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2025年6月18日水曜日

米から小麦が今の外食のキーワード?

 サイゼリヤの前社長の堀埜一成氏の本(サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術)をこのほど読み終えましたが、この本はこの人の2冊目の本です。1冊目(サイゼリヤ元社長がおすすめする図々しさ リミティングビリーフ 自分の限界を破壊する)はサイゼリヤに入るまでの前半生も描かれているのですが、若干自分語りが強く読んでてブラジルでの話以外は面白くなかったのが本音です。恐らくほかにもそういう反響があったのか、2冊目は徹底してサイゼリヤでのオペレーションや社内改革について書かれており、こちらは1冊目の後半と同じくほかの人にも勧められるくらい面白い内容でした。

 そのサイゼリヤについて先日友人とチャットで会話してたのですが、この本によるとサイゼリヤでは仕事の適性などより、黙々と働くタイプが出世しやすかった述べられているという点が印象に残ったことに触れました。というのその前にその友人と、一部の日系企業では仕事ができるかや適性とかよりも声や態度がデカい目立つ人間を出世させる企業が多く、こうした点が結構な範囲で日本経済を引っ張ってる(足を)という話をしてたからです。ほかの外食チェーンとかはどうなんだろう。

 話を戻すと、サイゼリヤはほぼイタリアン一本で外食大手にしては珍しくほかの業態にはあまり広げません。過去にファーストフードの失敗に懲りたのか、あまり流行っているように見えないけど「伊麺処」を除くとブランドもサイゼリヤだけで、にもかかわらず成長を続けているの大したものだと友人と評価で一致しました。
 一方、すき家率いるゼンショーなんかはこのところあれこれ業態を広げていますが、ブランドを買収しながらもその後手放したりとあまり経営が定まっていないように見えます。元々体育会系な会社と聞き、今の若者から敬遠されそうな社風もあり、企業哲学というか理念がしっかりしていないとこれからちょっと怪しいんじゃないのと思う節があります。

 そんなことを友人と話してたら、「今のキーワードは米から小麦だ」と言われました。これはどういうことかというと、サイゼリヤを除くほかの大手飲食チェーンはどこもうどんやラーメンチェーンの拡大を図っているとのことでした。
 実際、自分もこの前日本帰った時にかたくなにT-34のプラモを作ろうとしないソ連人民の敵であるうちの親父が、新しい飲食店はいまラーメン屋しかないと聞いていました。そのラーメンも今年に入ってから出店がやや減ったという報道を見たのですが、代わりに増えているのがうどんらしく、資さんうどんをはじめ今度はうどん屋が街中にあふれ出しているという話を聞きます。

 こうした流れは単純なラーメン、うどんブームもあるでしょうが、このところの米価高騰も背景にあるように思えます。さらに深堀するなら、家族人数が減り単身世帯が増えている中、ファミレスなどよりこうした一人でも入りやすい麺系チェーンの方が客入りもいいのかもしれません。
 この点、中国の方が実は激しく、中華料理屋は基本大量の料理が出てくるため一人ではまず行けず、そのためラーメン屋とか一人向けメニューの多い和食屋を自分もよく使います。中国人も、特に女性一人なんかはよくラーメン屋に通っていると聞きます。

 私の予想では恐らくこうした小麦転換はまだしばらく続くんじゃないかと思います。となるとコメの消費量はますます減るだけに、今後の農業政策も絡んできますが外食業界とももっと議論重ねて、小麦から米への回帰も関係者はもっと真剣に議論すべきじゃないかと思います。

 最後に上海の外食チェーンの話をすると、今自分の中で熱いのは「オリーブの丘」という洋食チェーンです。この前上海にできて、メニューや価格からみて明らかにサイゼリヤをベンチマークにしているのですが、サイゼリヤはいつ行っても混んでて入りづらいため、まだあまり知名度がなく入りやすさから利用するようになっています。中国って、和食屋は結構あるけど意外と洋食食べれる店が少ないから、たまに無性にハンバーグとか食べたくなります(´・ω・)

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