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2023年10月1日日曜日

歴史の転換点

 歴史関連の議論で翌「歴史の転換点」という言葉が出てきますが、実際の現実においてはリアルタイムでその時点が「転換点」だと気づくことは少なく、後になってあれが転換点だったと気づくパターンの方が多いです。日本のバブル崩壊に関しても、確か95年頃に当時の大蔵省の出したレポートに「バブル崩壊」という言葉が出て、初めて日本人は大規模な景気の転換点を認識するに至っています。

 では近年における歴史の転換点はいつなのか。先ほどは「気づき辛い」と言っておきながらですが、近年においてはむしろ気づきやすい大事件が頻発して起こっています。
 まず直近で言えば2022年のロシアによるウクライナ侵攻でしょう。仮に今後奇跡的にロシアがウクライナに有利な条件で和睦したとしても、ロシア、素子tプーチンの世界に対する影響力は戦前と比べ激減することには変わりなく、またその余波としてロシアと反米で共同歩調を取ってきた中国の影響力もそがれることが確実です。中国に至っては景気も減速してきており、まさにダブルパンチの衝撃でしょう。

 このウクライナ侵攻より一つ前の転換点はというと、こちらも非常にわかりやすい2020年のコロナ流行でしょう。各国の防疫体制だけでなく、同じ読みの貿易ことグローバルビジネスに与えた影響もさることながら、リモートワークをはじめとするライフスタイルでも大きな転換を促しており、これ以前と以後でITの活用の幅は大きく違ってきています。またその変化に対応し切れなかった企業らは廃業に迫られており、コロナはネガティブな面ばかり言われていますが、社会に対しポジティブな影響も十分及ぼしていると私は感じます。
 また2020年は長く続いた安倍政権が終わり、「すがっち」こと菅内閣も誕生しています。安倍政権は長く続いたことで日本への影響が大きいこともさることながら、翌年の暗殺事件とそれに伴う統一教会問題事件など安部元総理が居座ったことにより蓋をされていた出来事も少なくなく、政治的な転換点であったとみていいかと考えています。

 これ以前はしばらく転換点はありませんが、世界的にはともかく、日本にとってはやはり2011年の東日本大震災は転換点となり得るでしょう。世界的で言えば2008年のリーマンショックで、これにより金融や会計業界は規制が強化され、それ以前と以後では全く世界観が異なってきます。
 そのリーマンショック以前の転換点と言えば、自分が間を見落としているだけかもしれませんが2001年の米国における同時多発テロだと考えています。この事件がなければアフガン、イラクの戦争はなかったということと、ソ連崩壊に始まる90年代における米国全盛期の転換点にもなっていて、以上に挙げた転換点の中でも最も大きな影響力を持つように感じます。

 以上の通りざっと列記してみましたが、自分が転換点と感じる出来事が2021年のコロナ流行、2022年のウクライナ侵攻が非常に短いラグで起きています。あまりシンギュラリティというのを信じてはいませんが、何か一つの出来事をきっかけに、影響が波及して大きな事件が連続で起こるということは現実にもありえ、それを踏まえるとウクライナ侵攻はコロナ流行がなければ起きたのか、起きなかったのかは後々研究テーマとして成立するような気がします。
 同様に、ウクライナ侵攻が今後どのような事件を波及して起こすのか、今世界史を俯瞰する上ではこの点を最も注目すべきでしょう。端的に言えば東欧と北欧のほぼ完全なNATO入りが、EUことヨーロッパ統合の行く末にどう影響するのか、ロシアの影響力ダウンによる中国や北朝鮮への影響は、近年に社会の分断が激化している米国は今後どうなるのか、この点が論点になってくるでしょう。

2023年9月30日土曜日

座卓型パソコンスタイル


 前からかなり検討していましたが、先日ついに座卓を買ってパソコン周りを整理してみました。


 この座卓スタイルは学生時代にも行っており、椅子社会の中国でもできないかなと前々から考えていました。去年に椅子に座ってパソコンと向き合う背の高い机を新調した際、脚を折りたためる机にしたため畳んだら場所を取らなくなったので、同じように足を折りたためる座卓なら気分によって座卓か椅子机を選べるようになると思い至り、今回こうしてようやく実行に至れました。

