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2025年11月13日木曜日

中国領事の斬首発言問題で無意味に拡大させる中国

 いちいちリンクはつけませんが、先日の薛剣・駐大阪総領事の高市首相に対する斬首発言について、なんか中国は今日、「そもそも高市総理が台湾をめぐる問題について言及したことが悪い」などと公式に批判しました。これ見て私が何を思ったのかというと、中国は外国に駐在する領事だけでなく国内にもまともな外交官がいないのかということと、その人材不足はかなり深刻なところまで来ているなという感想でした。

 私の主観で述べると、少なくとも高市総理の台湾有事は日本にとっての存立危機事態という発言には何も問題がないと思います。というのも台湾周辺は日本にとって石油をはじめとする重要なシーレーンであり、日本がこの紛争に対し軍事的に直接関与する、しないに係わらず、発生した場合は国家的にも何かしら対応に迫られることになるのは必定です。
 というか日本に限らなくても、周辺で戦争が起きた場合に存立危機事態に入らない国なんてほぼないでしょう。それにそもそも中国自身が台湾への軍事行動を辞さないとかねてから平気で放言していることも考えると、これに備えない周辺国はただの馬鹿以外の何物でもありません。

 その上で話を戻すと、例の斬首発言に対して日本政府は比較的大人な対応を取ったかと思います。さすがに発言を放置することはせずに公式批判をした後、一部の日本人が求めているペルソナノングラータに指定しての国外追放までの手続きは一切進めませんでした。
 私自身、あの発言は十分に国外追放処理が取られても仕方のないようなものだったと思うものの、かといって無駄にことを大きくする必要もなく、日本が大人な態度を見せた上で中国も「業務上の理由」で総領事を交代させればすべて丸く収まると思っていました。

 ところが中国はそのような阿吽の呼吸は取らず、むしろ「日本で大阪総領事が批判にさらされている」などとしたうえで、高市総理の発言をあげつらって公式に批判してくるに至りました。せっかく日本側が事態を鎮静化させようとしているにもかかわらず、空気を読まずに無駄に燃料を投じているように見え、なんていうか元々外交はうまくない国だとは思っていましたが、最近はさらに輪にかけて下手になってきていると感じた次第です。

 なお中国側では個人ブログを除いて、一般メディアは斬首発言については一切触れていません。なので一連の流れも、

高市総理の存立危機事態発言
↓↓↓
薛剣・駐大阪総領事が高市総理を批判
↓↓↓
日本側が薛剣・駐大阪総領事に逆批判
↓↓↓
中国政府も一緒になって日本政府を批判

 という風な流れだと説明していて、肝心の斬首発言については触れないというか明確に報道規制しています。

 ただあの斬首発言が出たときに自分が真っ先に思ったこととしては、「これ、中国国内で外国の領事が習近平に向かって同じこと発言したら、問答無用で中国は襲撃かけてくるだろうな」ということでした。でもって「こんな恥知らずな国の連中めが!(# ゚Д゚)」などと激しくいきり立って延々と批判を繰り返してくるのも目に見えていますが、そうした態度を取らずに毅然と批判するだけ日本はずっと大人だと思います。
 逆に中国は、自分がやられたら絶対タダでは済まさないような無礼な発言をした自国の外交官に対し、こうしてかばうような姿勢を取ってしまうあたり外交のバランス感覚を完全に失っているように見えます。まだ王毅氏が日本大使だった頃は日本のことを批判しつつもちゃんと落としどころを探るような態度も見せていて、外交の駆け引きが上手だといつも感じていましたが、今の中国の外交はただただ下手であるという印象しか覚えません。

 今回丸く収められた事件をこうして無駄に炎上させたことから、現状で落としどころも見えないし、もしかしたらこの問題はまだしばらく続くかもしれません。もっとも長引かせたところで困るのは中国自身で、日本としては中国以外からも観光客はたくさん来てるし、逆に中国から日本へ移民する人たちは増えていて、中国政府がここで日本に対するヘイトを高めたところで何も損するものはないでしょう。

