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2012年10月23日火曜日

ブレスオブファイア4をクリアして

 今日もちょっと書く内容があまり浮かばないので、前にも書いたカプコンのRPG「ブレスオブファイア4」をクリアしたのでその辺をちょっと書こうかなと思います。
 まずこのゲーム、前にも書いたとおりに展開が非常に面倒くさいです。割と次の展開という目的がしっかりしていてサクサクすすむている図シリーズと比べると雲泥の差で、誰かに会いに行くと決めると会うために大体三つか四つはお使いをこなさなければならず、キャッチコピーにするなら「急がば回るRPG」といったところでしょうか。

 ただそんな面倒な展開も中盤までで、逆に終盤に入ると恐ろしい勢いで展開が早くなります。ストーリーの頭から探し求めていたヒロインの姉が見つかるや、その次にはもうラスボスとの対決が待っており、それまでグダグダ進んでいたのが嘘みたいなくらいな急展開を見せます。こんな仕様になった背景にはどうも、開発が間に合わず後半は予定していたイベントを大分切ったということが原因らしいですが、それにしたってあの序盤の面倒くささを考えるにつけアンバランスさが目立ちます。あと後半の面でやけに経験値が多く入るのも、こうしたことが影響しているのかな。

 改めて書きますがはっきり言って私のこのゲームへの評価は非常に低いです。ストーリーの展開の悪さに加えて所々で目立つユーザーフェースの悪さ、そして何と言っても戦闘の面倒くささです。このゲーム、後半に入るとやけに回避率が高く、例えるならドラクエのメタルスライム級に攻撃が当たらない敵がばかすか出てきて、物理攻撃じゃ埒が明かないから魔法攻撃しか使わなくなります。仮にこれが一部の敵ならともかく、ほとんどの敵がこんな感じなので本当に面倒くさいです。 
 さらに呆れたのは、ラスボスに物理攻撃がほとんど効かないことです。どれだけ攻撃力が高くてもほとんどダメージが通らず、逆に魔法だとよわっちいのもそこそこ通ってしまうのでひたすら魔法ばっか使ってると簡単に買ってしまいます。パーティの戦略もあったもんじゃない。よくこういうゲームをしていて思いますが、誰か止める奴はいなかったのでしょうか。

 ただほかのレビュアーも言っておりますが、全体のストーリー展開は非常に陰鬱で確かに目を見張るものがあります。特にこのゲームで有名なのは「呪砲」といって、人間を大砲の弾にして打ち込んだ場所を草木も生えず人が住めなくさせてしまう兵器の存在です。弾にされる人間はそのまんま「ニエ」と呼ばれるのですが、このニエは苦しみや絶望感があればあるほど威力があるという設定で、弾にされる前には拷問が加えられるという素晴らしい設定となっております。惜しむらくはゲーム中、実際にニエとなってぶっぱなされる人が一人だけという点ですが、もう二、三人くらい飛ばしておけば違ったんじゃないかなとちょっと思います。

 なおそのぶっ放される人ですが、偶然の一致でしょうが名前が「マミ」というキャラです。知ってる人には早いですが、昨年放送されて非常に話題になった「魔法少女まどかマギカ」というアニメにも「マミ」という名前のキャラクターが出てくるのですが、このキャラは話の途中で凄惨な最期を迎えて退場することとなります。詳しくは言及しませんがその退場シーンがシャレや冗談じゃなく本当に凄惨であることからこのアニメも話題性を持つようになったのですが、あまりにもインパクトが強いことからネット上では突然凄惨な最期を迎えることを「マミる」とするスラングが生まれ、現代用語辞典にも見事に入れられました。本当に偶然なんだろうけど、なんでマミって名前のキャラはこうも不幸な最期を迎えるんだろう。

