最近趣味の話を書いてないのでこの前友人に話した映画の話をします。
サイコスリラー映画と見出しに書きましたがそもそもサイコスリラーという言葉は定義がはっきりしておらず、巷間でもサイコホラーとかサスペンスなど別の言葉とほぼ同意義に使われてるようにみえますが、敢えて私の方から定義づけするならば、「金目当てや怨恨ではなく殺人そのものを快楽目的に実行する殺人犯がテーマ」というのがジャンルとしての位置づけだと考えます。この手の犯人の特徴として欲求的に殺人を犯すことから何かしらマイルールめいたものがあり、特定の特徴を持った人間をターゲットにしたり、バラバラにしたりとか同じ凶器を使うとか殺害の仕方に共通点があったりして、犯人を追う側はこうした犯人のマイルールを読み解いて実行犯の特定や追跡を行っていくというのがこのジャンルの醍醐味と言えるでしょう。
そんなサイコスリラー映画ですが、私見な意見を述べると1990年代において非常に流行って大量に生産されていたなと思えます。このブームの嚆矢となりかつ恐らく最高傑作となったのはハンニバルシリーズの映画第一作である「羊たちの沈黙」であるように思え、アンソニー・ホプキンス氏の怪演もさることながら見えない犯人の姿形特徴性格を殺害の手口などから徐々に類推していくプロファイリングの過程が大いに評価され、日本でも一時期やたらとこの「プロファイリング」という単語を使った書籍や作品が出されました。
この「羊たちの沈黙」の何がすごいかっていうと、ある事件の異常殺人者の性格分析を、その犯人以上に明らかにぶっ飛んでるというか規格外な「人食いハンニバル」ことレクター博士が冷静に行っていくという過程だと思います。この「異常者をもっとおかしな異常者(しかも普段はめっちゃ知的で紳士的)が分析する」という手法は現代でも多くの作品に使われますが、この作品以上にぶっ飛んだ構図は多分ないでしょう。
この「羊たちの沈黙」のヒットを受けてかそれまでのサスペンスの枠を越えた、異常殺人者をテーマにした作品はハリウッドを中心にたくさん作られ、私が小学校高学年から中学生時代までなんかしょっちゅうこういう映画を見ていた気がします。ただどれもがヒットしたかとなるとやや微妙で、ブーム以前のスプラッターホラーから脱却しきれず映像のグロテスクさだけしか能のない作品だったり、異常殺人者というよりただのびっくり犯人にしかなってない作品であったりするなど、特に日本製作の映画やドラマ、漫画でこういう傾向がありました。一例を挙げると漫画の「多重人格探偵サイコ」は私の目からして、ヒットはしたけれどもさっきも言ったびっくり犯人大集合だけだったような気がします。
なんでそういう駄作が量産されたかというと犯人の異常性だけを際立たせようとして、その異常性をどう読み解くか、犯人の経歴や社会背景、現場の手掛かりなど頭を使って推理する部分がおざなりになってたからじゃないかと考えます。また推理する部分にスポットを当てるにしても、そもそもなんで犯人が異常者なのかというと、常人の認識を越えた狂気を孕んでいるから異常なのであってその異常性を常識的に分析しようとすること自体がやや無理があり、分析する側にも現実離れした一定の狂気が要求されるのにその辺が上手く描き切れてなかったからじゃないかと思います。
そうした大量生産時代にあって一目置いた作品を上げるなら、こちらもヒットしたアメリカの映画の「セブン」を挙げます。あのブラッド・ピット氏もこの作品で一躍名を挙げましたが、俳優らの演技はさることながらキリスト教の七つの大罪に沿って殺人(何人かは殺されなかったが)が続けられ、最終的に犯人の目的が結局わからないまま終わってしまうとい衝撃的な結末は当時においてなかなかに新鮮で、でもってやっぱり公開した後から七つの大罪をやたら引用する日本の漫画作品が増えた気がします。
監督のデヴィッド・フィンチャー氏の好みでしょうがこの「セブン」は割と淡々にストーリーが進んでいき、視聴者に「どや!」って言わんばかりに画面を注目させる演出が少なく、そうした撮り方がこのジャンルにうまく適合していたんではないかと個人的に思います。ちなみに映画の「アイアンマン」を見ていて、「なんかこのヒロインどっかで見たことあるような……」と思ってたらこの「セブン」でブラッド・ピット氏の妻役を演じてたグウィネス・パルトローでした。
この「セブン」以降もサイコスリラー映画はしばらく続きましたが、2000年に近くなってくると流行のホラージャンルがまた変わり、いわゆる日本初の「ジャパニーズホラー」がハリウッドを席巻することとなります。ジャパニーズホラーの特徴を少しだけ述べると、被害者が何の落ち度も理由なく理不尽に殺されたり祟られたりするというのが何よりの特徴で、むしろ品行方正で幸せそうな家族が無慈悲に殺されることが多いという風に私は見ています。友人曰く、「日本人からしたらそういう理不尽は日常茶飯事だが、向こうの連中からしたら新鮮に見えるんじゃないのか?」とのことです。
またハリウッドの中でもシリーズ化して長期間続いた「SAW」など、以前のサイコスリラーと比べてミステリー色を強めたホラー映画が段々と中心になっていきます。もっとも「SAW」は第三作目から、ミステリーというか「今週のびっくりドッキリメカ」を楽しむスプラッター作品になっていきましたが。
最後に私が気に入っているサイコスリラー映画(だと思う)の作品を挙げるならば、「セブン」と同じ監督による2007年公開の「ゾディアック」になります。これは実際にアメリカで起きて、未解決のまま終わった劇場型犯罪の走りともいえる「ゾディアック事件」を元にしたほぼノンフィクションの作品で、主演のジェイク・ジレンホール氏やロバート・ダウニー・Jr氏らなど俳優がやたら豪華なのと、犯人候補がストーリの進行とともに次々と浮かんでは消えていく過程が見ていてとてもハラハラさせられます。特に犯人候補の自宅を主人公が訪問した際、地下室に案内されたところで一切の音がなくなるシーンはマジでドキドキした。
簡単に「ゾディアック事件」についても少しだけ触れると、この事件では連続殺人の犯人が自ら新聞社に暗号文を書いた手紙を送りつけたりラジオの電話に登場したり、次の殺人を予告したしたりと大胆な行動がとられたものの結局犯人は捕まらず、現代においても迷宮入りし続けている事件です。聞くところによるとこのところ話題の酒鬼薔薇もこの事件を参考にして暗号文を送りつけたとのことです。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2015年9月26日土曜日
2015年9月25日金曜日
中国でGoogle解禁か?