 最後に上の方で書きそびれたけど、中国が急に総領事をかばって日本を批判し始めたのは米国のトランプ大統領がこの発言に対して不問にしたことが最大の理由でしょう。逆を言えばそれだけトランプ大統領のことを恐れているように見え、日本や韓国に対しては舐め腐っているのが本音だということでしょうが、日本からすれば中国に付け込むチャンスはかなり増えてきていると言える気がします。相手を侮る国ほど、対応しやすい相手はいません。

2025年11月12日水曜日

中国上映を控え現地で盛り上がってきた鬼滅の刃

 本題と関係ないですが刑事容疑で告発された兵庫県知事の多くの疑惑について今日まとめて起訴を見送ることが発表されました。考えすぎかもしれませんが立花孝志氏の逮捕とあまりにもタイミングが良いいように思え、何かしら関係者に思惑あってのことではとちょっと勘繰りたくなります。もっとも告発された容疑に関しては確かに証拠が多いとは言えないし、起訴しても有罪に持ち込めるかと言ったら微妙な案件であるため、起訴見送りについてはそこまで不自然だとは感じません。


 というわけで本題ですが、中国でまだ公開されていなかった鬼滅の刃の映画が明後日11/14から公開される予定となっており、既に前売券の売り上げが約1.2億元(約25億円)となっており、以前に外国映画として記録を作った「スラムダンク」の記録をすでに追い抜いていると報じられています。

 詳しく追っていたわけじゃないですが以前聞いたところによると、今回の鬼滅の刃の映画は中国では当初、公開されないという風に観測されていました。理由は内容が暴力的であることが指摘されており、実際に以前に公開された無限列車に関しても中国では映画館公開はされませんでした。そのためこの作品のファンは本土での観劇は無理と考え、わざわざ香港まで見に行ってたほどです。
 ちなみに映画館では公開されていないものの、動画配信サイトでは鬼滅の刃はちゃんと正規ライセンス版が配信されているので、中国のファンはテレビ公開シリーズを含め作品を視聴することはできました。

 話を戻すと当初は上映に乗り気じゃなかった中国が何故ここで公開にこぎつけたのか。敢えて憶測で話すと、それだけ中国映画界が困っていたからじゃないかと私は見ています。
 去年ごろから中国は映画業界が不況であることが度々報じられており、期待の反日映画も「南京照相館」はヒットしましたが、もう一つの「731」に至っては初動で大顰蹙かってそっと消える始末でした。なお「731」は既に公開終わってますが、「南京照相館」の方はまだ公開しているところがあります。

 何となく米国のマーブル作品もかつてほどの勢いがなく、また中国国産映画も全然振るわなないことから、中国の映画館はこのところどこも客が入らず、難儀しているというのを映画好きの友人などからもかねてから聞いています。またニュース報道でもそうした映画界の苦境がよく報じられており、そのような窮状だけに、かつては上映を拒否したものの中国でもファンは多く、公開しさえすれば観客を確実に大量動員できる見込みが高いことから、今回ジョーカー的に鬼滅の刃がこうして公開に至ったんじゃないかと推測しています。少なくとも前売り段階でその目論見は当たっており、私自身も実際に公開されれば大ヒットとなり、文字通り中国の各映画館を救うことになる可能性が高いとみています。

 映画館側も気合入っているというか、自分が普段通っている自宅近くの映画館では明日の24時、つまり明後日の0時きっかりから初回の上映を予定しています。座席予約も半分くらい既に埋まっており、この時間帯の上映でこれだけ来るのなら土日とかマジヤバい事態になる気がします。多分今週末辺りから日系メディアも取り上げて、「中国で鬼滅が大ヒット!」みたいな言葉を連呼するでしょう。同じく中国で今公開されている「小林さんちのメイドラゴン」はスルーして。

 なお私は鬼滅の刃は漫画は全部読んでますアニメにはそこまで興味がないため、今のところ見に行く予定はないです。先週はプレデターを見たけど、今週末は「グランドイリュージョン3」でも見に行こうかと検討中です(´・ω・)

