昨日の記事で書いたド底辺の中国人労働者が味千ラーメンをおごられたことに気負いがあったのか、「今度は中国ラーメン屋に行かない?」と誘ってきたので、お昼ごろに彼の仕事場近くにあるラーメン屋に行っておごられてきました。そのラーメン屋まで私は自転車に乗っていったのですが、自らの公道最速理論に則って飛ばしてたら(時速40kmは出した)雨上りの路面だっただけに車体やら靴やらがやけに泥だらけになってちょっとしょげたわけです。
なもんだったから帰りは比較的ゆったりとした速度でもって走ってたのですが、なんか前の方から「ドーン」という音がして、またどっかの馬鹿が昼間っから爆竹鳴らしてるのかとムッとしながら走り続けると、上記の写真のような場面に出くわし、「あっ、交通事故だったんだ」とわかりちょっとうきうきしてしまいました。
上の写真がまさにこの時の事故直後ともいえる写真で、さすがに当事者であるドライバーには悪いかなと思って伏し目がちに携帯カメラを構えて撮影してきました。あんまり歩行者が多くない道路だったのもあって写真撮ったのも自分だけだったし。
この写真で注目してもらいたいのは二台の事故車の破損具合です。位置から察するに左の車(中国ローカルメーカー車)が右の車(ドイツ車)に後ろから追突したと推察されますが、破損具合は明らかに中国車の方が大きいです。中国車のフロント下部にある外部プラスチックパーツがひしゃげるのはまだ理解できますが鋼鉄製なはずのボンネットが大きく曲がっているのに対し、ドイツ車の方はトランクの蓋がやや曲がるだけにとどまっているのを見るにつけ、「ここまで強度に差があるのか(;゚д゚)ゴクリ…」なんて思ってしまいます。明らかにぶつかった方がぶつけられた方より破損がひどいというのもなぁ。
上記リンク先のニュースは先週出たニュースですが、サーチナさんにケンカ売るのもどうかと思うけどあまり見られる記事ではありません。先に言っておくと何故トンチンカンなのか根拠に乏しく、見ようによっては妙な反発をしてるだけにしか見えない記事です。
この記事では中国の自動車ユーザーは日本車は燃費や構成部品の価格バランスが良く実用的だがそのかわりに強度を犠牲にしているとして、基準に適合する必要最低限度の水準しか強度がないなどと中国メディアが書いていると紹介しています。その為に本社は米国社に対して安全性に劣るとしてこの記事のライターは「的外れな主張」と書いていますが、何故的外れなのかという理由は書かかれておらず、読んだ後にちょっとストレスを感じる文章です。
私の意見を述べると、上記の中国メディアの主張は半分当たりで半分外れといったところで、決して「的外れ」だと言い切る文章ではないと考えています。私も自動車の安全性については素人ですが素人なりに聞きかじった知識で述べると、日本車は何よりも乗車している人間が死なないように、次にぶつかった人間が死なないように安全性を設計するそうです。それはどのような設計かというと、具体的に言えば衝突時にボディ板金が敢えて曲がるようになっており、曲がることによって衝撃をボディ自体が吸収するようになってるそうです。
たとえば曲げやすい金属と曲げにくい金属の板をそれぞれ叩くと、叩いた手が痛むのは恐らく後者だと思います。これは曲がる金属の方が叩いた際にひしゃげることによって衝撃を吸収するのに対して曲がらないとそのままの衝撃が反対方向、それと手に直接伝わるため衝撃が大きくなるわけです。
こんな具合で日本車には靱性が高く曲がりやすい板金ことハイテン板が多く使われているため、ぶつかった時にドイツ車やアメ車と比べてへこんだりすることが多くともドライバー、ひいては轢いた相手の死傷率というか安全性は高いとされます。実際に米国などで行われる衝突安全性テストでは日本車が高い評価を受けていて、最初のサーチナの記事に関してはこうした理由に触れずやれトンチンカンやらやれ的外れやら書いているのでちょっとどうかなと感じたわけです。
ただこうしたドライバーの安全性を確保するため、先程書いたように日本車はドイツ車やアメ車と比べて少しの衝撃でへこんだり、ひしゃげたりする傾向が高いそうで、そうした姿を見るにつけ中国のカーユーザーからは「日本車は脆い(中国車はもっと脆いけど)」という印象を覚えるようです。これを中国のユーザーが安全性に対する知識がないためと割り切るのは簡単ですが、私からすれば中国ではドライバーみんなが強引な運転をするのが当たり前で軽微な接触や衝突がガチで多いことを考えると、生か死かを分けるような重大な事故は頭から眼中になく、接触程度の事故でどれだけボディがへこまないかを重視するのは決して的外れではない気がします。言ってしまえば、彼らにとって交通事故というのはそういった水準の事故で、大事故が起きたらなんてことはあまり考えてないように見えます。
まとめとしては所によって自動車の安全性に対する意識は確実に変わるということと、日系自動車メーカーは単なる衝突安全性というのではなく「命の安全性」という観点で自社の車を宣伝すべきかと言いたいのと、ドイツ車は中国車に比べてやっぱり硬いんだなということがよくわかったってことです。