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2009年2月6日金曜日

80年代のある中国農村調査

 今日は一つ、私の手持ちのネタの中でも飛びきり特大の秘蔵ネタを紹介しようと思います。先に言っておきますがここで紹介する話はまず間違いなくまだ世の中に出回っていないネタで、私のこのブログが初見となることでしょう。

 今回紹介する話はもうこのブログで何度も名前が出ている、東大名誉教授の宇沢弘文先生が講演で話した話です。その講演自体がそれほど宣伝されて開かれたものでなく、参加者もそれほど多くなかったので自分で言うのもなんですが非常にレアな話で満載の講演となりました。
 ちなみにこの宇沢先生ですが、私の経済学における師匠と呼べるのがK先生で、そのK先生が所属する学派のトップが宇沢先生なので私にとっても直系の師匠筋に当たる先生でもあります。それでこれは軽い自慢ですが、一度だけK先生の紹介で私も宇沢先生に話をさせてもらう機会がありました。まず出身を聞かれて鹿児島県の出水氏だと答えると、水俣病の調査で訪ねたことがあると言われ、簡単に当時の水俣病の話を伺いました。

 話は本題に戻りますが、その講演で宇沢先生は鄧小平がまだ存命だった頃、恐らく80年代に中国政府の依頼で中国の農村を調査したらしいです。そして調査を終えていざその結果を報告する際、並み居る中国共産党の幹部が居並ぶ席上でこのような報告を行ったそうです。

「資本主義には市場原理があることによって限界があるが、共産主義の搾取には限界がない」

 自分で書いてても笑いがこぼれてくるのですが、こんな恐ろしい調査報告を当事者である共産党の大幹部たちの前でやってしまったそうです。確かに非常に的を得た意見なのですが、射過ぎてしまっているというか。
 案の定、その時の状況について宇沢先生は「これはもう日本には帰れないかも」と思うほど共産党の幹部らは激怒し、こんな奴を生かして帰すななどと言っては激しく突き上げられたそうです。
 そんな中、ある幹部が唯一人、

「いや、彼の意見も一理ある。詳しく報告を聞こう」

 と言ったそうです。何を隠そう、後の第二次天安門事件の際の総書記であった趙紫陽でした。

 恐らく、私くらいの世代では中国関係の専門家でなければ趙紫陽氏の名前すら知らない方が大半でしょう。なぜか私の愛弟子だけが妙に詳しく知っていてびっくりしたのですが、彼を除けば未だかつて知っているという友人はまだ見たことがありません。
 詳しくはリンクに貼ったウィキペディアの記事を読んでもらえばわかりますが、非常に実務能力の高い人間で彼が指導を任された地域では餓死者が出ないというほど手腕に長け、実質鄧小平の右腕として文化大革命後の改革開放期に活躍した政治家でした。

 この趙紫陽氏は胡耀邦氏の失脚後に総書記となりましたが、形式上は最高権力者でも当時の実際の最大権力者は依然と鄧小平であることに変わりはなく、その後の第二次天安門事件を引き起こした責任を取る形でこの趙紫陽氏も失脚しましたが、趙紫陽氏はかねてより中国の民主化に対して理解があったらしく、天安門事件の際には抗議を続ける学生らに理解を示す態度を取っており、事件の発生以上にその態度に鄧小平が激怒したことが失脚の原因とまで言われています。
 そのため失脚後は比較的緩い軟禁生活を続けて2005年に亡くなられましたが、今でも趙紫陽氏の命日にはたくさんの民主派の活動家が彼の遺宅に尋ねるそうで、その日が来るたびに北京の警察は警備を厳重にしています。

 さて話は戻って宇沢先生の話ですが、私が言うのもなんですがこの宇沢先生というのは非常に攻撃的な方で、K先生に至っては「あの人は一日一回は文部科学省の悪口を言わないと気がすまない」とまで言うくらい、とかく口角の鋭い方であります。特に先ほどの文部科学省と並んでかつての同僚でありライバルであったミルトン・フリードマンが死去した翌週には、「これで世界はまた一つ平和になった」とまで言うのを私も生で聞きました。