昨夜は何故か途中からネットが断線したため更新できず、今日もなんかおかしいので明日にでも業者読んできてもらおうと思ったら何故かさっき繋がったので、大学の先輩と「養豚って儲からねぇ?」って他愛のない話しで盛り上がっていました。
その際、自分のメールアドレスにGoogleから「通常使われる端末とは別の端末からアクセスがありました」という警告メールが来ていることに気が付きました。不正アクセスか、でもそれにしてはなんか妙だと感じて子細を眺めていると、午後一時ごろにFirefoxでログインアクセスがあったとされ、その時間帯となれば私が会社にいる時間帯で、あるとしたら会社で使っている私物のパソコンかなと思えました。しかし中国ではGoogleへのアクセスが遮断されており、ログインはおろかアクセスはできないってのになんでと思い、先ほどいつも使うVPNではなく通常回線でGoogleやGmailにアクセスを試みました。
そしたらつながっちゃいました。
びっくりして大学の先輩に、「やばいっすよ」って後輩丸だしな口調で報告していろいろ試しましたが、速度は遅いですがこれまで遮断されて使えなかったGmailがきちんと開くことが出来ました。この前コメント欄にも書きましたが一度は中国大陸から撤退したGoogleがまた再上陸するという噂は聞いていたものの、まさかこんなに早く、しかも予告なしに繋がったので正直面喰いました。ってか昨日中国人に殴られてメガネフレーム曲がってるためちょいちょい目が痛むのが難点ですが。
もしかしたら一時的なものでまた明日から遮断される可能性もありますが、一応日記的な記録として書き残すことにしました。つってもこの速度じゃほとんどまともに使えないから、結局はVPNがメインとなるのに変わりはないでしょうけど。実際このブログも通常回線で開きましたが、この執筆はVPNからです。
追記
Gmailなどへの接続が確認できて約2時間後に再び試してみたところ今度は接続が叶わず、どうやら一時的な現象だったもようです。ただ今までこう言った事例は全く無かったので、今回は非常にびっくりした出来事でした。
その際、自分のメールアドレスにGoogleから「通常使われる端末とは別の端末からアクセスがありました」という警告メールが来ていることに気が付きました。不正アクセスか、でもそれにしてはなんか妙だと感じて子細を眺めていると、午後一時ごろにFirefoxでログインアクセスがあったとされ、その時間帯となれば私が会社にいる時間帯で、あるとしたら会社で使っている私物のパソコンかなと思えました。しかし中国ではGoogleへのアクセスが遮断されており、ログインはおろかアクセスはできないってのになんでと思い、先ほどいつも使うVPNではなく通常回線でGoogleやGmailにアクセスを試みました。
そしたらつながっちゃいました。
びっくりして大学の先輩に、「やばいっすよ」って後輩丸だしな口調で報告していろいろ試しましたが、速度は遅いですがこれまで遮断されて使えなかったGmailがきちんと開くことが出来ました。この前コメント欄にも書きましたが一度は中国大陸から撤退したGoogleがまた再上陸するという噂は聞いていたものの、まさかこんなに早く、しかも予告なしに繋がったので正直面喰いました。ってか昨日中国人に殴られてメガネフレーム曲がってるためちょいちょい目が痛むのが難点ですが。
もしかしたら一時的なものでまた明日から遮断される可能性もありますが、一応日記的な記録として書き残すことにしました。つってもこの速度じゃほとんどまともに使えないから、結局はVPNがメインとなるのに変わりはないでしょうけど。実際このブログも通常回線で開きましたが、この執筆はVPNからです。
追記
Gmailなどへの接続が確認できて約2時間後に再び試してみたところ今度は接続が叶わず、どうやら一時的な現象だったもようです。ただ今までこう言った事例は全く無かったので、今回は非常にびっくりした出来事でした。
2015年9月24日木曜日
お買いものでの悩み( 一一)
再来週に日本へ一時帰国する予定なのですが、差し当たって買っておきたいものをAmazonで購入し、友人の家へ送っておこうと今日は先ほどからずっとAmazonのサイトを眺めておりました。
既に購入が決まっていたものは同僚から頼まれていたビタミン剤とムヒSで、前者は同僚の母親、後者は同僚の娘への買い物だそうで、その同僚にはガチでお世話になっているので「任せておけ!」と今からでも買う気満々です。
これ以外で購入を決めていたものはゲームの「三国志Ⅸ」で、三国志のゲームはⅤ以降はずっと遊んでなかったのですが、このⅨが傑作だということを聞いて廉価版も出ているのだしもうこの際だと購入を決めました。
それでここからが本題ですが、何を購入するか非常に悩んだ物が二種類あります。
一つ目はタブレットPCで、現在使っているものはいまいち自慢し辛いNexus7の2012年モデルなのですが、さすがに1GBメモリだとそろそろきつく、高いのでなくていいから2GBモデルを買おうとあらかじめ2万3千円くらいのASUSのMemo Padを購入リストに加えておりました。しかし今日調べてみたら々ASUSから先月、Zen Padという別モデルのタブレットPCが発売されており、上位グレードは値段が4万円弱するものの破格のスペックだったもんで先のMemo Padとどちらを購入しようかで大いに悩まされました。
最終的に、Zen Padは発売仕立てであるのとやはりそのスペックの高さからAmazonはおろかほかの店舗でも品切れとなっているケースが多く、確実に購入できるかやや微妙な状況であると共に、タブレットPCなんてそんな高くないのだから来年でも再来年でも買い換える可能性が高いことを考慮して初志貫徹でMemo Padにすることを決めました。
こうしてタブレットPCが決まった一方で、もう一つどれを買うかで悩んだものは腕時計です。先に申しておくとこういう腕時計などの装飾品に対して私はほとんどこだわりがなく、頑丈でなおかつ自転車乗りまわす際に邪魔にならなければどれでもいいという風に考えています。そんな考えなもんだから今つけている奴は3月に日本へ帰った際にヨーカドーで1500円で売っていたのを買ったものですが、時計としての機能に不満はないもののやはり値段が安いだけあってケースの金色した装飾がもう禿げ始め、またベルトが汗を吸ったせいかやけに臭く、どうせベルトを交換しても1000円はするんだからこの際新しいのを買おうと決めました。
それでどんな時計を買おうかいろいろ見たのですが、私は男性にしてはやけに骨が細く、手首に至っては下手すりゃ女性と同等かそれより細いくらいです。なお余談ですがウエストも激細でズボンを買う際は、「一番細いのを(^o^)丿」と言って持ってこられたのをいつも買います。その一方で血管はやたらごんぶっとくて、注射をする際に看護師さんからはいっつも、「刺しやすい(^^)」と褒められます。
