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2025年2月10日月曜日

江戸時代の三大改革をこのまま教えるべきか?

 先日も少し書きましたが知人に勧められ、みなもと太郎の「風雲児たち」という漫画を今読んでおり、その内容の深さというか細かさに非常に驚きつつ楽しみながら読んでいます。もともとこの作品は「明治維新を描いて」と言われて、「明治維新を描くなら関ケ原から始めないと……」といって、十年以上にわたり関ケ原からの江戸時代を描き続け、幕末にはなかなか至らなかったという数奇な経緯を辿った作品です。

 そんな「風雲児たち」において一つの重要トピックとして、「蘭学」があります。端的に言えば医学を含むあらゆる西洋知識に対する学問研究を指しますが、江戸時代において蘭学はたびたび規制され、蛮社の獄をはじめ政治的に弾圧され多くの被害者も生んでいます。「風雲児たち」ではこの蘭学を学ぶ蘭学者を非常に大きく取り上げており、解体新書の杉田玄白をはじめ、高野長英や佐久間象山にクローズアップしています。

 話を戻しますがこの「風雲児たち(さっきからやたら「不運児たち」とミスタイプする)」を読んで改めて疑問に思ったのが、「江戸の三大改革」という言葉です。これは徳川吉宗の享保の改革、松平定信の寛政の改革、水野忠邦の天保の改革を並べたもので、江戸期に行われた政治改革運動をひっくるめた呼称であり日本でも義務教育期間中には必ず教えられるしテストにも出てきます。
 しかしこれら改革の内容を見ると、実際のところは改革とは呼べない、むしろ蘭学者たちが起こした改革に対するムーブメントを抑え込む保守回帰的な反動政策だったのが実情です。

 一つ一つ順に解説していくと、享保の改革には医学をはじめとする洋書の輸入を解禁するなど確かに改革と呼べる要素も多いです。ただ幕府財政に関しては目立った成果はなく、現実には税率引き上げによる財政補填という結果しか生んでおらず、その後の社会矛盾の種もたくさんばらまいています。

 次の寛政の改革は完全な反動政策で、松平定信の前任者である田沼意次が行った政策を否定することしかやっていません。田沼が手配した蝦夷地探検隊の責任者に横領の罪を着せて切腹させたほか、田沼が行楽地にと作った埋め立て地すら掘り返しており、ぶっちゃけこの松平定信がいなければ日本は、いや徳川幕府はどんだけ良くなったんだろうと思うくらいに余計なことしかしていません。

 天保の改革も似たようなもので、こちらは幕府権威を高めることが重視されて蘭学者を弾圧したほか、迫りよる西欧列強に対する対策も放置し、いるかいないかでいればいないほうがいいような人間が政権主導者でした。まぁそのかいあってたった二年で終わっていますが。

 むしろ上記の三大改革と比べるならば、田沼意次が行った数々の政策の方が改革としての先進性を備えており、真に改革と呼べるのは田沼の政策だけだったようにすら私には思います。もっとも彼の行った政策は浅間山の噴火によりほとんどすべてが水泡に帰し、松代定信によってなかったことにされ、唯一残った功績としては最上徳内を後世に残したくらいですが、それ一つだけでものちの日本に大きな足跡を残したように思います。

 以上を踏まえると、享保、寛政、天保の改革を「江戸の三大改革」と呼ぶどころか、改革と呼ぶことすら憚られるような内容であるような気がしてなりません。少なくとも後ろ二つは「江戸の二大失政」と言ってもいいくらいの体たらくであり、実際に二つとも徳川幕府の権威を高めるどころか下げています。そのように考えると、これらを三大改革として義務教育で教えることは逆におかしいと私は声を大にして言いたいです。
 反対に、田沼の政策は改革と呼ぶべきないようで、子供に現物経済から資本主義への経済転換を理解させるうえでも彼の行った政策を学ばせることは意義があると思います。この辺り、マジで教科書とかも書き換えてほしいものです。

