友人から直々にリクエストが来たので本日は北朝鮮が5日に発表した、朝鮮戦争の休戦協定を白紙化するという宣言について自分の意見を紹介します。発表当日の5日から少し時間が経っていますが、元々このブログはワンテンポ遅れてからじっくり解説するのがスタイルですし、そういう意味ではいいタイミングです。
まずこの休戦協定ですが、この場合の北朝鮮のカウンターパートは米国と韓国です。そもそもこの白紙化発言は北朝鮮側の言い分によると、米韓の合同軍事演習に抗議するためだとしており、期日は今月11日以降、つまり今度の月曜日以降となります。
期日に関してはどうして11日を選んだのかはわかりかねますが、休戦協定の白紙化というかなり踏み込んだ行為に出てきたのは米韓の合同軍事演習だけが原因ではないでしょう。そもそも合同軍事演習自体はこれまでも何度も行われているだけに別の何か、具体的にはやはり前回に強行した核実験とそれに伴って国連で採択された制裁強化により態度を硬化したためではないかと思います。
では白紙化されることによってどんなことが起こるかですが、現時点ではまだ何とも言えません。仮説をいくつか挙げると、いつもの様な瀬戸際外交よろしくより危機感を煽って交渉で譲歩を引き出す戦略なのか、続けての核実験を強行するのか、はたまた嫌がらせにまた韓国の領土や艦船に遠距離射撃を実施してくるのか。もちろん、一番いいのは何も起こらないことですが。
それにしても休戦協定の白紙化とは随分と踏み込んだ内容のように思えます。ただ日本としては既に行えるだけの制裁をやり尽くしている感があるだけに特に新たな対策はほぼありません。一方、国連の安保理ではこれまで何度も北朝鮮をかばってきた中国の外務省に当たる外交部がかなり早い段階で制裁決議に同調すると発表しています。
・外交部:朝鲜半岛应以和平机制取代停战机制(北京晨報)
自分のバックグラウンドもあるためやや中国に沿った解説となりますが、やはり今回のこの行動は中国側も相当怒り心頭に来ているように思えます。というのも中国では今週から日本の国会に当たる年に一回の全人代が開催され、習近平体制も今回の国家役職任命を経て正式にスタートするわけです。そんな晴れの舞台、しかもやや緊張した状況下でほぼ間違いなく確信犯で北朝鮮がこんな宣言をしてきたことに対し、中国政府内でも反感が芽生えているのかもしれません。
もっとも、反感という意味では北朝鮮でも同じかもしれません。というのも金正日政権の頃は中国に対して警戒をするものの一定の譲歩というか気遣いはありました。しかし金正恩政権になってからは中国に対する意識はほとんど見られず、まさに傍若無人な行為ばかりが目立つようになってきました。
だからといって中国は北朝鮮に対する軍事制裁に同調するかと言ったら、さすがにそれは望まないでしょう。それは米国、韓国、ひいては日本も同様で、各国の思考としては如何に難民を流出させず資本主義化させるかの一点に尽きます。それにしても、中国が北朝鮮を資本主義化させたいっていうのもなんだか妙な言い方です。
1 件のコメント:
北朝鮮は口だけが強いが、戦争まで踏出す勇気が無いと思いますわ。今回、中国政府も以外に強気で北朝鮮を批判している様ですね。
Ideaですが、日本は北朝鮮を占領し、北朝鮮県にしたら如何でしょうか?(笑)
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