友人から直々にリクエストが来たので本日は北朝鮮が5日に発表した、朝鮮戦争の休戦協定を白紙化するという宣言について自分の意見を紹介します。発表当日の5日から少し時間が経っていますが、元々このブログはワンテンポ遅れてからじっくり解説するのがスタイルですし、そういう意味ではいいタイミングです。
まずこの休戦協定ですが、この場合の北朝鮮のカウンターパートは米国と韓国です。そもそもこの白紙化発言は北朝鮮側の言い分によると、米韓の合同軍事演習に抗議するためだとしており、期日は今月11日以降、つまり今度の月曜日以降となります。
期日に関してはどうして11日を選んだのかはわかりかねますが、休戦協定の白紙化というかなり踏み込んだ行為に出てきたのは米韓の合同軍事演習だけが原因ではないでしょう。そもそも合同軍事演習自体はこれまでも何度も行われているだけに別の何か、具体的にはやはり前回に強行した核実験とそれに伴って国連で採択された制裁強化により態度を硬化したためではないかと思います。
では白紙化されることによってどんなことが起こるかですが、現時点ではまだ何とも言えません。仮説をいくつか挙げると、いつもの様な瀬戸際外交よろしくより危機感を煽って交渉で譲歩を引き出す戦略なのか、続けての核実験を強行するのか、はたまた嫌がらせにまた韓国の領土や艦船に遠距離射撃を実施してくるのか。もちろん、一番いいのは何も起こらないことですが。
それにしても休戦協定の白紙化とは随分と踏み込んだ内容のように思えます。ただ日本としては既に行えるだけの制裁をやり尽くしている感があるだけに特に新たな対策はほぼありません。一方、国連の安保理ではこれまで何度も北朝鮮をかばってきた中国の外務省に当たる外交部がかなり早い段階で制裁決議に同調すると発表しています。
・外交部:朝鲜半岛应以和平机制取代停战机制(北京晨報)
自分のバックグラウンドもあるためやや中国に沿った解説となりますが、やはり今回のこの行動は中国側も相当怒り心頭に来ているように思えます。というのも中国では今週から日本の国会に当たる年に一回の全人代が開催され、習近平体制も今回の国家役職任命を経て正式にスタートするわけです。そんな晴れの舞台、しかもやや緊張した状況下でほぼ間違いなく確信犯で北朝鮮がこんな宣言をしてきたことに対し、中国政府内でも反感が芽生えているのかもしれません。
もっとも、反感という意味では北朝鮮でも同じかもしれません。というのも金正日政権の頃は中国に対して警戒をするものの一定の譲歩というか気遣いはありました。しかし金正恩政権になってからは中国に対する意識はほとんど見られず、まさに傍若無人な行為ばかりが目立つようになってきました。
だからといって中国は北朝鮮に対する軍事制裁に同調するかと言ったら、さすがにそれは望まないでしょう。それは米国、韓国、ひいては日本も同様で、各国の思考としては如何に難民を流出させず資本主義化させるかの一点に尽きます。それにしても、中国が北朝鮮を資本主義化させたいっていうのもなんだか妙な言い方です。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2013年3月7日木曜日
2013年3月6日水曜日
陽月秘話、約2年ぶりの復活!\(^o^)/
昔からの読者の方々、並びにgooブログの陽月秘抄から移って来た方々、この記事を読んでいる方には恐らくこの2種類の方々が大半を占めるかと思いますが、こうしてまたbloggerの陽月秘話を再開することになるとは管理人の自分にとっても意外で、なおかつ感慨深いものがあります。
このブログは2010年の12月から私が中国で働くことになったものの、中国ではbloggerに対するアクセスが禁止されていたため泣く泣く更新を停止いたしました。その後、中国でもアクセスできるgooブログにプラットホームを移して「陽月秘抄」として記事の更新を行うようになったのですが、今年2月に日本に帰国し、アフィリエイトサービスなどを利用するに当たりあまりにも仕様が制限されることからこうしてまたbloggerに舞い戻ることとなりました。
我ながら自分の無計画さに色々呆れてくるのですが、元々このbloggerは他のブログと比べて構造が非常にシンプルで、徹底したシンプルにこそ機能美は宿るというダイハツ・ブーンのキャッチコピーに共感する自分にとってはやっぱり使っていてそこそこ愛着を感じます。
あと地味に、過去記事を右バーにあるツリーで見出しから検索できるのが非常にいいです。何故かほかのブログはこの機能を初めから持っておらず、こんな便利なのにどうして採用しないのかなかなかに不思議です。
それにしても記事入力画面も昔と違ってなんていうかシンプルになっていて、なんか書いてて前と違うなぁとつくづく思います。地味にこの入力画面の構成から入力文字数とか推量するために、恐らくこれからしばらくはやや短めの記事が増えてくことでしょう。むしろ「陽月秘抄」に移ってからは長くダラダラした記事が増えていたから、ここで短めを意識した方が文章が締まってくかもしれません。
そんなわけで心機一転、また陽月秘話を今後ともよろしくお願いします。