2027年が中国経済の山場

 昨日は新潟に日帰りで友人を訪ねに行ってましたが、新潟より千葉のが寒い気がします。家の中だと動かないでじっとしているから余計に寒く感じるのかもしれませんが。
 話は本題ですが結論から述べると中国経済が大きな山場というか本格的などん底に至るのは2年後の2027年ではないかと密かに予想しています。

 中国の不景気についてはこれまで何度も取り上げていますが年々厳しさを増しており、いまだ底打ちしていない状況が続いています。ではいつまでこの盛り下がり傾向が続くのかが議論の的となりますが、底打ちする時期については正直まだ見通せないものの、決定的にこの不景気が一時的でなく生半可なものじゃないと中国自身が気付き、社会の各方面に年金崩壊など目に見える大きな影響が出るのは今から約2年後の2027年くらいになるのではという風に見ています。

 このように考える根拠ははっきり言って大したものはなく、ほぼ勘です。ここで述べるまでもなくすでに中国の地方、国家財政は火の車状態で、特に地方はバス運転手などの地方公務員に対する給与すら遅配するなどまともに支払えない状態となっています。それもこれも2020年のコロナ流行開始以降にロックダウンをはじめとして異様な対策費を数年間消費し続けたことによります。

 私は当初、日本も1991年にバブル崩壊が始まって1997年まで政府が景気刺激策の名のもとにバラマキを続けたことで、企業業績はともかく個人消費は拡大し続け社会景気もある程度の安定を保っていたことから、中国も不景気に転じたとしても10年くらいはバラマキで持つとみていました。
 しかし前述のように中国の財政はすでに破綻しかかっており、だからこそ去年から明確な不景気を認識しつつも政府支出の拡大など思い切った対策を打てなかったわけですが、これらを踏まえると日本のようにバラマキで命脈を保たせる手段は限られるというか、生命維持できる期間はより短くなるのではと考えています。去年に中国政府はすでに国有銀行などへバラマキを行うことを表明していますが、恐らくこういった政策はもう何度も行うことはできないでしょう。

 そのうえで、中国は根本的な対策となる不良債権処理にはいまだ手を付けていません。もし2023年の段階で不良債権処理に手を付けていれば2026年くらいには景気の上向きを迎えられていたかもしれませんが今から手を付けるとしても最低3年はかかるでしょう。
 ちなみに日本の場合は小泉政権下の竹中財政では3年で半減という目標に対し、2年半で半減を実現しています。主導した竹中平蔵氏も相当根に持っていたのか、「野党は3年でできっこないと言ってたけどね(# ゚Д゚)」と話してますが。

 以上の要素を勘案し、2年後の2027年くらいにはバラマキに使える資力も失い、今以上に大きな不景気のインパクトが中国を襲うのではないかと予想しています。今回のトランプ政権の成立、対中関税発動によってその時期はより早まる可能性ももちろんありますが、それ以上に人民元の流動化政策によってもいろいろ混乱が起こる可能性もあるのではないかとも考えています。

 こうした予想から本音を言えば自分もそろそろ中国から引き上げたいという気持ちも既に抱いています。実際この2年間に自分の給与は一切変動がなく、かつては毎年のベースアップが当たり前だった時代はもう来ないともみており、変動があるとしても下がる一方だろうとかなり悲観的に予測しています。
 とはいえ今いる職場には恩義もあればやるべき仕事もあるため、実際にすべて放り投げてやめるようなことはさすがにできません。可能ならば自分の代わりに若い子を入れて業務が回るような体制をこしらえてから去りたいものですが、一体いつになることやら┐(´д`)┌ヤレヤレ