 そんな宇沢先生が、この趙紫陽氏に対しては非常に立派な人物だったと先ほどのエピソードと合わせて強く褒め称えていました。そして趙紫陽氏との話で、なんでも彼の自宅で宇沢先生が彼と話しをしていると、いつの間にか多勢の学生が今にも襲ってきそうなばかりに血気だって趙紫陽氏の家を囲んだそうです。慌てる宇沢先生をよそに趙紫陽氏は、周りを取り囲む学生を一人、また一人呼んでは彼らとゆっくりと話し、最初は激しい調子だった学生らも趙紫陽氏と話をするとどんどんと納得して帰っていき、いつの間にか囲みがすべて解けてしまったそうです。

 なんだか聞いてて嘘のような話ですが、改めてあの時代の中国と、生前の趙紫陽氏の経歴を見ると本当にあったことなのではないかと私は思います。

2009年2月5日木曜日

日本にいる外国人について

 前回の記事の続きになりますが、やはり私が明確な親中派ということもあるでしょうが今の日本の外国人に対する見方にはいつも不愉快な気分にさせられます。中国人や韓国人と来るとすぐに犯罪者だとネットでは言われ、移民の議論についても感情的に否定される意見ばかりが目立ち、偏見とまでは言いませんがもうすこしちゃんとした見方はないのかといつも残念に思います。

 特に移民についてですが、既に日本は外国人の労働力なしではたくさんの産業が立ち行かないところまで追い詰められています。自動車産業ではブラジル系、看護や介護ではフィリピン系、そして面白いのは深夜の居酒屋産業では中国、韓国系などと、それこそところ狭しに外国人労働者が日本中で働いています。
 最後の居酒屋産業についてもうすこし詳しく話しますが、先月に派遣切りにあった人たちを救おうと去年から今年にかけていくつかの居酒屋を経営する企業が大量募集をかけたところ、ほとんど人が集まりませんでした。原因は雇用条件が短期であったり給与条件がよくなかったりと言われていますが、私としてはなによりも仕事がきついと思われたことが敬遠された理由だと思います。

 私は居酒屋などでバイトはしたことはないのですが、やっぱり経験者に聞くと毎日わけのわからない酔っ払いを相手にして、少しでも配膳が遅れると怒鳴られるなど相当にきつい職場らしいです。そのため今回の派遣切りが行われる以前からもこの業界では慢性的に従業員が不足しており、アルバイトも時給を少し上げただけではほとんど集まらないという状況だったようです。
 そういった背景からなのでしょうか、どうもここ二、三年間、夜に居酒屋に行ってみると働いているのは中国や韓国の留学生ばかりになっているように前から思っていました。すると実際にそうらしくて、居酒屋経営者のインタビューによるとどんなにきつくとも外国人でもバイトをやらせてくれるということで留学生が集まり、近年はそんな留学生たちが主力として働いているそうです。しかもそれら留学生はただ働けるからといった理由だけでなく、昼間に受ける学校の授業に影響がないからという理由ででも深夜バイトを選ぶというのですから頭が下がります。

 事実私も何故だか知らないけど変に外国人にモテるところがあり、一時期はチリ人、中国人、韓国人に囲まれていろいろ面白い生活を過ごしましたが、彼らに共通しているのは皆勉強に熱心で、日本での生活も費用面で少しでも学費を出している両親の負担を軽くしようと皆バイトにも励んでいました。チリ人の女の子に至っては、卒業する際にすぐ帰国するのかと聞いたらこれから帰国費用を稼ぐんだとまで行っていたし。

 正直なところをいえば、私の出会った外国人留学生たちは皆遊んでばかりの日本人の大学生よりも、ずっとずっと立派な人たちばかりでした。確かに外国人犯罪の発生件数は年々増えて犯罪率も高いというデータもしっかりとでていますが、だからといって外国人皆を犯罪者のように見たりするのだけは日本人の方にはやめてもらいたいと強くここでいいたいです。彼ら外国人は日本で正社員になるのにも壁があるだけでなく、その他いろんな面で日本で生活する上でハンデが科されます。

 これは私自身の経験ですが、やっぱり海外にいってその国の人にいろいろよくしてもらった国には今でも強く恩を感じる一方、変な人とかに絡まれたりした国にはあまりいい感情を持ちづらいです。私としては日本に来ている外国人にはやっぱり日本のことをよく思ってもらいたいと思うので、今週末にもまた友人の上海人とランチをする予定です。