このブログは2010年の12月から私が中国で働くことになったものの、中国ではbloggerに対するアクセスが禁止されていたため泣く泣く更新を停止いたしました。その後、中国でもアクセスできるgooブログにプラットホームを移して「陽月秘抄」として記事の更新を行うようになったのですが、今年2月に日本に帰国し、アフィリエイトサービスなどを利用するに当たりあまりにも仕様が制限されることからこうしてまたbloggerに舞い戻ることとなりました。
我ながら自分の無計画さに色々呆れてくるのですが、元々このbloggerは他のブログと比べて構造が非常にシンプルで、徹底したシンプルにこそ機能美は宿るというダイハツ・ブーンのキャッチコピーに共感する自分にとってはやっぱり使っていてそこそこ愛着を感じます。
あと地味に、過去記事を右バーにあるツリーで見出しから検索できるのが非常にいいです。何故かほかのブログはこの機能を初めから持っておらず、こんな便利なのにどうして採用しないのかなかなかに不思議です。
それにしても記事入力画面も昔と違ってなんていうかシンプルになっていて、なんか書いてて前と違うなぁとつくづく思います。地味にこの入力画面の構成から入力文字数とか推量するために、恐らくこれからしばらくはやや短めの記事が増えてくことでしょう。むしろ「陽月秘抄」に移ってからは長くダラダラした記事が増えていたから、ここで短めを意識した方が文章が締まってくかもしれません。
そんなわけで心機一転、また陽月秘話を今後ともよろしくお願いします。
2013年3月5日火曜日
中国の大気汚染と石油会社
あいも変わらず報道が続いている中国の大気汚染のニュースが続いているのでちょっと向こうの石油会社の事情を書いていきます。
中国には半国営の巨大な石油会社が3社あり、片っ端から挙げると中国石油天然気集団公司(中石油、ペトロチャイナ)、中国石油化工集団(中石化、シノペック)、中国海洋石油総公司(中海油、CNOOC)となります。一つ一つちょこっとエピソードを書いていくとペトロチャイナな数年前に株式をB株で公開して有望銘柄として当時に大きく注目され、うちのお袋も確かこの頃に売り抜いてます。あとCNOOCはつい先日にカナダのエネルギー企業、ネクセンを中国企業の海外買収としては確か史上最高額となる151億米ドルで買収しました。シノペックはなんも思い浮かばないな。
これら石油大手3社は中国国内、ひいては海外での石油探査、発掘、精製まで、それこそ川上から川下まで幅広く事業を行っているのですが、彼らが何故大気汚染と関係するのかというと、中国国内で流通する自動車用ガソリンなども作っているからです。
中国の大気汚染は複数の要因があるため一概に何が最大の原因とは言い切れないのですが、都市部においては近年急増している自家用車の排気ガスが少なくない影響を与えております。それもそのはずというべきか中国は昨年も一国の自動車市場として世界最大で、私もレポートを書いておりますが2012年は1930万台もの新車が販売されております。たった一年で1930万台もの車が増えたのですから、いくら国土が広いったって排気ガスの増加量は半端じゃないでしょう。
ただその排気ガス、元々の生成原料は燃料ことガソリンです。このガソリンがなかなかに曲者というべきか、中国で流通しているガソリンは日本のガソリンと比べて鉛や硫黄の含有量が多く、私も報道ベースでしか確認してませんが単位量当たりの汚染物質排出量では日本製をはるかに上回ると言います。それ故に中国の各地方政府は独自に自動車用ガソリン規格を定め、たとえば北京では「京5」などと基準を作り徐々にガソリンの鉛、硫黄含有量の低下を図るほか、燃費効率が悪く汚染物質の排出量の多い旧型車の淘汰(買い替えに補助金を出すなど)を進めております。
それで話は石油会社に戻りますが、率直に言って上記の大手企業はガソリンの品質向上にあまり乗り気ではありません。品質を向上させるためには新たな設備投資が必要ですし、小売先となるガソリンスタンドなどともいろいろ協議する必要があり、大気汚染が悪化しようが日本をはじめとする先進国並みの品質に高めようとする気はほとんど感じられません。そう思う根拠として先日に読んだ中国の記事で、確か中石油だったと思うけど堂々と、「中国のガソリン品質の向上速度は決して遅くない」と言ってのけて、いくら先進国と品質面で差があるとしても、これまでも品質向上にはちゃんと取り組んでいるという主張を展開していました。
経営的な判断からすれば上記のような中石油の主張もわからないでもなく、また日本も東電というとんでもない企業がいるわけだし「これだから中国企業は」などという批判は少しし辛い気がします。ただ先にも書いた通りに中国は今や世界最大の自動車市場です。そうしたことを考えると日本から技術を購入して積極的に導入してはどうだと、あくまで助言するような感じで強く主張してもいいかなとも思います。汚染された空気の直撃を受けるわけだし。