 最後に連絡ですが私用により明日より数日間家を離れるので、この間ブログをお休みさせていただきます。再開は28日か29日頃を予定しております。


2012年10月22日月曜日

橋下市長への週刊朝日の報道について

 本当は先週あたりに書こうと考えていましたが、なんかやけに忙しいのとほかにも書かなきゃいけないネタ満載で今日までのびのびとなってました。タイトルを見てもらえばすぐにでも内容がわかってもらえますが、大阪市の橋下市長に対して週刊朝日がルーツをたどるとして家系に関する連載を始めようとしたところ当の本人から抗議、さらには取材拒否が行われ、週刊朝日は報道内容について謝罪することとなりました。今回のこの事件について私の所見を述べると、まずほかのメディアの記事が浅いなぁと個人的に思います。

 最初に橋下市長に関する報道について所感を述べますが、なんでこの人はこれほどまでにメディアに嫌われているのかがよく不思議に感じます。以前にも週刊文春が完全に差別的な内容で出自に関する報道を行い、その低俗さから私も同じ文芸春秋社が出している文芸春秋の購読をやめたくらいでしたが、いくら若い人間だからと言ってこれほどまでに叩く報道が出るのは何が原因なのかいろいろと考えてしまいます。同じ改革派首長でも、新党日本の田中康夫代表が長野知事になった頃もこれほどまではひどくなかった気がします。
 考えられる原因としては、メディアの既得権益を壊しかねない思想の持ち主、またはメディアにとって都合のいい政治家や財界の対抗馬となりかねない人間だと、メディアの側から思われているからだと思います。具体的にどの辺がと言われるとポイントは挙げ辛いのですが、割と政治景気者ってなんでもかんでも敵味方に分けて考える人が多いように思え、自分とちょっと思想が違うだけで敵視する記事を書く人が多いような印象を受けるのでこう思う限りです。

 話は戻って週刊朝日の件です。週刊文春の時もひどかったのに一体なんで週刊朝日もこんなバカみたいな連載を始めたんだと思っていたら、書いているのがあの佐野眞一氏だということがわかってようやく合点がいきました。佐野氏についてはかねがねこのブログでも取り上げておりますが、とにかく取材に関してはマムシの道三もびっくりなくらいにしつこく細かいことで有名です。一体なんでそんな取材姿勢なのかというと、あくまで佐野氏の著作を読む限りでは単純に物事の背景とか詳細を佐野氏自身が知りたいと思う欲求が強いからだと思います。なので橋下市長についてもその政治思想を読み解くとかそういうのより、弁護士からタレント、政治家という変わった経歴からその生まれる前まで全部たどってみたいと考えたんじゃないかと私は見ます。

 更に佐野氏に関して言うと、彼には一つの前科というか同じことを以前にもやっております。この点がほかのメディアが甘いなと思うのですが、佐野氏は以前に同じような感じで鳩山氏のルーツをたどると言って、鳩山家に関することを細かく調べ上げて「鳩山一族 その金脈と血脈」(文春新書)という本を出版しております。自分もこの本は読みましたし、出た直後に佐野氏の講演も聞きましたが、

「鳩山一郎の祖父の鳩山和夫は、一夫多妻制は古い時代の遺物で悪しき習慣だと常日頃言っていたが、そういう自分は常にたくさんの愛人を囲っていた。鳩山一郎も統帥権の干犯という言葉を初めて用いるなど、鳩山家というのは昔からそういう嫌な人間の一族だ」

 と話していたのをよく覚えていますし、まさにその通りだなぁと思っています。
 なので私の感覚だと、この鳩山家の時と同じようなことを橋下市長に対してやってみようと佐野氏は考えて連載を始めた、もしくは引き受けたんじゃないかと考えています。更に言えば佐野氏は結構タブーに敢えて踏み込むところがあり、「東電OL殺人事件」の本でも女性からしたらあまりいい気分がしないであろう表現を非常によく使っています。それが今回、橋下市長の逆鱗に触れたわけなのですが。

