ページ

2015年3月17日火曜日

美濃加茂市長の裁判での検察控訴について

 既にこのブログで何度も取り上げている美濃加茂市の藤井市長に対して収賄容疑で起こされた裁判ですが、私の意見通りというか希望通りというべきか、第一審では市長側の主張が認められ無罪判決が下りました。ただこれは第一審であって果たして第二審はどうなるのか、通常なら検察は控訴するがこんな証拠もほとんどなくいい加減な捜査で本気で控訴する気あるのかと考えてましたが、どうやら検察は自分の想像以上の存在だったようです。

「市長ははめられたんだ!」潔白を信じた市民…異例ずくめの汚職事件 〝青年市長〟無罪判決(産経新聞、これまでのまとめ)
美濃加茂市汚職:市長の無罪判決不服で名古屋地検が控訴へ(毎日新聞、控訴について)

 上記の毎日新聞の報道によると検察は判決を不服として控訴し、二審へと挑むつもりのようです。既に美濃加茂市議会は検察に対し、裁判が続けば市政の停滞を招くとして控訴を断念するよう求める決議を採択しましたがどうやらこれをガン無視する模様です。
 もちろん決議なので法的拘束力はありませんが、そもそも決議以前にこれまでの裁判過程から何をどうやって控訴しようっていうのか理解に苦しむ点が多いです。一言で書けば、この裁判では証拠は存在せず贈賄したという怪しいおっさんの妙な供述しか根拠はなく、第一審ではそれが根本から信用できないとされたのですからほかに新証拠がない限りはひっくり返しようがないでしょう。

 私の意見をここで書くと、やはりこれまでの裁判経過を見ていてもこの裁判、というよりは事件は検察が中心となって捏造されたもので、これは汚職事件ではなく疑獄事件ではないのかというのが偽らざる真情です。むしろ今議論すべきなのは検察、もしくは愛知県警の誰がこの事件を捏造し、無実の罪に藤井市長を追い落とそうとしたか、いわば事件の黒幕を捜すべき時期ではないかと思えます。
 しかしそうは言うものの、じゃあ誰がその黒幕を捜すのかとなると若干不安がもたげます。まず身内の検察や愛知県警は全く信用ならないし、ならばと特捜が出てきてもこいつらも内部不祥事の隠蔽など御手のもんなだけに大概です。現実問題として、捜査機関の不正を捜査する組織がないというのは現代日本における大きな課題だと思います。

 隠蔽事件も冤罪事件も続々と明るみに出ているものの処分に関しては結構しょうもなかったりすることが多く、神奈川県警や大阪府警もこれだけやっても免職にならないのかと呆れる例が多数あります。それこそ内閣直属、もしくは法務省直属の独立した「捜査機関を監視・捜査する組織」こそが今必要ではないかと考えています。もっとも、こんなこと言うのも自分一人だけだろうなぁ。

 最後にこの検察の控訴について、中日新聞の記事中に癇に障る一文が入っていました。それはどこかというとリンク先の記事末尾にあるインタビュー引用文で、

「同市太田町の商店主の男性(73)は『グレーなつながりを持っていたと分かった時点で、泥仕合になると思っていた。検察・警察にもメンツがあるから、控訴は仕方がない』と話した。」

 この引用文にある「グレーなつながり」ってなんやねんというのが私の疑問です。藤井市長は裁判で汚職の疑いのある行為はしていないと認められており、また贈賄をしたと主張する謎のおっさんと親密に交際していたわけでもありません。にもかかわらずさも市長に疑われても仕方ない要素があったかのように見せるこのインタビューをわざわざ引用する当たり、中日新聞の態度というか腹積もりが透けて見えます。この会社は私が目の敵にしているのもありますが、目の敵にする理由は決して私憤からだけではないというのを理解いただければという言い訳を書いて今日は筆を止めます。

