話は期待してなかったのですが、この店員さんからはいい情報を得られました。店員さんによると、昔の中国マフィアの大物は基本的に中国の伝統服を着ることが多く、実際に「青帮」の昔の写真なんか見るとそんな感じです。こうした中国の伝統服は色合いなど、中国の皇帝をイメージして黄色が使われることが多かったそうで、そうした皇帝権力をイメージさせるために伝統服を着ることが多く、それが現代の中国人マフィアにも受け継がれてスーツが定着していないのではと言われました。納得感のある説です。

 もっともこの辺に関しては最初に書いたように、日本のヤクザがスーツを一般的に着用するのが変な伝統になっていると考えた方がいいかもしれません。この辺、一体いつからサラリーマン同様にスーツ着用がルール化したのかが気になるとともに、ヤクザが切るスーツに流行とかモードとかあるのかなと気になって仕方なくなってきました。


 さすがにヤクザスーツの歴史については書かれてないものの、流行や、立場的に着るべきスタイルなどについて取材された上の記事が出てきました。靴はクラリーノだとか、やっぱ妙に細かいルールとかあるようです。


 また楽天で検索かけたら上記の様にヤクザ向けなスーツもラインナップに入っています。こういうのを見ると、意外と日本のスーツ業界においてヤクザ向け消費需要はそこそこあるみたいです。
 機能的には恐らく一番求められてくるのは派手さを含む見た目でしょうが、防刃、防弾性能とかも求められてないのかが気になります。っていうかオーダーメードの際に具体的にどんな要求するのか、取材してみたいです。やっぱ「戦いやすい奴で!」とか言われるのだろうか。

 このように妄想を膨らませていたところ、ヤクザスーツのファッションショーとかないのかとまた変に気になってきました。やるとしたら名前は「東京ヤクザコレクション」とかになって、「威厳のある親分」、「頼りいなる若頭」、「仕事のできるインテリヤクザ」、「愛嬌だけで乗り切る下っ端」みたいな各キャラクターに合わせたスーツをモデルが着こなして出てきたりするのだろうかなどといろいろ気になります。ゲストには舘ひろし氏あたりが呼ばれるのだろうか。

 もっともこのご時世だからこんなイベント開けないに決まっているものの、ネタ的な意味で誰かやってみて、モデルもいかついプロレスラーとかが演じたら盛り上がるような気がします。また同時開催として、「東京サラリーマンコレクション」というイベントもやって、「仕事のできない若社長」、「パワハラ癖のある部長」、「異動寸前の課長」、「将来に不安を感じている新人」、「他社のスパイの係長」みたいなキャラクターでスーツを出すイベントとかあったら、自分も見に行きたいです。

2022年3月11日金曜日

時の行者

 先月はやたら購読している漫画の新刊が一斉に発売されたために多大な出費に見舞われましたが、中でも半年に1冊のペースで出ている長谷川哲也氏の「ナポレオン」の新刊は読んでていろいろと感慨深いものがありました。

 この漫画は自分が学生だった頃に連載が始められ、実に20年近くも連載が続けられています。それだけ時間かけられていることもあって、ナポレオンの生涯をつぶさに描いており、自分もこの漫画を通じて、ナポレオンのみならず彼を支えた元帥たち(あとフーシェ)がどういう人物だったのかを知りました。
 そんな漫画「ナポレオン」もいよいよ終盤に迫ってきており、今回出た新刊ではロシア遠征に失敗後、ロシアやドイツに追い立てられる形で首都パリを陥落させられ、皇帝を退位してエルバ島に流された後の彼の姿を描いています。エルバ島でナポレオンは学校や病院を建てたりするなど、意外とまともに領主生活をやってたようです。

 この巻ではそうしたエルバ島におけるナポレオン(ポーランド人の愛人とイチャイチャなど)の姿、それに「会議は踊る、されど進まず」で有名なウィーン会議の情景を描いており、戦闘シーンはほとんどないのですが、唯一の戦闘シーンがドイツ・ハンブルグにおける戦闘でした。
 この時、ハンブルグはナポレオンの義弟であり最優秀とも言われる元帥のダヴーが守っていたのですが、なんと彼はフランスが降伏し、ナポレオンが皇帝を退位した後もこの町を占領し、守り続けていました。降伏を促されても「信用できない」と突っぱね続け、包囲軍が何度攻めても追い返すもんだから、最後は彼が信頼するフランス軍の将軍を差し向けて「任務交代」という形で引き下げたそうです。

 主君が既に負けていながらも、彼自身は負けずに戦い続けたこのエピソードなどからも、「不敗のダヴー」と呼ばれています。
 そんなダヴーについて巻末のあとがきで作者は、「まるで全人類が滅んだ後も戦いを続ける機械のような男だ。『時の行者』みたい」という風な感想を述べています。

時の行者(Wikiepedia)

 ここで出てくる「時の行者」ですが、これは「三国志」でお馴染みの横山光輝による歴史漫画です。何気に自分が初めて触れた横山作品でもあり強く覚えているのですが、この漫画は上記の説明の通り、人類が死に絶えながらも機械同士が戦いを続ける未来で、人類のほぼ唯一の生き残りである主人公の少年がタイムトラベルをして、安土桃山から江戸中期までの歴史事件に遭遇するという漫画でした。
 具体的に遭遇する事件は多岐にわたり、由比正雪の乱から天一坊事件、さらには紀伊国屋文左衛門とも接触する話もあります。漫画界のストーリーテラーとして名高い横山光輝なだけあって非常に読みやすいこともさることながら、歴史を特定の人物や国を中心に追いかけるのではなく、事件単位で追いかけるという展開が今思うとよくできている気がします。

 前述の通り主人公は未来人で、タイムトラベルを繰り返して諸々の事件に遭遇します。何度もタイムトラベルしていることから日本国内では「浦島太郎みたく時間を越えて現れる時の行者」と認識されており、実際に各話ごとに年代やステージが一新され、共通して出てくる登場人物は非常に限られてきます。
 前述の通り、この漫画は唯一共通する登場人物である主人公を通して、歴史を事件単位で追いかけています。そのため全体の歴史の流れこそ把握し辛いものの、印象的な事件などが深く掘り下げられて紹介しており、自分の歴史好きもある意味ここから始まっています。

 こうした話の手法は自分が知る限りは他にはなく、改めて見て凄い構成の仕方だったと思えてなりません。でもって、長谷川哲也氏もこの漫画好きだったんだなという事実にいろいろ感じるところがあります。

 漫画の「ナポレオン」の話に戻ると、残りはいよいよ皇帝復位、そしてワーテルローだけとなってきました。どういう風にこの過程を長谷川氏が描くのか、既に今の時点でかなり楽しみです。