 この座卓スタイルが本当に力はを発揮するのは冬で、部屋で一切暖房を使わず地球に無駄にエコな私の生活では、冬場は常に室内で布団にくるまってパソコンをしています。これが椅子だとくるまり辛く、いつも「座卓だったらなぁ」と思っていました。その気になれば、こたつ化することも可能です。

 こうしてようやく整えた座卓ですが、やはり一番いいないいな人間っていいなと思う点としてはやはり、座った状態で足を伸ばせられることです。こうすることで足の筋を伸ばすことができ、体勢的に長くは行えないものの、1回やるごとに柔軟にもなるのでいい感じです。
 ちなみに自分はかなり体が硬い方なので率先して柔軟やらないといけないのに、このところはずっとさぼり気味でした。

 また上の写真ではニトリで昔買った座椅子もセットにしていますが、ござの上でも十分座ってて楽なので、今この記事を書いている段階では座椅子に座っていません。こっちの方が背筋も伸ばせられるし。
 何気にこの背筋も、椅子に座るより地べたで胡坐こくほうがグッと伸ばせられる気がします。以上を踏まえると背筋というか背筋、それと脚の筋の柔軟性を磨くにはこの座卓スタイルの方がいいかもしれません。ただ夏場は胡坐組んでると足でやたら汗かくので、Zガンダムみたくいつでも通常の机に戻せられるので、夏場はまた以前の形に戻すかもしれません。

 なお今回買ったこの足を折りたためる座卓は70元(約1400円)。マジで中国の家具バイヤーになろうかなと思うくらい中国だとこの手の家具が安いです。お値段以上。

2023年9月29日金曜日

どらごんころし

 「ドラゴン殺し」と言えば、ダークファンタジー漫画の最高傑作と誉れの高い「ベルセルク」で主人公が使う「竜をも屠れる」大剣ですが、最近は中日の立浪監督に対しても「竜殺し」という別称がついてきています。

 この別称は偶々「竜殺しのタツナミ」というキャラクターが出る漫画が配信された当時、立浪監督率いる中日ドラゴンズが、あくまで偶々一向に上向く気配なく今シーズンもほぼ最下位確定のようなシーズンを過ごしており、「タツナミが中日を殺しに来ている」という一部ファンの見解と一致したことで出てきたものです。
 まぁぶっちゃけ、同じ最下位でもホームラン王を狙える位置にある万波選手をはじめ、徐々にではあるもののチームが上向く気配を見せている日ハムと比べるとその差はデカいなと思います。またこんなチーム事情を反映してか「米騒動」などネタにニュースが中日から吐き出され続けるというのも因果なものです。

 なお中日では今年、キューバ出身選手が2人も飛んだというか亡命をやらかしましたが、この亡命劇にネットで誰かが中日のことを、ユダヤ人に命のビザを出した杉原千畝に例えている人がいましたが、すごいセンスしている気がします。

 そんな私も大嫌いな中日は置いといて近況ですが、相変わらず「遅雄防衛軍4.1」にはまっており、文字通り寝る間も惜しんで遊んでいます。まず難易度EASYからクリアしましたが、後半の面で大量のドラゴンと闘う面があるのですが、プレイ中にふと、橋の下に安全地帯というかドラゴンが入ってこれない遊歩道のようなトンネルがあることに気が付きました。ただトンネルの中に入ると空にいるドラゴンを狙って撃てないことから、隠れているだけではどうしようもありません。
 そこで、トンネルの中でロケットランチャーを使うこととしました。トンネルの中で自分が爆風に当たらないよう壁に向かって撃つとあら不思議、爆風が何故か壁やコンクリを貫通して橋の上や周辺にいるドラゴンに当たり、自分を狙ってトンネルの周りにいるドラゴンを文字通り一網打尽にできてしまいます。もっとも距離感ミスって、何度も自分が爆風に巻き込まれて死にまくりましたが。

壁に向かって撃ち続けろ!