 最後にまとめると、これまで佐野氏が取材したどの相手よりも橋下市長が高い情報発信力を持っており、使い方にも長けていたというのが大まかな構図だと思います。まぁ内容自体ゲスな内容ですけど、佐野氏が書くんだったらちょっと自分も読みたかったなというのが本音です。佐藤優氏といい、最初に会社辞めた時にこの人の書生になろうかと思ったくらいだったから自分ものめりこんでるんだなぁ。

2012年10月20日土曜日

PC遠隔操作事件の誤認逮捕について

PC遠隔操作:神奈川県警、誤認逮捕認め男性に謝罪(毎日新聞)

 もはや説明は必要ないかと思いますがウイルスに感染したPCを経由して小学校などに脅迫状が送られた事件で、経由したPCの所有者が犯人だと誤認され全国各地で4人が逮捕される結果となりました。このうち二人は最後まで否認を続けていたことと、真犯人が犯行声明を出したことによって起訴される前に無実がわかりましたが、別の二人は意にそぐわぬ自白を強要された結果、冤罪の実害を被るととなりました。今回の事件に関わった捜査機関は警視庁、三重県警、神奈川県警、大阪府警の4つですが、どれもIPアドレスを割り出しただけでパソコンの所有者を犯人だと決めつけて捕まえたというのだから恐ろしいものです。ネット上でもよく言われておりますが取り調べでは、「IPアドレスという確たる証拠がある」と問い詰めたそうですがこれが証拠になるとは勘違いも甚だしく、よくそんな知識で捜査に関われるものだと呆れるしかありません。
 更にこの4つのうちに神奈川県警と大阪府警がきちんと入っているのもある意味納得というか、本当に反省がない連中だとこればっかりは強く批判せざるを得ません。警察不祥事とくれば神奈川県警と来るほどにここは問題の多い捜査機関ですが、大阪府警についても過剰な取り調べや証拠捏造がこの頃次々と明るみになっているだけに根本的になにか問題あるのではと感じます。

 ただこの事件、犯行声明文を全部読んだわけじゃないですが真犯人は恐らくこうなることを見越したうえで犯行を行ったのではないかと思います。もちろんそんな犯罪行為を是認するべきではなく警察には早く汚名返上とばかりにきちんと捕まえてもらいたいものですが、少なくとも真犯人が提起した警察の捜査の問題性についてはしっかり考える必要があるかと思います。
 何もこうした冤罪は今に始まるわけじゃなく、「国家の罠」の佐藤優氏に然り足利事件障害者郵便制度悪用事件など日本では枚挙に暇がありません。こう言ってはなんですが仮に今回の事件が十年前に起こっていたのであれば、警察や検察は犯行声明が出たとしても、「IPアドレスなどの証拠から、PC所有者が犯人であるという可能性はぬぐえない」などと言って無理矢理に起訴、または釈放しても謝罪なんて絶対にしなかったろうと思います。今回すぐ謝罪に至ったのも、ここ数年の冤罪事件発覚があったからだと個人的に思います。佐藤優氏の事件は無罪にはなってませんけど。

 あと本題とは少し離れますが、今回の事件で最も大きな影響を受けたと思われる19歳の明治大学の学生は逮捕後、保護観察処分となり大学も退学していたそうです。本当に不憫で非常に残念に感じるのですが、ちょっと前から思う内容として、どうして有名大学だけ事件があったらすぐに明かされるのか不満です。この事件に限らず有名大学の学生、またはその関係者が事件を起こした場合はまず頭に大学名がつけられますが、逆に無名の大学であればスルーされます。有名大学だと読者の注目が引けるからというのはわかりますが、それにしたってダブルスタンダードな気がしないでもなく、載せるなら絶対載せる、載せないなら絶対載せないという基準をメディアは持つべきだと思うのと、事件の影響がほかの関係ない同じ大学の学生に及ぶ可能性があるなら後者が筋じゃないかというのが今日の私の意見です。

