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2025年6月29日日曜日

中国で衰える習近平の支持と影響力

 コメント欄にも少し書きましたが、この1~2年で中国にける習近平の支持と影響力が劇的なまでに落ちていると断言できます。細かい例を挙げたら切りがないのですが、敢えて身近な例で挙げると習近平思想の本が配られなくなりました。

 一体これは何かというと、コロナ前なんかは大体年一くらいで社内で共産党員である社員が自分を含む全社員に習近平思想を書いた冊子を配って回ってました。正直、もらったとしてもうれしくないし、そもそも自分は読めるっちゃ読めるけど外国人に中国語のこんな本配ってどうすんだよと言いたくて仕方ない行為でした。そもそも中身に興味なかったため、もらうそばから私は捨ててました。
 そんなあまり地球にエコでないこの行為ですが、コロナが始まって以降は一切配られることがなくなってしまいました。ほかの会社とかはどうなのかはわかりませんが、少なくともうちの会社はなくなり、なくなってみると少し寂しいなとか逆に思えてきます(´・ω・)

 もう一つが、二年前に大きく騒がれたコスプレ禁止令です。


 2年ほど前に上記リンク先にあるように、「中華民族の感情を損なう」服装を禁止するという文言を含めた治安管理処罰法の改正案が施行されました。施行直後、一部の中国地方都市でコスプレをした若者がこの法に準拠して取り締まられることがあり、着る服すら自由にならないのかなどと中国国内でも強い批判が巻き起こりました。


 そんな声もあってか、上の日系の記事は昨日出たものですが、この治安管理処罰法の内容がまた改正されたそうです。もっとも、改正以前から実質的に上記の服装に関する禁止規定はほぼ有名無実化していました。上海市内でもコスプレイベントが度々開催されているし、コスプレした姿で街中を練り歩く動画をアップする人も絶えず、完全なガン無視状態でした。

 もちろんこの規定に限らず有名無実化している規定は中国でもほかにもありますが、発令し、かつては実際に取り締まる例もありながら、ここまで早く無視される規定はそんなにないなという気がします。何となく、現場の執行者レベルでも「こりゃもうだめだ」と見切られ、適用しての取り締まりを完全にあきらめていた節も感じられます。

 もっともこのコスプレ禁止令以上に「なかったこと」にされている法令の代表格はやなり、実質的に中国の不動産バブルを崩壊へと導いた「三道紅線(三本のレッドライン)」でしょう。
 これは2020年に出された規定で、

・前受金を除いた資産負債率が70%以下
・純負債率が100%以下
・手許現金の短期負債比率が1倍以下

 この三つの条件を不動産企業に課し、基準を上回った条件数に応じてランク分けして公開し、債務圧縮を指導していくというものでした。この三本のレッドライン基準が出されてから不動産会社は追加の開発や資金調達が行い辛くなり、劇的に業績を悪化して今の中国の不動産不況へ至るようになったのですが、発令された当時よりもこの条件を満たさない不動産会社が明らかに増えていると思うものの、誰もこの三本のレッドラインについて言及しなくなっています
 はっきり言ってしまえば言論統制されているようで、ネットでニュース検索しても2023年以前の記事しか表示されなくなっています。この規定自体が廃止になったとは聞いていないのですが、適用されることもなければ言及されることすらなくなってるというか、触れられたくないという中国政府の気持ちがひしひしと伝わる検索結果となっています。

 以上のように、習近平の肝煎りで導入されたとも思われる政策がこの頃悉く意図的な無視というかサボタージュされるようになっており、そうした世間での不評も察してか、習近平自身もメディアの露出が依然と比べかなり少なくなってきているように感じます。それ以前に、街中でも彼を指示する声はコロナ以降はずっと右肩下がりで、最近は中国メディアも以前のような礼賛記事をあまり出さなくなってきた節すらあります。

 勝手な偏見で述べると、本人もなんか政治に飽きてきているように思え、わざわざ憲法変えてまで3期目入ったのにもうなんか投げたしたいような素振りにすら思います。こんな感じだから4期目はもうないとは思うものの、日本としては彼がトップにいればいるほど中国が弱くなっていくことは確実なだけに、いろんな外交手段を駆使してでも彼にやる気をまた持たせて4期目につなぐよう工作すべきだと密かに思います。

2025年6月27日金曜日

次の総選挙の観測

 すでに公示予定も出されている次の総選挙ですが、結論から書けば自民党有利な野儀間の状態だと思います。根拠としては野党の自滅がすでに始まっており、今後も続くと思うからです。