 何故か知りませんがこの作業がやたらはまり、難易度HARDでもクリアできていい武器がたくさん得られるため、延々とこの面だけやり続けました。やり続けている最中、ロケットランチャーではなく火柱を真上に吹き続けるナパーム弾でも、炎が壁を貫通して橋の上にいるドラゴンをあぶり続けられることに気が付き、こちらの方法の方が安全かつ早いことからこっちに切り替え、でもって何度もクリアし続けています。

壁の中からこんにちは!

 この「ドラゴン殺し」ともいうべき必勝パターンですが、一方的に尚且つ大量のドラゴンを屠れることからめちゃくちゃストレスが解消されます。ただ橋の上で大量のドラゴンの死体が積み重なるせいか、あぶっている最中に本来なら貫通するはずのないドラゴンの死体グラフィックも貫通してきて、トンネルの中に姿を見せてきます。地味にこの貫通死体にロケラン当てると誤爆して自分が吹っ飛ぶため、いやらしい存在でした。

トンネル内では紫色の血の雨が降るぜ!

 またこのゲームでは敵キャラが絶命した際には紫色の血を吹き出すのですが、この血もトンネルを貫通して橋の上からたくさん降ってきます。天井からドラゴンの首が突き出た上に紫色の血の雨が降り続ける中、ひたすらナパーム弾をトンネル内で発射するのは普通にホラーな感じます。
 なおこのステージ、敵の増援が来た際にNPCが「恐ろしい光景だ……」としゃべるのですが、敵の増援よりトンネル内の方が恐ろしいことになっています。

トンネル内は所せまし!

 タイミングによっては、上の画像のように所狭しとドラゴンの死体が貫通し、その背後で火柱が上がり続けるというわけのわからない状況に陥ります。なお貫通したドラゴンの死体に誤ってナパーム打ち込むと、その死体から水平方向に火柱が吹き出し自分があぶられる羽目となります。っていうかこのナパーム、ほかのステージでもかなり使えます。

 こんな感じで延々と遊んでたら、ドラゴン撃退数の数値のみがえらい量に跳ね上がっていました。もしかしたら時代が違えば、自分もドラゴンキラーと呼ばれる身になっていたかもしれません。

2023年9月28日木曜日

「失われた十年」に関心を持つ中国人

 相変わらず「地球防衛軍4.1」にはまっててブログの更新すらさぼる有様です。これほど中毒性感じるゲーム、同じシリーズの「地球防衛軍3」と「真・三国無双2」以来だと思う。

 話は本題ですが同僚の中国人から、「今の中国は日本の『失われた十年』みたい(´・ω・)」と、ある日言われました。私自身もこのところこのブログで同じようなことを常々口にしていますが、中国人自身からもこっちが振っているわけでもなくそのような言葉を聞くとは思わなかっただけに、少々驚きました。
 そこで興味を持って「失われた十年」の中国語に当たる「失楽的十年」、「失去的十年」で検索してみたところ、自分でも思ってた以上に多くの記事や論評、ブログがヒットしてきました。特に去年と今年にかけて多くの記事が出ており、それも大手メディアも取り扱うなどその関心ぶりはまごうことなく高いと言い切れます。

 その論評内容を見ると、「日本はどうして失われた十年に至ったのか」という原因説について述べるものが多く、解説される内容も「プラザ合意がそもそものきっかけだった」とファーストアプローチは正鵠を得ています。
 なおプラザ合意の中国語は「広場協議」でした。「プラザ=広場」だけどこの訳でほんといいのとちょっと思いました。

 話を戻すとプラザ合意により円高が急激に高まり、日本の米ドル換算資産が急増したことで株価や不動産の高騰を招き、しばらく放置していた大蔵省が急に金融引き締めに動いたことでバブル崩壊が起こり、失われた十年が始まったという風に紹介されています。この一連の流れには自分も異議はなく、逆を言えば、多くの中国語記事で判を押したかのように以上の経緯が語られているあたり、中国人も日本のバブル崩壊、失われた十年に対して一朝一夕ではなく、かねてから多くの人が研究していたと窺われます。

