この「ガイアの夜明け」で放送されたレオパレス回では、ほかの回同様に社長への直接インタビューシーンも放送されたのですが、そのシーンで番組スタッフはレオパレスの社長に対し、サブリース契約でオーナーに対し賃下げを強く要求するよう社員に指示するメールを提示して、「かなり違法なことをやってませんか?」的に、何故か社長への直接インタビューが直接追及へと切り替わる場面となっていました。なので登場当初はやや楽しそうにインタビューに臨んでいた社長でしたが、一瞬で顔が変わり、「いや、そんなの知らない……」と、苦し気に否定するだけでした。
敢えて言えば提灯から刃物が飛び出すかのような番組となり、ぶっちゃけレオパレス側も当時は相当混乱したかと思います。こんなサプライズ、それまでになかったんだし。
その衝撃の放送から翌週、テレビ東京はまたもレオパレス追及番組を組み、サブリース問題だけでなく建設したアパートの多くで界壁が設けられていないなどの建築基準法違反を取り上げ、レオパレス叩きにうなりをあげました。これらテレ東の報道がきっかけとなりレオパレスへ社会の非難が一斉に殺到し、政府もレオパレスに立ち入り捜査を行うなど、事態はどんどんレオパレスにとって悪化していきました。その後、「組織的に指示したわけじゃない」などと誰でもわかる嘘をつきつつも、界壁などの建築基準違反は今後改修工事にて是正していくとレオパレスは約束しましたが、これまでがこれまでだけにどうせ口だけだろうと内心私は思っていました。
そんなことがあったことを同僚との会話で思い出し、あれからレオパレスが廃業したという話も聞かないけどどうしたことやらと思って業績を確認してみると、騒動発覚後に一時大きく落ち込んだものの、直近においては大分業績が改善し、株価も以前のような水準に戻っていました。はっきり言えば意外この上なく、不正規模の大きさから当時ですら改修にあたってレオパレスのキャッシュフローは尽きるという見方もあっただけに、いったいどうやってここまで持ち直したのかという点で気になりました。
・当社施工不備物件の改修に関するお知らせ(株式会社レオパレス21)
まず初めに、当時やると言った改修工事を実際には行わなかったのかという疑いを持ちました。なので調べてみたところ、一応改修工事は当初掲げた目標完了時期は達成不可能として2024年末へと延期されてはいたものの、現在も工事は続けており、これまでの改修軒数や今後の改修軒数などの数字データを定期的に公開していました。
割とこういう問題は喉元過ぎたら無視する会社が多いだけに、こうしてきちんとデータを定期的に公開している点は正直に好感が持てます。もっとも敢えて全体母数の数字を隠している節があり、工事の実際進捗率について伏せているのは往生際が悪いとは思いますが。
・レオパレス21、施工不備物件の改修目途立たないまま管理解約(全国賃貸住宅新聞)
もっとも、その改修工事の実施に関して全く疑惑がないわけでもないようです。上記の全国賃貸住宅新聞の記事によると、改修工事を未実施のまま期間満了を理由にオーナーとの契約をレオパレスが切ろうとし、契約が切れた後は改修保証を行わないなどということを契約に盛り込もうとしたという疑惑が、今年4月になんと国会で指摘されていたようです。もちろんこうした改修義務放棄は違法であると国交省も回答しているようなのですが、まぁレオパレスならやりかねないことだと思えるだけに、あまり不思議には感じません。
むしろこうやってオーナーとの契約を切ることで、改修すべき物件数を減らして、「回収がこれだけ進みました!」的に主張しているのではないかいう風にも見ています。っていうか本当にまじめに回収する気があるなら、過去調査において検出した改修対象軒数と、時系列での改修軒数をリストアップし、場合によっては改修物件の名称なども公開するものだと思います。それをやらないあたり、何かしら数字を操る作為が背後にあると疑ってかかるべきです。
結論から言えば、業績はよくなっているかもしれないが依然としてレオパレスは後ろめたいものを隠しているという印象を覚えます。そういう意味では今後とも、この会社とはかかわりあいになりたくないものです。
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