それにしてもこのゲームですが「退魔忍」と名乗ってはいるものの舞台設定が近未来SFとあって、みんな着ている衣装は忍び装束ではなくライダースーツで、このゲームのせいでライダースーツ着た女性が対魔忍と呼ばれるようになったのはなかなか因果に思います。一応、忍者設定もあるからたまに術も使うものの、基本おまけ程度なので忍者要素はかなり薄いです。元がお色気ゲームなんだから細かく突っ込むのも野暮ではありますが。
それでも敢えて忍者を名乗るのは、やはり海外における日本の「Ninja」ブランドの力によるものだと思います。実際このアクション対魔忍は海外でもそこそこ評価されてるらしく、自分のフレンドリストにもなんかやたら中国語漢字のアカウントが多いです。みんないちいち口に出したりしないけど、日本最強のブランドはソニーでもトヨタでもなくやはり「Ninja」でしょう。
その忍者に並ぶ日本の架空(?)の人気職業ブランドとしてもう一つ、「サムライ」があります。忍者と侍はセットでありそうで実はあんまセットで提供されない組み合わせですが、どちらも単独であってもどの国にも一定程度通じるブランド力があり、また「侍JAPAN」に代表されるように日本人の理想像としても使われるあたり、国内外を問わず強力なブランドイメージを持つ言葉だと思えます。
なおWBC日本チームは当初から侍JAPANを名乗っていますが、最初の方は変化球で惑わしたり、盗塁で揺さぶったりなどどちらかというとNINJAPANだった気がします。ただ先のWBCでは今日も先発でホームラン二発を決めた大谷選手をはじめ圧倒的な力でねじ伏せる戦いを見せるようになり、侍JAPANの名に恥じないチームになった気がします。
脱線しまくりですが今日出た上の記事にある、
「この日はスプリットとカットボールが冴え、100マイル近いフォーシーズンズや決め球のスイーパーも効果的に決まった」
という記述見て、よくこんな誤字決められるなと目を丸くしました。AIにでも記事書かせてんのか?
話は本題に戻りますが、以上の通り忍者と侍は圧倒的ブランド力を保ち続ける一方、かつてこの二つに並び称された「ゲイシャ」という言葉をここ数年、目と耳にすることが全くありませんでした。端的に言って、忍者や侍と比べると芸者はかなりフェードアウトしているような気がします。
芸者もかつては侍や忍者同様に「東洋の神秘」として欧米をはじめに結構もてはやされていたように思え、実際に00年代であればアメリカの本屋に「Last Geisha Story」という本が割とどこでも置いてありました。しかし前述の通り近年、そもそも芸者という言葉を目にすることが日本国内でもほとんどなくなり、また海外で紹介されるような記事も見当たりません。自分がいる中国でも、忍者や侍はまだ目にする一方、芸者を目にすることは全くありません。
一体何故、かつて高いブランド力を誇った芸者は消え去ったのか。忍者や侍と違って戦闘職じゃないなど理由はいくつかあるでしょうが、一番大きいのは漫画やアニメに一切登場しないっていうてんじゃないかと思います。
現代の日本文化の発信とくればやはり漫画やアニメが一番波及力が強いですが、そうしたメディアで芸者が取り上げられることはほぼなく、ホストやホステスはともかく、芸者が主人公な作品なんかまず見ません。芸者という職業観もあるでしょうがそれ以前に日本国内で芸者文化自体が退潮気味であり、ニューリッチ層でも廓遊びに狂う人もそんないないように見えます。そうした日本国内での退潮が発信メディアでも現れるようになり、かつてもてはやした欧米でもだんだんと忘れられてきているのではないかと思います。
それと比べるなら、忍者は以前として漫画やアニメの主役級キャラクターであり、侍も「ゴースト・オブ・対馬」で海外のゲームメーカーが主役として登場させる辺り、人の心に突き刺さるものがあるとともに、そのブームがうまく時代を経て引き継がれているように感じます。対魔忍も派生した忍者の一端としてこうしたブームを牽引しているのかもしれませんが、どちらかといえば芸者に属しているような気もします(´・ω・)