 ただ、それら記事を見ていると肝心な点が抜けているという印象も覚えました。それは何かというと、失われた十年の中身、そして終焉についてほぼ全く触れられていないという点です。
 「失われた三十年「と言われるなど日本の失墜は今もずっと続いていると主張する人はいますが、私自身は2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災の以前、以後とは区別するべきだと思っており、2003年あたりが失われた十年はひとまず区切られると考えています。では何故そこで区切られるのかという、当時の日本の状況について中国語記事ではほぼ全く触れられておらず、突き詰めて言えば、中国人は日本のバブル崩壊のきっかけなり原因なりにしかほぼ着目していないという印象を覚えます。

 以上を踏まえると、中国に今後起こる出来事に対して果たして中国は本当に日本を反面教師にして打開できるかという点で、はっきり言って不安を覚えます。実際、そうした不安の兆候がはっきり出ているというか、「中国は日本のようにはならない!」という主張の論拠が、まさに日本と同じ轍を踏んでいるということに気が付いていません。
 その辺については、もう少し当時の日本と今の中国の共通点、相違点を整理したうえでまたご紹介します。

2023年9月26日火曜日

ジャニーズ問題に対してテレビ局は補償しないのか?

 関係ないけど中国語で「恵民」の発音は「ホイミン」となります、マジで。誰も気にしないけど、自分はこの文字が出てくるたびにあの触手クラゲを想像します。

 話は本題ですが今も燃え広がり続けるジャニーズ問題で、これまで大手メディアの中でもはっきり言って及び腰だったテレビ局側もここにきてジャニーズ事務所に距離を置き始めています。これまでジャニーズ系の番組が多いと指摘されていたテレ朝なんかも、社名変更の要求を含む質問状を送ったことを社長が明かしています。
 ただこうした大手マスコミの駆動については、これまで知ってて黙認し、被害拡大の片棒を担いでいた存在なのに何をいまさらという批判があります。とはいえ、事ここに至っても黙認を続けるのもどうかと思えるので、ジャニーズに対する姿勢で転向を見せたことについては私自身は仕方ないというか当然ではないかと思います。

 ただその一方、彼らがジャニーズ事務所に対して一方的に被害者の補償を行うようように要求することには強い違和感を覚えます。新聞社や雑誌社などはともかくとして、テレビ局にに至ってはほぼ完全にジャニーズと結託して莫大な利益をこれまで稼いできました。だからこそテレビ局はこの問題を黙認してきたのであり、いわばジャニーズと一蓮托生な関係にあったと言い切れます。
 そうした関係を考慮すると、特にこれまでジャニーズのタレントを使って荒稼ぎしてきたことを感がると、私は少なくともテレビ局に関してはジャニーズ事務所と同じく、被害者に対し救済や補償を行う責任があると思っています。もちろん最大の責任者は法人であるジャニーズ事務所ですが、テレビ局が自分たちは関係ないと言って一切補償に与しないというのはそれは違うでしょう。

 仮に補償を行うとしたらどうするべきか。まず被害者に対する直接の補償はやはりジャニーズ事務所が行うべきであり、これに介在する必要はないと思います。ではテレビ局はどんなふうに補償をするべきかですが、複数の局が存在し、またジャニーズの出演度合いも局によって異なることを考えると、一律の金額で補償するかに関してはやや議論があるし、そこら辺を正確に行おうとすると逆に手間となります。
 であれば、この際に性的虐待被害者に対する基金をテレビ局が共同で設立し、その基金に寄付するという形にしてはどうかと考えています。過去の性的虐待を放置した代わりに未来の性的虐待を防ぐ団体を作るという形にして、また寄付形式を取ることにより税負担も軽減させるのであれば、実現しやすい形になるのではないかと勝手に考えています。

 少なくとも、テレビ局が自分たちは何も処分なり批判を受けず、上から目線でジャニーズ事務所に対し一方的に改革を促すという態度を取るというのは不遜もいいところです。当事者意識がなさすぎるというか、先ほどのテレ朝の社長の行動に関しては私は非常識もいいところだと思っているし、また批判の声が出ないということにも密かに失望しています。この辺、文春とかはどう思っているのか聞いてみたいものです。

2023年9月24日日曜日

国語力低下がもたらすディスコミュニケーション

 金曜夜、Steamでたまたまセールしてたので「地球防衛軍4.1」を購入して以降、マジで寝るかゲームするかの2日間をこの週末過ごしました。以前に3をやったときもそんな感じでしたが、麻薬並みの中毒性を地球防衛軍は持ってる気がします。


