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2013年4月28日日曜日

世界終末論と中国経済崩壊論

「世界はとっくに終わっているハズだった」

 なかなかキャッチーな上記の言葉ですが、これは一時期私が通っていた「超常現象の謎解き」というサイトにおける、これまでに唱えられた世界終末論をまとめたページに書かれている言葉です。詳しくはリンク先をぜひ見てもらいたいのですが、昨年末に出てきたマヤの予言を含めよくもまぁこれほどまでに終末論を集めた、というよりこんなにも世界の終末を予言した奴がいるもんだと思わせられます。もっとも、今もなお世界は滅びていないということからするとこれらの終末論は見事に空ぶったとしか言いようがないのですが。

 このように終末論というのはこれまで一度も当たった試しがない(当たり前だが)にもかかわらずいつの時代でも「この日に世界は滅ぶんだよ!」とMMRのキバヤシみたいなことを言う人が後を絶たず、そして悉く何事もなく予言された終末日を過ぎてしまいます。このようなことから私は「何度も提唱されるんだけど全く当たらない予想、予言」の比喩表現として、「そんな終末論を誰が信じるの?(´∀`)」という具合でこのところ使用する頻度を上げています。出来れば流行ってほしいなぁと思いつつ……。

 ではそんな終末論という比喩表現を具体的にどの場面で一番多く使うのかですが、はっきり言えば「中国経済はもうすぐ崩壊する!」といった類の主張に最も使います。今なら大抵どこの書店に行ってもこの手の類の書籍がビジネス書のコーナーに平積みされているかと思いますが、それは今に始まらずかなり前からずっとです。いい加減、一体いつになったら中国経済は崩壊するのかちょっと問い詰めたいというか、雨が降るまで雨乞いをやる(的中率100%)わけじゃないんだし、一つここは「超常現象の謎解き」さんを見習って私も、これまでの中国経済崩壊論を取り扱った書籍をひとまとめに集めてみました。すべてAmazonで「中国 崩壊」で検索した書籍ですが、早速下記をご参照ください。

中国経済は崩壊しているハズだった

<2013年>

<2012年>
2014年、中国は崩壊する(宇田川敬介)

<2011年>

<2010年>

<2009年>
中国経済・隠された危機三橋貴明
中国経済がダメになる理由三橋貴明&石平
反日、暴動、バブル 新聞・テレビが報じない中国(麻生晴一郎)

<2008年>
中国の崩壊が始まった! (日下公人&石平)

<2006年>
そして中国の崩壊が始まる(井沢元彦&波多野秀行)

<2005年>

<2004年>

<2001年>
やがて中国の崩壊がはじまる(ゴードン・チャン)

<1998年>

 以上です。はっきり言ってこれだけの書籍タイトル、まとめるだけでも結構疲れました

 ざっと見てもらえばわかりますが、どうも同じ人が手を変え品を変え対談者を変えて何度もこの手の本を出しております。具体的に名前を挙げると、石平氏、宮崎正弘氏、黄文雄氏、 三橋貴明氏の四人です。四人ともこれだけ本を出しているのだからもう言い足りないことなんてないんじゃないのと思うほどなのですが、私なりに予言させてもらうとまだまだこの人たちは中国崩壊論で本を出すことでしょう。

 一体何故これほどまでに中国崩壊論で本が出版されるのかですが、一つのヒントとなる本として、「習近平と中国の終焉」(富坂聰)という本があります。
 この本はぶっちゃけ私は読んだことはないのですが、富坂氏に関しては中国事情に非常に詳しいジャーナリストとしてかねてから、そして今も尊敬している人物です。それだけにどうしてあの富坂氏が「中国の終焉」なんて現実離れしたことを言い出すのかちょっとショックを受けたのですが、この本のAmazonのレビューを読むと、こんなことが書かれています。

→しかし、書名はいただけません。「終焉」までは書かれていません。おそらく編集部の強い要請でこの書名になったのだと思います。

 恐らく、これが真実でしょう。単純に、「中国崩壊」などというタイトルをつけると本が売れるのでしょう。そのためこれほどまでに日本国内でチャイナリスクをけたたましく謳う本が溢れる事態になったのだと私は考えます。
 ここで私は思います。仮に自分も企画を持っていてこの手の本を書いたら売れるのかなぁと。社会学士なだけに統計データを弄ればそれなりに説得力のある本を書く自信もありますが、私自身は予想屋は予想を当ててなんぼ、売れる売れないは意味がないと考えているのでこの流れに乗る選択肢はやはりありません。