  追伸
 よく中国産野菜は危ないと言われていますが、実は日本の国産野菜ですら現在は中国人が作っているものばかりだそうです。農繁期には大量の人手が要るのですが、昔は学生バイトなどが農家に来たもののここ数年はほとんどこず、代わりに中国からの出稼ぎ農民に来てもらってレタスやキャベツが作られているそうです。いわば、日本の国産農業も中国人なしではやってけない状況だそうです。

同一賃金同一労働への壁

 どうでもいいですが先週に熱出して寝込んで以来、どうも文章の書き方が自分でも変わってきているような気がします。今までもそういうことがなかったわけじゃないですが、こうも毎日書いているとなぁ。

 それで本題に入りますが、さてどっちを向いても不況不況の現在、企業はどこも経費削減を行っておりその一貫としてワークシェアリングや前に私も書いた一時帰休ことレイオフなどの制度導入を議論し始めています。その一方で首切りの真っ先の対象であった派遣社員らとの格差問題に触れ、同一賃金同一労働の議論も一部では行われています。

 この同一賃金同一労働の中身というのは、要は単位時間当たり同じ作業を行う人間は年齢、職位、性別、正規雇用か不正規雇用かの区別なく同一の賃金を払うべきだという考え方で、この制度を現在のところ先進国で唯一実施、維持しているのはオランダで、昔見た統計だと確か正社員と非正社員の単位辺り賃金の差が90%と、実際にほとんど差がなく推移しています。なお日本の同じ統計結果では60%くらいだったかな。

 言ってしまえばこの制度、当たり前といえば至極当たり前の制度と言えますが、現在の日本では同じマクドナルドの仕事でも正社員とアルバイトでは受け取る給料額に大きな差があるだけでなく、残業代などが真っ当に支払われないことから正社員同士でも職位によってやたらめったらな給料差があり、労働の内容というよりも待遇の違いによって給料が決まってしまう、なんかこう書いてて身分制じゃないかというような社会が続いています。
 もちろんこんな社会では社会に活力が生まれるわけもなく、自分でもくどいと思いますが日本の若者が派遣や非正社員といった不遇な立場が見えており、何をしたところで、どんなに頑張ったところで報われないというあきらめの意識からやる気をなくすのも自然なことで、そういう意味で同一賃金同一労働によって、ある程度その労働によって報われる社会を目指そうとするのもあながち方向性としては間違っていません。

 しかし私はここで断言しますが、この同一賃金同一労働は不完全な状態ならともかく、完全な状態で実施されることは今後50年間はないでしょう。それはなぜかというと、外国人労働者の問題があるからです。現在派遣切りの問題がクローズアップされてその対策なども各地で行われていますが、私は今最も深刻な状況に追い込まれているのは愛知県や群馬県などで出稼ぎで働いていた外国人労働者たちだと考えています。
 彼らは日本国籍がないために日本人に適用される最低賃金枠がないためにそれこそ時給あたりに換算すると奴隷のような待遇で働かされ続けてきましたが、今回の世界的不況のあおりを受けて真っ先に解雇されたのも彼ら外国人労働者たちで、以前の報道で見た内容では帰国費用すらままならないまでに追い詰められている方もおられるそうです。

 正直に言えば、私はこの外国人労働者の状況を聞くたびに日本人として非常に申し訳ない気持ちになります。散々安い賃金でこき使った挙句にいらなくなったらぽいっと捨てて、挙句に日本人の派遣労働者みたいに保護や対策も一切為されずにおります。中にはここは日本なのだから日本人を優先して当たり前だと言われる方もおられるかもしれませんが、彼ら外国人は日本語も日本の文化もわからず、生活や家族のために日本の企業に請われてやってきています。そんな状態で職もお金も尽きるとなると、その不安も相当なものでしょう。ましてや外国人であるために再就職をしようともなかなかうまくいかず、行政の援助や支援も全く行われない状況ではもはやどうしようもないでしょう。

 こんな風に思うのも、私が留学経験があるからかもしれません。やっぱり外国ではちょっとしたことでもものすごい不安を感じ、感情の起伏が大きくなって急にハイテンションになったかと思えばがくっとやる気をなくすことも留学当初はあり、やはり母国で過ごすのと比べていろいろと大変なことが多くありました。そういった背景があるため在日の外国人に対して強い同情心を覚えているのかもしれませんが、やはり今の状況は見過ごすことが出来ません。