2025年11月10日月曜日

立花孝志氏の逮捕に触れて

 本当は別のネタで記事を用意してましたが、こっちのニュースと絡めてかけるので予定変更して今書いています。

 さて先日、NHK党の立花孝志氏が逮捕されたニュースはあちこちで大きな反応がありました。兵庫県議への根も葉もない誹謗中傷など今回の逮捕経緯などについては省略しますが、一部で逃亡の恐れもないのに名誉棄損罪で逮捕は横暴だという声も出ています。この点について刑法専門家でないものの、以前のガーシー氏の海外逃亡や、来月にも立花氏が出国する予定であったことを考えると警察が逮捕を取ったというのも仕方ない気がします。
 それ以前に、逮捕せずに立件した場合は逮捕理由について根も葉もないことをネットで言いふらしたり、また市長リコールで話題となった伊東市で今度行われる市長選に立候補しようなどと発言していたことを踏まえれば、身柄を拘束するのが社会的にも良かったと思います。

 そもそもこれまでの彼の言動を見ていた限り、何かしら法で処罰しなければどうしようもないだろうと前から感じていました。上述の誹謗中傷はもとより、選挙に立候補して他の候補を応援するなど社会の足を引っ張る行為を繰り返しており、その犯罪的気質はもはや放置できるレベルじゃありませんでした。
 中には法に違反していないのだからという人もいるでしょうが、法律というのは本来、「最低限、やってはいけないこと」だけを禁止する手段であり、一から十までやっていいことと悪いことを区別するものではありません。それを法に書かれていないことを理由にやりたい放題する人間がいれば、自然とその社会の質は落ちるというか価値観や連帯性は失われているもので、だからこそ私個人にとって立花氏の存在は目障り以外の何物でもありませんでした。

 その立花氏が主にやった悪行が前述の誹謗中傷ですが、これについてはもはや日本社会で大きな問題となっており、著名な芸能人が自殺に追い込まれたり、名指しされた飲食店が営業妨害を受けるなど大きな問題化しています。
 上に書いた通り、一から十まで何でも法律で規定すべきではないという立場をとる私ですが、事ここに至ってはこうした悪質なネットを介した誹謗中傷には法手続きを早く整えるしかないでしょう。特に中傷者の実名開示などは現在のところ手続きに時間や費用が掛かっており、これをもっと早く迅速に、具体的には悪質性の判断基準を設けてプロバイダーに問い合わせればすぐに確認できるような体制にしないともう追いつかない気がします。

 なお私自身はそのような誹謗中傷は受けてはいないのですが、一時期悩ませたのがアダルトサイトなどに誘導するスパムコメントです。かつてやっていたFC2で特に顕著でしたが、「何が楽しくてこんなことするんだ」などと、スパムコメントが来ては消す作業を繰り返すたびに当時はかなりげんなりさせられました。
 こちらのBloggerは日本でメジャーなブログサービスというわけでなかったため開設当初よりスパムコメントはほとんどなかったのですが、二年くらい前より何語かわからないけど外国語で時たま来るようになってきて、時代はグローバル化したなと感じてました。

 ただ昔と違ってBloggerもスパムコメント対策しており、一度登録したコメント主、恐らくIPアドレスで判断していると思いますが、そういうところからのコメントは入力しても即弾かれるようになっています。実際先週にもスパム登録を1件したところ、数日後に同じ奴がまたコメントしてきたようなのですが、どうも弾かれたことに最初気づかず、二度、三度と同じコメントを投入しようとしては失敗していた痕跡があり、「哀れな奴め(´・ω・)」と思わせられました。