 またこれは私個人の意見ですが、「敵にはなるべく侮られたい」という考えを持っております。理由は侮られれば侮られるほどこちらとしては相手の寝首をかきやすいためで、逆に敵と認識している人物に警戒されるということは自身にとっては不利だと感じます。このような視点で中国崩壊論を見るにつけ中国をやや侮り過ぎじゃないかという気がして、仮に逆の立場で中国で日本崩壊論など日本を侮る書籍が並んでいたらきっと私はほくそ笑むでしょう。なんかそう考えると、冗談ではありますが中国崩壊論を主張する人は中国の間諜にも見えてきそうだ。

 以上のような具合で、チャイナリスクを検討することは至極もっともですが、金稼ぎはほどほどにしたらというのが私の意見です。最後にもう一冊本を紹介しますが、圧倒的アウェーの状況下で「中国は崩壊しない」(野村旗守&陳 惠運)という本も出ております。なんか逆に興味が湧くというか、今度買って読んでみようかなという気が起きます。友達にねだって買ってもらおうかな。

2013年4月27日土曜日

USJにおける大学生の迷惑行為について

幼稚、暗愚、無神経…USJ迷惑騒動で判明、今どき大学生の“嫌になるほどの低レベル”(産経新聞)

 このところ関西の大学生が遊園地などのレジャー施設で非常識な行動を自慢げにネットで発表をして炎上するという事件が続発しております。これら大学生の行為は各記事中にも書かれておりますが、非常識極まりないことはもとより「そもそもどうしてこんな幼稚でくだらない行動を自慢しようとするのか」という疑問の方が大きい気がして、はっきり言ってしまえば私もこいつら頭おかしいなと思います。
 なおこれらの非常識な行動は主にツイッターに大学生自身が投稿したことから」明るみに出ましたが、このブログを始めた当初にこちらはMixiですが、何故SNSサイトなどで自らを振りに追い込むような犯罪告白をするのかということを私自身が記事に書いております。若い頃から意味の分からないことを書いてるもんだと思えますが。

ミクシ発の自爆炎上について
続、ミクシ発の自爆炎上について

 ここで話は変わりますが、今回の事件の舞台となったUSJには私も昔行ったことがあり、当時は私も関西の大学生の一人であったということから同じ大学生のメンバーらと行きました。その際に絶叫系の遊具に乗って、一番滑降が激しい所で運営側が写真を取ってくれるのですが、絶叫系の乗り物に乗り慣れている友人がびっくりするくらい無表情(彼にとっては緩かった)で写真に写っていたのが今でもよく覚えております。

2013年4月26日金曜日

故大島渚監督の話

 昨日のNHK放送のクローズアップ現代で、今年亡くなられた大島渚監督についての特集報道がありました。私は大島監督の作品はこれまで見たことがなかったのですが、見ていてなんだかこみ上げるものがあったので折角だから書くことにします。

 まず大島監督について私はこれまで、現場で怒りやすい怖い監督だとしか知りませんでした。そんな大島監督のキャラクターは作品にも現れているようで、一貫して「不条理に対する怒り」というのものがテーマだったようです。以前に読んだ映画批評でも、口にするのもはばかれるような差別階級や社会問題を堂々とカメラに収め、それを視聴者にまざまざと見せつけるということが多かったらしく、若い頃から社会派だったり政治的映画監督だなとと呼ばれていたとのことです。

 あまり長く書いてもしょうがないので今回のNHKの特集でドキッとしたというか心動かされたのは、大島監督の長男である大島武氏(父親によく似ている)が父親の映画について、「これほどまでに不条理が世の中に溢れているのになんで黙ってみていられるんだ、笑っていられるんだ、というようなものを訴えたかったのでは」というようなことを述べておりました。実はこの不条理という言葉、かなり以前ですが私も就活で苦戦している最中に恩人から、「この世の中は不条理でできていると言ってもいいのだから、なかなか思うようにはいかない」と深く諭されたことがありました。それだけに大島武氏の言葉にああそうか、不条理を正せとまでは行かなくても、それを無視すること、目をそらすことは悪いことなんだなんていう事を久々に思い起こされました。

 自分もこのブログでは結構格闘しているつもりではありますが、それでも世の不条理と戦っているとは正直言いづらいです。何も自分がやる気を出せばそれらの不条理を正せるなどとは思いあがってはおりませんが、それでも何かしら、少しずつでも努力はしていきたいと思った次第です。