 大分話がそれましたが、たとえ今回の不況が去ったとしても今後日本は大量の移民労働者を抱えなければならない事態に遅かれ早かれなることが予想され、そんな時代において国籍までも問わない同一賃金同一労働は達成されることはなく、外国人賃金という一段低い賃金率はますます世の中に横行することが予想されます。
 私は日本の事を思ってくれて、実力のある人間ならば正当に平等に評価されるべきだと考えています。しかし日本人の中でも未だに実力通りに正当に評価されない現在においては、そんなことは夢のまた夢なのかもしれません。

2009年2月4日水曜日

天下りをどう防ぐか

 昨日、前日に官僚の天下りは内閣として認めないと発言した麻生首相がそれでは不十分との自民党からの指摘を受け、今後政令で天下り禁止を盛り込むとも明言しました。過程はどうあれこの一連の麻生首相の発言は評価できますが、今更になって認めるのならば渡辺氏の造反前に何故認めなかったのかが少し不可解です。
 それはともかくとして今後、一体どんな風にして公務員の天下りを防ぐかですが、その話をする前に天下りがどのような弊害があるのかをちょっとかいつまんで説明しておきます。

 まず一番多い天下りのパターンというのは、省庁からその省庁と結びつきのある特別行政法人など、税金で運営されている団体へ官僚が移籍するパターンです。たとえば厚生省からだと年金を管理する財団やら行政法人、国土交通省からだとETCの販売を促進する変な行政法人などといった具合に、次官コースから外れた官僚たちは50歳になったくらいから続々とそのような団体へ天下っていきます。
 ここで繰り返しておきますが、それらの団体は別に商売をして自分でお金を稼いでいるわけでなく、大半が国からの税金によって運営されています。そんな団体に突然官僚が代表やらに降りてきたかと思うや、何もしないまま二、三年したらまた別の団体へ行ってしまいます。ですがその二、三年の勤務で、なんと数千万円もの退職金を得て、移った団体でもまた二、三年したら同じように数千万円もの退職金をもらって次々と渡って行きます。くれぐれも言いますが、それらの退職金も国民の税金から出て行きます。

 これだけでも毎年数百億もの税金の無駄使いがあるので十分な弊害なのですが、そもそもそのような天下り先の団体自体が官僚が退職金を受け取るためだけに存在しているところも多く、その運営にかかる費用も大半が優先度の低い部門だといわれており、その分の費用をまとめると毎年数兆円に及ぶ無駄遣いがこの天下りという日本独自の制度(中国にはありそうだけど)によって使われているといわれています。

 そんなわけで百害あって一利なしのこの制度ですが、天下りを守る側の自民党守旧派の議員からすると、そのようなうまみがなければ優秀な人間は国のために働いてくれないと言うのですが(前に麻生首相も同じことを述べている)、民主党の議員らも言う様に、そもそもこんな天下りにたかろうとする人間が国のために本気で働こうとするのか疑問です。私自身もこんなあからさまな不正をやるくらいだったら、能力は多少少なくとも真面目に働いてくれる人の方が何十倍も官僚として優秀だと思います。
 またこれも民主党の議員が言っていましたが、東大の学生が官僚に就職を希望していながらも、天下りがあるから入りたくないと言っていたという話もあり、なにもこんな天下りがあるから優秀な人が集まるという保障はどこにもないといっていいでしょう。

 この辺までの議論はよくテレビでもやられていますが、こういうのは行政法人、いわば省庁の中での天下りですが、私はこれら以上に根深いと思っているのは私企業への天下りです。
 私企業、それこそ誰もが知っているような大企業に対しても公務員の天下りは頻繁に行われています。前ほどはおおっぴらにはやりませんが、かつて倒産した山一證券に至っては頭取職は東大出、大蔵省OBでなければなれないとまで言われているほどおおっぴらでした。

