例の小西文書も大きな話題となっていますが、今日見たニュースの中で一番気になったのは上のみんな大好き(ネタ的に)NHKも報じている、女性の働きやすさランキングに関する記事でした。この手のランキングは定期的に出てきてそのたびに日本は女性のキャリアアップなどにとって不利な国だと報じられるのですが、その点については私も全く異論はありません。
実際中国で働いていると、女性が働くという感覚が日本以上に一般的で、むしろ専業主婦の方がレアポケモン的に存在しません。っていうか中国で専業主婦というと、有力者の愛人であることも多いだけに、あんま表立ってアピールできないかもしれません。
ただこの手のランキング記事を見る度に前から、女性以前に男にとっても日本は働き辛いことの方が問題じゃないかと思っていました。いちいち説明するまでもなく日系企業は中国でも言われるくらい残業が多く、また上位、中間管理職の水準が低いゆえに指示が不合理なことも多く、給与もスキルとあまり連動しないため、自分から見たら自己実現とは最も遠いところにある労働環境であるような気がします。
特に日本の労働において致命的なまでに問題だと思うのは、職種が選べないという点です。新卒入社はいざ知らず、中途採用でも事務と言いながら外回り営業させたりと、募集職種とは異なる職種に配置されることはざらで、転勤に関してもあまり労働者に拒否権はありません。ぶっちゃけ入社したら会社に生殺与奪権を握られる面がかなり強く、自分のやりたい業務や目指したいキャリアがほとんど実現できない、またチャンスもない気がします。
またかつてと比べると労働組合が全く機能しなくなったため、いわゆるブラック企業などによる過重労働が非常に横行するようになった気がします。それこそ会社上司から暴行されても何も言えないし、そうした企業が存在するとわかっていても当たり前になりすぎて、社会ももはや反応すらしなくなってきています。勝手な想像でいえば、そうした暴力を奮う会社の上司に反撃して殴りかかる社員がいたら、恐らく今の日本社会はその社員をまず排除しようとすると思います。
その上で最初の話題に戻ると、日本の場合、男性のために女性のキャリアが潰されている面もないわけではないでしょうが、それ以上に男性が働き辛い勤労環境に置かれているため、女性も働き辛い環境になっているのではないかと思います。仮にそうだとした場合、まず隗より始めよではないですが、男性を含めた職場環境の改善から取り組むべきだと思います。むしろ男性も抑圧される勤労環境をそのままに女性の勤労環境の環境を改善しようものなら、絶対無駄に終わるだろうし、またこじれて余計に悪化するのではないかとも思えます。
もし仮にこうした状況の改善案を求められるのなら、私個人としては何よりもまず、政治思想を持たない労働組合を結成することこそが最善の道だと考えます。一切の政治活動とは距離を置き、労働者への不当な差別や処置に抵抗するためだけの戦闘マシーン的な労働組合の存在こそが、今の日本社会で特に必要なのではないかと思います。
その上で、日本社会はもっと職種別採用を広げるべきでしょう。職務分掌がなっていないのは昔からですが、こと仕事に関しては曖昧さは百害あって一利なく、パンダみたく何でもかんでも白黒つけさせた方がいいでしょう。この辺やっぱり自分も外資に入って初めて感じましたが、ごく当たり前に区別をつけるべきことすら日本では区別がつけられていないことが一般的です。
最後に最近はまっている、日本のある企業におけるパワハラ動画をつけときます。