話は戻りますが、とにもかくにも手首が細いのでケースは幅、厚さともに小さければ小さいほどいい、というか分厚かったりすると手首を曲げた際に手の甲に当たるため実質はめられません。なので小さい文字盤を中心に、色々と因縁のあるシチズン製を弾き、中国でのメンテ事情を考えソーラー電池使用もはぶいた結果、下記の二つの腕時計に絞りました。
・Dalas 腕時計 WAA452
・CHRISTIAN KENTH 腕時計
結論から言えば上のダラスの時計を選んだのですが、下のクリスチャンケンスのどちらにするか最後の最後まで悩みました。本音を言えばクリスチャンケンスの方を選びたい気持ちが強いのですが、写真を見ればわかりますがダラスはシンプルな大人の腕時計に対し、クリスチャンケンスのは文字盤がピンクっぽいオレンジで、つけていたらかなり目立つことでしょう。
目立つこと自体は悪くないし自分のガチなソウルカラーのオレンジってことで心が動いたのですが、この時計だとさすがに目立ち過ぎるというか、必要以上に自己主張してしまうのではと目立ち好きの私ですら懸念を催し、「時計はあくまで機能性重視の装飾品だ」と自分に言い聞かせて、一旦はクリスチャンケンスでカゴに入れましたがこれを取消し、ダラスの時計を選び直しました。二つ買っても別にいいけど、時計ってたくさんあってもそんなにしょっちゅう付け替えたりしないしなぁ。
既に購入が決まっていたものは同僚から頼まれていたビタミン剤とムヒSで、前者は同僚の母親、後者は同僚の娘への買い物だそうで、その同僚にはガチでお世話になっているので「任せておけ!」と今からでも買う気満々です。
これ以外で購入を決めていたものはゲームの「三国志Ⅸ」で、三国志のゲームはⅤ以降はずっと遊んでなかったのですが、このⅨが傑作だということを聞いて廉価版も出ているのだしもうこの際だと購入を決めました。
それでここからが本題ですが、何を購入するか非常に悩んだ物が二種類あります。
一つ目はタブレットPCで、現在使っているものはいまいち自慢し辛いNexus7の2012年モデルなのですが、さすがに1GBメモリだとそろそろきつく、高いのでなくていいから2GBモデルを買おうとあらかじめ2万3千円くらいのASUSのMemo Padを購入リストに加えておりました。しかし今日調べてみたら々ASUSから先月、Zen Padという別モデルのタブレットPCが発売されており、上位グレードは値段が4万円弱するものの破格のスペックだったもんで先のMemo Padとどちらを購入しようかで大いに悩まされました。
最終的に、Zen Padは発売仕立てであるのとやはりそのスペックの高さからAmazonはおろかほかの店舗でも品切れとなっているケースが多く、確実に購入できるかやや微妙な状況であると共に、タブレットPCなんてそんな高くないのだから来年でも再来年でも買い換える可能性が高いことを考慮して初志貫徹でMemo Padにすることを決めました。
こうしてタブレットPCが決まった一方で、もう一つどれを買うかで悩んだものは腕時計です。先に申しておくとこういう腕時計などの装飾品に対して私はほとんどこだわりがなく、頑丈でなおかつ自転車乗りまわす際に邪魔にならなければどれでもいいという風に考えています。そんな考えなもんだから今つけている奴は3月に日本へ帰った際にヨーカドーで1500円で売っていたのを買ったものですが、時計としての機能に不満はないもののやはり値段が安いだけあってケースの金色した装飾がもう禿げ始め、またベルトが汗を吸ったせいかやけに臭く、どうせベルトを交換しても1000円はするんだからこの際新しいのを買おうと決めました。
それでどんな時計を買おうかいろいろ見たのですが、私は男性にしてはやけに骨が細く、手首に至っては下手すりゃ女性と同等かそれより細いくらいです。なお余談ですがウエストも激細でズボンを買う際は、「一番細いのを(^o^)丿」と言って持ってこられたのをいつも買います。その一方で血管はやたらごんぶっとくて、注射をする際に看護師さんからはいっつも、「刺しやすい(^^)」と褒められます。
話は戻りますが、とにもかくにも手首が細いのでケースは幅、厚さともに小さければ小さいほどいい、というか分厚かったりすると手首を曲げた際に手の甲に当たるため実質はめられません。なので小さい文字盤を中心に、色々と因縁のあるシチズン製を弾き、中国でのメンテ事情を考えソーラー電池使用もはぶいた結果、下記の二つの腕時計に絞りました。
・Dalas 腕時計 WAA452
・CHRISTIAN KENTH 腕時計
結論から言えば上のダラスの時計を選んだのですが、下のクリスチャンケンスのどちらにするか最後の最後まで悩みました。本音を言えばクリスチャンケンスの方を選びたい気持ちが強いのですが、写真を見ればわかりますがダラスはシンプルな大人の腕時計に対し、クリスチャンケンスのは文字盤がピンクっぽいオレンジで、つけていたらかなり目立つことでしょう。
目立つこと自体は悪くないし自分のガチなソウルカラーのオレンジってことで心が動いたのですが、この時計だとさすがに目立ち過ぎるというか、必要以上に自己主張してしまうのではと目立ち好きの私ですら懸念を催し、「時計はあくまで機能性重視の装飾品だ」と自分に言い聞かせて、一旦はクリスチャンケンスでカゴに入れましたがこれを取消し、ダラスの時計を選び直しました。二つ買っても別にいいけど、時計ってたくさんあってもそんなにしょっちゅう付け替えたりしないしなぁ。
2015年9月22日火曜日
機能不全な日本の労働法
以前にあれこれ相談を受けていた知人から、「面接を受けに入った会社があるのですが」と、スカイプのチャットにて就職相談を受けたことがありました。その求人の待遇は悪くなく、というより仕事内容に比してやけに良すぎるように覚える内容だったため、残業代や勤務時間などがしっかり管理されているのか確認した方が良いと私からアドバイスをしたところ、
「残業に関してはサブロクで何とかするそうです」
という、答えが返ってきました。
一見して奇妙さを覚えた私はこの知人に、「お前、サブロクの意味知ってんのか?」と聞き返したところ、そいつはあろうことかウィキペディアの記述をそのまんまコピペして私に返信してきたので、「これ、お前の言葉じゃねぇだろう。なんで素直に知らない言えないばかりか、自分が理解してもいない内容を説明の根拠に使うんだ」と、ちょっとキレ気味に問い詰めたことがありました。