なお汚染空気の話だとハマコーこと浜田幸一氏が生前、「俺の地元の千葉県は東京で汚染された空気を受けているんだから、補助金でもなんでももらって何が悪いんだ」とテレビで言っておりました。この浜田氏の意見は決して間違いではなく、昼間に自動車の排気ガスなどで汚染された空気は風にはこばれ西から東へ、千葉県へちょうど直撃する形で運ばれてきています。環境問題のミソというのはまさにこういうところにあり、加害者と被害者があまり一致しない点にあります。まぁその辺を中国に理解しろというのも、国境をまたぐもんだからなかなか難しいのではありますがね。
中国には半国営の巨大な石油会社が3社あり、片っ端から挙げると中国石油天然気集団公司(中石油、ペトロチャイナ)、中国石油化工集団(中石化、シノペック)、中国海洋石油総公司(中海油、CNOOC)となります。一つ一つちょこっとエピソードを書いていくとペトロチャイナな数年前に株式をB株で公開して有望銘柄として当時に大きく注目され、うちのお袋も確かこの頃に売り抜いてます。あとCNOOCはつい先日にカナダのエネルギー企業、ネクセンを中国企業の海外買収としては確か史上最高額となる151億米ドルで買収しました。シノペックはなんも思い浮かばないな。
これら石油大手3社は中国国内、ひいては海外での石油探査、発掘、精製まで、それこそ川上から川下まで幅広く事業を行っているのですが、彼らが何故大気汚染と関係するのかというと、中国国内で流通する自動車用ガソリンなども作っているからです。
中国の大気汚染は複数の要因があるため一概に何が最大の原因とは言い切れないのですが、都市部においては近年急増している自家用車の排気ガスが少なくない影響を与えております。それもそのはずというべきか中国は昨年も一国の自動車市場として世界最大で、私もレポートを書いておりますが2012年は1930万台もの新車が販売されております。たった一年で1930万台もの車が増えたのですから、いくら国土が広いったって排気ガスの増加量は半端じゃないでしょう。
ただその排気ガス、元々の生成原料は燃料ことガソリンです。このガソリンがなかなかに曲者というべきか、中国で流通しているガソリンは日本のガソリンと比べて鉛や硫黄の含有量が多く、私も報道ベースでしか確認してませんが単位量当たりの汚染物質排出量では日本製をはるかに上回ると言います。それ故に中国の各地方政府は独自に自動車用ガソリン規格を定め、たとえば北京では「京5」などと基準を作り徐々にガソリンの鉛、硫黄含有量の低下を図るほか、燃費効率が悪く汚染物質の排出量の多い旧型車の淘汰(買い替えに補助金を出すなど)を進めております。
それで話は石油会社に戻りますが、率直に言って上記の大手企業はガソリンの品質向上にあまり乗り気ではありません。品質を向上させるためには新たな設備投資が必要ですし、小売先となるガソリンスタンドなどともいろいろ協議する必要があり、大気汚染が悪化しようが日本をはじめとする先進国並みの品質に高めようとする気はほとんど感じられません。そう思う根拠として先日に読んだ中国の記事で、確か中石油だったと思うけど堂々と、「中国のガソリン品質の向上速度は決して遅くない」と言ってのけて、いくら先進国と品質面で差があるとしても、これまでも品質向上にはちゃんと取り組んでいるという主張を展開していました。
経営的な判断からすれば上記のような中石油の主張もわからないでもなく、また日本も東電というとんでもない企業がいるわけだし「これだから中国企業は」などという批判は少しし辛い気がします。ただ先にも書いた通りに中国は今や世界最大の自動車市場です。そうしたことを考えると日本から技術を購入して積極的に導入してはどうだと、あくまで助言するような感じで強く主張してもいいかなとも思います。汚染された空気の直撃を受けるわけだし。
なお汚染空気の話だとハマコーこと浜田幸一氏が生前、「俺の地元の千葉県は東京で汚染された空気を受けているんだから、補助金でもなんでももらって何が悪いんだ」とテレビで言っておりました。この浜田氏の意見は決して間違いではなく、昼間に自動車の排気ガスなどで汚染された空気は風にはこばれ西から東へ、千葉県へちょうど直撃する形で運ばれてきています。環境問題のミソというのはまさにこういうところにあり、加害者と被害者があまり一致しない点にあります。まぁその辺を中国に理解しろというのも、国境をまたぐもんだからなかなか難しいのではありますがね。
2013年3月1日金曜日
千載不決の議
中国史に詳しい方なら一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、世間一般にはあまり知られていないと思うので今日は宋代における「千載不決の議」を解説します。
・千載不決の議(Wikipedia)
この千載不決の議とは10世紀の中国を支配してその後も長期政権を維持した宋の時代における皇帝継承問題というか事件のことを指します。主役は初代の趙匡胤と、その実の弟である趙光義の二人です。
趙匡胤は元々、宋の前身にあたる後唐という軍閥の将軍でした。しかしある日、部下や弟に無理矢理推薦される形、恐らくは非難を免れるために敢えてそういう形を取ったのでしょうが、主君を裏切り自らが軍閥の主にのし上がって皇帝へと即位しました。ただ彼の簒奪はほかの政権とは違って、後唐のラストエンペラーこと恭帝とその一族は殺したりせずにむしろ積極的に保護しております。まあその恭帝自身は7歳の頃に簒奪された後、21歳で若死にしてますが。
