もし通りに社説として出された記事ですが、上の画像の内容を私の方で翻訳すると公安ります。
「ウイルス流行予防は一種の持久戦であり、生活物資の供給確保が極めて重要。生活物資をあまねく世帯に届けることこそ大衆が最も期待していることで、最も必要なことはきちんと実行することである」
簡単に補足すると、正式な発表がガチで一切ないまま、当初発表された終了日時をとっくに過ぎながらも継続延長されている上海ロックダウンですが、ここにきて、具体的には昨日あたりから中国政府のプロパガンダが目に見えて強化されてきています。その一例として、中国政府は急に「ウイルス予防は一種の闘争である」と闘争好きな社会主義者らしい標語を口にし始め、あちこちのメディアも引用してプロパガンダを煽っています。
で、上の社説につながるわけですが、恐らく澎湃新聞(いつも適当に「パンパイシンウェン」と呼んでる)としては「闘争だっていうならもはやこれは持久戦だ。持久戦なら補給が何より大事だってのに、なんでそれが未だに疎かとなっているんだ」って、暗に政府を批判しているように自分は見えます。
実際にというか、昨日に上海政府は肉や野菜の備蓄は十分でしっかり配布すると言っており、別地域に住んでいる知り合いもこうした報道見て、「野菜とか届けられた?」と聞いてきました。しかし、少なくとも自分のいる小区には例のワイルドな鶏が送られてきた先週の隔離直前を除き、食品などは未だ1度も配られていません。上海市内にいる友人のところも同じようです。
にもかかわらず、各中国メディアではもっともらしく食品などの物資を配っている写真ばかり掲載されています。もしかしたら他のところでは配られているのかもしれませんが、今のところ「やっときたー」みたいな連絡は私のところには一切来ていません。少なくとも、報道されているほどには配られているようには自分には思えないです。
この辺、澎湃新聞もリンク先の記事の中で触れており、「人員を増やして配送の困難緩和に努めており」とも書いています。まぁその後は、「みんなで頑張ってこの困難な時期を乗り越えようね」ってお決まり文句が続くのですが。
真面目な話、隔離中の上海市内の各世帯における物資不足はかなり深刻な水準になりつつあります。友人らの間でも本気で食料が切れかけて嘆く声が多く寄せられており、私自身も次の週末までは余裕ですが、来週いっぱいまで今の状態が続いたらまたしょうゆごはんです。
おまけに、この封鎖中の補給を支えるはずだったデリバリー業者も、今既に営業がほぼ禁止され、配達で物を買おうにも買うことがもはやできなくなっています。元から備蓄が少なかった人や高齢者などは、今かなり危険な水準にあるのではないかという気がします。
こうした状況は同じ中国人からも、「とても2022年の世界だとは思えない」という呆れたような感想を知り合いから聞かされました。まぁそれを言ったら今のロシアのウクライナの蛮行も同じですが。
自分はまだ前回隔離の反省もあってまだまだ持ちこたえる備蓄がありますが、それこそ子供など家族のいる世帯なんかは冷蔵庫が2台とかあっても、今かなり厳しい状態なんじゃないかと思います。
もひとつおまけに書くと、あまりにも政府の対応の鈍さに業を煮やしてか、大手企業などは独自に社員の各家庭に向けて物資を手配する動きが広がってきています。自助努力といえば聞こえはいいですが、自分が今回一番感じたこととして、中国の公務員人材も目に見えて能力を落としてきているという点です。