普段からそれほど温厚でもない私ですが、以前にもそいつは質問した内容に「知らない」と言わずどっかから引用した言葉をそのまま貼り付ける行為を繰り返していただけに、この時は猛烈に怒った上で二度とするなと最後に吐き捨てましたが、改善できるほどの人間じゃなかっただけに多分今も同じように「知らない」と素直に認めず、無駄にプライドだけ高いまんまでいる気がします。
今日、どうしてまたこんな妙な私の激怒エピソードを引用したのかというと、リンクを結んでいる「笑う蜘蛛の糸」の潮風大使さんの記事に、上記の「サブロク」こと「三六協定」が出てきたのを読んだのがきっかけです。この三六協定とはそもそも何なのかというと、簡単に言えば労使間で労働条件を協議して自由に決めていいとする法律です。具体的には会社側と全従業員から一定の支持を得ている労働組合の間で合意が出来た場合、労働法で規定している最大残業時間や残業代の算定方法を無視し、自分たちで自由な規定を作ることができます。
この三六協定は聞いてる限りだとほとんどの大手企業で実施されているとされ、昔に読んだ記事だとソニーとかでもこの協定によって月間の最大残業時間を超過してもよいことになってるそうです。まぁワタミにおいては「従業員は皆家族だから労働組合なんて必要ない」と言って、自由に法律ぶち破って労働条件を会社側が決めたりしてますが。
三六協定について話を戻すと、労働組合にいたりそこで活動をしていた人間なら大抵知っていますが、そうじゃない人なら労働法を勉強していたか人事関連の仕事をしてないとまず知る機会はないでしょう。冷凍たこ焼き好きの友人は後者で、彼自身は間違いなく物知りな人間でありますが、その方面の仕事に関わらない限りは永遠に知らずに終わっていたと述懐するほどです。
なのになんで私はこのサブロクを知ってるのかそれは置いといて、潮風大使さんの記事では過酷な勤務で有名な大手バス会社を例にとり、国はバス運転手の勤務に対してあれこれ規定を設けているものの、現行法では「二週間に一回の休日取得」が義務としてあるものの、「十三日連続勤務」は合法であって実際やっているところがあると指摘しています。これ以外にもあれこれ規定はあるもののどれも意味をなさない規定が労働法に多く、旅行バスで事故が起こるのも不思議なことではないとまとめられています。とりあえずW社のバスはもう乗らないことにしよう(゜-゜)
この潮風大使さんの指摘には私も深く同感しており、そもそも日本の労働法はそもそも存在する意味があるのかといつも疑問に感じております。先程の三六協定をひとつ取っても「合意があれば法律を無視していい」というジャーマンな投げっぷりですし、またそれ以外の規定も年金の取り立てはやたら細かくかつしつこい癖に、不法就労や違法な労働条件の摘発は本当にやってるのかと思うくらい何もせず、はっきり言えば労働関連の省庁にいる人間はお前らみんな給料泥棒だと罵りたい思いすらあります。
私が必死で取り上げた派遣会社のマージン率公開規定も、何も罰則がないためかネット上で正直に公開している企業の方がレアなため正直者がバカを見ている現状です。この状況に注意喚起はおろか、派遣労働者の方々にこういう規定があるということの広報すらしない辺り、厚生労働省も本音ではあまり公開されないでほしいと願っているのかもしれません。
この記事で言いたいことを一言にまとめると、日本の労働法は規定がいい加減である上に執行が徹底されていないことから実質的に機能不全な状態にあると断言します。ブラック企業の横行は言うに及ばず、新卒就職者から大量の離職者が出るという異常な状況について何にも対策せず、法律を守らない人間が一方的に得する状態が続いていることが当たり前とする、異常であることが正常に感じる事態にまでもう至っているでしょう。
どうしてこうなったのかといえば一番悪いのは厚生労働省で間違いなしですが、もう一つ挙げるとすれば労働について真剣に議論して考える政党がないということも大きいように思えます。社民党などは正社員にとっては味方ですが現在多数派となりつつある非正規雇用の人たちからすれば確実に敵と言える存在ですし、またほかの政党も全体経済を優先するあまり労働生活の向上などは二の次にしか考えてないように見えます。
まぁこの辺、本気で議論したらまた長くなるのでそろそろ締めますが、自分も大学時代から現在に至るまでよくもまぁこんなに長く労働問題に関わるもんだなとそろそろ呆れます。まぁそれだけ、いい恩師に会って影響を受けたということなのですが。
「残業に関してはサブロクで何とかするそうです」
という、答えが返ってきました。
一見して奇妙さを覚えた私はこの知人に、「お前、サブロクの意味知ってんのか?」と聞き返したところ、そいつはあろうことかウィキペディアの記述をそのまんまコピペして私に返信してきたので、「これ、お前の言葉じゃねぇだろう。なんで素直に知らない言えないばかりか、自分が理解してもいない内容を説明の根拠に使うんだ」と、ちょっとキレ気味に問い詰めたことがありました。
普段からそれほど温厚でもない私ですが、以前にもそいつは質問した内容に「知らない」と言わずどっかから引用した言葉をそのまま貼り付ける行為を繰り返していただけに、この時は猛烈に怒った上で二度とするなと最後に吐き捨てましたが、改善できるほどの人間じゃなかっただけに多分今も同じように「知らない」と素直に認めず、無駄にプライドだけ高いまんまでいる気がします。
今日、どうしてまたこんな妙な私の激怒エピソードを引用したのかというと、リンクを結んでいる「笑う蜘蛛の糸」の潮風大使さんの記事に、上記の「サブロク」こと「三六協定」が出てきたのを読んだのがきっかけです。この三六協定とはそもそも何なのかというと、簡単に言えば労使間で労働条件を協議して自由に決めていいとする法律です。具体的には会社側と全従業員から一定の支持を得ている労働組合の間で合意が出来た場合、労働法で規定している最大残業時間や残業代の算定方法を無視し、自分たちで自由な規定を作ることができます。
この三六協定は聞いてる限りだとほとんどの大手企業で実施されているとされ、昔に読んだ記事だとソニーとかでもこの協定によって月間の最大残業時間を超過してもよいことになってるそうです。まぁワタミにおいては「従業員は皆家族だから労働組合なんて必要ない」と言って、自由に法律ぶち破って労働条件を会社側が決めたりしてますが。
三六協定について話を戻すと、労働組合にいたりそこで活動をしていた人間なら大抵知っていますが、そうじゃない人なら労働法を勉強していたか人事関連の仕事をしてないとまず知る機会はないでしょう。冷凍たこ焼き好きの友人は後者で、彼自身は間違いなく物知りな人間でありますが、その方面の仕事に関わらない限りは永遠に知らずに終わっていたと述懐するほどです。