 なんで私企業に官僚が天下りが出来るのかと思われるかもしれませんが、これなんか土木関係に多いのですが、官僚をその企業の役員などに天下りさせるかわりに国の公共工事などの発注がその企業に向かうように仕向けるという、いわば国の税金で官僚を私企業に押し込むという形で天下りが行われます。この行為で何が問題なのかというと、競合入札などせずにいきなり業者を指定するのだから工事や発注にかかる費用が明らかに通常より膨らみ、また市場の競争をさえぎって恣意的な選定が行われるために市場がゆがむ恐れすらあります。
 実はかくいう私の親戚も、えらく昔ですが通産省から若くしてSONYに天下ったと聞いています。その後はSONY一本で長く働いていたそうですが、私の友人にこれを話したらSONYは学歴は問わないが天下りは受けるのかと大爆笑してました。

 そんな話はおいといて具体的に天下りをどう防ぐかですが、現在政府が考えているのは内閣の下に官僚専用の人事局を作り、そこで省庁の退職後の再就職が不正なものかどうかを監視するという案を出しています。現状ですぐに実行できる案としては確かに効果の望めそうな案で、また退職後の再就職だけでなく全省庁の人事権も握らせることによりこちらも弊害の多い縦割り行政を打破する可能性も秘めており、私もこの案を支持します。
 しかし私が懸念しているのは、後で説明した私企業への天下りがこれで完全に防げるかどうかです。というのも行政法人の人事は内閣で把握こそできるものの、普通に退職した後に表面上は面接などの正統な手続きを経て天下り先の企業へ再就職こと天下りをした場合、国からの発注をエサにされてその天下りする官僚を人材として「要請」された場合にそれは不正だと果たして摘発できるかどうか、またどこからどこまでが天下りなのか基準もはっきりしません。

 それこそ本当に利害関係なく退職後に私企業に再就職するのは悪いことだとは言えませんが、どうもそういうのを隠れ蓑にしていろいろ官僚はやってきそうに私は思います。じゃあ公務員は退職後に再就職を全面禁止、もしくは数年間禁止にするとしたら、自己都合での退職者などは苦しい生活に追い込まれてしまいます(公務員に失業保険はない)。
 ここら辺がネックだと私も前からあれこれ考えていたのですが、先月辺りのテレビタックルで北野たけし氏が面白い事を言っていて、

「いっそ公務員を天下りさせずに、派遣にしたらどうだ」

 冗談のようで、なかなか面白い案だと思いました。
 内容はこうです。私企業が本当の意味で優秀な人材を自社に迎えたい場合は新設される内閣人事局に必要な人材の条件とともに申請を出し、その申請内容を受けて条件にマッチする人材を企業に選ばせずに人事局が選び、複数の候補者から再就職先として声をかけ、それに応じる人間をその企業へ派遣するという具合です。もちろん民間にあわせて、その私企業から元官僚への給料の30%位は国がピンはねすることによって国庫にもプラスとなります。
 この方法だと派遣という形を取るので、一旦再就職した元官僚が将来また元の省庁へ戻ることも出来ます。もちろん元の省庁に戻ることでまたなにかやらかす恐れもありますがその辺はまだ監視できる範囲だと思いますし、なにより真の意味での官民での人材交流が行われ、浮世離れしているという官僚の組織文化を修正するのにはいい薬になるのではないかと思います。

 そういうわけで天下りから派遣へ、というのが私の私案です。

橋本大阪府知事のこの一年

 本日を以って、現大阪府知事の橋本氏の人気が一年を経ちました。
 ちょうど一年前になるのですが、橋本氏が府知事選で勝利した時に私はあまり望ましくないと、それまでの橋本氏の失言癖を鑑みてきっと失敗するだろうと予想していましたが、この一年での業績を評価するなら一年前の私の予想は杞憂に過ぎなかったようです。

 まず率直に言って、私は橋本知事はよくやっていると思います。
 大阪府の壊滅的な財政状況に対してメスを入れただけでなく、教育問題でも私の支持する学力テストの結果公開を全国規模の問題にまで大きくし、そして何よりつい最近の近畿地方の大戸川ダム建設計画に対して他の知事らと国にNOを突きつけ、見事に建設計画を撤回させた点は素直に評価できます。また就任当初に私が懸念した失言癖も致命的となる失言はなく、ひとまず安定的に自分の権力基盤を確保したのはまずまずでしょう。