また趙匡胤は本人がもともと軍人出身だったにもかかわらず自分が政権を握るや軍部の勢力を徐々に削ぎ落とし、逆に文官の権限を大きく拡充するなど文治政治を展開します。この政治姿勢は徹底されており、後継の皇帝達に対して石刻遺訓という碑文を残し、その碑文中には「言論を理由に士大夫(官僚/知識人)を殺してはならない」と書かれ、自由に議論をさせるようにと伝えています。このような人物だったことから趙匡胤の評価は現代においても高く、私自身も好感が持てる人物であります。
ただそんな趙匡胤は皇帝即位から16年後に死去するのですが、その死因が非常に怪しいというかあからさま過ぎて「千載不決の議」、つまり千年議論をしても結論が出ない死に方となっているのです。
趙匡胤は976年に死去しているのですが、その様子について後代の歴史書はただ「死んだ」とだけしか書かず、具体的な記述がほとんどされておりません。巷間で伝えられている内容では雪の降るロマンチックな夜、趙匡胤は弟の趙光義と共に兄弟水入らずで酒を飲んで夜を明かしたところ、朝になって趙光義が起きたら趙匡胤は既に死んでいたとされています。元々、趙匡胤は大酒のみであったことから深酒による脳溢血ではないかという説もあり、この後に何もなければそういう風に信じられていたと思います。そう、本当に何もなければ……。
もったいぶらずに書くと、初代の趙匡胤の死去後に皇帝に就いたのは既に成人していた彼の息子ではなく、なんと弟の趙光義でした。しかも趙光義は皇帝位に就いた後、ちゃっかり本来跡目を継ぐとみられていた趙匡胤の息子を自殺に追い込んで、自分の後には自分の息子を皇帝にしております。こうした即位形式は以前にも全くなかったというわけではないのですが趙匡胤の曖昧な死に方といい、宋代にあってもおかしな即位の順番だと批評されており、早くから「弟の趙光義は兄を暗殺し、皇帝位を簒奪したのでは?」という噂が出ていたようです。仮に趙匡胤と趙光義が昔から仲が悪かったらほぼ疑いようもなかったでしょうが、一応この兄弟は若いうちから一緒に頑張って来ていたこともあり、またはっきりと暗殺したことを指摘する歴史書もないことから真相は藪の中のままです。
私個人の意見を言わせれば、誰がどう見たってこれは弟がやっぱり暗殺してるでしょう。疑わしきは罰せずとは言いますが、歴史評価においては確かチャーチルが言ってた言葉だと思いますが、「政治の世界に偶然はない」です。
もっとも、こうして2代目皇帝に就いた趙光義こと太宗は若い頃から揉まれていただけあって皇帝としての仕事を着実にこなし、中国の再統一も見事に果たしております。これで施政も悪かったら完全に暴君扱いされたでしょうがやることはやってるだけに、「千載不決の議」ってことになってるのでしょう。
・千載不決の議(Wikipedia)
この千載不決の議とは10世紀の中国を支配してその後も長期政権を維持した宋の時代における皇帝継承問題というか事件のことを指します。主役は初代の趙匡胤と、その実の弟である趙光義の二人です。
趙匡胤は元々、宋の前身にあたる後唐という軍閥の将軍でした。しかしある日、部下や弟に無理矢理推薦される形、恐らくは非難を免れるために敢えてそういう形を取ったのでしょうが、主君を裏切り自らが軍閥の主にのし上がって皇帝へと即位しました。ただ彼の簒奪はほかの政権とは違って、後唐のラストエンペラーこと恭帝とその一族は殺したりせずにむしろ積極的に保護しております。まあその恭帝自身は7歳の頃に簒奪された後、21歳で若死にしてますが。
また趙匡胤は本人がもともと軍人出身だったにもかかわらず自分が政権を握るや軍部の勢力を徐々に削ぎ落とし、逆に文官の権限を大きく拡充するなど文治政治を展開します。この政治姿勢は徹底されており、後継の皇帝達に対して石刻遺訓という碑文を残し、その碑文中には「言論を理由に士大夫(官僚/知識人)を殺してはならない」と書かれ、自由に議論をさせるようにと伝えています。このような人物だったことから趙匡胤の評価は現代においても高く、私自身も好感が持てる人物であります。
ただそんな趙匡胤は皇帝即位から16年後に死去するのですが、その死因が非常に怪しいというかあからさま過ぎて「千載不決の議」、つまり千年議論をしても結論が出ない死に方となっているのです。
趙匡胤は976年に死去しているのですが、その様子について後代の歴史書はただ「死んだ」とだけしか書かず、具体的な記述がほとんどされておりません。巷間で伝えられている内容では雪の降るロマンチックな夜、趙匡胤は弟の趙光義と共に兄弟水入らずで酒を飲んで夜を明かしたところ、朝になって趙光義が起きたら趙匡胤は既に死んでいたとされています。元々、趙匡胤は大酒のみであったことから深酒による脳溢血ではないかという説もあり、この後に何もなければそういう風に信じられていたと思います。そう、本当に何もなければ……。