なのになんで私はこのサブロクを知ってるのかそれは置いといて、潮風大使さんの記事では過酷な勤務で有名な大手バス会社を例にとり、国はバス運転手の勤務に対してあれこれ規定を設けているものの、現行法では「二週間に一回の休日取得」が義務としてあるものの、「十三日連続勤務」は合法であって実際やっているところがあると指摘しています。これ以外にもあれこれ規定はあるもののどれも意味をなさない規定が労働法に多く、旅行バスで事故が起こるのも不思議なことではないとまとめられています。とりあえずW社のバスはもう乗らないことにしよう(゜-゜)
この潮風大使さんの指摘には私も深く同感しており、そもそも日本の労働法はそもそも存在する意味があるのかといつも疑問に感じております。先程の三六協定をひとつ取っても「合意があれば法律を無視していい」というジャーマンな投げっぷりですし、またそれ以外の規定も年金の取り立てはやたら細かくかつしつこい癖に、不法就労や違法な労働条件の摘発は本当にやってるのかと思うくらい何もせず、はっきり言えば労働関連の省庁にいる人間はお前らみんな給料泥棒だと罵りたい思いすらあります。
私が必死で取り上げた派遣会社のマージン率公開規定も、何も罰則がないためかネット上で正直に公開している企業の方がレアなため正直者がバカを見ている現状です。この状況に注意喚起はおろか、派遣労働者の方々にこういう規定があるということの広報すらしない辺り、厚生労働省も本音ではあまり公開されないでほしいと願っているのかもしれません。
この記事で言いたいことを一言にまとめると、日本の労働法は規定がいい加減である上に執行が徹底されていないことから実質的に機能不全な状態にあると断言します。ブラック企業の横行は言うに及ばず、新卒就職者から大量の離職者が出るという異常な状況について何にも対策せず、法律を守らない人間が一方的に得する状態が続いていることが当たり前とする、異常であることが正常に感じる事態にまでもう至っているでしょう。
どうしてこうなったのかといえば一番悪いのは厚生労働省で間違いなしですが、もう一つ挙げるとすれば労働について真剣に議論して考える政党がないということも大きいように思えます。社民党などは正社員にとっては味方ですが現在多数派となりつつある非正規雇用の人たちからすれば確実に敵と言える存在ですし、またほかの政党も全体経済を優先するあまり労働生活の向上などは二の次にしか考えてないように見えます。
まぁこの辺、本気で議論したらまた長くなるのでそろそろ締めますが、自分も大学時代から現在に至るまでよくもまぁこんなに長く労働問題に関わるもんだなとそろそろ呆れます。まぁそれだけ、いい恩師に会って影響を受けたということなのですが。
2015年9月21日月曜日
日本のクリーンディーゼル政策について
・独VW、米排気ガス検査での不正認める-制裁金は2.1兆円超か(ブルームバーグ)
最近ちょっと気になったニュースが上の記事なのですが、もう読んでいる人には早いですがドイツのVWが新車として売り出すディーゼルエンジン車の排ガス試験の際、実際に販売にする車両より極端に排気ガスが出ない車を米国の検査に出し、そのまま空気清浄化能力を過大に偽りながら販売し続けたことがばれたそうです。実際の販売車両の排気ガスの量は基準の10~40倍に達するそうで、VWさんもまたまたやるわねぇなんて何故か女言葉で皮肉を言いたくなるニュースでした。
ただ米当局はこの事態を重く見ており、実際排気ガスの基準を大きく上回る車がカタログスペックを偽って大量に販売されていたわけなのですから、環境に悪影響を与えたとして2兆円を超す罰金をVWに課すとのことです。VW自身も事実を認めているようですが、私がこのニュースを見て改めて思った内容として、クリーンディーゼルにおいてはマツダがもう世界トップなんじゃないのかという考えでした。
ディーゼルエンジン車は石原慎太郎氏が都知事時代に黒い煤を振りまくパフォーマンスをしてから日本では環境の敵として長らく否定的な目で見続けられましたが、その間欧州では技術革新が進み、ハイブリッド車以上に環境にいい車だとして登録車両の約半数を占めるほどの人気を得るに至りました。その一方で日本ではハイブリッド車が主役となって普及し続けましたが、この流れに一石を投じたのがマツダで、誇張抜きで非常に画期的で環境への影響も小さい自社開発のクリーンディーゼルエンジンを搭載したCX-5を発売し、日本でクリーンディーゼル車市場を本当に1社単独で作り上げるに至りました。
一応、東京都が以前に出したクリーンディーゼル車の基準に対して三菱と日産がそれぞれ1台ずつ合格となる車両を作りましたが正直言ってスペシャリティカー的な車両で、価格も高かったことから普及するどころかほとんど話題にも上らずに埋もれていってしまいました。それに対しマツダのCX-5はその年のカーオブザイヤーをゲットしただけでなく一定の人気を得て、その後に続いたアテンザやCX-3などにも同じクリーンディーゼルエンジンを積んで着実にこの方面の市場を拡大し続けています。
・クリーンディーゼル、補助半減=環境車支援、16年度から圧縮―経産省(時事通信)
マツダがディーゼルエンジン車市場で無双を続ける中、突然出てきたのが上記のニュースでした。見出しそのままの内容ですが、クリーンディーゼル車がそこそこ普及もしてきたうえに価格も落ち着いてきたので補助金を見直すと政府が発表したわけですが、政府の言い分も全く分からないわけではないものの、折角市場として盛り上がってきているのからもう少し応援してあげた方が良いのではという気がしてなりません。
特に同じ環境対応車であるハイブリッド車に対しては長年、大量の補助金が配られています。もちろんトヨタのハイブリッド技術はそれだけ応援されるほど価値がある素晴らしいものであると私も認めますが、トヨタは円安であろうが円高であろうが下請けにたゆまぬコストダウンを要求し続けた甲斐あって営業利益が2兆円を超すほど体力のある企業で、応援するとしたらやっぱり後を追ってて企業体力のないマツダの方が理に適っているように思えます。
さらにこうした考えに拍車をかけたのが最初のニュースです。これまでクリーンディーゼルエンジンの技術といったらVWが世界一と言われておりましたが、このニュースを見ているとというかこんな不正をする辺り、案外それほど大した技術でもなかったりするのではという疑念がもたげます。となると世界一はどこか、いろいろ話を聞く限りだと真面目にマツダのような気がして、この不正事件をてこに猛プッシュをかければこのディーゼルエンジン車市場でマツダのシェアを一気に増やせるチャンスではないかという期待がもたげてきたわけです。