2015年3月15日日曜日

一汽汽車トップの捜査について

 今日はちょっと準備していたネタを下調べを済ませて書こうと思っていたら先日の帰国中に買ってきたPSVitaのゲーム「極限脱出ADV 善人シボウデス」の謎解きにはまり時間を費やしてしまいました。結局図形を組み合わせて平行四辺形を作るパズルは攻略できなかったけど……。
 そんなわけですぐに書ける時事ネタ、なおかつこのところ急激に増えている中国ネタとなりますが、興味深いニュースが友人からも送信されてきたのでちょこっと解説します。

中国自動車メーカー会長が規律違反容疑 当局が取り調べ(朝日新聞)

 上記リンク先のニュースによると、中国の自動車メーカー大手である第一汽車の徐建一会長が重大な規律違反の疑いで捜査を受けていることが明らかとなったようです。重大な規律違反というのは要するに汚職で、贈賄や収賄、または横領などが当てはまりますが実質この三つのどれかだと思っていいでしょう。
 そもそもこの徐健一という人物がどんな人物かですが、既に書いた通り上海汽車、東風汽車と並び中国国内の自動車メーカービッグスリーに当たる第一汽車のトップです。第一汽車の売上げは先の二つと比べると一段劣ってて実質三番手ですが、それでも多数の自動車メーカーひしめく中国において一定の地位を保つ超大企業であります。

 なおこの第一汽車ですが日系メーカーではトヨタとの間で合弁契約を結んでおり、合弁会社の一汽豊田では「カローラ」や「クラウン」、「REV」4などの車種を販売しております。もっともト中国において一番人気なトヨタ車である「カムリ」は広州汽車とトヨタの合弁である広気豊田で販売されているため、トヨタの中国におけるメインパートナーと言えるのはやっぱ広州汽車ってところです。
 あと第一汽車は傘下の海馬汽車がマツダとの間でライセンス契約を以前に結んでおり、その伝手で古いアテンザなども販売していました。さすがにもう生産はしていないと思いますし、マツダも中国市場では合弁先である長安汽車とメインでやっているため、実質的に第一汽車と関連する日系自動車メーカーはトヨタ一社となります。

 話は戻りますがこれまでにも中国では多くの経済人が逮捕されていますが、その多くは国内市場での販売が主な国益企業幹部とかでしたが、第一汽車の様に海外メーカーとも絡む大物ともなると今まであまりなかったような気がします。会社の規模もそうですが今回の逮捕は大物も大物で、注近平も全く手を休めないというか手加減をしない活動ぶりの様に思えてきます。
 あとこれは推測ですが丁度今日が中国の国会に当たる全人代の閉会日であるため、この捜査発表は全人代閉会にタイミングを合わせた発表であると考えられます。逆を言えばそれ以前から相当マークしていたということになるので、まずこの会長は有罪判決からは逃れられないでしょう。
 恐らく今回の発表によって第一汽車の販売は大きな影響を受けることはないと思われますが、政府調達の公用車の入札では今後制限が課せられる可能性はあります。第一汽車は国内VIP車に当たる「紅旗」というブランドを持っているだけに、この分野での売り上げ減は十分にあり得ると予想します。

 最後に補足として述べると、あんまりほかのメディアでは書くことがありませんが中国ではどの主席も政治スローガンみたいな標語を必ず掲げます。古くは「大躍進」や「改革開放」で、直近だと胡錦濤前主席の「和階社会(=平等社会)」です。では現在の習近平主席のスローガンは何なのかですが、はっきりとこれだとばかりに掲げられていませんが実質的には「反腐(汚職追放)」が当たると思えます。
 日本ではあまり報じられませんが以前の胡錦濤政権時とは比べ物にならないほど現在の習近平政権は政財界、果てには軍をも問わずに大物の汚職摘発に力を入れています。特に胡錦濤政権は、パワーゲームの影響でしょうが、解放軍幹部に対しては絶対に捜査のメスを入れることはありませんでしたが、習近平政権は全くお構いなしと言わんばかりに解放軍の超大物幹部を平気で逮捕したりして、これには一般の中国市民も大喝采を送っててその支持度は半端じゃないほど高いように見えます。