もったいぶらずに書くと、初代の趙匡胤の死去後に皇帝に就いたのは既に成人していた彼の息子ではなく、なんと弟の趙光義でした。しかも趙光義は皇帝位に就いた後、ちゃっかり本来跡目を継ぐとみられていた趙匡胤の息子を自殺に追い込んで、自分の後には自分の息子を皇帝にしております。こうした即位形式は以前にも全くなかったというわけではないのですが趙匡胤の曖昧な死に方といい、宋代にあってもおかしな即位の順番だと批評されており、早くから「弟の趙光義は兄を暗殺し、皇帝位を簒奪したのでは?」という噂が出ていたようです。仮に趙匡胤と趙光義が昔から仲が悪かったらほぼ疑いようもなかったでしょうが、一応この兄弟は若いうちから一緒に頑張って来ていたこともあり、またはっきりと暗殺したことを指摘する歴史書もないことから真相は藪の中のままです。
私個人の意見を言わせれば、誰がどう見たってこれは弟がやっぱり暗殺してるでしょう。疑わしきは罰せずとは言いますが、歴史評価においては確かチャーチルが言ってた言葉だと思いますが、「政治の世界に偶然はない」です。
もっとも、こうして2代目皇帝に就いた趙光義こと太宗は若い頃から揉まれていただけあって皇帝としての仕事を着実にこなし、中国の再統一も見事に果たしております。これで施政も悪かったら完全に暴君扱いされたでしょうがやることはやってるだけに、「千載不決の議」ってことになってるのでしょう。
2013年2月28日木曜日
ジョジョ第五部における「覚悟」とはッ
先日に後輩当てのメールでもやたら濃い内容で送りましたが、まだその熱気が冷めないのでブログにも書くことにします。
・PS3「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」第3弾PV(Youtube)
バンダイナムコが作っているこの新たな「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」というゲームがなんか面白そうです。これまでに公開されている映像ではツボを押さえているというか原作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の名セリフをきちんと再現しております。それにしても声優たちも、「オラオラオラオラ」とか「無駄無駄無駄無駄」とやたら叫ばないといけないのは北斗の拳並に大変だと思う。
上記にリンクを貼ったのは第3弾のPVですが、このPVの最中にジョジョ第5部の主人公であるジョルノ・ジョヴァーナが登場し、「覚悟とはッ、暗闇の荒野に進むべき道を切り開く事だッ!」というセリフを発します。ちなみに声優は浪川大輔氏で、なんか最近見るアニメ全部にこの人出ていて売れてるなぁって印象があります。昔は「嘘だと言ってよバーニィ」って言ってたのに……。
話は戻しますが、ジョジョ第五部ではこの「覚悟」という言葉が非常に多く出てきます。たとえばシリーズ屈指の人気キャラクターであるブチャラティも敵のマフィアもろとも走行中の電車の外に飛び出す際に、「任務は遂行する、部下も守る。両方やらなくっちゃあならないってのが幹部の辛いところだな。覚悟はいいか?オレはできてる」というジョジョファンにとって有名なセリフを発します。
この覚悟という言葉、多分起業してフリーの立場になったからこそでしょうがなんかこのところずしんと腹に来ます。それこそ最初のジョルノのセリフをPVで聞いた際には鳥肌が出るような感覚を覚え、自分が言いたいことがこの一言に凝縮されているように思えました。
私の言葉で直すと、覚悟というのは複数ある選択肢の中から何か一つを腹括って選ぶ様なものではなく、選択肢すらない追い込まれた状況下、現状より苦しい立場に追いやってでも可能性を信じて実行するということを指すと思います。それこそジョルノのセリフにあるように「暗闇の荒野」における行動のような。
ここだけの話というか、自分もはっきり言って起業なんかしたくないと思っていましたし現時点でも早くやめたいと思って仕方ありません。ならなんで実行するに至ったのかと疑問に思われるでしょうが、私に言わせればほかに選択肢がなかったというべきか、自分が起業しなくても誰も損することはないが誰も得することもないでしょう。一方、起業しても損する人は自分以外誰もいませんが、まだ得するというか現代の自分を含めた若者に対して何かしらの効果がまだ期待できるのではないかという思いがあるからです。そして少なくとも、上手くいくかどうかは別として自分が会社を立ち上げようと思えば起ち上げることが出来る立場だったこともあります。
そんなわけで年食ってきたせいか、このところまた違った意味でジョジョを楽しんで読めるようになってきました。さすがにブチャラティみたいな「覚悟」まではとても持てませんが、ひとしきりの覚悟をもって行けるところまで行ってみようというのが今の本音です。
おまけ
最近後輩へ送るメールのタイトルにジョジョのセリフを付けるようになり、これまで使ったことがあるものは以下の通りです。
・かかったなボケが、オラオラオラオラ!
・アツアツのピッツァが食いてえ
・最高にハイって奴だぁー!
・覚悟はいいか、俺はできてる
・康一君…君は本当に頼もしいヤツだ
・いいや限界だ、押すね!