2012年10月19日金曜日

中国の経済成長鈍化の背景

 先程友人の上海人と焼き鳥屋に行ってご飯食べてきましたが、飯食ってる最中に後ろからえらく大きな声で「ニャー」という音が聞こえて来たので店員に尋ねたところ、店主が猫を飼い始めたとのことでした。早速だが是非見せてくれと頼んだところいきなり店主が出てきて、まだ飼ったばかりで見かけが汚いので、来週以降に来てくれと言われました。新手のマーケティングだろうか。

 それはともかく話は本題に移りますが、昨日に中国は第3四半期のGDP成長率が7.4%のプラス、数年ぶりに8%を割った前期の7.6%をさらに下回る結果になったと発表しました。このところ中国の成長鈍化、停滞関連で非常に多くの質問を受けるので、猫の声も久々に聞けたわけだしちょっと今日は気合入れて持ってる情報を一気に吐きだそうかと思います。なお少し強気に出ると、ここで書く内容はなかなかよそでは見られないというか、推測も含まれるので紙面には載せられない情報も入るのでそこそこ希少性がある内容になると思います。

Q1、中国バブルは崩壊するのか
 今回、というよりも以前から少しでもGDP成長率が以前より落ちる度にすわ中国バブル崩壊かという意見が日系メディアを中心にかまびすしく聞かれますが、さすがにバブル崩壊に至ることはまずないでしょう。そもそも何を以ってバブル崩壊というのか恐らくこの手の主張をしている人たちもはっきりとした基準を持っていないでしょうが、日本の様な急激な株価、不動産価格の下落は起こらないと断言できます。根拠としては今の経済状況はある程度中国政府の予想範囲内でマーケットも確かに株価は落ちておりますが、今回のGDP成長率もある程度織り込み済みで極端な株安は起こっていません。さらに不動産価格は現時点で急激な高騰を防ぐために購入に際して様々な規制をかけておりますが、一時は落ち込みを見せたもののここ数ヶ月でまた上昇傾向に入ってきています。その気になれば規制を取っ払うことでいくらでも引き上げることだって不可能ではないでしょう。

Q2、中国経済は停滞し始めてきたのか
 これに関してははっきり「YES」と言わざるを得ません。確かに7.4%成長と書くと日本と比べて非常に高い成長率ですがこれまでの伸びが激しかった分、メーカーを中心に年率10%くらいで成長することを見越して設備投資とかしてきましたが、鉄鋼業を中心に明らかに供給過剰の業界が多数見受けられます。また市民や企業経営者の景況感も悪化しており、今後の改善を見込んでいる人も少ないです。

Q3、何故停滞してきたのか
 一番の原因はなんといっても欧州の債務危機による世界経済の冷え込みです。これは中国に限らず世界中どの国でも輸出産業において共通していますが、中国の最大貿易相手先はEUであるため、逆にEUとはほとんど取引のない日本と違って直撃を受けているような状況です。そのため中国では輸出産業を中心に景気の冷え込み、業績の悪化が広がっているのですが、中国政府もある程度この状況を見越して国内の消費市場を活発化させるために対策を打ってはいるものの、私の見立てだと輸出産業の落ち込みが予測より大きい上に輸出産業に従事している人の消費も鈍ってきたため狙い通りにいっていないのかと思います。
 このほかこれは他の日系メディアも言っていますが中国国内で急速に人件費が高騰しており、それこそ十年前と比べて最低賃金が二倍以上になっているような状況なので、以前より競争力が低下していることも眼前とした事実です。まぁこれは逆に見るなら国内市場が拡大しているともいえるので一概にデメリットだけではありませんが、落ち込んでいる輸出産業にとっては弱り目に祟り目になっています。