 ただこれは逆を言えば解放軍が習近平政権を恨んでいる可能性が高く、市民からも嫌われているのでさすがに軍事クーデターを起こすことはないでしょうが尖閣諸島周辺は南沙諸島周辺で嫌がらせとばかりにわざと騒動を起こす可能性はあるように思えます。特に尖閣絡みだと日本とぶつかり合うのでこの辺はきちんとした共通認識を日中の事務方同士で持って、あらかじめ対策を準備しておいてもらいたいものです。

2015年3月14日土曜日

千葉のマッドシティ~すぐやる課

 どうでもいいですがこのところやけにネット回線の通信速度が極度に落ちています。むしろ先週までが春節の長期休暇の影響を受けてやけに速度が速かったこともありますが、VPNの速度で以前は秒速最大で200kb出てたのが今はどうあがいても40kbしか出ず、現在に至っては20kbが関の山です。地味に調べものとかで影響でるからどうにかしてもらいたいところですが、こっちの通信会社はまるで仕事しないからなぁ。

 そんなわけで本題に入りますが、マッドシティこと松戸市といって何が一番有名かとなるとSTAP細胞を生みだした科学者の出身地であることや、女子大生が殺害され放火された事件があったとか色々ありますが、恐らく全国区で聞くとなると今日取り上げる「すぐやる課」だと思います。
 このすぐやる課というのはドラッグストアチェーン最大手のマツモトキヨシの創業者である、松本清が松戸市長時の1969年に松戸市役所で創設した部署の事です。マツキヨについてはまた今度解説しますが、当時から「お役所仕事」と呼ばれるほど対応の鈍かった市役所の仕事ぶりにメスを入れるため、住民からの要望を市長直轄でダイレクトに応えるために作られました。

 当時の日本は革新市長や革新知事など地方行政改革に注目が集まっていた時代ということもあり、このすぐやる課もメディアなどで大きく報じられるなどして全国区で有名な部署となりました。私個人の評価をここで入れると、案外市役所に相談したいことがあってもどの部署に連絡すればいいのかわからないことが多いだけに、こうした万請負所みたいな部署が一つの窓口となって他の部署とも連携していければなかなか有効な改革だったのではないのか思えます。
 実際、この松戸市での創設を受け似たような部署を創設、またはそのまま同じ「すぐやる課」を創設する自治体も出ており、ウィキペディアの記事によればデンマークのグラズサックセ市も導入したそうです。

 それでこのすぐやる課ですが、現在もなお自分の潜伏地からほど近い所にある松戸市役所内に存在し、活動を続けています。やることは先ほどにも書いたように万請負的な所があるのですが、市役所職員もやってくるカレー屋のおじさん(生粋のラリースト)に話しを聞いたところ、ハクビシンだとかスズメバチなどの害獣、害虫の捕獲、駆除が主な仕事になっているそうです。そのほかの雑務も多いようですが、机仕事ではなく実行部隊的な仕事が多いため話を聞く限りだとなかなか大変な部署とのことだそうですが、もしできるのであればクリミアにまで行って余計なことをしでかしてくる鳩も駆除してもらいたいものです。

2015年3月13日金曜日

中国人に受けやすい日本のお土産

 昨日の記事で近頃流行の中国人の「爆買い」を取り上げましたが、具体的に中国人は日本でどんなお土産を買っていくのかについては案外知られていないような気がします。そこで今日は在中歴がもう4年も突破していて日本で働いていた期間より実質長くなっている私の独断と偏見による、中国人が喜びそうなお土産をいくつか紹介しようと思います。