意味わかんない人が見たらスパムメールにしか見えないタイトルがずらり。しかもさりげなくブチャラティのセリフも使ってるし……。
・PS3「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」第3弾PV(Youtube)
バンダイナムコが作っているこの新たな「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」というゲームがなんか面白そうです。これまでに公開されている映像ではツボを押さえているというか原作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の名セリフをきちんと再現しております。それにしても声優たちも、「オラオラオラオラ」とか「無駄無駄無駄無駄」とやたら叫ばないといけないのは北斗の拳並に大変だと思う。
上記にリンクを貼ったのは第3弾のPVですが、このPVの最中にジョジョ第5部の主人公であるジョルノ・ジョヴァーナが登場し、「覚悟とはッ、暗闇の荒野に進むべき道を切り開く事だッ!」というセリフを発します。ちなみに声優は浪川大輔氏で、なんか最近見るアニメ全部にこの人出ていて売れてるなぁって印象があります。昔は「嘘だと言ってよバーニィ」って言ってたのに……。
話は戻しますが、ジョジョ第五部ではこの「覚悟」という言葉が非常に多く出てきます。たとえばシリーズ屈指の人気キャラクターであるブチャラティも敵のマフィアもろとも走行中の電車の外に飛び出す際に、「任務は遂行する、部下も守る。両方やらなくっちゃあならないってのが幹部の辛いところだな。覚悟はいいか?オレはできてる」というジョジョファンにとって有名なセリフを発します。
この覚悟という言葉、多分起業してフリーの立場になったからこそでしょうがなんかこのところずしんと腹に来ます。それこそ最初のジョルノのセリフをPVで聞いた際には鳥肌が出るような感覚を覚え、自分が言いたいことがこの一言に凝縮されているように思えました。
私の言葉で直すと、覚悟というのは複数ある選択肢の中から何か一つを腹括って選ぶ様なものではなく、選択肢すらない追い込まれた状況下、現状より苦しい立場に追いやってでも可能性を信じて実行するということを指すと思います。それこそジョルノのセリフにあるように「暗闇の荒野」における行動のような。
ここだけの話というか、自分もはっきり言って起業なんかしたくないと思っていましたし現時点でも早くやめたいと思って仕方ありません。ならなんで実行するに至ったのかと疑問に思われるでしょうが、私に言わせればほかに選択肢がなかったというべきか、自分が起業しなくても誰も損することはないが誰も得することもないでしょう。一方、起業しても損する人は自分以外誰もいませんが、まだ得するというか現代の自分を含めた若者に対して何かしらの効果がまだ期待できるのではないかという思いがあるからです。そして少なくとも、上手くいくかどうかは別として自分が会社を立ち上げようと思えば起ち上げることが出来る立場だったこともあります。
そんなわけで年食ってきたせいか、このところまた違った意味でジョジョを楽しんで読めるようになってきました。さすがにブチャラティみたいな「覚悟」まではとても持てませんが、ひとしきりの覚悟をもって行けるところまで行ってみようというのが今の本音です。
おまけ
最近後輩へ送るメールのタイトルにジョジョのセリフを付けるようになり、これまで使ったことがあるものは以下の通りです。
・かかったなボケが、オラオラオラオラ!
・アツアツのピッツァが食いてえ
・最高にハイって奴だぁー!
・覚悟はいいか、俺はできてる
・康一君…君は本当に頼もしいヤツだ
・いいや限界だ、押すね!
意味わかんない人が見たらスパムメールにしか見えないタイトルがずらり。しかもさりげなくブチャラティのセリフも使ってるし……。
2013年2月27日水曜日
アベノミクスに対する評価
このところ身の回りと中国の話ばかりしてきたので、久々に国内の大きな話題ことアベノミクスを取り上げようと思います。まずこのアベノミクスという言葉ですが、もはや世界語になったと言っても過言ではないでしょう。中国のニュースでも「安倍経済学」という訳し方がされて頻繁に出てくるほか、G20関連の英字系ニュースでも読者が知っていること前提で多用しています。
そんなアベノミクスの具体的な定義ですが、基本となるのは「デフレ脱却のためにありとあらゆる手段を使う」という点でしょう。これまで金融緩和に慎重、というよりインフレになるくらいならデフレがいいと思っていた日銀の方針をひっくり返し、インフレになるまで金融緩和をし続けるという単純かつ強烈なメッセージを出したことから昨年末から急激な円安が続いており、私の周囲でも1米ドル=100円超えも有り得るのではないかという声が出ております。
ただこの急激な円安、各方面というか日本の競争相手国からは不評です。真っ先に文句を言ってきたのは自動車をはじめとした輸出産業が競合しているドイツで、続いて韓国、そして現在では中国なども「日本の政策が世界に為替競争を生み出す」などと言って批判的な論調が出ております。しかしこの問題で一番文句を言ってきそうなアメリカは特に批判せず、むしろ円安によって日本経済が復活することを期待するかのようなエールをオバマ大統領が出しています。
こうした態度をアメリカが取る背景には単純に、TPP交渉が影響していると私は思います。アメリカとしては為替には目をつむってやるかわりにTPPに日本は参加するべきだというスタンスで、安倍政権もそれを呑む方針であるため先のG20でも日本の円安が大きな議題にならなかったというか日本は批判を受けなかったのだとにらんでいます。
