この会話の後、改めてネットの検索などを駆使したり記憶を辿ってみたりしましたが、これという場所が関西地域では浮かんできませんでした。ネットでの「関西を舞台にした漫画」という検索に至っては、「ナニワ金融道」とか「ミナミの帝王」などしかヒットせず、これらの作品で聖地巡礼するファンなんているのかよと自分でツッコミを入れる始末でした。
また自分のかすかな記憶の中では「押忍!空手部」でヤンキーたちが集会する場所として大阪城公園があること思い出しましたが、これもそもそも作品自体古いし、中国人でこのマンガ読んでる人がいたら逆にビビります。まぁ自分もそんな読み込んだ作品じゃないですが。
そんなわけで、京都や大阪という結構独自性ある都市を抱えながら、改めて考えると関西を舞台にした漫画やアニメ作品ってほとんどないなということに初めて気が付きました。漫画におけるキャラクターとして関西人は特徴をつけやすいのか頻繁に登場するものの、登場人物全員関西人的に、関西を舞台にした作品となると実は希少ということになります。
まぁ超関西どローカルな作品として、「じゃりんこチエ」があるけど。これも今の若い子はもうわからないだろうな。
では漫画やアニメで舞台となりやすい地域としてはどこなのか。やはり首都でもある東京だと吉祥寺など結構ローカルな地名とかも出てくることが多いです。中でも新宿、それも歌舞伎町はホストやホステスが出てくる漫画ではメインの舞台となり、ゲーム「龍が如く」でも事細かに描写されていることもあって、初めて訪れる外国人ですら「ゲームで歩き回ってるから地図なしで歩ける」というくらいやたら認知が深い場所になっています。
このほかだと一時期はゲームの「アキバズトリップ」、漫画の「秋葉原電脳組」(自分で書いててよく覚えているなと思う)など秋葉原を舞台にした作品も多かったですが、近年の秋葉原の零落ぶりはすさまじいだけに、なんかこの手の作品は急激に減っている気がします。ピークだったのはまさに「シュタインズ・ゲート」出たころだろう。
このほか実際の地名やゆかりのある場所が出てくるものとして「らきすた」が埼玉県の神社を出し、ファンの聖地となって、地元もうまいこと乗っかった例もあります。ただ一部のこの手の「聖地」ではファンが大量にやってくるようになって混乱を招いたという例もあるので、クリエイターの側もモデルとした場所を敢えてぼかしたりしているのかもしれません。
なおこの手の聖地巡礼では「スラムダンク」に出てくる湘南の踏切が中国人の中で人気ナンバーワンで、この前の映画公開を受けて今も中国人が大挙して訪れているのではないかという気がします。
話を戻すとやはり出版業界が東京に集中していることもあって、関西を舞台にした娯楽作品というのが意外と少ないと思え、それはそれでなんかもったいないなという気がします。小説でいいなら「鴨川ホルモー」が京都を舞台にしてますが、あれはあれで正直言って面白くなかったので、もっといい作品があればという気がしてなりません。やるんだったら京都国際会館に至るやたら急な坂道でバトルするとか、進撃の巨人の如く八条以南の京都人がJR線を乗り越えて侵入してくる展開が読みたいです。
また関西、東京以外では、「氷菓」が岐阜の山奥を舞台にしてたりしますが、特徴ある地域とかだったらこういう取り組みは前述の通り現地で混乱を招く恐れもあるものの、将来のタイアップの可能性をつなげる意味では結構ありな気がします。そうなるとやっぱり自分としてはマッドシティを出さざるを得ないというか、もし将来小説を書くことがあったら松戸を「名探偵コナン」の米花町もびっくりなくらいの犯罪都市として仕立て、東松戸の丘のあたりに邪神を封印しておくような展開にしようかなと思います。
一応、ゲームの「学校であった怖い話」で撮影に使われた学校があり、話でもモデルとなっているのは松戸市だったりしますが、これもかなり古い作品だから今更感があると思いつつ、やっぱホラーや犯罪と松戸は相性がいいのかなとも思えてきます。