 国民民主はもう敗北が決定していると言え、今より確実に議席数も減るでしょう。それもこれもすべて山尾氏の公認問題によるもので、これでたまきちもなんか逆に焦って、選挙中とかにさらに失言を増やしそうな気がします。
 立憲民主に関しても「もう一つの爆弾」こと蓮舫氏をすでに公認内定しており、多分この人もヤラカス気がします。というか今から探しても、何かしらスキャンダルを見つけられるんじゃないだろうか。
 維新も、せっかく大阪万博が前評判よりは好評にもかかわらず、あまり党勢が盛り上がっていません。なんか行動も統一されていないように見え、もしかしたら内部で何か権力抗争が起きているのではないかとも疑っています。

 一方、与党自民党も決して泣きどころがないわけじゃないですが、最大の懸案だった米問題は改善というか価格下落が今のところ続いており、国民も評価しているだけに、有利となる材料が明確にあります。むしろ小泉農相の政策に批判的だった勢力が逆批判を浴び得て今なにも声を上げなくなり、またJAの問題性を感じる人も増えているように見え、農政を中心にしっかり政策を訴えればまず負けないとすら思います。
 そんな自民党の最大の弱点は言うまでもなく石破総理で、この人も変にしゃしゃり出ると失敗する癖があるだけに、どれだけ彼をおとなしくさせるかに勝負がかかってくる気がします。あとさすがにもういないと思うけど、総理暗殺を謀る人間も出てくる可能性もあるだけに、あんま派手に遊説せず、既存の支持者をつなぎとめる活動だけしてればいいかとすら思います。

 もっとも自民党内では敢えて次の選挙で敗北したことにして、石破総理を下ろしたいと思っている勢力も存在、っていうか明らかにそういう人らの方が多数派でしょう。なので石破総理としては選挙後に大臣を一新するなど人事刷新をあらかじめ訴え、党内を引き締めることがまず第一でしょう。といっても、もはや大臣に指名されたくない人のが多いかもしれませんが。

2025年6月25日水曜日

イランとイスラエルの紛争はこのまま落ち着くのか?

 本題と関係ないけどジークアクスの曲の中では「コロニーの彼女」が一番好きです。90年代後半のテクノ系っぽく、徐々に音量が上がっていくのが刺さります。昨日が仕事の山場で、まるでミッドウェー海戦みたく今日になって完全に攻守が逆転したような感じとなってめちゃ気分よくこの曲Youtubeとかで聞いてます。自分自身の調子も良かったせいか、2時間で5000字くらいの中国語翻訳してました。

 話は本題ですが、昨日のイランとイスラエルの間で起こった紛争をめぐるニュースは非常に錯綜しており、どれが真実なのかと判断に迷うものも多くありました。昨日総長の時点で米国のトランプ大統領は双方が停戦に合意したと発表したものの、その直後にイスラエルが再びミサイル攻撃を行ったという報道が出て、早くも合意が破られたのではという声が聞かれました。
 しかし1日明けた今日、双方は矛を納めた状態を維持するとともに互いに自らの軍事行動の勝利宣言を発表するなどして停戦に向けた行動を確かに始めています。無論、明日以降にまた戦線が開かれる可能性も十分あるものの、私個人の見解として述べればこのままイランとイスラエル間の紛争は一旦は落ち着く可能性が高いと思っています。

 このように考える根拠を述べると、トランプが停戦に対し非常に前のめりだからです。TACOという言葉に代表されるようにこれまで関税をはじめいろいろ騒動を引き起こしながら何も成果を得ていなかっただけに、今回の停戦仲介はトランプにとっても待望の成果と言ってもいいでしょう。それだけに本人もかなり力を入れており、昨日にイスラエルがミサイルを撃つや激しく批判しながら改めて停戦を呼び掛けており、恐らく今後もこの成果を維持するために停戦に強くコミットし続けると私は思います。
 またイスラエル側はまだ戦闘を続けたがっているようにも見えますが、イラン側は逆にこれ以上は続けたくない意思が明確にあるように見え、トランプの方針に非常に強力的です。トランプ本人も言ってましたが、米軍基地への攻撃は事前予告をした八百長だったことはほぼ確実であり、いつもの反米的な市長はどこ吹く風かと言わんばかりの態度です。

 一時はそれこそウクライナとロシアの戦闘のように長期化も懸念されたこの紛争ですが、短期で停戦に入ったことは素直に喜ばしいと思えます。石油価格もまた一気に下落しており、恐らくこのまま落ち着きを取り戻すでしょう。また今回の停戦を機に、気を良くしたトランプがパレスチナの停戦にも強くコミットすれば言うことありません。