 話は本題ですが、上のまとめ記事は今日たまたま目にしたものですが、内容を簡単に説明すると部屋の内覧を頼んだ夫に頼んだ妻が部屋状態を確認するために撮影をお願いする際に、撮影は画像を中心にするよう伝えた上で、「補助的に動画があってもいいですが写真撮影もしてください」と伝えたところ、

夫「全て動画は禁止、写真撮影を中心で」
妻「禁止じゃない」

 という、一見するとよくわからないやり取りに発展したLINEの画像が載せられています。

 このやり取りを説明すると、妻としては部屋の確認資料として写真を撮り、一部補助的に動画を使ってもいいけど、動画で撮った部分も写真を撮っておくようにと伝え、この意図は夫に伝わっています。ただその意図を妻に確認する際に夫が復唱した際に、

「全て動画は禁止」

 と言っていますが、この言葉の意図としては、

 「全て動画(だけで済ませるのは)禁止(ということだね)」

 という意味で言っているのですが、妻はこれを見て夫は動画撮影が一切禁止だと勘違いしていると思い、「禁止じゃない」と言ってまたいろいろ混乱に拍車がかかっているわけです。
 自分の意見とすると、夫の方に問題があるというかあんな言い方したら相手が勘違いするのは当然だと思えます。そもそもどうして「全て動画は禁止」という言葉があそこで出てくるのかと思うのですが、実はちょうどこうした言葉が出る背景についてある本を読んでる最中でした。




 その本とは上記リンク先の、石井光太氏が書いた「ルポ 誰が国語力を殺すのか」という本です。石井氏については過去にもノンフィクションの著作を読んでおり、取材対象から本音のような話を聞きだす取材力にかねてから尊敬の念を抱いていましたが、こちらの作品は視野に富んだ分析もなされており、分析法面でもこの人はすごかったのかとまた強い敬意を覚えました。

 本の内容について触れると、近年、学校の子供や社会において言語不発達によると思われるディスコミュニケーションが多発しており、その背景を探るという内容です。言語未発達、というよりっ供御力低下によるディスコミュニケーションとはまさにさっきのLINEのやり取りみたいなものですが、まず下のコピペを見てください。


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409 名前:本当にあった怖い名無し メェル:sage 投稿日:2006/05/06(土) 11:10:39 ID:O7/GBV4/0
それじゃあオレが悪い人みたいじゃん。


410 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/05/06(土) 11:19:40 ID:kNcqCVXDO
いや、そんなつもりで言ったんじゃないですm(__)m
ROMって勉強します!ちゃんと注意してくれたんだ死ね


413 名前:本当にあった怖い名無し メェル:sage 投稿日:2006/05/06(土) 11:26:03 ID:O7/GBV4/0
    ( ゜д゜ )
  _(__つ/???/_
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 このコピペはかなり昔の誤変換による面白さを共有するコピペだったのですが、この「だしね→だ死ね」という誤解がリアルで起きた事件がこの本に書かれててびっくりしました。どんな事件化というと、自分のようにゲームばかりしている子供に親が注意した際、「まぁ今日は少し宿題もしたんだしね」という風に、ゲームをやることに理解する発言を親がしたところ、子供が「まぁ今日は少し宿題もしたんだ死ね」と受け取り、親をその場で暴行したという事件があったそうです。

 このように単語を文章、文脈の中できちんと正確に理解できず、一部の単語を切り取って変な解釈をして諍いが起こることが依然と比べて増えてきているという、教育現場にいる教師の話がこの本に載せられています。いつ頃から増えてきたのか、一見すると短い単語でのコミュニケーションが主体となるスマホが流行ってきた2010年代のようにも思われますが、教師らの話ではゆとり教育が始まった2000年頃からこのように会話が成立しなくなる子供が増えていったそうです。