最後に結論をまとめると、国の言い分ももっともだと思うものの、状況は明らかに変わりつつあるので出来ることならマツダを応援してやってほしいというのが私個人の意見です。そんなにマツダは好きな会社というわけではないですが、今この時代にあって応援する価値があるとしたら私はこの会社を自動車企業の中で挙げます。
おまけ
環境対応車としては先日トヨタが発売した燃料電池車(FCV)のミライもありますが、燃料電池車はやっぱりコストがどうしても大きくなる傾向があり、将来的に年間で何十万台も生産・販売できるかとなると正直疑問で、結局は環境にはいいスペシャリティカーで終わってしまうのかという気がします。敢えて例えるなら極端に切れ味のいい刀一本と、そこそこの切れ味の刀千本のどっちを選ぶかのような価値観で環境対応車というものは考える必要があるでしょう。
最近ちょっと気になったニュースが上の記事なのですが、もう読んでいる人には早いですがドイツのVWが新車として売り出すディーゼルエンジン車の排ガス試験の際、実際に販売にする車両より極端に排気ガスが出ない車を米国の検査に出し、そのまま空気清浄化能力を過大に偽りながら販売し続けたことがばれたそうです。実際の販売車両の排気ガスの量は基準の10~40倍に達するそうで、VWさんもまたまたやるわねぇなんて何故か女言葉で皮肉を言いたくなるニュースでした。
ただ米当局はこの事態を重く見ており、実際排気ガスの基準を大きく上回る車がカタログスペックを偽って大量に販売されていたわけなのですから、環境に悪影響を与えたとして2兆円を超す罰金をVWに課すとのことです。VW自身も事実を認めているようですが、私がこのニュースを見て改めて思った内容として、クリーンディーゼルにおいてはマツダがもう世界トップなんじゃないのかという考えでした。
ディーゼルエンジン車は石原慎太郎氏が都知事時代に黒い煤を振りまくパフォーマンスをしてから日本では環境の敵として長らく否定的な目で見続けられましたが、その間欧州では技術革新が進み、ハイブリッド車以上に環境にいい車だとして登録車両の約半数を占めるほどの人気を得るに至りました。その一方で日本ではハイブリッド車が主役となって普及し続けましたが、この流れに一石を投じたのがマツダで、誇張抜きで非常に画期的で環境への影響も小さい自社開発のクリーンディーゼルエンジンを搭載したCX-5を発売し、日本でクリーンディーゼル車市場を本当に1社単独で作り上げるに至りました。
一応、東京都が以前に出したクリーンディーゼル車の基準に対して三菱と日産がそれぞれ1台ずつ合格となる車両を作りましたが正直言ってスペシャリティカー的な車両で、価格も高かったことから普及するどころかほとんど話題にも上らずに埋もれていってしまいました。それに対しマツダのCX-5はその年のカーオブザイヤーをゲットしただけでなく一定の人気を得て、その後に続いたアテンザやCX-3などにも同じクリーンディーゼルエンジンを積んで着実にこの方面の市場を拡大し続けています。
・クリーンディーゼル、補助半減=環境車支援、16年度から圧縮―経産省(時事通信)
マツダがディーゼルエンジン車市場で無双を続ける中、突然出てきたのが上記のニュースでした。見出しそのままの内容ですが、クリーンディーゼル車がそこそこ普及もしてきたうえに価格も落ち着いてきたので補助金を見直すと政府が発表したわけですが、政府の言い分も全く分からないわけではないものの、折角市場として盛り上がってきているのからもう少し応援してあげた方が良いのではという気がしてなりません。
特に同じ環境対応車であるハイブリッド車に対しては長年、大量の補助金が配られています。もちろんトヨタのハイブリッド技術はそれだけ応援されるほど価値がある素晴らしいものであると私も認めますが、トヨタは円安であろうが円高であろうが下請けにたゆまぬコストダウンを要求し続けた甲斐あって営業利益が2兆円を超すほど体力のある企業で、応援するとしたらやっぱり後を追ってて企業体力のないマツダの方が理に適っているように思えます。
さらにこうした考えに拍車をかけたのが最初のニュースです。これまでクリーンディーゼルエンジンの技術といったらVWが世界一と言われておりましたが、このニュースを見ているとというかこんな不正をする辺り、案外それほど大した技術でもなかったりするのではという疑念がもたげます。となると世界一はどこか、いろいろ話を聞く限りだと真面目にマツダのような気がして、この不正事件をてこに猛プッシュをかければこのディーゼルエンジン車市場でマツダのシェアを一気に増やせるチャンスではないかという期待がもたげてきたわけです。
最後に結論をまとめると、国の言い分ももっともだと思うものの、状況は明らかに変わりつつあるので出来ることならマツダを応援してやってほしいというのが私個人の意見です。そんなにマツダは好きな会社というわけではないですが、今この時代にあって応援する価値があるとしたら私はこの会社を自動車企業の中で挙げます。
おまけ
環境対応車としては先日トヨタが発売した燃料電池車(FCV)のミライもありますが、燃料電池車はやっぱりコストがどうしても大きくなる傾向があり、将来的に年間で何十万台も生産・販売できるかとなると正直疑問で、結局は環境にはいいスペシャリティカーで終わってしまうのかという気がします。敢えて例えるなら極端に切れ味のいい刀一本と、そこそこの切れ味の刀千本のどっちを選ぶかのような価値観で環境対応車というものは考える必要があるでしょう。
2015年9月19日土曜日
塩爺の逝去
今日は今朝から西口選手や森本選手など一時代を築いたプロ野球選手の引退報道が次々と出たかと思えば胃癌を発症したと報じられていたフリーアナウンサーの黒木奈々氏が32際の若さで逝去するなど、聞いてて物悲しくなるニュースが驚くほど連続で出てきましたが、最後に出てきたこのニュースが一番驚かされました。
・「塩爺」塩川正十郎氏死去 小泉内閣で財務相 93歳(産経新聞)
上記リンク先の記事にある通り、元代議士で閣僚経験もあった塩川正十郎氏が本日逝去されたそうです。塩川氏とくると見出しにも書かれている通りに小泉内閣で当時としても高齢であったにもかかわらず財務大臣に就任し、好々爺然とした答弁と閣内最年長という立場から当時の小泉政権にあって記事にも書かれている通りに後見役のような仕事を行っておりました。実際の経済政策に関しては経済産業大臣(当時)の竹中平蔵氏が切り盛りして塩川氏は立案や運営にはほとんど関わっていなかったと言われておりましたが、記者への答弁やコメントはコテコテの関西弁で答えるなどユーモアに溢れ、小泉内閣初期の政権維持においては重要な役割を果たしていたと私は考えております。