 また密かに期待していることとして、今回の紛争をきっかけにイランがロシアと距離を置いてくれればなという希望があります。開戦当初にイランはロシアに支援を求めたものの、「イスラエルの方が大切だから」とプーチンはこれをあっさり拒否しました。まぁいつものロシアなので驚くことありませんが、これをきっかけにイランもロシアと距離を置いてくれればウクライナには大きな追い風になるだけに、このまま手を切ってほしいのが本音です。
 またそのロシアに同じく肩入れする中国ですが、日本みたく静観しとけばいいってのに米軍機がバンカーバスター使ったときにわざわざ「国連憲章違反だ!」と非難して、無駄に米国のヘイトを高めただけで終わったような気がします。トランプのことだから、多分この発言を根に持つ気がします。まぁ確かに言っていることは間違いでないものの、それをロシアには言わずに米国に言うあたり、底の浅さが見て取れます。ぶっちゃけ外交方針が明らかに定まっていないのが見えるあたり、見ていて逆に安心できますが。

 それにしても改めて思うこととして、普通の国同士の戦闘は現代においては、先の印パ紛争といい今回のように比較的短期間に停戦へ入るのが常であるのに、よくもロシアはこんなにも長くウクライナへの侵攻を続けるものだという気がします。裏返してみればそれだけ無理をしているとも言え、如何にロシアが異常な国かという証左でもあるでしょう。
 ずっとこのブログではロシアについては戦車を除いて悪口ばかり書いてる私ですが、やはり過去の歴史を見る限り中国以上に絶対に信用してはならない相手だと思えてならず、可能ならばこの世から国ごと抹消されてほしいとすら願っています。それだけに今回のイランとイスラエルの停戦をきっかけに、如何にロシアが異常であるかをトランプが再認識してくれればと願わずにはいられません。

2025年6月24日火曜日

悪魔と奈良ドリームランド


 二日続けての動画引用ですが、この動画は世紀末(1999年)に解散を控えたロックバンドの聖飢魔Ⅱが、解散前に何かデカいことやろうと言ってギャラなしで全国各地のCMに出演しまくった時のCM動画を集めたものです。この企画自体は私は2003年くらいにデーモン閣下が出演したテレビ番組の「ごきげんよう」で知っていたのですが、こうして実際に映像で見るのは初めてで、ギャラないのにメンバー全員やたらノリノリで出演しているのに軽く感動しました。
 っていうか何故深夜にデーモン閣下の動画見ようと思って検索したのか意味が分かりません。

 そんなこの動画ですが何気なく見ていたら、なんとこのブログでも何度も取り上げている既に閉園した奈良ドリームランドのCMが入っていました。ほかのCM同様に聖飢魔Ⅱが出演するもので、まさかこの企画に奈良ドリームランドが入っていたとは知らなかっただけに、軽い不意打ちを受けました。

 ただこの奈良ドリームランドも閉園から久しく、2010年くらいまでは関西出身者に話を振れば「え、なんで知ってるの?」みたいな感じで気を引くことができたものの、今だとその存在を覚えている人の方が少ないかもしれません。
 なおケチで奈良市内のコインパーキングの料金をガチで全部暗記している親戚のおじさんとは、会うたびに奈良ドリームランドの話題に触れて盛り上がります。このおじさんには奈良に対する若干狂信めいたものを感じます。

2025年6月23日月曜日

ダビスタ全盛期の記憶


 先日、Youtubeで上の競馬ゲームのダビスタシリーズを紹介する動画があったのでつい見てしましました。私自身は後述しますがこのシリーズを一度も遊んだことはないものの、流行に流行った全盛期は見ており、一体なぜその後消え去ったのかが言われてみると気になったのが視聴理由です。

 この動画でも開設されているように、時期的には90年代中盤のスーパーファミコン時代、ダービースタリオンの2と3がめちゃ流行っていました。当時私は小学生でしたが、私の周りでもこのゲームにはまっている級友は多く、データゲーであるゆえ攻略に詳しい者などは周りからも一目置かれるほどでした。

 私自身は前述の通りこのゲームを一度も遊んだことはなく、興味も持たなかったのでついぞ縁がありませんでしたが、この当時は競馬界も盛り上がっていたのとダビスタが売れていたこともあって競馬ゲームがよく出ていました。そのためか賭け事とかほとんどやらないうちのソ連人民の親父が何故かある日「クラッシッククロード」を買ってきたのでこれは遊んでは見ましたが、子供にこの手の馬主シミュレーションは難しく、結局ムキムキッチと名付けた馬を買った後はその後何もできませんでした。
 親父もあまり面白くないとわかってか、3000円くらいで買った中古ソフトなのに会社の同僚に5000円で売りつけるという阿漕な真似をして処分してました。我ながらよく金額を覚えているもんだ。