  おまけ
 昔に自分も世の中の不条理に負けそうになった時、「世の中何も面白いことなんてないよ」と愚痴ったら、「『銀魂(漫画)』があるじゃないか(n‘∀‘)η」などと、友人からわけのわからない慰め方をされたことがあります。まぁ確かに、銀魂は面白いけどさ。
 ちなみに最近、「進撃の巨人」というアニメを見ていますが、この漫画屈指のギャグキャラクターであるサシャ・ブラウスというキャラの声優は小林ゆうという人で、この人は「銀魂」では猿飛あやめというキャラを演じてます。今回(3話)の演技は見事と言えるくらいうまいのですが、それ以上にこの人の絵画のセンスがあのはいだしょうこ氏に負けてないのがすごい。

民主・徳永議員の発言問題について

「靖国参拝で拉致被害者家族が落胆」はウソ? 民主・徳永エリ議員「同僚から聞いた」(JCASTニュース)

 あまり説明する必要はないでしょうが、民主党の徳永エリ議員が先日の安倍首相に対する代表質問において、「閣僚の靖国神社参拝で、拉致被害者の家族が落胆している」と発言したことについて各方面から批判が相次いでおります。安倍首相、ならびに古屋圭司拉致問題相はそのような発言をした拉致被害者家族は確認されないとした上で、平たく言えば靖国神社参拝問題を批判するために拉致被害者家族をダシに使ったとして、徳永氏の発言は事実を捏造したものだと主張しております。

 結論から述べると、私も徳永氏が勢い余って咄嗟にホラを吹いてしまったという見方をしております。そもそも靖国神社問題と北朝鮮の拉致問題は別次元の問題であり、関連性は全くと言ってありません。論理からして徳永氏のこの発言は筋違いもいいところでしょう。また「救う会」の事務局自体は関係のない政治分野でのこととしてコメントを控えているようですが、コメントを控えるという時点でそのような拉致被害者家族は確認されないと言っているようにも見えます。そして何よりもというか、拉致被害者家族の安倍首相に対する信頼の高さを鑑みるにつけこのような点で批判することなんて有り得ないと思います。

 では肝心の徳永議員の方はどのように主張しているかですが、昨晩はアクセスが相次いでいたのか徳永氏のブログが全く見られなかったものの、今日になってようやく閲覧することが出来ました。この問題に対して早速書かれていたのですが、「捏造」という言葉を公共の電波を使って言われたとして自民党の北川委員を非難し、本当に拉致被害者家族がそのような発言を行ったかについてははぐらかしております。ちょっと違うんじゃないかなぁ。

 もうすこしこの問題で敢えて私の方から解説を付け加えると、拉致問題というのは日本でも数少ない国論が統一されている問題です。はっきり言って国民の9割以上、そして拉致被害者家族は安倍首相による拉致問題対策を期待し、信用しており、解決しなければならない問題だという認識を一致して持っております。
 これが何を意味するのかというと、徳永氏は場合によっては日本人ほぼ全員を敵に回すことになりかねないということです。別に帝都物語の加藤保憲みたいになりたいってんなら話は別だけど、問題が大きくなると議員辞職だけじゃなく日本にも住み辛くなるだけだし、「曖昧な認識で発言してしまった」という具合で早く謝罪なり修正した方がいいのではというのが私の意見です。

 それにしても徳永氏のブログはアクセス数が急増してるのだろうが、ちょっとうらやましい( ´ー`)

2013年4月24日水曜日

靖国神社参拝に対する中国の反応

 今日もテンションだだ下がりなので、短くまとめようと中国ネタに走ります。
 昨日辺りから日本の各メディアは安倍政権の主要閣僚が春の例大祭に合わせて靖国神社に参拝したことに対し、中韓が激しく反発していると報じております。韓国に関しては確かにそうかもしれませんが、中国に関しては言うほど反発しているとは私には思えないというのが今日の結論です。

 元々、靖国神社に関する話題は一般の中国人はそれほど意識しておらず、過去に靖国問題で反日デモが起きた際も、「あれは官製デモ(政府のやらせ)だから」と実際に話す人もおり、大半の中国人は参拝しないのであればそれに越したことはないけど目くじら立てて怒るような話題ではないと考えているかと私は思います。
 念のため中国の新華社ホームページも見てみましたが、やっぱりというか靖国問題、並びにそれに対する安倍首相の態度はあまり記事が出ておらず、何故だか知らないけど韓国の朝鮮日報を引用した安倍首相への批判記事くらいしかありません。ほんと、何故韓国紙を引用するのだろうか。