Q4、いつまで停滞するのか 
 中国の経済成長率は今年に入った段階で減速し始めてきましたが、自分の周辺では第2四半期、つまり7月までに底を打ってまた盛り返すという予想が正直に言って強かったです。その根拠というのも今年上半期は急速な成長を抑えてでも一般市民の生活安定化を目指す方針でしたが、夏頃から本格的にテコ入れを始めて現にこれまで凍結されてきた鉄道工事に加え地方空港の新規建設が認可されるなど、政府による無理矢理なGDP引き上げ政策が実行されてきたからです。なので第3四半期はまた8%台に戻ると当初は思っていたのですが、7~9月の間は新聞を見ていても盛り返す話はほとんどなく企業業績も悪化の一途をたどっていたので、8月の段階で底打ちはまだ先だと自分も考えを改めました。
 じゃあいつ良くなるのかですが、少なくとも今年いっぱいはこのまま低調な景気が続くかと思います。根拠としては未だどの業界も改善を示す動きが全くないのと、中国の輸出を巡る状況が悪化しているからです。来年前半も続くかな。

トピック1、欧米との貿易摩擦
 さすがに日本では大きく報じられていませんが、ここ数ヶ月の間にアメリカとEUが中国に対して物凄い貿易規制を打ち出してきました。代表格は太陽電池で、ダンピング疑いをかけて関税引き上げの準備を着々と進めているため現時点でも多くの企業が中国の太陽電池メーカーとの取引を敬遠し始めております。このほか一度は合意していた中国企業による米企業の買収も、「核心技術が流れるから」という理由でよくひっくり返されているのですが、この前見た例なんか笑っちゃいましたが中国企業が買収額に3.5億ドルを提示しているのに、最終的には別の米企業が1.5億米ドルで持っていきました。さすがアメリカ、やることが清々しいくらい露骨です。
 あともうひとつ面白い話ですが、こっちの建機メーカーの三一重工が昨日か一昨日にオバマ大統領を提訴してきました。これも三一重工の米法人による米企業の買収交渉が最後にひっくり返されたからですが、私としては日本企業もこれまで煮え湯飲まされてきたのもあるので三一重工をちょっと応援してます。
 このほか通信設備のZTE、華為といった中国企業も難癖つけられて欧米市場から締め出されてます。この動きは今後ますます激しくなるでしょうから、さっきから何度も言ってますが輸出産業はまだしばらく苦しい状況が続くのではないかと思います。

トピック2、伸びている輸出産業
 さっきから散々悪い悪い言っている中国の輸出産業ですが、これは日系メディアにはほとんど出ておらず知ってる人も少ないと思いますが、陰で世界最大の雑貨市場と呼ばれる浙江省義烏市で、クリスマス用品の輸出額がえらい勢いで伸びてます。もう中国語記事ですがリンクもつけちゃいますが、今年のこれまでの輸出額は前年比1.5倍にも達しており初めて見た時は見間違いかと自分も思ったくらいです。というのもクリスマス用品の輸出先はやはり欧米がメイン、さらに義烏市の商品はほとんどが不景気な欧州に行くので最も大きなダメージを受けると思っていたのですが現実はさに非ず、むしろ例年にないほどの需要を甘受しています。
 何故世界全体で不景気な中でクリスマス用品がバカ売れするのかですが、自分が読んだ現地報道だとクリスマスは年中行事のためあまり景気の影響を受けないのと、義烏で取引される雑貨は低価格品が多く、むしろ不景気であることからより価格の低い商品を買い求めるバイヤーが増加したと書かれてあり、私もこの説を支持します。変な話ですが不景気になると牛丼が売れるように低価格商品は売り上げが伸びます。ある意味では中国はそういった低価格品が強いこともあり、この際だから安い方がいいと思える商品なんかは今後も輸出量が増えていくかもしれません。

トピック3、日系企業の現状
 これもはっきり言って非常に悪いです。原因はこの前の尖閣問題に絡む反日デモにほかなりません。不買運動、とまではいかないですけど同じ価格なら車を中心に韓国製、ドイツ製を買う人は明らかに増えており、たまたまさっき読んできたSPAの記事で、「中国人が日本製品の高品質性を恋しくなるまでは我慢しなければならない」と書かれていましたが私もその通りだと思います。なお一番影響を受けているのはやはり自動車と家電ですが、逆に全く影響を受けていない日本製品、というか日系企業の製品もあります。これも同様にSPAに書いてありましたがそれは粉ミルクとヤクルトで、粉ミルクに関しては以前のメラミン騒動以降は中国人も国産製品を全く信用していないためですが、ヤクルトは中国市場における日系企業商品では今年最大のヒットと言っても過言ではありません。テレビCMも飽きないのかっていうくらいバンバン流れいますし、どのスーパーに行っても置いてあります。来年くらいにヤクルトの成功エピソードを書いた本が経済書で出るんじゃないか、っていうかほかに書かれる前に自分が書いてしまおうかとちょっと思案中です。