ただ塩爺の活躍というのであれば、政治家であった頃よりも政治家を引退した後、テレビなどのコメンテーターとして活動していた頃の方が華々しかったというような気もします。テレビ番組でも現職時代と変わらぬなにをか恐れんと言わんばかりの発言ばかりで、テレビコードに引っかかる「この顔は気違いのもんですな」などきわどい言葉を連発していたほか、長い政治家経験に裏打ちされた確かな知識も披露されてて私も関西にいた頃はテレビを見ていてよく楽しまされました。
大体00年代中盤はこの塩爺のように、政治評論家であった三宅久幸やハマコーなど政治に対して「ご意見番」的な人物が数多くのテレビ番組に出演して聞いててこちらも唸らされるような意見をよく聞かせてくれましたが、日本にいなくてテレビ番組も全く見てないでいうのもなんですが、このところはそういったご意見番がいないというか、コメンテーターの質がちょっと落ちてるのではと思う節があります。それだけ彼らが抜きんでたと言えばそれまでですが、ハマコーに至っては殺しても死なないような人物だっただけに逝去から何年も経った今でもまだどっか生きてるような気すらする辺り、強烈なキャラクターだったなと思い起こします。
今回、塩爺が逝去されたことでまた一人立派なコメンテーターがいなくなることとなるわけですが、単純に言って寂しさを感じると共にどうして次の人材が出てこないんだという不可思議さも覚えます。もうこの辺りのポジションの人間となると堺屋太一氏くらいしか浮かんできませんが、もっと若い世代で聞いてて参考になるような政治コメンテーター、コラムニストよ出てこいとこの場を使って一応主張しておきます。
最後となりますが、塩川氏に対し改めてご冥福をお祈りします。
・「塩爺」塩川正十郎氏死去 小泉内閣で財務相 93歳(産経新聞)
上記リンク先の記事にある通り、元代議士で閣僚経験もあった塩川正十郎氏が本日逝去されたそうです。塩川氏とくると見出しにも書かれている通りに小泉内閣で当時としても高齢であったにもかかわらず財務大臣に就任し、好々爺然とした答弁と閣内最年長という立場から当時の小泉政権にあって記事にも書かれている通りに後見役のような仕事を行っておりました。実際の経済政策に関しては経済産業大臣(当時)の竹中平蔵氏が切り盛りして塩川氏は立案や運営にはほとんど関わっていなかったと言われておりましたが、記者への答弁やコメントはコテコテの関西弁で答えるなどユーモアに溢れ、小泉内閣初期の政権維持においては重要な役割を果たしていたと私は考えております。
ただ塩爺の活躍というのであれば、政治家であった頃よりも政治家を引退した後、テレビなどのコメンテーターとして活動していた頃の方が華々しかったというような気もします。テレビ番組でも現職時代と変わらぬなにをか恐れんと言わんばかりの発言ばかりで、テレビコードに引っかかる「この顔は気違いのもんですな」などきわどい言葉を連発していたほか、長い政治家経験に裏打ちされた確かな知識も披露されてて私も関西にいた頃はテレビを見ていてよく楽しまされました。
大体00年代中盤はこの塩爺のように、政治評論家であった三宅久幸やハマコーなど政治に対して「ご意見番」的な人物が数多くのテレビ番組に出演して聞いててこちらも唸らされるような意見をよく聞かせてくれましたが、日本にいなくてテレビ番組も全く見てないでいうのもなんですが、このところはそういったご意見番がいないというか、コメンテーターの質がちょっと落ちてるのではと思う節があります。それだけ彼らが抜きんでたと言えばそれまでですが、ハマコーに至っては殺しても死なないような人物だっただけに逝去から何年も経った今でもまだどっか生きてるような気すらする辺り、強烈なキャラクターだったなと思い起こします。
今回、塩爺が逝去されたことでまた一人立派なコメンテーターがいなくなることとなるわけですが、単純に言って寂しさを感じると共にどうして次の人材が出てこないんだという不可思議さも覚えます。もうこの辺りのポジションの人間となると堺屋太一氏くらいしか浮かんできませんが、もっと若い世代で聞いてて参考になるような政治コメンテーター、コラムニストよ出てこいとこの場を使って一応主張しておきます。
最後となりますが、塩川氏に対し改めてご冥福をお祈りします。
2015年9月18日金曜日
減りゆくアメリカの仇敵
昨夜、私の冷凍たこ焼き好きの友人がキューバへ発ちました。何も亡命しに行ったわけでなくタダの旅行ですが、米国との国交回復が噂されているだけに今のうちに行っておきたいと思って計画したそうです。
キューバといえばチャベス大統領時代のベネズエラと共にアメリカの裏庭にありながら米国と対立していた代表的な国で、世界史にも記録されるケネディ政権時のキューバ危機を代表に米国の仇敵として長らくその存在を維持してきました。しかし近年は、米国の経済封鎖による影響もありますが、国内経済が一向に好転しないことと社会主義政策の行き詰まりから米国との対話にも応じるようになり、特に穏健的な外交を展開してきたオバマ政権が成立して以降はその動きが加速して現時点でも先ほど述べたように国交回復が近いのではと噂されるほどです。
ちなみに国交回復が展望された影響でプロ野球選手のグリエル兄弟はベイスターズに来なくなったとされ、日本にも案外余波が来てたりします。
このキューバと共に長年米国の仇敵として存在した国を挙げるとすれば、イランの名前は間違いなく外せないでしょう。二次大戦以降のイランの歴史はまさに米国の暗部の歴史のようなものですが、そうした背景から米国、イラン共に互いを激しく罵り合ってアフマディネジャド政権時に至っては文字通り一触即発の関係にもなりました。ただ現職のロウハニ大統領になってからは大統領本人が外交政策で穏健派であることから米国との関係も急速に改善していったことによってイランへの経済制裁は近く解除される方針となっております。
キューバとイラン、この米国の仇敵二ヶ国が米国との関係で大幅な改善をしつつあることを考えると現在の世界情勢は米国にとって有利な方向に進んできているように見えます。一体何故このような情勢となったのかという理由については先ほども述べた通りに穏健外交、というより対外派兵に消極的な民主党オバマ大政権が前任の共和党ブッシュ政権時と比べて対話の方に力を入れたことが何よりも大きいかと思われます。仮にこのままキューバとイランとの関係改善が進むようであればイデオロギー上の主要な対立国は消え去ることとなり、恐らくオバマ政権もそれを望んでいるでしょう。
ではこのまま世界は平和になっていくのかというと、そうは言いきれないのが現状です。何故なら現在のオバマ政権は海外派兵に対して消極的であると書きましたが、この影響を受けて米軍が撤退し始めたイランでは反政権派が盛り返し、ご存知の通りISISも跋扈する事態となっております。また同じ中東ではシリアでの内戦が一向に終わる気配を見せず、ようやく日本でも報じられるようになりましたが東欧を中心に難民が大量に発生しており国際社会への大きな課題となっております。