 話を戻すと上の動画によると、スーファミ時代に黄金期を築き、続くプレステで発売したバージョンも売れに売れたそうですが、プレステ後期に出したシリーズが先行先逃げ型が異様に優位となるなどバランス調整が崩れ、旧来のファン層が離れるきっかけとなってしまったそうです。その後、別ハードで続編を方々に出すもどれもゲームとして欠陥があったというかあまり面白くなかったそうで人気はどんどん落ちていき、現行のニンテンドースイッチにもシリーズ作品は出ているそうですが評価はあんまよくないそうです。

 この間、ダビスタのファンを吸収したのは間違いなくコーエーから出ているウイニングポストでしょう。あいにくこちらのシリーズにも詳しくないのですが競馬ゲームと言ったら今やこのシリーズで、かつてのダビスタのお株をそっくり奪ってしまっています。

 改めて述べますが、90年代中盤におけるダビスタの社会における存在感というのは半端なく大きく、ドラクエやファイナルファンタジーには劣るものの、それに次ぐくらいの規模だった気がします。それだけ大人気を得たシリーズながらクソゲーを出してしまうや一気に失墜した当たり、ゲームシリーズを継続させる難しさというものを感じます。まぁ単純に、いい加減に作ってリリースしてしまったメーカー(アスキー)に問題があるだけなのですが。

 最後に、私は競馬自体は一切やったことがないものの、伝え聞く範囲で考えると競走馬というのは割とリターンの速い投資商品だという印象を覚えます。生まれて数年ですぐレースに出走できて、5歳くらいには引退するという慣行に乗っ取ると、レースに勝つことができるなら数年で投資リターンを得るという計算になります。この間、維持費は食うものの下手な先物とかよりも短期で大勝ちを狙える可能性のある投資であるように思え、競馬関係者が熱狂するのもわからないでもありません。

2025年6月21日土曜日

「南米の春」に関する思考

 すでに報じられている通り、イランとイスラエルの本格的な衝突が起き、事態は今も沈静化せず過熱し続けています。これにより主にドローンなどの供給を受けていたロシアはその供給が途絶えるため日本にとってはプラスですが、イランの人々のことを考えると素直に喜べない気持ちもします。さすがに、先のパレスチナへの攻撃といい、近年のイスラエルの行動には疑問を覚えます。

 そもそも何故イスラエルがこれほど好き勝手やるようになったのかというと、トランプ政権の発足もあるでしょうがそれ以上に、米国がイスラエルを抑えられなくなっているというのが最大の原因でしょう。その米国にとって最大の黄金期はいつかと言ったら、それは間違いなく冷戦終了後から9.11までの90年代におけるクリントン政権時だと思います。恐らくこの時期ならイスラエルどころかロシアも抑え、紛争を和解に導くことができたでしょう。

 逆を言えば90年代、というより9.11以降、米国の権威は年々落ちてきています。独占していた半導体も今や台湾のTSMCなしには生産すらできない有様で、トランプは製造業の復活を掲げていますがいまや米国なしでは成り立たない産業なんてないどころか、米国が他国に依存しなければならない産業が年々増える有様です。そこへきてトランプの関税政策によってドル体制も揺らいでおり、ただでさえ米国は毎年巨額の赤字を積み増しているだけに、何かの拍子に一気にドル体制が崩壊する可能性も出てきたんじゃないかと懸念しています。
 っていうかシニョリッジを自ら投げ出すというのはなかなかできるもんじゃない。

 恐らく今後も、米国の権威は下がることはあっても上がることはもはやないんじゃないかと思います。言わば帝国の崩壊の途中にあるようなもので、今後象徴的な事件が起きるたびに米国はパワーを落とし、世界各国で紛争が起きても止められず、しまいにゃ米国自身も紛争に巻き込まれる気がします。
 でもって、この手の帝国の崩壊は意外と足元から起きることが多く、そうした観点に立つなら米港の裏庭こと南米あたりで今後何か動きが起こるのではないかという気がしてきました。

 実際既に、中米ですがメキシコでは一部地域がマフィアの跋扈によって無法地帯化しており、選挙すら行えない、っていうか選挙すると候補がどんどん殺されるような状況ながら、誰もその状況を変えられなくなっています。そのほかの国でも治安が崩壊している地域がいくつか出ていると聞き、こうした無法地帯から軍閥なり政権が出てきて米国を今後脅かしてくることも今後あるかもしれません。