1、家電
 鉄板といえば鉄板ですが、それでも依然と比べればその人気は幾分落ちてきているように思えます。何故人気が落ちているのかというと日系家電のブランド価値が世界的にも低下してきていることに加え、中国国内のメーカー製品でも性能的には日系製品と比べても極端に低くない物が出てきているからでしょう。
 なお中国でも日系メーカーは家電を販売しているのに、何故だか中国人はやたらと日本で日系家電を買いたがります。これは何故かというと、日系メーカーは自社で生産する製品に対して日本市場向け、中国市場向けで異なる二種類の品質基準を持っており、中国には品質の悪い商品しか流していないと中国人が考えているからです。実際はどうだかわかりませんが品質基準を二重に持つと管理上で手間がかかるのでそんなことないとは思いますが、中国人は日本で流通している製品の方が中国に流通しているものより圧倒的に品質が上だと考え、だからこそ日本国内で買おうとしているのだと思われます。

 もう一つおまけに述べておくと日本で買われる家電製品の種類でどうして炊飯器が多いのかについてですが、確証はもてませんが恐らくそのサイズが影響しているとみています。別に中国人は炊飯器に対して並々ならぬこだわりは持っておらず、恐らく日本国内で購入して中国に持ち帰るに当たってテレビや冷蔵庫では大きすぎ、ドライヤーだとハゲ親父には渡せず、ノートパソコンだと高すぎるので、そこそこのサイズでビッグなお土産として持っていくのに炊飯器がベストなサイズだから人気を得て定着してきたのではと考えています。

2、食品
 自分がこれまで見てきた限りだと意外とローカルな食品に対して興味を持つ中国人が多いように思えます。具体名を挙げるとご当地プリッツやスナック菓子など、あと味噌汁とかインスタントラーメンなどなんかスーパーで買えるものに強い反応を示しているように見えます。
 この食品こそマーケティング次第では中国市場で化ける可能性を秘めた商品であり、現実にヤクルトは全中国工場がフル稼働しながら販売都市が広がるというほどのヒットぶりを見せており、近年はコンビニスイーツを売り込もうとお菓子メーカーもよく来ていると聞きます。
 ちなみ今回私は従業員に対して変わったものを持って帰ろうと思ってスーパーを見て回りましたが、最終的に選んだのは丸美屋のふりかけ(のりたま)でした。なんでこんなの選んだのかというとそもそも中国にはふりかけが存在しておらず、念のため辞書でも調べましたが該当する単語は出て来ず、「対米飯使用的調味料(ご飯に使う調味料だよ)」と言って従業員に渡しました。渡した時の反応なかなか悪くなく、なんか昨日今日と従業員の自分に対する態度が良くなっている気もしました。

3、ビタミン剤
 この記事の主題でもあるのですが、実は今回の一時帰国に当たって同僚、そして友人の二人の中国人からそれぞれビタミン剤を買ってくるよう依頼されました。日本人からしたら「なんでビタミン剤?」と思われるでしょうがこれにはわけがあり、一言で言えばああいう錠剤の形したものは色々混ぜ込みやすく、まともな製品が中国だと流通していないというか消費者に警戒されているからです。
 考えてみればごくごく単純なことですが、ビタミン剤と称してただのブドウ糖だったりすることもあり、下手すれば変な有害物である可能性すらあります。そんな修羅の国、中国でビタミン剤を買う人なんてほとんどおらず、結局信用できる日本市場から調達しようって話です。

 案外これはビジネスチャンスかもしれませんが、中国人は普段から変な食品のニュースが多いだけに日本人以上に健康志向が高く、ビタミン剤に代表される栄養剤を始めとして漢方など健康食品に強い興味を示します。ただ面白いことに現在流通している大半の漢方薬の特許は日系企業がほとんど独占しており、中国からしたら中国発祥の物なのに日系企業に先こされているとそこそこ警戒感を持っていると共に負けてらんないぞと政府も支援しつつ特許取得に励んでいます。
 もっとも中国で漢方薬作って売っても偽物が混ぜられる可能性があって市場としてはなかなか通じないでしょう。逆を言えば日本で流通している漢方なり健康食品をうまいこと中国に持ってきて販売ルートを確立したら儲けられそうだと後輩に伝え、既に先行者もいるだろうけどなんか準備しておけとこの前伝えておきました。

