日本円で1000円くらいだったので、この前創業者が亡くなった韓国アカデミー製のミラージュ3のキットを組み立てました。骨董品みたいなキットでデカールが破れやすくて苦労しました。
話は本題ですが先日ふと、陰謀論にはまる人の特徴に関して何かいい研究が出ていないかなと思っていくつか解説記事を読んでいました。この手の陰謀論はカルトとかもかかわってくるため前からたまに調べたりしていましたが、論文はあまり信用できないというか、矛盾する内容の発表をよく見ます。
具体的には、「学歴が高い/低い人ほどはまる」、「若者/中高年ほどはまる」、「裕福/貧乏な人ほどはまる」などというように、相反する要素をはまりやすい特徴として各々の論文は挙げており、細かい論文内容を読んだり実験の詳細を見ているわけじゃないものの、若干バイアスかかった主張がなされることが多い分と思って私自身もうさん臭く読んでいます。
そんな風に眺めていたところ、ある論文がちょっと目につきました。簡単に内容を説明すると、学歴とか所得、日常の猜疑心や慎重さとかははまりやすさにそこまで有意に相関しておらず、むしろ不安感の大きさが大きく影響するという指摘でした。この説明には文字通り膝を打つほど納得感があり、また先ほど挙げた学歴や年齢などの要素に関係なく不安というのはある人とない人が存在していて、先の要素について矛盾する発表が相次いでいることも説明が付きます。
何より、不安感が大きい人ほど陰謀論にはまりやすいという指摘が一番体感的にもストンと落ち、かえってほかの要素は無視した方がいいくらい説得力を感じました。
そこまで来たところでふと、「そもそも不安ってなんやろ?」という疑問がもたげました。
・心理学者が教える「不安の正体とそのつきあいかた」(赤田太郎)
不安に関する解説記事をいろいろ読んだ中、一番自分が納得したのが上の赤田太郎氏の解説です。重要な個所を引用すると、
「不安と恐怖は同じものだと考えてもらって大丈夫です。ただ、なぜ呼び名がことなっているかというと、対象が明確なものを『恐怖』といいます。対象が不明瞭なものを『不安』といいます。」
これまたストンと落ちる説明で、不安とは恐怖と同じ感情であり、その差は対象がはっきりしているか否かだということです。
あえて比喩を用いると、同じ室内にたくさんの人がいる中、殺人犯が一人混ざっているとして、殺人犯が誰かわかっている状態が恐怖、誰だかわからない状態が不安だと私は思います。
なお最初に作ったたとえは、「ハイパー化するインド人がわかっているのが恐怖、わからないのが不安」でした。なぜ自分はインド人をこうもハイパー化させたがるのかがわかりません。
上のたとえを踏まえた上で敢えて不安単独に対して自分の言葉で表現するとしたら、「明確な答えが欲しいのにその答えがわからない、手に入らない状態」というのが不安状態じゃないかとも思います。陰謀論にすがりつく人の心理状態がまさにこれなんじゃないかとも思っており、コロナワクチンが安全かどうかわからない中で「安全じゃない」という言葉に急激にのめりこむのも、こうした下地あってこそじゃないかと考えます。
その不安ですが、先ほどの赤田氏によると「強度の低い不安感情というのは、実は有益」だそうです、これも非常に納得できるというか、ある程度のストレスがあった方が人間の健康状態とかもよくなるといい、身近な例だと締め切りや納期がが迫ってくるにつれて集中力が増すというのは誰でも経験していることでしょう。
もちろん極度な不安状態が良くないのは言うまでもないですが、一番最初の陰謀論の話に戻すと、そうした陰謀論がはやる背景としては社会に不安がはびこっている、人々の間に不安が大きくもたげている状態にある可能性があります。その上で陰謀論にはまる人にはその陰謀論が間違っているというより、その人が何に不安を持っているのかを探り、それを解消してやる方が陰謀論から目を覚まさせるキーになるような気がします。
ほかの例でもそうですが、なんかおかしな行動をとる人というのは何かしらその背景となる精神的疾患や問題があるように私には見えます。でもってそうした原因は異常行動からは一見して推定し辛く、粘り強く観察してそれらを探り当てて解消する必要があるのではと思います。
先ほどの陰謀論でも、かねてからワクチンに疑問を持っていたというよりは、家族や将来、健康に関する不安にさいなまされていたところで、その手の陰謀論に触れて縋りつくようになったというパターンの方が多いのではないかと思います。であればその不安の原因を解消しなければ、陰謀論を捨てることもないでしょう。
そんな風にいろいろ考えている中で、「日本のホラー漫画って、恐怖というより不安を煽るよな」とも思えてきたのでその辺はまた次回に書きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