 このように現在でならスパムコメントに対してそれほどいきり立つこともなく冷静に対処できるようになり、JBpress時代にヤフコメで批判とかされても「だからなんやねん(´・ω・)」と涼しい顔できるほど煽り耐性がついていますが、前述の通りブログ開設当初はそうではなく、多分当時だったらヤフコメに来た記事への批判に対していちいちマジギレしていた気がします。
 そういう意味ではこのような時代、ネットでの誹謗中傷に対する煽り耐性を意識的につけていく方が精神衛生上有効なのかと思うことがあります。もちろん立花氏が仕掛けた殺害予告を含むような激烈な誹謗中傷を涼しい顔して無視しろというのは論外ですが、ちょっと程度の誹謗中傷には気にしないで済むメンタルを義務教育レベルで鍛えるのも一考ではないかという気がします。

 そもそも現代の日本の義務教育自体が、「周りの声を漏らさず聞き取り反応しろ!」と言わんばかりに、周囲に合わせるとともにその注意を真に受けろと言いすぎて斬る感じがして、現代日本人の煽り耐性を小さいころから敢えて弱めているような気がします。体罰を含む部活動でもそうですが、間違った意見には与する必要はなく、その意見が正しいか間違っているか自分で判断するようにと自己判断力を持たせる教育が皆無なくらいないため、誹謗中傷にでダメージを受けやすい人を量産しているように見えます。
 極論を言うと、激しくならないレベルで子供に悪口合戦させるというのも教育的には少しありかなという気がします。最初は言われて辛いと感じる子も、慣れてくりゃ言い返せるようになり、それをむやみやたらにほかの人に向けないようにということも教え込めばアリじゃないかと思います。なんにしても、日本人はもっと子供のうちからメンタル鍛えた方がいいでしょう。でもって、極端な誹謗中傷を繰り返す人には警察の手を借りずとも報復できる体制を整えるべきでしょう。

2025年11月8日土曜日

意外と面白かった「プレデター:バッドランド」

エル・ファニング、「ずっと背中にくくりつけられてた」――『プレデター:バッドランド』驚きの撮影エピソード(ハリウッドレポーター)

 本日、久々に中国でなじみの映画館にてこの映画を見てきました。SFホラーでエイリアンに並ぶ人気キャラのプレデター最新作ですが、結論から言うと思ってたより面白かったです。

 前情報一切なしに見に行きましたが主人公は人間、ではなくプレデターの方だったりします。その主人公プレデターのデクはプレデターにしてはやや弱いというか、登場からして兄ちゃんにボコボコにされたり、パパからは「弱者必滅!」と言われて殺されそうになり、逃げた先の星ではクリーチャーにやられまくったりといいところがありません。正直、こうした序盤はアクションもなんかもっさりしていたしプレデターのキャラ観崩しているような感じがしてみていて面白さを感じませんでした。

 それが面白いと感じるようになったのは中盤からで、金髪美人のアンドロイドキャラが出てきてからです。このキャラは下半身が吹っ飛んで上半身だけで登場しますが、上の記事にある通りにプレデターが彼女を担いで移動するシーンが出てくるものの、なんと撮影時にはCGではなく実際に担いで山の中を走り回っていたそうです。確かに、担いで走るシーンは妙に臨場感感じてたが(;´・ω・)

 ストーリーに関してはネタバレしない程度に話すと、プレデターというよりゲームのモンスターハンターとメタルギアソリッドを足して3で割ったような内容でした。当初でこそ前述お通り「プレデターらしくない(。-`ω-)」と思ってあんま受け入れられなかったですが、最初もっさりだったアクションも終盤は急にカメラが良くなり、特に上半身と下半身の連携シーンなんかはよくできていると感じました。
 それ以上に、最終盤にあの悪名高き日系企業であるウェイランド・ユタニ社製のパワーローダーが出てきたところはかなり胸熱でした。あのシーンだけでも見る価値ある。

 もう一つ、この映画のテーマですが多分突き詰めたら「家族愛」だと思います。「プレデターに家族愛ってなんやねん、プレデターに必要なのは武と誉れだけや!」と鎌倉武士みたいなこと言いたくなるのですが、このプレデターと全然マッチしないように見える家族愛というテーマが結構生きてて、ストーリーもこのテーマに沿って後半にかけて盛り上がっていくのは逆に良かったと思います。いい意味で期待を裏切られたというべきか、最後に母ちゃんも出てくるし。