2015年3月12日木曜日

原油安の背景にあるもの

 調子がいいので本日二本目の記事です。全盛期は一日三本とかわけのわからない投稿量でしたからその頃に比べれば大人しくなったものです。

 最近はめっきり落ち着きましたが、昨年後半から今年にかけて長期にわたり原油価格が大幅な値下がりを続けていました。一時はリーマンショック前の水準にまで落ち込んで、エネルギーが安く使えるのはいいがここまで急激に落ちては世界経済に影響が出るのではなどと言う憶測まで出ており、各種の経済雑誌などではその背景などについて様々な面で検討する記事が載っていました。

 この原油安は円安が続く日本にとってはもちろん追い風ですが、原油産油国にとっては逆風以外の何物でもありません。しかし中東の産油国諸国で構成されるOPECはこれほどの原油安が起こっていながらも産油量の調整などは行わず、むしろまだまだ増産するかのような態度まで見せて原油安を自ら誘導してきました。一体何故OPECはそんなことをしたのか各種メディアで私が見た論評に多かった解説では、石油にとってライバルとなる米国やカナダのシェールガスとの価格競争というもので、産油国は石油の安値攻勢でシェールガスを潰そうと働きかけたのだという風に書かれていました。
 この解説も確かに一理はあると思えるのですが、だからと言ってここまでやるほどなのかと私個人としては完全に腹の中まですとんと落ちては来ませんでした。また一部で見た報道ではOPEC内でも意見が分かれているが、意見力の大きいサウジアラビアが生産調整の提案を誇示しているなどとも報じられており、なんか違うようなという風に思っていました。

 そうして最終的に私が辿り着いた結論というか妄想は何なのかというと、この原油安の真のターゲットはシェールガスではなく天然ガスで、その産出国であるロシアだったのではないかというものでした。

 この結論に至ったきっかけは、昨今の原油安で天然ガスを輸出するロシアが非常に苦しんでおり、大きな影響を受けているという報道をみたことからでした。特にロシアはウクライナの問題で米国を中心とした欧米諸国から経済制裁を受けており、それと天然ガスの価格下落が相まってダブルパンチなどと報じられていたのですが、このダブルパンチは偶然の産物ではなく意図して起こされたもので、原油安は経済制裁と連動して行われているのではないかという気がしてきました。
 またこのように考えるとOPECの動きも納得できます。サウジアラビアは中東きっての親米国家で米国の要請を受ける形で意図的に原油価格の下落に協力するというのも理解できないわけでなく、仮にそうであれば他国が反対していながらもサウジアラビアは生産量の調整に同意しなかったのもなんとなくつじつまが合うように思えてきます。

 もちろんこんなの私個人の勝手な推論であって確証に足る根拠なんてどこにもありませんが、状況的にはこういう理由の方が私は納得できると思えたわけです。でも仮にこうだとしたら結構皮肉なもので、米露という大国同士の争いで世界経済が動き、円安下の日本なんか漁夫の利を得ているということになります。となると日本は米露の緊張を煽った方が良いのか、この辺は時と場合に寄るでしょうね。

中国人「爆買い」の真実と裏話

 今回の日本一時帰国の際、あらかじめAmazonでいろいろ買いましたがその中には高電圧対応の電源ケーブルが入っておりました。これは新しくエプソンのパソコンを買ったからで日本よ電圧の高い中国で使うため、わざわざ別売りのケーブルを買わざるを得なかったからです。
 少し前のノートパソコンは規格電圧が240Vまであって外国で使用するに当たっても問題なかったのですが、近年は日本の100Vにしか対応していないものしか売らなくなりました。ノートパソコンときたら海外でも使用する頻度の高い製品なだけに、こういうところくらいはパソコンメーカーも気を聞かせてもらいたいものです。ちなみにPSVitaは海外の高い電圧にも始めから対応しています。

 話は本題に入りますが、今回の帰国中にやたらと周りから「爆買い」という言葉について質問を受けました。具体的には同僚、カレー屋の店主(ラリースト)、友人の母親などで、自分の知らないところで日本のメディアが如何に大きく取り上げていたのかが少なからず伺えました。その言葉の意味するところは言うまでもありませんが、旧正月の長期連休中日本へやってきた中国人が日本のあちこちで異常なほど消費していたことから一種のマーケティング用語として定着していったようです。