2012年10月17日水曜日

ソニータイマーの真実

ソニータイマー(Wikipedia)

 知ってる人には早いですが世の中ではしばしばソニータイマーと言って、ソニーの製品は保証期限を越えた直後に壊れるという都市伝説があります。何故壊れるのかというとソニーがあらかじめ壊れるように設計、もしくは自壊機能を搭載しており消費者に買い替え需要を促すためだといろいろ説がありますが、これらはさすがに都市伝説であって私も本気では信じていません。なおこのソニータイマーという言葉が急速に普及し始めたのはインターネットが流行して、「ソニー製品って壊れやすくね?」という言質が交わされるようになってきたのが一つの原因などと言われておりますが、私自身はいわゆるソニーショックと呼ばれる株価下落が起こった2003年に初めて聞きました。それにしてもソニーショックなんて、随分懐かしいこと。

 なんでこんなソニータイマーを今回取り上げようと思ったのかですが、もちろんソニーに恨みとかあるからではありません。なお私はソニーの製品となるとプレステ以外はあまり使わず、特段壊れやすいと思ったことはありません。プレステに関しては一回だけ読み込みの遅さに腹立って殴り壊したことがありましたが、これは自業自得だと自覚してます。
 実は先日、中国人の日本製品に対する印象を聞く機会があったのですが、中国人から見て日本製品というのはやはり高品質で信頼が置けるものの、あるタイミングというか期間を過ぎると一斉に壊れると思われていると言われました。「え、それってソニータイマーのソニー製品?」と私も聞いたのですが、別にソニーに限らず日本製品全般に共通する特徴だと考えているそうです。

 中国人曰く、ドイツ車やアメリカ車は購入から3年で壊れることもあれば10年以上もつこともあり、同じ車種でも故障するタイミングはバラバラだが、日本車は同じ車種なら8年なら8年、5年なら5年できっかり同じタイミングで故障するものだと考えているそうです。そのため壊れるまでの期間は安心して使えるけど、壊れると言われている時期になると途端に信頼が落ちると言います。
 というようなことを知り合いで、化学品扱っている中国人の友人に聞いてみたところ、「その通りだよ。データが証明している」と言ってきました。その友人によると材料素材には耐久性テストをあれこれ行うようですが、日本のメーカーはこの耐久性というか精度をきっかり合わせてくるようでほかの国のメーカーと比べてムラが少ないそうです。そのためそれこそソニータイマーの様な、保障期限内は何が何でも故障とか破損が起こらないように管理しており、そうした精度がある意味で高すぎるせいかほぼ同じタイミングで壊れる現象が起きるそうです。

 改めて言われてみると私自身もなんとなくわかる気がします。日本人の性格からして精度とか濃度の管理はやけに徹底しそうですし、いわゆる品質管理においては世界的にも明らかにトップクラスにも感じます。逆にそれ故に、融通が利かないというかムラがなさすぎるところがあり、変に同じタイミングで故障が起こるもんだから上記のような見方がされるのだと思います。言ってしまえばソニータイマーも、それだけソニーの品質管理能力が保証期限きっちりに合わせられるほど高いということなのかもしれません。
 ここで私が何を言いたいのかというと、少なくとも中国人にとってソニータイマーはソニーだけでなく、日本のメーカー全体に多かれ少なかれあるものだとみられていることです。こうした見られ方は日本製品のブランドイメージにプラスかマイナスかと言われたら明らかにマイナスでしょうが、じゃあ絶対壊れないようにするなんてのは無理ですし、かといって壊れるタイミングに意図的にムラが出るようにしてしまったら本末転倒dす。ただこうしたイメージを持たれていることを意識して何らかのブランド戦略を持っていくことは大事なのではないかと、個人的に感じた次第です。