2025年2月8日土曜日

完全に逆転した日中のデパート人出

 前回記事で書きそびれましたが先週訪れた大阪梅田の阪急デパートですが、平日にもかかわらず大賑わいな人出で密かに驚いていました。ここに限らず大阪周辺ではドコモ人でごった返していて傍目にも景気が良く、万博準備の影響かもしれませんが東京以上に景気がいいように感じました。

 話は阪急デパートになりますが、ここに限らずこの1ヶ月デパートやショッピングモールなどの商業施設ではどこも人で溢れていて、密かに驚いていました。平日昼間でも喫茶店では主婦層らしき女性らによって満席でなかなか座れず、販売店の方でも多くの人で賑わい、一体何故これほど客が来ているのに日本人は好景気だといわないのかが余計不思議に感じました。
 それと同時に十年前と完全に逆転したというか、日中で商業施設、特にデパートの人の入りようが現在また正反対になっているということも痛感しました。具体的には、現在中国のデパートではあまりにも客が来ず、閑古鳥が鳴いて閉鎖するところも少なくありません。

 十年前であればこの状況は逆で、日本はまだ中国人の爆買いブームが起こる前でどこのデパートも売上の落ち込みが続いており、「消えゆく業界」などと語られていました。反対に中国は経済成長を追い風にデパート、ショッピングモールともにどこも大賑わいで、私も十年前に日本のデパートを訪れた際はこんなにも人がいないものかと中国とのギャップに驚いていました。

 しかし現在はその状況は完全に逆転しています。外国人観光客も多いとはいえ前述の阪急デパートでは日本人客も少なくない、というより大半を占めており、下手な観光地よりは中国語などの外国語はあまり耳にしませんでした。
 ちなみにその前々日に訪れた奈良で利用したタクシーの運転手は、「今日の奈良公園は絶対日本人より外国人のが多かった」と話していました。

 話を戻すと、以上のように活況を呈す日本と違って中国では、比較的建設から日が浅いショッピングモールはまだ別ながら、古くなったショッピングモールやデパートではマジで人が来なくなり、テナントが入らず空いたスペースがあちこちにあって目立ち続けています。こうした状況は中国の近年における不景気も大きいでしょうが、それ以上に要因としてでかいように思うものとして、異常に発達してしまったネット通販ことECショッピングの影響があると睨んでいます。

 日本でもECはもはや一般的で、二十年前と比べるなら利用したことない人はもはやほとんどいないといっても過言ではありません。しかし中国では日本以上にECが発達しており、送料も消費者負担はほぼゼロという手軽さもあり、マッチ一本買うのにもネットを使って自分でお店に買いに行かないという人も珍しくありません。
 ちなみに私がネットで買うのはUSBハブなどPC周辺機器が一番多いです。日本だと2000円以上はするUSBハブが中国だと500円くらいで気軽に買えるのと、あんまり場所取らず収集できることから同じ機能の周辺機器を何故かやたらと買い込んでいます。

 また話を戻すと、何となくこの以上に発達したEC社会によって、中国の実体小売はもはや成り立たないくらいにまで苦境に追いやられているのではないかというように見えます。商品だけでなく食材や調理済み料理まで中国はスマホ一本で注文でき、お店へ行って買い物するという人がマジで日本と比べると少ないです。それこそ、いろんなお店を回って商品を吟味するような人となるとレアキャラとなってくるでしょう。

 日本のデパートが現在のように今後も活況を呈するかはまだわかりませんが、中国に関しては今後もずっとデパートには人が戻ってこないような気すらします。そう考えると、中国政府は個人消費を促すため現在あれこれと手を打っていますが、それらの政策はECの異常発達によってあまり奏功しない可能性があります。それ以前に、個人消費がネットに集中し過ぎて外出→電車→商品購入→外食などといった外出によって連鎖的に生まれる消費も発生しづらくなっているかもしれません。まぁ昔の日本もデパートに人いなかったんだから、あまり人のこと言えませんが。