 あんまり誉めてばかりいるとちょっと自分でもなんなので敢えて橋本知事の今後反省すべき点を挙げるとしたら、就任前に宣言していた大阪府職員等のリストラが未だ達成されていない点には一言あります。
 これは何も大阪府だけに限らず国を含めて、そろそろ日本はこれまで「リストラはない」といわれてきた公務員のリストラを、給与カットにとどまらず首切りを含めてやらなければいけない時期になってきていると私は思います。前にも法学部の後輩と話をして来たのですが大半の日本人は公務員のリストラは法律上出来ないものと考えておられるようですが、田原総一朗氏によると首相権限では現行法でも十分に可能だとされており、またなにも無理やり退職させなくとも、大阪の公務員なら叩けばいくらでも埃が出てくるので懲戒処分で片っ端からクビを切るのもそれほど難しくないように思えます。

 確かにこんなことやろうものならものすごい反発に遭うのは目に見えていますが、それでも今この段階でやらなければ後年の禍根になることは間違いなく、橋本知事を含めて全国の行政の代表には強い決断を望みます。

2009年2月3日火曜日

教育低下と中学受験

 ちょっと古いニュースの記憶ですが、今年に私立中学を受験する小学生の数が歴代で最高になったと聞いたことがあります。ちょうど今日は二月三日で、中学受験の山場の最終日(関東では二月の一日から三日に私立中学の受験集中する)ということもあるので、その辺について軽く書こうと思います。

 まず最初に断っておきますが、私もかつて中学受験を行い、中高一貫の学校に行った口であります。まぁぶっちゃけあまり楽しくない学校だったので後悔していますが、当時に中学受験を行ったのは三十四人学級の中で私を含めて四人だけで、率にして8%弱でした。しかし去年に見たニュースによると、既に述べたように近年は少子化で子供全体の数は減っているにもかかわらず毎年中学受験を行う小学生の数は過去最高を更新しているようで、都市圏の小学校のクラスによっては半分くらいの児童が受験するとまで聞いています。

 ではなぜこれほどまでに受験者数が増えているかですが、単純に言って義務教育での指導要領を減らしたことが原因でしょう。別に義務教育のレベルを落としたところで受験の最終的な本丸に当たる大学受験のレベルが一緒にカクンと落ちるわけじゃないため、指導要領が落とされれば落とされるほど公立校が不利になって私立校が有利になるのは目に見えているので子供を持つ親としては私立校に入れようとするでしょう。
 実際に私も今のぺらぺらな教科書見てたら不安になりますし、あまり私立校にいい思い出のない自分ですら今の子を持つ親が私立校を受験させようとするのも理解できます。文部科学省はゆとり教育といっては学習指導要領を減らすことによって子供に時間的なゆとりを与えようとしましたが、結果は学校の後に予備校に行くようになり、ますます子供にゆとりがなくなるという最低な結果となっています。

 じゃあ一体何をすればゆとり教育の本来の目的が達成できたのかですが、もし文部科学省の言う通りに勉強に追い立てられて日本の子供がゆとりをもてなかったというのなら、その最大の原因は勉強させられる量というよりも学歴社会といわれるほど出身大学によってその後の人生が左右されるという社会性にあったと私は思います。言うなれば学歴社会という概念がなくなれば、受験戦争の熱を冷ますことになるんじゃないかと思います。
 そういうわけで今も中学受験が続いているのは、学歴社会が以前ほどではないにしろ残っているせい、と言えれば単純明快ですが、これはあくまで一つの要因で、他にもいろいろ原因が複合されているのが今の現状でしょう。

 最後に学歴社会についてですが、現代は以前よりは確かにこの要素は薄まった分、中途半端な職業の流動化によって「前職がなんだったのか」というのが大きく影響する「職歴社会」という概念が出始めています。前に本屋で「今こそ三流大学に行くべきだ」なんて感じのタイトルで、三流大学での意外に充実した授業や資格をとる生活の方がずっと将来にいいみたいな感じで紹介されていましたが、「Fランク大学の風景」ってのを見ると必ずしもそうもいえないんじゃないかなぁという気がします。そもそも、自分で努力出来るのなら大学に無理していく必要もないんだし。

2009年2月2日月曜日

相撲界の大麻問題について

北の湖親方「若麒麟は陽性の報告だった」(日刊スポーツ)