 こうした会話の成立しない子供の特徴としては、私のようにゲームのやり過ぎとかはそこまで影響度は高くなく、むしろ家庭内、特に自宅内の書籍量や親とのコミュニケーションの量が特に相関すると石井氏は分析しています。そうした傾向はネグレクト、ヤングケアラーといった問題を抱えている家庭ほど顕著で、いわゆる底辺校と呼ばれる学校の教師らもこうした子供たちに様々な手段を講じているものの、年々対策が難しくなっていることが語られています。
 特に、かつてであれば家庭内で不足するそうした言語コミュニケーションは学校での国語教育で保管されていたところがあったものの、ゆとり教育によって国語の授業時間数が減少させられたことが響き、まるで底を割るかのように2000年(正確には2002年以降)に子供の国語力が大きく低下していったそうです。

 なお当時の文部科学省の審議会に参加した人によると、国語は自宅で本を読めば補完できると役人は答えていたそうで、そういう本に囲まれているわけでない家の人のことなんか、まるで眼中になかったそうです。

 自分の周りでこの手のディスコミュニケーションを生むのは主語をやたら省略するというかほぼ確実に口にしない同級生の友人くらいで、そこまで国語力の低下を感じることは日常ありません。っていうか、日常では中国人に囲まれているので当然っちゃ当然ですが、ぶっちゃけ日本語使う中国人はちゃんと文法通りに日本語使うので、めっちゃコミュニケーションが円滑です。むしろ中国語でやり取りする、っていうか彼らが書きなぐってきたレポートを翻訳する際の方が、こっちも苦労が多いです。
 でもって、中国人でも最近若手の方がよくわからない文章を書いてくることが増えてきています。こっちでも地味にゆとり化が進んでいるのだろうか。

2023年9月23日土曜日

英海軍の奇跡の作戦「サン=ナゼール強襲」

ウクライナが露セバストポリ海軍基地への攻撃で狙った大きな成果(Forbes)

 先日、ウクライナ軍はクリミア半島にあるロシアのセバストポリ基地をミサイル攻撃し、収容中だった揚陸船と潜水艦を撃破するとともに、軍艦の修理、メンテナンスを行う乾ドックにも火災を起こすことに成功しました。潜水艦の撃破もさることながら、軍艦の補修を行う乾ドックに損害を与えたことは黒海艦隊の今後の活動にも大きく影響を与えるとされ、ロシア側もその被害の大きさを認めるほどのウクライナの大戦果となりました。
 上記リンク先はその今回の攻撃について報道、解説した記事なのですが、この記事の中で「サン・ナゼール」という単語が出てきます。この単語こそ、自分が今回のウクライナの攻撃を初めてみたときに頭に浮かべた単語でした。

サン=ナゼール強襲(Wikipedia)

 サン・ナゼールとはフランスにある港町です。二次大戦中、フランスを占領したナチスドイツはこのサン・ナゼールを大西洋における主要な軍港として扱い、海軍基地を置くとともに大きなドックも設置していました。これに対し向き合う英国は、ドイツ潜水艦Uボートの主な発進拠点でありブリテン島から目と鼻の先にもあることから非常に厄介な拠点だと認識しており、大戦の途中からこの軍港を占領とまではいかずとも破壊することを検討し続けていました。
 最終的に英国作戦本部は、この軍港をとんでもない作戦で破壊することを計画します。その作戦名は「チャリオッツ作戦」といい、爆薬を満載して偽装した軍艦をサン・ナゼールに突っ込ませるというものでした。

 この作戦に英国は米国から供与されたキャンベルタウンという駆逐艦を使用することにし、可能な限りギリギリまで敵の攻撃を受けずに接近できるよう、ドイツ艦に見せる偽装を施します。その上で、突入に至るまでの地上施設破壊、そして突入後の爆破などを果たすため、まだその概念すらなかった時代において後の特殊部隊の原型となる「コマンドス」と呼ばれる特殊な訓練を受けた部隊を投入しました。
 このコマンドスはキャンベルタウンの縁などに身を潜め、突入時に妨害を行うドイツ軍兵器を破壊し、突入後は敵基地施設を破壊するという任務を帯びていました。当然、言うまでもなく非常に危険な作戦であり、また撤退方法も突入後に軍港に入る高速艇に乗り換えるという成功確率の大変低いものでした。それにもかかわらずこの作戦にコマンドスたちは果敢に臨み、後に称賛されるような大きな活躍を見せます。