 この中国人の爆買いについて意見を求められるとしたら、私の第一声としては「そんなにめずらしいことではないよ」といったところです。中国国内においても金のある中国人の消費意欲は桁違いに高く、たとえば自動車であれば日本円で1000万円超えるクラスじゃないと「高い車」とは言われませんし、またここまで極端でなくてもショッピングセンターに行けばカートにびっくりする位の商品を抱えてレジに突っこむ親子連れなども珍しくありません。そのほか街中でも買ったばかりと思われる布団を抱えながら地下鉄に乗り込んだり、重そうな家電を抱えながら移動する人の姿はそれほど珍しくなく、総じて言えば買い物の感覚が日本と比べて大きく、どっちかといえばアメリカ人の方が近いのではという印象を覚えます。

 そんな中国人からしたら日本へ訪れるともなると、それこそ数ヶ月分の貯金を全部はたいてでも買い物しようというのも理解できなくはありません。この辺はちょっと説明が必要でしょうが、中国人にとって海外旅行というのは今でこそ多少は融通聞きますが、昔はそれこそ一生に一回できるかできないかというもので、現代においても日本人ほど気軽にできるものではありません。一生に何回行けるかわからないものなだけに、また日本の商品はこれだけ流通が発達した世の中にあっても中国国内では容易に買えないものも数多くあります。そうした点などを敢えて表現するならば、パチスロで言えば一生に一度あるかないかのフィーバータイムといってもよく、ここぞとばかりに消費しようというのも私からすればある程度納得できる行為で、民族とか人種に関係なくみられるところじゃないかと考えています。

 ただ中国人の場合は一味違って、一言で言えば一人あたりの金額どうこうではなく、世界最多の人口抱えるだけあってやってくる人数が桁違いなだけに耳目を集めるというか周囲に様々な影響を与えてしまいます。全人口の上位1%の金持ちといっても日本人であればその人数は100万人程度ですが、これが中国であれば1000万人を優に超えます。なもんだから「買う量」よりも「買う人数」の方が桁違いなため、一種のブームのような現象に見えるし、また彼ら全員が買ってく量が桁違いな量になため、彼らの通った後には何も残らなくなるということになっているようです。

 何気に自分も今回驚いたのですが小さい子供のいる同僚が最近、近所で幼児用おむつの「メリーズ」が店頭に並ばなくなったということを話していました。一部の粉ミルクが出回らなくなったのは以前からでしたが最近はおむつ製品もその傾向があり、子供を持つ親としては非常に不便だと話す始末。
 この品不足の背景は言うまでもなく中国人にあると見られ、幼児用製品は自国の製品を中国人は全く信用していないためどんなに高くても外国製を競って買う傾向が以前からあります。この傾向はどうやら年々高まっているようで、日本国内の市場で粉ミルクに続きおむつまで影響が起きていることは私も今まで知りませんでした。

 ちょっと話が外れますが中国人の人口ははっきりいってエグイまでに巨大すぎるところがあります。仮に中国人全員がトイレで紙を使えば世界中から紙資源はなくなりますし、また牛肉を日常的に食べ始めたら世界中から牛が消え去るなど、中国が先進国になろうとすれば地球の資源は持たなくなるので、今後永遠にわたって中国が先進国になることはないとここで断言します。わかっている国なんかはこうした点を踏まえて、自国で使う資源を確保するため中国やインドを貧困に追い込む戦略を持っていますが。