2025年2月6日木曜日

統計情報を報じようとしない日系メディア

名目賃金は28年ぶり高水準、所得環境の改善続き日銀正常化を後押し(ブルームバーグ)

 昨日何気なく、中国の検索エンジンの百度で「日本」というワードでニュース検索したところ出てきたのが、上の記事でした。記事内容を引用すると、2024年12月単月の名目賃金上昇率は1997年以来28年ぶりとなる4.8%増という高水準を記録したとのことで、市場予想(3.8%)を上回っただけでなく、実質上昇率も0.6%増を記録し、着実にデフレから脱却しつつある傾向が報告されています。ただこれはブルームバーグの記事であり、日系メディアはほとんど報じていません。
 近い報道としては、下の読売の記事だと思います。もっともこっちは年率データに重きを置いているけど。ちなみに賃金上昇率に関しては、年単位の前年比データより月単位の前年同月比データの方が重要であることは常識だと、私は思うのですが……。


 この賃金上昇率のデータは少なくとも、テレビメディアでは全く取り上げられていなかったような気がします。寒波のニュースがトップに来るのはまだわかりますが、それでも二番目くらいにこの賃金データも取り上げられるべき重要度だと私は思うし、中国では実際それくらいの扱いなのですが、何故だか日本では取り上げられません。
 もっともこれに限らず、統計に関するニュースは何故だかほとんど日本では報じられません。冒頭に書いているように私は今回のニュースを中国の報道で初めて目にしており、なぜこんな重要な情報を日系メディアが大きく報じようとしないのか、いろいろ暗澹たる気持ちにさせられます。


 ただ統計データの中でも、上のリンク記事のように倒産件数だけはほぼ毎月目にします。上の記事のようにこの半年くらいの倒産件数は毎月「大幅増」という見出しとともに報じられているのですが、私は逆に何故このデータしか報じないのかといつも疑問に思っています。
 それは何故かというと、企業の倒産件数は増えているのに失業者は減っているからです。


 上は統計局の雇用・失業率データですが、このところ失業率は右肩下がりに減っており、2024年12月も前月比0.1ポイント減の2.4%と好調な数字を見せています。
 当然ながら企業が倒産すれば一人社長企業を除き失業者が発生します。なので企業倒産件数が増えていれば失業者が世にあふれるはずなのにさにあらず、是は如何にという話になってくるのですが、私が見る限り日系メディアでこの両データを組み合わせて言及している人はまだ見たことがありません。

 結論から言えば、「倒産によって発生する失業者数<既存企業の新規採用数」という構図が今の状況です。言うまでもなくこれは好景気であることを示すサイクルで、効率の悪い企業が市場から淘汰され、より効率のいい企業へ労働者が移っているともいえるかと思います。このサイクルが続けば経済的にも非常にプラスであるだけに、倒産件数が増えているということは別に何の懸念でもないでしょう。

 しかし倒産件数のニュースはほぼ毎月見るものの、失業率というか雇用統計については自分がこうして統計局行かないと見ることができませんでした。以前からも同じようなことを話していますが、何故日本のメディアはこれほどまでに重要な経済統計をあまり報じようとしないのか、また複数のデータを組み合わせて分析しようとしないのか、10年前から何も変わっていません。
 経済というのは市井の声も大事ですがそれ以上に統計の方が先を見るうえでもっと重要です。にもかかわらず適当な街角の反応で「物価が高くて辛い」などと念仏のようなインタビューばかり報じ続け、今回私が日本にいる間に「日本は今好景気だ」と言っている人は誰もおらず、私一人でさながら狂人のごとく唱え続けるばかりでした。先の失業率のデータを前にして、何故日本が今好景気だと誰も言わないのかと話しててこっちが気が狂いそうです。

 愚痴っていてもしょうがないですが、もう少し日本人は科学的、客観的に世の中を見るというか考える人間が増えてほしいです。印象論だけで議論しても意味なぞないのだし。

2025年2月5日水曜日

大阪市中心の再開発主導者は誰なの?