 実際には意味は逆ですが、そうした「南米の春」があながち絵空事じゃなくなっているような気がするのですが当の米国はむしろ関心を弱めているようにも見えます。キーマンとなるのはやはりメキシコと南米の雄ことブラジルで、この二ヶ国が地理的条件から影響力を今後増してくるような気がします。幸いというか日本とは距離が離れすぎているので、この辺の影響はまず及ばないということですが。

 最後に極論を言うと、恐らく日本人としては米中の紛争に巻き込まれないで済むなら必ずしも米国追従じゃなくてもいいと考えている人が大半だと思います。それならガンダムのサイド6みたく、米中の周辺海域通行を一切とがめないけど領域内での戦闘は完全に禁止するような中立外交も今後選択肢に入ってくるかもしれません。

2025年6月18日水曜日

米から小麦が今の外食のキーワード?

 サイゼリヤの前社長の堀埜一成氏の本(サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術)をこのほど読み終えましたが、この本はこの人の2冊目の本です。1冊目(サイゼリヤ元社長がおすすめする図々しさ リミティングビリーフ 自分の限界を破壊する)はサイゼリヤに入るまでの前半生も描かれているのですが、若干自分語りが強く読んでてブラジルでの話以外は面白くなかったのが本音です。恐らくほかにもそういう反響があったのか、2冊目は徹底してサイゼリヤでのオペレーションや社内改革について書かれており、こちらは1冊目の後半と同じくほかの人にも勧められるくらい面白い内容でした。

 そのサイゼリヤについて先日友人とチャットで会話してたのですが、この本によるとサイゼリヤでは仕事の適性などより、黙々と働くタイプが出世しやすかった述べられているという点が印象に残ったことに触れました。というのその前にその友人と、一部の日系企業では仕事ができるかや適性とかよりも声や態度がデカい目立つ人間を出世させる企業が多く、こうした点が結構な範囲で日本経済を引っ張ってる(足を)という話をしてたからです。ほかの外食チェーンとかはどうなんだろう。

 話を戻すと、サイゼリヤはほぼイタリアン一本で外食大手にしては珍しくほかの業態にはあまり広げません。過去にファーストフードの失敗に懲りたのか、あまり流行っているように見えないけど「伊麺処」を除くとブランドもサイゼリヤだけで、にもかかわらず成長を続けているの大したものだと友人と評価で一致しました。
 一方、すき家率いるゼンショーなんかはこのところあれこれ業態を広げていますが、ブランドを買収しながらもその後手放したりとあまり経営が定まっていないように見えます。元々体育会系な会社と聞き、今の若者から敬遠されそうな社風もあり、企業哲学というか理念がしっかりしていないとこれからちょっと怪しいんじゃないのと思う節があります。

 そんなことを友人と話してたら、「今のキーワードは米から小麦だ」と言われました。これはどういうことかというと、サイゼリヤを除くほかの大手飲食チェーンはどこもうどんやラーメンチェーンの拡大を図っているとのことでした。
 実際、自分もこの前日本帰った時にかたくなにT-34のプラモを作ろうとしないソ連人民の敵であるうちの親父が、新しい飲食店はいまラーメン屋しかないと聞いていました。そのラーメンも今年に入ってから出店がやや減ったという報道を見たのですが、代わりに増えているのがうどんらしく、資さんうどんをはじめ今度はうどん屋が街中にあふれ出しているという話を聞きます。

 こうした流れは単純なラーメン、うどんブームもあるでしょうが、このところの米価高騰も背景にあるように思えます。さらに深堀するなら、家族人数が減り単身世帯が増えている中、ファミレスなどよりこうした一人でも入りやすい麺系チェーンの方が客入りもいいのかもしれません。
 この点、中国の方が実は激しく、中華料理屋は基本大量の料理が出てくるため一人ではまず行けず、そのためラーメン屋とか一人向けメニューの多い和食屋を自分もよく使います。中国人も、特に女性一人なんかはよくラーメン屋に通っていると聞きます。

 私の予想では恐らくこうした小麦転換はまだしばらく続くんじゃないかと思います。となるとコメの消費量はますます減るだけに、今後の農業政策も絡んできますが外食業界とももっと議論重ねて、小麦から米への回帰も関係者はもっと真剣に議論すべきじゃないかと思います。

 最後に上海の外食チェーンの話をすると、今自分の中で熱いのは「オリーブの丘」という洋食チェーンです。この前上海にできて、メニューや価格からみて明らかにサイゼリヤをベンチマークにしているのですが、サイゼリヤはいつ行っても混んでて入りづらいため、まだあまり知名度がなく入りやすさから利用するようになっています。中国って、和食屋は結構あるけど意外と洋食食べれる店が少ないから、たまに無性にハンバーグとか食べたくなります(´・ω・)