そのG20に対する反応ですが、中国の経済紙では「安倍の一人勝ち」という見出しを取り、本来批判されるべき日本の行動が全く批判されず容認されて、これでは大問題だとばかりの主張が載っておりました。まぁ「一人勝ち」というのは間違いじゃないと私も思いますが。
もっとも為替に関してあまり日系メディアは言いませんが、一番操作しているのはどこかと言ったらほかならぬアメリカ自身でしょう。金融緩和を取り続けて米ドル安に誘導しているほか、有り余った資金が先物取引市場に流れ込んで数年前から大きな混乱を招いております。私としてはそんなアメリカに為替誘導がどうのこうのと文句を言われる筋合いはないと思うのですが、腐っても世界最強国ですし表だって批判できな日本とほかの国々の政府の気持ちは理解できます。
あとG20で日本が円安で批判されなかったポイントとしては、あくまでデフレ脱却のための国内政策を実行したら円安になっただけで、円安に誘導する為の政策を直接的に実施するつもりではないというスタンスだったからだという気がします。仮に今回日本が批判されれば、今後デフレ脱却策を実施する国は同様に批判を受けざるを得ず、そうした悪しき慣例を作ってはならないという判断もあったのではとも、これは素人考えですが思います。
ではそんなアベノミクスに対する私の表かですが、確か以前に書いた記事でも似たようなことを書いていますが基本的には全面支持です。デフレを脱却することが物事すべてをよくするための必要条件であり、これをはっきりと政策目標に掲げたことは非常に合理的です。しかし前にも書いた通りに付随効果として円安が進むことによって貿易赤字はどんどん拡大するため、政策猶予は以って2年。この2年の間にどれだけ輸出産業を持ち直せるかが重要です。逆に持ち直せなかった場合、どうなるか自分もちょっと聞いてみたいです。
そんなアベノミクスの具体的な定義ですが、基本となるのは「デフレ脱却のためにありとあらゆる手段を使う」という点でしょう。これまで金融緩和に慎重、というよりインフレになるくらいならデフレがいいと思っていた日銀の方針をひっくり返し、インフレになるまで金融緩和をし続けるという単純かつ強烈なメッセージを出したことから昨年末から急激な円安が続いており、私の周囲でも1米ドル=100円超えも有り得るのではないかという声が出ております。
ただこの急激な円安、各方面というか日本の競争相手国からは不評です。真っ先に文句を言ってきたのは自動車をはじめとした輸出産業が競合しているドイツで、続いて韓国、そして現在では中国なども「日本の政策が世界に為替競争を生み出す」などと言って批判的な論調が出ております。しかしこの問題で一番文句を言ってきそうなアメリカは特に批判せず、むしろ円安によって日本経済が復活することを期待するかのようなエールをオバマ大統領が出しています。
こうした態度をアメリカが取る背景には単純に、TPP交渉が影響していると私は思います。アメリカとしては為替には目をつむってやるかわりにTPPに日本は参加するべきだというスタンスで、安倍政権もそれを呑む方針であるため先のG20でも日本の円安が大きな議題にならなかったというか日本は批判を受けなかったのだとにらんでいます。
そのG20に対する反応ですが、中国の経済紙では「安倍の一人勝ち」という見出しを取り、本来批判されるべき日本の行動が全く批判されず容認されて、これでは大問題だとばかりの主張が載っておりました。まぁ「一人勝ち」というのは間違いじゃないと私も思いますが。
もっとも為替に関してあまり日系メディアは言いませんが、一番操作しているのはどこかと言ったらほかならぬアメリカ自身でしょう。金融緩和を取り続けて米ドル安に誘導しているほか、有り余った資金が先物取引市場に流れ込んで数年前から大きな混乱を招いております。私としてはそんなアメリカに為替誘導がどうのこうのと文句を言われる筋合いはないと思うのですが、腐っても世界最強国ですし表だって批判できな日本とほかの国々の政府の気持ちは理解できます。
あとG20で日本が円安で批判されなかったポイントとしては、あくまでデフレ脱却のための国内政策を実行したら円安になっただけで、円安に誘導する為の政策を直接的に実施するつもりではないというスタンスだったからだという気がします。仮に今回日本が批判されれば、今後デフレ脱却策を実施する国は同様に批判を受けざるを得ず、そうした悪しき慣例を作ってはならないという判断もあったのではとも、これは素人考えですが思います。
ではそんなアベノミクスに対する私の表かですが、確か以前に書いた記事でも似たようなことを書いていますが基本的には全面支持です。デフレを脱却することが物事すべてをよくするための必要条件であり、これをはっきりと政策目標に掲げたことは非常に合理的です。しかし前にも書いた通りに付随効果として円安が進むことによって貿易赤字はどんどん拡大するため、政策猶予は以って2年。この2年の間にどれだけ輸出産業を持ち直せるかが重要です。逆に持ち直せなかった場合、どうなるか自分もちょっと聞いてみたいです。
2013年2月26日火曜日
56%が14万8千円超、中国人の1人当たり年間旅行予算
中国のニュースサイトを閲覧している最中に運営している「中国景気観測局」に載せるのにいい記事を見つけたので、久々に前職でやっていた記事翻訳をやってみました。
・旅游者意愿调查报告:半数游客将带薪休假出游(東方網)
その見つけた記事というのは上記サイトです。見出しを翻訳すると、「旅行者意識調査:半数が有給利用」と書かれており、2012年における中国人の国内旅行データが事細かに載っております。調査を行ったのはCtrip(シートリップ)といって、日本ではなじみが薄いですが中国のネット旅行予約業最大手の会社で、定期的に詳細なデータを発表してくれるので前職在職中もお世話になってました。
それでは早速、書かれているデータを片っ端から書いていこうと思います。
Q1、旅行に行くタイミングは?