 ただ靖国問題ではなく、尖閣問題に関する話題は絶好調というべきか、恐ろしいくらいの本数で出ております。はっきり言いますが、日本のメディアは靖国問題に対する中国の反応ばかり取り上げていますが尖閣問題の方が中国はどぎつい反応を示しており、何故無視するのだと強い違和感を感じます。

 内容としては昨日に大量の中国の巡視船が日本の領海を侵犯したことなどに触れ、「何故自国の領海を通っただけなのに日本がいちいち批判をしてくるのだ」という論調で語られていることが多いです。それで今回の中国の日本に対する領海侵犯ですが、これは間違いなく中国政府が国内の問題から目をそらさせるために、明確な意図で実施し、敢えて大規模に報じているものでしょう。
 今、中国では四川省で起きた大地震に加え鳥インフルエンザの感染拡大などかなりホットというか、政府に対する批判が鳴りやまない事件が起こっております。中国政府としてはこれらの批判を真に受けるわけには行かず、そこで敢えて大規模な領海侵犯を行い、尖閣問題へ中国国民の目をそらさせようとしているんじゃないかとにらんでいます。

 ちなみに鳥インフルエンザですが、感染拡大がなかなか食い止められず、今日にはとうとう台湾でも感染者が確認されました。地味にこの問題は収拾がつかず、今年の中国経済を占う上でも大きな一石になるかもしれません。

2013年4月23日火曜日

中国における日系家電量販店の現状

 このところテンションローな状態が続きあまりいい記事書けてませんが、ちょっと特殊なネタというかよそではまず見られない記事が書けるニュースが出ていたので今日はこれを取り上げます。

ヤマダ電機、家電量販王者が国内外で苦戦(東洋経済)

 上記リンク先の記事によると、国内家電量販大手のヤマダ電機が国内外で不振が続いていると書かれており、ヤマダ電機の中国事業についても触れられております。ヤマダ電機は現在中国に数店舗を出店しているのですが、業績不振などから去年にオープンさせた南京店を今年5月末で占めるとのことです。ちなみに余談ですが、この南京店オープンの話は自分がデイリー向けライターとして仕事入りしたばかりの頃に直接電話取材して記事を書いたことがあるだけに、ちょっとだけ思い入れがあります。記事ソースが現地新聞だけだったから何も教えてくれないかと思ったら、店舗面積とか意外に熱心に教えてくれて助かりました。

 話は戻りますが、ヤマダ電機はこのほかにも天津など中国の北方地域に出店しているのですが、はっきり言って業績がいいという話はあまり聞きません。何故業績が良くないのかというとヤマダ電機の販売手法とか経営以前に、地元業者からの妨害が大きな要因になっているといううわさを聞きます。

 中国における家電量販店というと蘇寧電器と国美電器というのが二大巨頭で、日本で言えばそれぞれヨドバシカメラ、ビックカメラに当たる存在です。業績的には蘇寧の方が上で最近その差がはっきり出てきましたが、両社とも全国にネットワークを持っていて中国の家電市場を考える上では無視できない存在です。
 それでこの二社なのですが、どうも中国にあるヤマダ電機の店舗に商品を卸さないよう、ローカルの家電メーカーにプレッシャーをかけているそうです。そのためヤマダ電機が取り扱えるのは日系など海外メーカー製しかなく、商品ラインアップで他社の店舗に劣るため苦戦が続いているという、あくまで噂ですがそういう話を聞いたことがあります。

 一方、蘇寧電器に買収された元日系家電量販企業のラオックスは同じ身内であるからか、蘇寧電器が持つネットワークを存分に生かして「やや高級な家電量販店」というブランドで中国でもある程度の知名度を持つに至っております。あとどうでもいいけどこっちは食品スーパーのマルエツですが、ここも蘇寧電器とタッグ組んで中国進出を行う計画を発表しており、向こうの小売業界に参入するにはローカル企業との提携が重要であるように感じます。

 このほか中国の小売業界にはもっとディープなネタも持ってますがさすがにそこまでやると内容が偏るので今日はやめておきます。最後に中国の家電小売業界についてもう少し触れておくと、中国も日本がやったエコポイント制度みたいな優遇策を実施してましたが、それら政策が打ち切られた後は急激に販売量が減って日本と同じような状態になっています。しかも最近はオンラインショッピングサイトで家電を購入する層が増えており、ヤマダ電機に限らなくても中国の家電量販店はそこそこ厳しい状態が続いているような気がします。

2013年4月22日月曜日

暗殺者列伝~文世光

 昨日に事件のあらましを記事にしたばかりですが、朴正煕大統領の暗殺が帰途された「文世光事件」の実行犯である文世光について今日は深く掘り下げていこうと思います。

文世光(Wikipedia)