 また昨日まで関西地域を旅行し、奈良では定宿としている奈良ロイヤルホテルに泊まりました。ここが安くてお得なのはせんとくんなら知っている。

 この旅行中、関西に住む友人より大阪市の中心地を南北に貫く御堂筋が再開発できれいになっていると聞き、勧められるままに本町から梅田に至るまでの道を歩いてみました。友人の言葉通りに以前来た時よりも御堂筋はすっきりとしていて歩きやすく、たまに歩道を逆走する形でしかもスピード乗せてくる電動自転車を除けば散歩していても楽しく、何故かあんま足も傷みませんでした。
 ちなみに前日はまた日本人よりも絶対中国人のが多いエリアとなっていた兵庫県の有馬温泉付近を訪れていましたが、ここのアップダウンで坂道を下るときのブレークで普段使わない筋肉を使ったのか、左ひざの部分だけ筋肉痛を起こしました。自転車に乗っているから足の筋肉痛はこれまでほぼ起こったことなかったのに……。

 話を戻すと御堂筋のビルを見ていると、上階に比べ1~2階だけ内側にえぐれたようにへこんでいるビルを多く見ました。改装中のビルもそのようにというかえぐるように改装しており、恐らくこれは意図的な処置ではないかという気がします。1~2階部分がえぐれることによって人が歩ける道路沿いの浦東スペースは広がるし、また上階との幅の違いで建物には立体感が生まれるし、歩道を右折左折する車も見通しが良くなっているのではないかと思え、誰が指示しているのわかりませんがよくこんなこと考えたものだと思います。

 この御堂筋に限らず、大阪の梅田周辺はこの十年間で大きく様変わりしたというか再開発が続けられています。でもって、その再開発の結果について誰もが「前より良くなった」と評価しており、私も同じく高く評価しています。
 それこそ私が京都で学生していたころは梅田はマッドシティほどとは言わずともごちゃごちゃしており、特にJR、阪急、阪神が乗り合う梅田駅周辺は土地感覚もないためよく迷うし、道路広いし、車多いしであんまいい印象を持っていませんでした。それが梅田駅で再開発が進む、具体的にはヨドバシカメラ梅田店ができたあたりから歩道や地下道が整備されていき、地上付近もランドマークができてわかりやすくなり、見違えるように歩きやすくなった印象があります。

 前述の御堂筋といい、恐らく大阪市役所内でこの再開発を企画から主導している人がいるのではないかと思いますが、誰かとはわからないもののマジでプロジェクトXに出てもいいんじゃないかっていうくらい有能な人である気がします。可能ならばその再開発のノウハウを広く共有するとともに、マッドシティこと松戸市の再開発にも携わり、トラムを通してもらいたいものです🚊

2025年2月3日月曜日

中津市民の黒田官兵衛に対する評価

 先週九州を旅行した際、中津唐揚げでおなじみの大分県中津市を訪れました。何故ここを訪れたのかというとこの旅行の直前に知人に勧められ漫画の「風雲児たち」を読んでおり、この漫画に出てくる解体新書の前野良沢が中津藩士であったことを知り、興味を持ったからです。
 なお中津藩士にはこのほか福沢諭吉もおり、何かと学者を輩出する藩だという印象を受けます。

 この中津で訪れたのは福沢諭吉の旧居はもとより、一番の花形でもある中津城にも行ってきました。中津城自体は創建当時のものではなくその後に再建されたものなのですが、比較的建物がコンパクトで展示内容も分かりやすく、解体新書だけでなくこの中津城の位置取り、建設を行った黒田官兵衛や、その後に明治まで中津を治めた長篠の合戦で長篠城を籠城していた奥平家の具足なども展示してあり、あまり知名度は高くないとは思うものの見ごたえのある展示でした。