 なおその終盤ですが、我ながら情けないことに家出る前にコーヒー飲んで、上映前におしっこしたけど映画館でもコーラ買って、最後の方はおしっこ洩れそうになるのを我慢しながら見てました。そのためラストバトルは文字通り手に汗握る状態で見ていてエンドクレジットが始まるやすぐ出てトイレへ向かったので、もしかしたらミドルクレジットを見逃していたかもしれません(´;ω;`)ウッ…

2025年11月7日金曜日

日本より海外の方が受けた日本のアニメ

 先週まで好調だったVPNが今週から調子悪くなり速度が200kb/bpsくらいまで落ちました。先週まで1mb/bps超えてましたが先週までが異常で、先月以前はずっと200kb/bpsでしたが、一度高い速度に慣れちゃうとまた戻った後は結構辛いです。
 そんなわけで本題ですが、個人的に日本よりも海外の方で受けた日本のアニメ作品をちょっとまとめます。

1、ボルテスV

 このテーマで言ったら絶対に外せないのがこのボルテスVでしょう。日本では人気ロボットアニメ作品の一つに過ぎませんが、フィリピンではこうして現地の人が日本語の歌詞で高らかに歌うなど国民的人気作品となり、主題歌を歌った堀江美都子氏に至っては国賓待遇で呼ばれたそうです。ワンピースのエースじゃないけど、フィリピンの人には「愛してくれてありがとう」と無関係なのに言いたくなってきます。
 私自身もこのボルテスVは直接見たわけじゃなくスパロボでプレイしたに過ぎませんが、そのストーリー性は引かれるところがあり長浜三部作の中で一番好きな作品です。それは多分フィリピンの人にも同様で、ただのロボット作品ではなくその高いストーリー性が国境を越えて響くものがあったからこそこれほどの人気を得たのだと思います。


2、グレンダイザー

 恐らく初代マジンガー、グレートマジンガーと並ぶマジンガー3部作のうち日本国内では最も印象が薄い(スパロボにもあんま出ないし)作品だと思いますが、このグレンダイザーは何故かフランスでは異常なほど人気を博し、視聴率も100%を記録したなどと本当か嘘かと疑いたくなるような伝説すらあります。同じくイラク、イタリアでも同様に日本を上回るほどの人気ぶりだったそうで、決して悪い作品ではないもの、どうしてこんなに受けるのかと不思議に感じます。
 その人気の背景について以前見た記事では、「地球に亡命してきたほかの星の王子という設定が、あの地域の人には刺さる」というのを見たことがあります。裏付けは取っていないですが確かに欧州辺りは王室に対する感覚が日本とは違って、その辺がヒットしやすい要因なのかなと勝手に納得しています。

3、エルフェンリート

 もはやこの作品も古典というくらい古くなっていますが、日本では好事家(マニア)の間で知られる作品にとどまった一方、なんか聞くところによると米国では非常に高い人気を博して一時期は主人公が日本アニメのアイコン的に扱われたとも聞きます。
 知らない人向けに簡単に説明すると、この作品のジャンルはエログロホラーに属すのですが、それまでにも同様のジャンルのアニメ作品はあったものの何故これが米国で非常に受けたのか。個人的意見として述べると、エログロ系な絵じゃないのにこのジャンルだったことが最大の理由じゃないかと思います。

 今や押しも押されぬ大御所となった作者の岡本倫氏ですが、デビュー作のこの作品の開始当初はそんなに作画も良かったわけじゃありませんでした。ただ、キャラクターは少女漫画のように目を大きく描くなどかなり特徴的な絵だったのですが、これがそれまでのホラー系作品とは大きく異なり、かわいいキャラクターで凄惨な場面が描かれるという点ではかなり早かったように思います。でもって、それがかえって米国のアニメファンに響いて、日本国内を超える人気を得たのだと思います。
 このように思ったのもこの前日本にいる間に「メイドインアビス」を読んだせいで、あれ見てかわいい絵柄で凄惨な場面を描くという点でエルフェンリートの系譜に属すと感じたとともに、こうした手法の嚆矢はやはりエルフェンリートだったと思うに至りました。