 以上のような作戦を立てて準備を進めた英軍は、ついに決行の日である1942年3月28日を迎えます。この日の夜間にひっそりと出航したキャンベルタウンは、随行する駆逐艦2隻と脱出用の高速艇を伴ってサン・ナゼールをへと向かい、途中から単独で接近を図ります。途中、ドイツ軍の警備艇に見つかるも偽装が効果を発揮して見事やり過ごし、軍港入り口までほぼ無傷で近づくことに成功しました。
 ただ入り口付近で怪しまれたことから軍港の守備隊より攻撃を受けることとなります。その際、キャンベルタウンは通信で「友軍より攻撃を受けている。直ちに止められたし」と伝え、これにドイツ軍はまんまと騙されて攻撃を止めてしまい、みすみすキャンベルタウンを軍港内に入れることとなりました。

 こうして夜中1時頃、目標とする乾ドックまで約1.6キロまで近づいたサンナゼールは、ドイツ軍旗から英軍旗へと文字通り旗印を翻し、全速で一気にドックまで突っ込みます。これを見て敵艦だとようやく気が付いたドイツ軍はキャンベルタウンの突入を阻止すべく猛烈な攻撃を浴びせますが、これには乗り込んでいたコマンドスが応戦し、その妨害をはねのけ続けます。
 その結果、キャンベルタウンは見事目標地に突っ込むことに成功します。なお突っ込んだ時間は計画時間に対し3分遅れという非常に正確なものだったそうです。

 キャンベルタウンがドックに突っ込むと、乗り込んでいたコマンドスは地上に降りて任務となっていた基地施設の破壊活動を開始します。しかしドイツ軍の猛烈な反撃に遭い、破壊という目標自体は大半が達成できたものの、戦闘に従事した隊員からは多くの死者を出すこととなりました。また生き残った隊員も脱出に使う高速艇の多くが途中で撃沈されたことにより逃げられず、脱出をあきらめ市街戦を展開するも大半が死亡するか捕虜となって捕まり、622名のうち169名が戦死、215名が捕虜となり、計画通りに帰還できたのは228名にとどまりました。
 なお脱出したうち5名は、市街地からドイツ軍の追手を振り切り、第三国のスペインを経由して英国に帰還するという離れ業を見せており、この5名には全員ヴィクトリア十字賞が授与されています。

 こうした嵐のような夜が過ぎ、作戦開始から十数時間を経た同日正午頃、あらかじめ起爆措置が施されていたキャンベルタウンが満を持して爆発します。この際、突入して乗り上げていたキャンベルタウンを調査するため、一夜過ぎて見に来たドイツ軍人を300名超も巻き添えにして吹き飛んだとされ、相当な規模の爆発であったことが伺えます。
 それだけの爆発であったことから、サン・ナゼールの乾ドックは完膚なきまでに破壊され、その後二次大戦期間中は一切使用することができなくなりました。多大な犠牲を払いながらも、この英国の強襲作戦は当初の目標を完全に達成したと言えます。

 この作戦について自分は以前に何かをきっかけに知りましたが、敵艦に偽装して突っ込んで爆破するというまるで映画のような作戦内容と、これほど危険な作戦を遂行したコマンドスの活躍に心底恐れ入りました。このような奇抜な作戦は英国に限らず多くの国でも企画はされるものの大半は実施されず、また実施したとしても大失敗に終わることが常ですが、先ほどの正確な突入時刻といい、綿密に計画して見事成功に至らせた英国には、その国家としての強さを大いに感じさせられます。この点、日本の空虚妄動的だったインパール作戦とは大違いです。
 英国本国でもこのサン・ナゼール強襲は大いに誇りに思われており、その成功を讃える賞や記念碑も数多く設けられているそうです。

 前述の通り、突飛な発想ともいえる計画を見事成功に導いた英国の準備、そして人材には強く感じるものがあり、この国が世界で覇権を取ったのもごく自然な成り行きだったのだろうと深く納得させられます。それにしても英国の発想と行動力は舌を巻かせられることが多く、さすがある意味で神風ドローンの始祖ともいうべき、あのパンジャンドラムを企画だけじゃなく本当に作った国なだけあります。