米軍が派兵されればこうした紛争はなくなるかといえばそうでもありませんが、かといってこのまま放っておいてもシリアの内戦が終わりを見せるのかというとそれもまた疑問です。一度は政府軍と反政府軍で和解の仲介が行われましたが物別れに終わり、しかも最近は反政府軍の一部がISISに乗っ取られてシリア政府軍、果てには一部の中東諸国が一緒になってISISへ空爆を行うなど混迷を深めております。
ただこのような混乱極まる中東情勢は、こと米国の世界戦略にとってはかえってプラスかもしれません。というのも米国が敵視するイスラム原理主義組織のアルカイダはISISと対立しており、米国から見たらシリア政府軍を含め敵同士が争い合ってくれているようにみているかもしれません。もしそのような視点であれば米国は介入などせずむしろ対立を煽ろうとする、なんて戦略ではと個人的に推測を立てています。
ここで次に考えるポイントとしては、オバマ政権以降の米国の戦略です。次の大統領が誰になるのか、そもそも民主党が勝つのか共和党が勝つのかまだまだ分からない情勢ですが、歴史的には民主党が消極外交、共和党が積極外交を繰り返すことが多く、案外次の大統領になったらまたあちこちの紛争に介入し始めるんじゃないかなという妙な期待を持っています。
なおこの民主党、共和党のサイクルを考えるにつけちょっと頭に引っかかるのが民主党のビル・クリントン政権です。この時代はまさに米国の絶頂期でしたが民主党の政権らしく紛争介入などには全く以って消極的で、先日私がこのブログで取り上げたルワンダでの虐殺が起こった時も上がってくる現地からの報告を無視するかのようにほとんど相手にせず、結局虐殺が続くのを黙視することとなりました。その結果どうなったかというとルワンダで大量の難民が発生したわけですが、これが今のシリア難民と被って見えるところがあります。まぁアメリカさんなんでもかんでもどうにかしてくれって言うのもよくないんですがね、日本政府に期待するのは大本から間違ってるし。
キューバといえばチャベス大統領時代のベネズエラと共にアメリカの裏庭にありながら米国と対立していた代表的な国で、世界史にも記録されるケネディ政権時のキューバ危機を代表に米国の仇敵として長らくその存在を維持してきました。しかし近年は、米国の経済封鎖による影響もありますが、国内経済が一向に好転しないことと社会主義政策の行き詰まりから米国との対話にも応じるようになり、特に穏健的な外交を展開してきたオバマ政権が成立して以降はその動きが加速して現時点でも先ほど述べたように国交回復が近いのではと噂されるほどです。
ちなみに国交回復が展望された影響でプロ野球選手のグリエル兄弟はベイスターズに来なくなったとされ、日本にも案外余波が来てたりします。
このキューバと共に長年米国の仇敵として存在した国を挙げるとすれば、イランの名前は間違いなく外せないでしょう。二次大戦以降のイランの歴史はまさに米国の暗部の歴史のようなものですが、そうした背景から米国、イラン共に互いを激しく罵り合ってアフマディネジャド政権時に至っては文字通り一触即発の関係にもなりました。ただ現職のロウハニ大統領になってからは大統領本人が外交政策で穏健派であることから米国との関係も急速に改善していったことによってイランへの経済制裁は近く解除される方針となっております。
キューバとイラン、この米国の仇敵二ヶ国が米国との関係で大幅な改善をしつつあることを考えると現在の世界情勢は米国にとって有利な方向に進んできているように見えます。一体何故このような情勢となったのかという理由については先ほども述べた通りに穏健外交、というより対外派兵に消極的な民主党オバマ大政権が前任の共和党ブッシュ政権時と比べて対話の方に力を入れたことが何よりも大きいかと思われます。仮にこのままキューバとイランとの関係改善が進むようであればイデオロギー上の主要な対立国は消え去ることとなり、恐らくオバマ政権もそれを望んでいるでしょう。
ではこのまま世界は平和になっていくのかというと、そうは言いきれないのが現状です。何故なら現在のオバマ政権は海外派兵に対して消極的であると書きましたが、この影響を受けて米軍が撤退し始めたイランでは反政権派が盛り返し、ご存知の通りISISも跋扈する事態となっております。また同じ中東ではシリアでの内戦が一向に終わる気配を見せず、ようやく日本でも報じられるようになりましたが東欧を中心に難民が大量に発生しており国際社会への大きな課題となっております。
米軍が派兵されればこうした紛争はなくなるかといえばそうでもありませんが、かといってこのまま放っておいてもシリアの内戦が終わりを見せるのかというとそれもまた疑問です。一度は政府軍と反政府軍で和解の仲介が行われましたが物別れに終わり、しかも最近は反政府軍の一部がISISに乗っ取られてシリア政府軍、果てには一部の中東諸国が一緒になってISISへ空爆を行うなど混迷を深めております。
ただこのような混乱極まる中東情勢は、こと米国の世界戦略にとってはかえってプラスかもしれません。というのも米国が敵視するイスラム原理主義組織のアルカイダはISISと対立しており、米国から見たらシリア政府軍を含め敵同士が争い合ってくれているようにみているかもしれません。もしそのような視点であれば米国は介入などせずむしろ対立を煽ろうとする、なんて戦略ではと個人的に推測を立てています。
ここで次に考えるポイントとしては、オバマ政権以降の米国の戦略です。次の大統領が誰になるのか、そもそも民主党が勝つのか共和党が勝つのかまだまだ分からない情勢ですが、歴史的には民主党が消極外交、共和党が積極外交を繰り返すことが多く、案外次の大統領になったらまたあちこちの紛争に介入し始めるんじゃないかなという妙な期待を持っています。
なおこの民主党、共和党のサイクルを考えるにつけちょっと頭に引っかかるのが民主党のビル・クリントン政権です。この時代はまさに米国の絶頂期でしたが民主党の政権らしく紛争介入などには全く以って消極的で、先日私がこのブログで取り上げたルワンダでの虐殺が起こった時も上がってくる現地からの報告を無視するかのようにほとんど相手にせず、結局虐殺が続くのを黙視することとなりました。その結果どうなったかというとルワンダで大量の難民が発生したわけですが、これが今のシリア難民と被って見えるところがあります。まぁアメリカさんなんでもかんでもどうにかしてくれって言うのもよくないんですがね、日本政府に期待するのは大本から間違ってるし。
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