 話しは戻りますが爆買い現象の裏には中国人一人一人が持つ旺盛な消費意欲はもとより、大挙してやってくるという人数の多さが実は大きな要因ではないかと私は見ています。日本の小売業界としてはこうした中国人客は非常に大助かりな存在で各店ともに中国語での応対に力を入れて、特に百貨店などはもう中国人抜きでは経営成り立たないところまで来ているようにも見えます。
 しかし、私はこの現象は持って数年じゃないかとも考えています。その理由というのも日本が香港のように、中国人抜きでは経済が成り立たなくなるものの、中国人の消費行動やマナーなどに反感を持って、来日を妨げるようなキャンペーンを起こすのではと予想するからです。見方によれば人種差別的な行動かもしれませんが、誇張ではなくこうでもしないと自国民向けも市場が保てなくなる可能性もあるだけに、評価するならばどっちが一方的には悪いとまでは言えないのではと思います。

 なお、知ってる人には早いですがこうした現象は既に香港では日常茶飯事です。中国本土の人間が休日の度に大挙してやってきて、やたら日用品を買い占めたり、マナーの悪い振る舞いをしたりするもんだから香港人は中国本土の人への反感を年々高めています。先程の紙おむつにしても、香港だったら地元で買おうと思ってもなかなか買えないというのがここ数年続いていることでしょうし。なんかこう書いているとまるでいなごのようだなぁ。

 そういうわけで次回の記事では、案外日本人が知らない中国人が日本で求める商品群について私の知ってることを書いていきます。割と真面目に最近は記事を書くなぁ自分も。

2015年3月11日水曜日

成田空港で君もタイガーだ

 またしばらく更新が空きましたが、前回記事に書いているように先週金曜から今朝まで日本に一時帰国していました。でもって今日の夕方には中国に戻り、このブログもいつもの部屋の中で書いております。滞在日数は金曜から水曜の計五日間で、月曜には仕事で大阪へ行っていることもあって周囲からはハードスケジュールだとか忙しそうだねなどと言われてはおりますが、以前の記者時代はどうあがいても有給が一日しか取れなかったので土日を加えて三日以上は帰国出来なかったことを考えるとかなりのんびりできるようになったななどと自分では考えております。
 とはいえ、あちらこちらでいろんな人間と会っていたのと同僚などから頼まれたお土産買うのはやや忙しかった。おまけに今回はEPSONのパソコン買ってそのセットアップも地味に大変だったし。

 そんなわけで今日の午前中、帰国便に乗るため成田空港へ向かったわけでしたが、実はここでちょっと一悶着ありました。チェックインをしようとチェックインカウンターへ向かったところ長蛇の列が既にできており、嫌だなぁとか思いながら並んでは見たものの何故かほとんど進みません。カウンターの数はそこそこ多いのに一体なんでだろうと思って眺めてみると、どうも乗客とカウンターの人間であれこれやり取りしているようにみられ、その原因も荷物にあるようでした。
 長時間待ってようやくカウンターに着いた私は本部からの座席確認の返答を待っている職員に少し話を振ってみました。

「なんや忙しそうやね」
「ええ、やってこられる中国人の多くの方々が預け荷物の重量が超過しておりまして」
「みんなタイガー持っとるしね」
「そうなんですよ。家電を必ず持っておられて……」

 そう、中国上海行きの飛行機なだけに乗客の多くは日本旅行帰りの中国人が占めており、その手には「みんなタイガーだ」と言わんばかりにタイガー魔法瓶のロゴが付いている段ボール箱(恐らく炊飯器)が握られていました。ただでさえ重たそうなスーツケースも抱えているというのに、家電を丸ごと持って帰ろうとするあたりは中国人らしいです。
 結局、私は問題なくチェックインを終えて時間通りに飛行機に乗りましたが、後続のチェックインがどうも遅れたようでフライトは30分ほどディレイして上海の到着時刻も遅れました。深夜のフライトではなかったので家路に着くには問題ありませんでしたが、自分も自分で従業員のお土産に加えノートパソコン2台などそこそこ荷物を抱えていただけに、最後らへんは左肩が無性に痛かったです。

 ついでに書くと日本帰国中にやたらと「爆買い」という単語について質問を受けました。言葉の意味は説明するまでもなく、というより普段日本にいない自分よりも読者の方々のが詳しいでしょうがこの辺りについてそこそこいいネタを持っているので明日こそはきっちりしっかり書こうと思います。