このスタレで私は現在第4部に相当するオンパロス編をプレイしています。第3部のピノコニー編がほかのレビューとかでも「ストーリーが超クソ」と書かれていて私も深く同意していただけに、比較対象となる前編が悪すぎただけにこのオンパロス編はまだ楽しめて遊ぶことができます。
なお何故ピノコニー編が超クソなのかはいくらでも理由を挙げられますが、敢えて端的に述べればそれまで登場してきた主人公一味キャラをほとんど使わず、ストーリー展開をほぼ全て新キャラで行おうとしたのが主因じゃないかとみています。決して魅力がないわけではないもののぽっと出の新キャラにストーリーを牽引させ従来から登場していたキャラをほぼガン無視するあの展開だとプレイヤーがついて行けるわけなく、開発者がストーリーテーリングの基本を如何に理解していないかが伺える内容でした。
話を戻すとオンパロス編は前の話がひどすぎたためすっごくマシに見え、またキャラクターの作り方はこれまで通りよく、個性も魅力もきちんと兼ね備えている気がします。中でも現在ゲーム内でも最強キャラの呼び声高いキャストリスに関しては、演じている声優がベテランの斎藤千和氏ですが明らかにほかのキャラと演技のレベルが段違いで、声の面でも最強キャラではと思えてきます。以前から評価してましたがやっぱりうまい。
以上、いくつか感想を述べていますが、このオンパロス編のストーリーの主軸は神殺しとなっています。大まかに述べると、危機に瀕した世界で死にかけている神を人が殺して新たな神となって世界を救う的なあらすじで展開されます。神様をたくさん登場させる関係もあってか美術はギリシャ、ローマ風の衣装や建築で統一されており、登場キャラもそれにちなんだ名前や役割を持たせられています。
この神殺しですが、実はかなり昔に一人で色々考えたことがあります。基本的にどの世界の神話においても神殺しは同じ神性を持った別の神によって行われることが多く、人の手による神殺しは神話の中ではほぼ見られません。フィクション作品では昔あった「エデンズボゥイ」という作品で主人公の少年が神殺しの一族としてテーマにしてましたが、ぶっちゃけ読んでて詰まらなかったので結末とか知らないです。
それでその神殺しの方法ですが、例えば相手が悪魔というかイシュタルをはじめとする別宗教の神だったら自分とこの宗教が調伏したとか得意技の火とか雷で倒した敵に描かれます。ただ同族の神となると結構手の込んだ殺し方をすることが多く、パッと浮かぶのだと北欧神話のバルドルの例があります。
・バルドル(Wikpedia)
このバルドルは不死の神様である日の宴会で不死なのをいいことにみんなでいろんな凶器をバルドルに投げようって遊びをしていたところ、盲目の神であるヘズがロキにたぶらかされて、バルドルの不死性が唯一通じないヤドリギを投げつけられて直撃して死ぬという話になっています。
なおこのエピソードからデビサバってゲームでバルドルにはマジでヤドリギを装備したキャラしかダメージを与えられなくなっててめちゃ辛かった。
このバルドルのエピソードというか、不死身だけど致命的な弱点が実は存在する系はほかの神話にも見られます。代表的なのはギリシャ神話のアキレウスで、生まれたときに不死身となる泉につけられて不死身となったものの、その際に足首を掴んで泉につけていたことからかかと部分は浸っておらず、俗に言うアキレス腱とよばれる部分だけは不死身でなくそこを射られて死んでいます。
こんな具合に、基本的に神様は不死だけど致命的な弱点を突けば一発で死ぬ的な話がやっぱり面白がられるためかよくあります。現実的な宗教における神の死とは議員同様に信仰を失うことであり、信仰者を失い語られなくなった宗教の神こそ死んだ神だと思いますが、信仰途中で死んでく神となるなと何かしら条件を付けて死んでいます。
個人的にはこの神殺しの手段のあたりが創作において人間の創意工夫が生かされる場面だと思うのですが、これはという王道パターンはいまだ確立されていないように見えます。魔王の倒し方はたくさんあるけど神殺しの手段は少なく、個人的にはもっといろいろ出てきてほしいというか以前に考えた疑似神話の中でも実はあれこれ悩んでいました。
なおその疑似神話の中では、神を殺そうとする研究者が神殺しの手段を必死で研究するが、神からしたらそんなの認めるわけじゃなくこの研究者を殺そうとするような話を練ってましたが、絶対的な存在に立ち向かうという意味ではある意味ヒロイックかもと当時思っていました。なおなんでそんな疑似神話を作ろうとしたのかというと、クトゥルフ以降はこれという神話が生まれておらず、何かしたら新しい概念を取り込んだ神話話が読みたいな、なら自分で作ろうかと思ったためです。