 今さらりと触れましたが、この中津の支配者はそこそこの変遷を辿っています。秀吉の九州征伐の後に最初に収めたのは黒田官兵衛ですが、黒田家は関ケ原の合戦の働きにより加増の上で福岡へ転封しています。その後は細川忠興が一時治めるも彼も熊本へ転封となった後は間に小笠原家が治めた後、前述の奥平家が中津を治めそのまま明治維新まで続きます。

 そのため中津の人たちからすれば殿様とくれば奥平家とのことなのですが、最初に中津へ入り、その基盤を作った黒田官兵衛についてどう思うのかと中津城の受付の人に何となく聞いてみたのですが、

「黒田家は中津に入って地元の豪族を騙し討ちにした連中なので、あまり好きじゃなかったりします(;´・ω・)」

 という、ちょっと意外な回答が返ってきました。
 この豪族というのは城井鎮房のことで、なかなか黒田家の支配に素直に従おうとしなかったことから黒田長政が酒宴にかこつけて呼び寄せてだまし討ちにして殺しています。またその父親の城井長房も、一揆勢と戦っていた黒田官兵衛に従軍していたところ陣中で殺されており、その後怨念の噂が立つなど血なまぐさい粛清が行われています。

 言われてみると確かにそうというか、中津の人からすれば地元の人を粛清するだけしてすぐに任地を変えて出て行った存在だと黒田家を見ているようです。そのまま中津を治め続けていれば話は別だったでしょうが、以上の顛末を見るに中津の人が黒田家を好ましく見ないのも自然なことでしょう。

 なおこのほか中津市はちょうど福岡との県境にあるので帰属意識はどうかとも尋ねましたが、その辺はやっぱり大分県にあると答えられました。我ながら妙なことばかり聞いてた気がします。

2025年2月1日土曜日

すずめ増えてね?

 今週は朝早くから漫画喫茶に入り浸って関心はあるけど単行本を買うほどではない漫画を読み漁っていました。具体的には、

・推しの子
・送葬のフリーレン
・戦隊大失格
・創世のタイガ

 以上の漫画を読んできましたが、この中だと「送葬のフリーレン」が白眉でした。時間の流れを読者に感じさせるあの構成は見事な気がします。

 そんな感じの日々を送っていますが、朝早くに自転車こいでるときにふと雀が増えているような感覚を覚えました。かつて、具体的には自分が子供だった頃は朝早くからチュンチュンなく雀の声をよく聞きましたが、大体00年代の中盤あたりから急激に減り、当時の報道でも人里を好む雀が何故減っているのかわからないという学者の意見が出されていました。
 推測として考えられる理由としてはカラスやハトなどの増加によって雀が追いやられたなどがありますが未だ詳細は明らかでなく、中国と比べても日本は雀を見る機会が少ないのでこのままいくともう見られなくなるのかなとも一時期は感じていました。

 それが今回、日本にいて朝早くに自転車乗っていると道路にたむろする雀を見る機会が以前と比べ多くなりました。もっとも朝方だけで昼日中に見る機会は少ないのですが、かつては全く見られなかったのと比べると自分でも驚くくらいの変化で、実際はどうだかわかりませんが雀が増えているような気がします。
 仮に増えているとしたらその理由はなぜか。やはり一番可能性を高く感じるのはコロナ期間で、この間に外出する人が極端に減り、現在もコロナ前と比べで歩く人が少なく、この街中における人の往来の減少が影響を与えているのではないかと推測しています。この辺、鳥類学者の意見とかも聞いてみたいですが、いないよりかはいたほうが雀はいいように思うのでこのペースで増えていってくれればと密かに思います。

 その一方、以前からも書いていますが日本のカラスの多さとでかさにはこっち来るたびに驚かされます。マジな話、上海でカラスを見る機会は一切なく、鳴き声すら聞いたことがありません。なんであんなでかい鳥が人におびえることもなく闊歩している姿には恐怖を感じます(;゚Д゚)