2012年10月14日日曜日

復興予算を巡るNHKの報道

 このところ東日本大震災に対する復興費用の用途を巡り本来の目的とは関係ないものに使われたという報道が増えてきておりますが、これらの報道を見るたびに実はちょっと違和感を感じます。その違和感というのも、何故誰も先月にNHKが報じた番組の内容をもっと引用しないかという思いです。

 件の番組はたまたま自分が日本に帰国している最中に放送されたのですが、復興予算がどのように使われているのかをあくまで中立的な立場で鋭く調査しており、一緒に見ていた親父と共に、「さすがはNHKよ」と見ているこっちが舌を巻く内容でした。具体的な内容をいくつか紹介すると、まず一番衝撃的だったのは各自治体のがれきの処理費用の差です。
 震災後、宮城県や福島県を中心に海岸沿いの自治体では大量のがれきが生まれましたが、これらのがれき処理に際して政府は事実上、青天井の予算を組んだのですが、震災から一年半経過してがれき処理にかかった費用を自治体別に比較してみると、なんと処理したがれき量はほぼ同じにもかかわらず自治体によっては10倍、実数を出すとたしか300億円以上使った自治体もあればわずか30億円で済ませた自治体も存在しました。

 調べれば簡単に該当の自治体は出てきますが敢えて出さずにこのまま話を進めます。一体どうしてこれだけの費用の差が生まれたのかについてNHKは、がれき処理のやり方の違いが10倍の差を生んだとはっきり指摘しておりました。300億円もかかった自治体ではとにかく早くがれき処理を優先するために各地で集めた瓦礫を片っ端から集積場に集めて、集積場でがれきの種類を仕分する方法を採ったそうです。ただこの方法は結果的にはあまり効率が良くなく、次から次へとがれきが運ばれてくるため仕分が追い付かず、集積場ではハエなどの虫が大量に発生することとなりました。そのためこれらの虫を殺虫するために保管費用がかかり、現在も毎日殺虫剤を撒いているそうです。
 一方、わずか30億円に抑えた自治体では以前に起きた新潟県中越地震で同じようにがれき処理の経験があったことから、がれきを現地で分類した上で集積場に持ってくる方法を採用したそうです。担当者によるとこの方法が一番効率がいいと判断し、実際に先の自治体と比べて格段に保管費用が少なく、処理も早く進んでいるそうです。また同じように費用を格段に安く済ませた別の自治体では、業者にがれき処理を発注する前にまず自分たちで崩壊した家屋の破壊処理をやってみたそうです。実際に破壊処理してみて一軒当たりどの程度の費用がかかるのかを綿密に計算した上で、業者に対し費用の交渉を行ったそうです。

 いくら処理を急ぐと言っても、費用は安く抑えるに越したことはありません。別に300億円かかった自治体を批判するつもりはありませんが、今後もこういった大災害が起こる可能性を考えると費用を安く抑えた自治体の取り組みを大きく取り上げ、次回の反省に生かすべきだと思います。そういう意味でこのNHKの報道は実に見事なもので、見終わった後には次の日のネットではこの番組の内容についてみんなネット上で議論するだろう、どんな意見が交わされるのだろうと楽しみに待っていたら、自分が思っていた以上にネット上ではあまり取り上げられず、約一ヶ月経って復興予算の使い道についてあれこれ他のメディアが報道される段階になっても未だに見ません。
 もちろん検索をかけたらいくつかのブログでは取り上げられているのですが、それにしたって内容が非常に良かっただけに何故共通認識になるくらいみんなで共有しないのか不思議でしょうがありません。念のために友人にこの前確認したところ、やっぱり全く知りませんでした。

