昨日何故かこのブログの最新コメントを表示するフィード欄がおかしくなったので、HTMLを再度組み直し(自動で組んでくれるサイト経由だが)ました。組み直すついでとして新たに誰がそのコメントを書いたのかAutor欄を表示するようにしましたが、なかなか気に入っています。
そんなわけで本題ですが、先日友人からこのところ日本で放映されるテレビ番組でやたら「凄い日本人」みたいな特集が増えていると切り出してきました。なんかまたえらそうな書き方になってしまいますが、この友人が思ったことと同じことを私は去年の時点で感じていました。その時も記事に書こうかと思ったものの、今現在(昔から?)の私は日本、並びに日本人に対して並々ならぬ不信感を抱いているため、やや極端に受け取りすぎているのではないかと懸念したため記事化は見送りました。しかし今回話をした友人だけでなく、ネット上でもこうした日本や日本人を過剰に礼賛する番組が多くてうんざりするといった声も散見するようになってきており、一般的な感覚になっているのかと思えてきたので強行して書くことにしました。
まず結論から述べると、簡単に視聴率が取れるからこうした過剰礼賛する特集が増えているのでしょう。ただ友人が話したことですが、従軍慰安婦問題の様に自虐史観から一気に逆ベクトルに振れ過ぎではないかという意見はもっともであり、なおかつ私が見たことのあるこの手の番組は明らかにバランスが偏っていると感じるものが多く、やはりおかしいのではないかという声を上げるべきな気がします。
具体的にどの点でバランスが偏っているのかというとこれは単純明快で、わざわざ「日本人」としてPRする必要のない人まで「凄い日本人」みたいに取り上げていることが多い点です。確かにこれらの番組で取り上げられる人たちは個人としてみたら立派な特技や知識、実績を持っているのですが、だったら「凄い人」と言えばいいだけなのに何故か「世界に誇れる日本人」みたいな形で番組では紹介されることが多く、その人個人を持ち上げるというよりは日本全体を持ち上げるかのような論調がはっきり言って気に食わないです。恐らく私以外に不満を感じている他の人もこの点について違和感を覚えているんじゃないかという気がします。
あらかじめ申しておくと、立派な功績や特殊な生い立ちを持っている人たちを取り上げるという番組は私は嫌いではありません。しかし近年のこの手の番組はなんか中途半端な人間が出てくることも少なくなく、始めから知名度も高い人もいたりするのでだったらもっと市井に埋もれた人を発掘してきたらどうかなんていう風にも感じます。やや古いですが、NHKの「プロジェクトX」という番組では取り上げるのは基本的に大企業でしたが、その企業の中にいる末端の人間の葛藤を数多く描いてきたから世間にも評価されたように思えます。無駄に「凄い日本」みたいないやらしいアピールもなかったし。
ここでひとつ疑問点を上げますが、なら何故民放どもはやたらに日本アピールを急に行うようになったのでしょうか。この答えの一つは既に述べているようにそれで視聴率が得られるからだと見られ、それは言うなれば私の様に違和感を覚える人間もいる一方で嬉々としてみる人間も一定数存在する、というよりは増えているということでしょう。自分の国が嫌いであるよりは好きな人間が多い方が良いというのはそりゃそうですが、このところの日本は明らかに産業レベルで他の国に追いつかれ始めているにもかかわらず、「日本は技術じゃ負けていない、売り方が悪いだけだ」という苦しい言い訳を展開するなど、実力差をわきまえずに他国を見下す風潮がやや出てきているように見えるためあながち笑っては聞いていられません。自動車に関しても、中国メーカーや韓国メーカーには負けていないとみんな言いますがドイツなど欧州メーカーと比較する話をする人間はほとんど見られず、この手の情報は「ベストカー」という雑誌に頼りきりです。
ってかなんでカー雑誌に佐藤優氏はまたインテリジェンス講座という連載持ってるんだろうか。インテリジェンスとかあまりにも関係ねぇ……。
自分は従軍慰安婦問題華やかなりし2000年前後の頃は日本を持ち上げようとする意見に対して何も違和感を感じませんでしたが、現状のこの手の番組が氾濫する状況においては「偏狭なナショナリズム」をやや感じます。だからと言って日本はもっと自己批判すべきだとまで言うつもりはありませんが(産業界には言いたい)、凄い個人を取り上げるに当たって無駄に日本人だと強調するのはやめるべきだと思います。個人は個人であって日本人という集合体の一部ではありません。まぁ自分はそっからはじかれた口なので言ってて説得力ありませんが。