 事件のあらましに関しては昨日私が書いた記事を読んでもらいたいのですが、この事件の実行犯である文世光は1951年生まれの在日朝鮮人で、日本での通名は南条世光といいます。南条という名字に妙な反応が出来る人はきっと、ペルソナ使いか私と同じくペルソナのゲームで遊んだことがある人でしょう。いやね、「Burn My Dread」を聞きながら書いてるもんだから……。

 そんなくだらないことは置いといて続けますが、文世光は22歳の時分に日本の朝鮮総連から指示を受け大阪市内の派出所内から拳銃を盗んだ上で韓国に渡り、朴正煕の暗殺を企図します。文世光がどのように朝鮮総連から指示を受けたかについては諸説あるようで、文世光自身が暗殺が必要と申し出たとか万景峰号内で工作員から指示を受けたなど言われておりますが、北朝鮮がこの事件を指示したことに関しては2002年、朴正煕の娘である朴槿恵(現韓国大統領)に対して金正日が認めていることから間違いないでしょう。私自身としても、22歳の血気盛んな若者を北朝鮮の工作員が煽って行動させたような気がします。

 昨日の記事では割とさらりと暗殺事件を書きましたがよりその詳細を事細かに書くと、文世光は拳銃を入手した後、知人に成りすまして偽造パスポートなどを作成し、拳銃をトランジスタラジオに忍ばせて韓国へ渡ります。韓国でに渡るとフォードの高級車を借り、正装することによって日本の商社員、または外交官に成りすまして事件現場の国立劇場へと赴きます。本来ならば式典には招待状がなければ入れなかったのですが、文世光が日本語を使っていたことから警備員は外国人VIPと考え、あっさり通してしまったようです。

 こうして潜入した文世光は会場に入場する才を狙って朴正煕の暗殺を図りますが、入場の際は周囲に歓迎の子供たちがついていたことからこの機は見逃します。そして朴正煕が式辞を読むため演壇に立ったその瞬間を狙おうと拳銃を引き抜こうとしたのですが、なんと引き金に触れてしまって恐らくポケットに入れたまま銃を発射してしまい、文世光は自らの左足を撃ち抜いてしまったそうです。ただ会場はスピーカーの音が大きく、発射音は誰にも気取られませんでした。

 この時点で相当な痛みを感じていたでしょうが文世光はそのまま客席から通路へ走り出て、朴正煕目がけて計4発(うち1発は不発)の弾を発射しましたが、軍人出身ということもあって銃弾の音を聞いた朴正煕はすぐさま演壇に隠れ、難を逃れることが出来ました。ただ夫人の陸英修は避けることが出来ずに銃弾が命中し、その後に亡くなっています。

 こうして暗殺が失敗した文世光はそのまま韓国警察に捕まり、4ヶ月後に死刑判決を受けてそのまま執行されております。執行される前に文世光は「朝鮮総連に騙された」などと悔悟の念を示していたといいますが、言い方が悪いですが本当なのかちょっと私は疑問に感じます。その疑問に感じる点も、口ではそうはいっていても本心ではどうなのかという意味です。

 この暗殺の一連の流れを見ていて私が気になる点を挙げると、どうして文世光は暗殺に失敗したのかという点です。文世光が朴正煕目がけて撃った距離は約20メートルとのことですが、もうちょっと近寄れなかったのか、また実行前に誤射して左足を撃ち抜くというミスをどうして犯したのか、これらは言うまでもなく文世光がちゃんとした訓練を受けた工作員ではないことを示唆しているように思えます。
 一応、現在の研究では韓国に渡航する前に文世光は朝鮮総連内で射撃訓練を受けたとされておりますが、それにしたって素人を暗殺者に仕立てようとするのはやや性急な気がします。朝鮮総連が指示したことは間違いないとのことですから、言ってしまえば捨て駒、うまく暗殺してくれたらラッキー、駄目だったとしても日韓関係にくさびを打ち込めるみたいに考えて送り出したのでしょう。

 非常に厳しい言い方をすると、何故自分は捨て駒にされていると文世光は自分で気づけなかったのか、若いからというのは言い訳にはできません。最近プライベートで私はやたらと捨て駒という言葉を用いておりますが、自分が捨て駒にされていると思ったら、抵抗しなければそのまま捨てられるんだぞということを真面目にほかの人たちにも言いたいです。中には自分が捨て駒だと信じたがらない人もいますが、現実はそのまま現実です。そうした一つの教訓に、この事件を使ってもらえれば幸いです。