 なんでこんな記事を書いたのかというと、やはり自分の趣味の文化比較というかある文化圏では受けて、別の文化圏では受けない作品の原因というか要素が急に気になったからです。実際には時代性、特にテレビ放映期間や他の競争娯楽が最も大きなファクターだと思いますが、こうして比較することで何かしら傾向が見つけたら話のタネになるのかなと考えています。
 逆方面から書いても面白いと思っていますが、今のところそれで浮かぶのは「攻殻機動隊」くらいなものです。あの作品ほど日本で評価されながら海外ではそこまで浸透していないのは珍しい気がします。

  追記
 書き終わった後で気づいたけど、岡本倫氏も「メイドインアビス」のつくしあきひと氏もゲーム業界出身の漫画家という点で共通してました。なんで二人とも似たような経歴で似たようなグロテスクな作品描くんだろう(;´・ω・)

2025年11月6日木曜日

実は好きだったギャグマンガ家

病院・介護施設の賃上げや経営改善、補正予算で支援…報酬改定前に首相「スピード感をもって」(読売新聞)

 本題と関係ないですが以前にも医療業界の孤立無援さを懸念していただけに、上記の高市総理の方針は非常にありがたいと医療関係者でもないのに感じました。これはマジで国が補助するしか手がないだけに、速やかに実施してもらいたいものです。

 それで本題ですが、密かに昔好きだった漫画家の中に岩村俊哉氏がいたりします。比較的目に触れられる機会が多かったと思う作品はコミック本ボンボンで連載されたF91とVガンダムのコミカライズ作品だと思いますが、どちらも正直そんな評価は高くない気がします。私自身もリアルタイムでVガンダムの方は読んでましたが、肝心要のカテジナさんが一切登場しないなど構成に無理があったような気がします。
 一方、最も代表作として見られているのはガンガンで連載されていた「電撃ドクターモアイくん」かと思え、私自身もこの作品はかなり好きでした。どういう漫画かというと主人公が小学生ながら医師免許を持つホモというキャラで、基本的にハイテンションなノリでドタバタやる系のギャグマンガでした。当時のガンガンの作家の中では比較的作画がしっかりしており、ギャグもテンポ良くて単行本も買おうかと思ったけど、あんま身近な書店で売ってなかったためあきらめました。

 もう一つ連載をリアルタイムで読んでいたのが、ギャグ王で連載されていた「大ボケ超人ウッカリマン」でした。ただこの漫画は当初はギャグ漫画として出発したものの連載が進むにつれてシリアスな展開となっていき、ギャグ王の部数が減少していくに伴ってなんか面白さも落ち込んでいったような気がしました。
 っていうかあの頃のギャグ王は三笠山出月氏の「うめぼしの謎」が抜きんでたのに、これの連載が終わってから急激に雑誌としてつまらなくなっていきました。ただギャグ王後期は坂本太郎氏が描く「最後の楽園」とかの緩急効いたギャグはかなり好きでした。

 話を岩村氏に戻すと、確か90年代後半だった気がしますがジャンプに二度ほど読み切り漫画が掲載されていたことをよく覚えています。内容はどちらも天才小学生コックの料理漫画なのですが、この手のギャグマンガの読み切りが二回載るというのは大体本連載前の準備段階とみなすことができ、ジャンプでの連載開始がかなり秒読みだったんじゃないかと当時思いました。
 ただ二度目の読み切り漫画を読んだとき、贔屓にしていた作家ながら「あ、こりゃだめだ」とはっきり思いました。というのもその二度目の読み切り、話の内容が子供の給食に辛すぎるカレーを出してはダメという、一度目の読み切りと全く同じオチだったからです。