 いきなりリンク貼りですが、記事の中には衝撃の事実が書かれています。
 既に報道の通りに、残念なことに私も愛する相撲の世界にてまたも大麻吸引を行った力士が現れてしまいました。去年に露鵬や白露山、若之鵬といった名だたる外国人幕内力士が逮捕される事態が起こっておきながらも、今回の事件を起こした若麒麟には怒りを通り越して呆れてしまいます。

 今回、若麒麟は大麻は逮捕の前日に始めて吸引したと警察に漏らしているそうですが、現時点で私はこの供述は非常に怪しいとにらんでいます。そう思うのもこれはもうテレビでも報道されていますが、若之鵬が逮捕されたことにより去年に抜き打ちの検査が実施され、その結果として露鵬、白露山の二人も吸引の事実が発覚したのですがその当時より主に週刊誌などで、「日本人力士でも一人、結果が怪しい人物がいたにもかかわらず外国人の二力士だけが精密検査を受けさせられた挙句に追放されることとなった」と報じられていました。

 もちろん私も当時は週刊誌の書くことだからと、露鵬と白露山への厳しい処置に同情しつつもそれはないだろうと思っていましたが、今回の若麒麟の逮捕を受けての報道ではどうもそれが事実だったらしく、テレビや新聞の報道では簡易検査キットの結果は一回目、二回目は判別しづらいグレーで三回目で陰性だった相撲協会が発表していると報じられていますが、最初にリンクを貼った日刊スポーツの記事で北の湖元理事長が言うには、どうも一回目、二回目の結果はグレーではなく明らかに陽性だったと述べているようです。
 実際に当時の報道を思い起こしても、この簡易麻薬検査キットというのは名前こそ簡易とつきますが検査の精度は相当高いものだと言われており、第一そんなキットで「グレー」という中途半端な結果が出るものか非常に疑問です。もったいぶらずに私の考えを言いますが、現相撲協会は若麒麟が抜き打ち検査で明らかに陽性だとわかっていたにもかかわらず、日本人力士であったために敢えて名前を伏せられ、言うなれば協会にかばわれたのではないかという疑念を持っています。

 恐らく相撲協会としては身の潔白を明かすために抜き打ち検査をしたものの、なんとその検査で三人も陽性反応者が出てしまいこれではかえって信用を落とすと考え、いっそ大麻の使用は力士ではなく外国人だったためという風に論点を摩り替えようと、若麒麟のことは伏せられて露鵬と白露山だけが標的にしようとしたのではないかと思います。もちろんこんなの私の一予想ですが、もし事実がこの通りであるのならばこれは相撲協会による明らかな外国人差別において他ならず、いくら相撲ファンの私としてもこの処置には納得いきません。

 もちろん大麻を吸っていた露鵬と白露山はその責めを受けざるを得ないことに違いはないのですが、大麻事件は今回が相撲界で始めての事例でもあったことだし、私は若之鵬を含めて謹慎二場所程度で再起のチャンスを与えてやるべきだと思っていました。その後若之鵬は週刊現代の口車に乗って偽の八百長証言をしてしまったのでもうしょうがないのはわかりますが、今日の若麒麟の処分が一番重い除名ではなく解雇とした理由として「25歳の若者にチャンスをあげるべきだ」という言い訳をするくらいなら、先の露鵬と白露山はどうなるのだと、しかも若麒麟はあれだけの大騒動の後にもかかわらず今回も大麻を使用したというのだからなおさらです。

 詳細は今後の報道を待たねばいけませんが、場合によっては日本の相撲協会は全国民から信用をなくすことになると私は思います。本来、今回の審議機会では朝青龍のガッツポーズ問題が議論される予定だったと言われますがもはや横綱の品格以上に相撲協会の品格の方が明らかに問題で、もし私の予想したとおりの若麒麟への特別扱いが行われていたというのなら、それはもう相撲ファンとしてではなく一人間として許しがたい暴挙だと怒りを抑えることが出来ません。
 ついでに書くと、あれだけ場所前にたたかれておきながら優勝したんだから今回くらいは朝青龍のガッツポーズはいいんじゃないかと、一応口頭でもう駄目だぞと言うくらいで良いと私は思っています。