ちなみにパロディB級映画の「エイリアンVSアバター」のキャッチコピーは「勝手に戦え」で、これもあてはめられる気がします。
ネットのニュースではこのほかにも「学歴詐称VS国籍詐称」などと言われたりして、なんていうか政治家としての能力以前にバックグランドを争っているかのような見方が広がっています。ただその見方はあながちはずれじゃないというか、この都知事選についてはそもそも中身が全くない完全なイメージ争いになり下がっている印象があります。
本来、政治家というのは社会における問題解決のために存在しうる職業です。もちろん問題がない状態を維持するのも立派な務めですが、地方首長ともなればその地域における問題をどのように解決するかがまず真っ先に求められる能力となります。
然るに現在の東京都に関しては具体的に何か、解決すべき様な問題は見当たりません。オリンピックもすでに終わったし、公害問題もなければ渋滞問題も前ほど激化しているように見えません。強いて挙げれば、ふるさと納税制度による税源流出をどうするかっていうくらいでしょう。
本当ならメディアの側もこうした問題提起を行い、各候補にその対策、重視を急ぐ問題分野などを聞かなきゃいけないのですが、メディアにもそのような力はありません。なのでこの選挙は、都知事としての資質を問う以前に、「どっちがイメージ的にいいか」というイメージバトルでしか成立しないでしょう。
実際上の記事での発言を見る限り、具体的な政策とか、解決すべき問題というのは蓮舫氏において何もないことは明白です。ただ単に都知事になりたいから、オシャレ魔女ラブ&ベリーみたく何となく小池都知事よりましっていうイメージしか売っているように見えません。
ある意味、争点となるような問題が東京都にないってのはいい状態にあることの裏返しとも言え、そんな状態を本人の努力によるものかは別として維持しているのなら、小池都知事は現職の正当性を訴えるのも別に悪いことではないと思います。ただ現職だからこそ、次の期では具体的にどのような問題に対処するのかなどをはっきり示してもらいたいし、示せないならもっとやる気のある人に変わった方がいいのではというのが私の見方です。
なお解決すべき問題がなければ、意図的に敵を作って対立構図を作るってのは石原都政でした。ディーゼルエンジンをはじめやたらあちこちに喧嘩売ってはそいつらを退治する自分の正当性を主張し続け、確かに都庁職員のリストラをはじめ見るべき功績もありますが、今思い返すとかなり無茶苦茶な人だったし、現代だとかえって支持を得られなかったかもなという気がします。