見出しにも書いてある通り「有給を取得して」が49%と最多で、次いで「土日利用」が15%、「国慶節(10月第一週にある長期連休)」
が12%、「黄金説(5月のゴールデンウィーク)」が最低の9%でした。
Q2、今年(2013年)に予定している旅行回数は?
・1~2回:37%
・3~4回:47%
・4~6回: 7%
・7回以上: 9%
・予定なし: 0%
上記の通りに1~4回に8割超が集中する結果となり、日本人と比べてもそう大差はないかと思います。また「予定なし」が一人もいなかったということからも、旅行市場が今後も拡大していくと期待できそうな内容といえるでしょう。
Q3、今年の旅行予算は?
・増やす:57%
・横ばい:37%
・減らす: 6%
こちらも全体的に増加傾向にある結果となっており、Q2の結果共々先行きの明るい内容です。では2012年の旅行予算はどれくらいだったのか、その気になる結果は以下の通りです。
Q4、2012年通年の1人当たり旅行予算額は?(1元=14.8円で計算)
・2000元(2万9600円)以下: 5%
・1万元 (14万8000円)以上:56%
今回この記事を翻訳しようと思ったのは、年間予算とはいえ旅行支出に中国人の半数が14万8000円以上を支出しているというこの衝撃的な数字を出したかったためです。仮に1年間の旅行回数が3回だと仮定すると1回あたりの予算は約4万2700円以上ということとなり、決して低くない数字に思えます。また1万元以上と答えたうちの約5%は、「5万元(74万円)以上」という果てしない金額を上げております。
今回のこの調査は国内旅行に限定されているため、海外旅行の予算はさらに高くなる可能性が高いでしょう。なお参考までに下記のトラベルズー・ジャパンの調査によると、同年の日本人の年間旅行予算(海外旅行も恐らく含む)は37万5000円だったようです。
・日本人の年間旅行予算の平均は37.5万円(@DIME)
このほかの中国の国内旅行調査結果で面白いと思えるものとしては、旅行プランとして好むのは「フリープラン」が75%、「パックツアー」が25%で圧倒的にフリープランが人気だということです。ちなみに少し専門的な話をすると、中国人向け日本旅行ツアーはパックツアーが大半で個人向けフリープランやフリーツアーがやや不足しており、熱心な中国人旅行者の需要を満たしきれていないと以前に取材したことのある業界関係者が言っていました。
・旅游者意愿调查报告:半数游客将带薪休假出游(東方網)
その見つけた記事というのは上記サイトです。見出しを翻訳すると、「旅行者意識調査:半数が有給利用」と書かれており、2012年における中国人の国内旅行データが事細かに載っております。調査を行ったのはCtrip(シートリップ)といって、日本ではなじみが薄いですが中国のネット旅行予約業最大手の会社で、定期的に詳細なデータを発表してくれるので前職在職中もお世話になってました。
それでは早速、書かれているデータを片っ端から書いていこうと思います。
Q1、旅行に行くタイミングは?
見出しにも書いてある通り「有給を取得して」が49%と最多で、次いで「土日利用」が15%、「国慶節(10月第一週にある長期連休)」
が12%、「黄金説(5月のゴールデンウィーク)」が最低の9%でした。
Q2、今年(2013年)に予定している旅行回数は?
・1~2回:37%
・3~4回:47%
・4~6回: 7%
・7回以上: 9%
・予定なし: 0%
上記の通りに1~4回に8割超が集中する結果となり、日本人と比べてもそう大差はないかと思います。また「予定なし」が一人もいなかったということからも、旅行市場が今後も拡大していくと期待できそうな内容といえるでしょう。
Q3、今年の旅行予算は?
・増やす:57%
・横ばい:37%
・減らす: 6%
こちらも全体的に増加傾向にある結果となっており、Q2の結果共々先行きの明るい内容です。では2012年の旅行予算はどれくらいだったのか、その気になる結果は以下の通りです。
Q4、2012年通年の1人当たり旅行予算額は?(1元=14.8円で計算)
・2000元(2万9600円)以下: 5%
・1万元 (14万8000円)以上:56%
今回この記事を翻訳しようと思ったのは、年間予算とはいえ旅行支出に中国人の半数が14万8000円以上を支出しているというこの衝撃的な数字を出したかったためです。仮に1年間の旅行回数が3回だと仮定すると1回あたりの予算は約4万2700円以上ということとなり、決して低くない数字に思えます。また1万元以上と答えたうちの約5%は、「5万元(74万円)以上」という果てしない金額を上げております。
今回のこの調査は国内旅行に限定されているため、海外旅行の予算はさらに高くなる可能性が高いでしょう。なお参考までに下記のトラベルズー・ジャパンの調査によると、同年の日本人の年間旅行予算(海外旅行も恐らく含む)は37万5000円だったようです。
・日本人の年間旅行予算の平均は37.5万円(@DIME)
このほかの中国の国内旅行調査結果で面白いと思えるものとしては、旅行プランとして好むのは「フリープラン」が75%、「パックツアー」が25%で圧倒的にフリープランが人気だということです。ちなみに少し専門的な話をすると、中国人向け日本旅行ツアーはパックツアーが大半で個人向けフリープランやフリーツアーがやや不足しており、熱心な中国人旅行者の需要を満たしきれていないと以前に取材したことのある業界関係者が言っていました。
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