 今現在起こっている復興予算の不当な使い道では、今日見たのだと公安が「被災地で過激派が活動する恐れがある」として車を買ってたという突っ込みどころのある使い方などあり確かにこれらもこれから精査しなければなりませんが、この不当な使い道に関連して政府、特に民主党を批判する人を見受けますが私としてはあまりいい気分がしません。もちろん民主党は与党であるためにある程度責任は持たないといけませんが、震災が起きて数ヶ月間は「なんでまだ復興予算をきちんと配らないんだ」などという批判が多く、自分のブログにも管元首相の悪口を書いたコメントとか当時受け取りました。
 早く配れれば早いに越したことはないですが、急いでやろうとすれば何事も齟齬が生まれます。かといって抜け道がないように綿密に相談するために配布が遅れてもいいわけではありません。私が何を言いたのかというと、こういうのは結局どっちを取ってもとっちかで転ぶロスであって、過去のことをあれこれ批判するより次回の反省につなげる思考の方が大事だということです。差し当たってさっきの公安のわけのわからない予算申請した責任者のクビを飛ばせば無能が一人減るわけですし、何故管理できなかったのかとあれこれ議論するくらいなら無能の排除と費用を安く抑える有効な方法を周知することの方が未来につながるのでは、未来志向なのではというのが私の意見です。

2012年10月13日土曜日

おもしろ超人のいる国

 また関係ない話からですが、「中国製」というと日本製より価格は安い物の品質が悪いというイメージが付きまといますが、これを「中華製」と言い換えるとまた別なイメージが持たれるのではとこのところ考えてます。具体的には「中華製タオル」、「中華製電子レンジ」、「中華製クレンジングオイル」など、なんか中華料理のイメージからか全部厨房で作られているような感じがします。

 話は本題、といってもまたおちゃらけた話ですが、私が中国に興味を持ったのはこのブログでも何度も書いてあるように三国志など中国史に興味を持ったことが大きいですが、それと共におもしろ超人がたくさんいたということも一つのきっかけとなっております。よく取り上げていたのはテレビ番組の「世界まる見え特捜部」ですが、気功の力などと言いながらレンガをひたすら頭突きで割る人とか、足の指で筆をつかんで上手に字を書く人とか、確かにすごいんだけどなにかおかしいというおもしろ超人とくれば大抵が中国人かインド人でした。今でもそうですがわけがわからないんだけど珍しい感じがするものに対して私はよく興味を持つところがあり、こうしたおもしろ超人が多くいたということから中国が好きになった気がします。なおやっぱりインドも同じ理由からやっぱり好きです。

 ただ昨今は経済成長が著しい中国。資本主義の浸透による影響か、残念なことにこうしたおもしろ超人を見にする機会は確実に減ってきているような気がします。日々の新聞を見ていてもそういうおもしろ超人に関する記事は見ることはなく、話をでっかくしてもしょうがないですけどこういったおもしろ超人がいるということは社会がやっぱり寛容な証拠であるように思えて、表に出なくなったのは社会全体で「無駄なものは無駄」と切り捨て、精神的な余裕がなくなっているのかなという風に感じます。もっともそれを言ったら日本なんか以前からそのような社会になっており、風船おじさん以降は「そんなしようもないことをなんですんねん」と突っ込みたくなる人がほとんどおりません。芸人であれば江頭2:50のように尻で割りばしを割る人はいますが。

 そういう意味では日本も余裕のない国と言わざるを得ないと言いたいところですが、なんか日本は別方面でこのところ凄いと思うニュースが良く報じられます。そのニュースというのも性犯罪者関連のニュースですが、アンサイクロペディアの「変態番付」を見ていると、「なんなんだろう、日本人って」とつくづく思え、こういう常識外で生きる人達もいることだし、世の中捨てたものじゃないなとなんか一人で物思いにふけってしまいます。ちなみにこの変態番付の中で私が一番好きなのは大関の「改造した釣竿を使い、足掛け30年で500枚もの女性下着を盗み続けた通称、釣りキチ助平」です。