 これ見て私は、私以外も一度目の読み切りの内容を覚えている読者はたくさんいてみんなマンネリ間を感じるだろうし、そもそも同じネタを連投するってギャグマンガかとしてどうなのという風に思い、「本連載にはもう行かないだろうな」というのをはっきり直感しました。実際その通りというか、その後ジャンプに岩村氏の漫画が載ることはありませんでした。
 逆を言えばあの時、二度目の読み切りで主人公とかのキャラが同じなのはまだ良くても、オチをもう少しひねっていればまた違ったんじゃないかというのを今でも思います。

2025年11月3日月曜日

中国の高市総理に対する反応

 1冊77円のセールをやっているので久々に漫画の「バスタード」を購入しました。この漫画は19巻までは買ってたけどそれからはあまりの進行の遅さと、新刊が発売されても気づかなくなったので読まなくなってましたが、現在出ている巻まで一気買いして改めてこの作者の作画力の高さに驚きました。日本の漫画家の中で最も絵がうまい人を挙げるとしたら私の中ではやはり「ベルセルク」の三浦建太郎が来ますが、萩原一至氏はこれに次ぐような気がします。
 やや皮肉ですが、どちらも作画にこだわるあまり作品は未完結で(恐らくこのまま永遠)、ジャンルもダークファンタジーで共通してますが。

 話は本題ですがふと気になったので中国の高市総理に対する反応を見てみようと急に思い立ち、先ほど関連ニュースをざらっと見てみました。これまで中国でニュース検索するときは百度を使っていましたが、去年あたりからなんかニュース検索の質が劇的に落ちて、実際さっきも高市総理の直近6ヶ月間のニュースは4本しかヒットせず話にならなかったので、新狼(Sina)のニュース検索を使ってみました。こっちはちゃんと直近のニュースもたくさんヒットしてくれて、今後はこっちをメインで使うこととします。

 それで肝心の内容ですが、日系メディアはよく中国は高市氏の右派的思想を警戒しているなどと報じることが多いですが、私の見方は若干違います。ニュース記事を見ている限りだとまだどういう人物であるか読みあぐねている、言い換えると敵か味方かを判別している最中なんじゃないかと思います。
 逆を言えば石破前総理については若干カモっぽく見ていた節があります。

 その上で総理就任からこれまで期間が短いものの、その外交力の高さには素直に驚いているように見えました。先のトランプ大統領との会談、そしてAPECにおける立ち回りなどで各国首脳から好意的な反応を引き出したほか、目立つパフォーマンスぶりを見せており、これまで中国もノーマークだったとはいえここまで良質な外交を展開できるのかというような論調が見えます。
 それもあってか台湾関係者と会ったことについて中国はすぐさま強く抗議してきましたが、これまでの総理も台湾関係者としょっちゅう会ってるのにここまで拒否反応を示したことは、それだけ高市総理の外交力を恐れているというか警戒している表れだと思います。右派的性格もさることながら、台湾と接触されると中国がまずいと危機感を持ってきたと言ってもいい気がします。

 また靖国参拝を見送ったり、韓国大統領との会談も和やかに終わらせたことについて、「比較的現実感のある政治家」という風に評してたりしました。この点については自分も同感ですが、こうした論調を見るに正式就任前と比べるなら中国はやや警戒感を薄めているように見えます。噂されているほど話が通じない奴じゃないといった感じで。

 それ以外に関しては「高市ノミクス(中国語だと「高市経済学」)」の中身はどうとか経済政策に関する報道がいくらか目立ちます。まぁ自分に言わせればせっかくなんだし「習近平経済学」とやらについて中国メディアに解説してもらいたいのですが。
 マジな話、不良債権を無駄に拡大し続けさせている中国の経済政策方針に中国人ももっと目を向けるべきでしょう。それこそ3年前にしっかりやってりゃ今頃状況は好転していたんじゃないかと思うのですが、マジでこの3年くらいで社会における負債は倍くらいに広がっているのではとも疑っています。日本の経済政策語ってる暇あったら、もっと自国の経済政策に危機感持てよと言いたいです。