話は本題ですが菅総理の就任について最近中国人の同僚から、「菅総理は安倍総理みたく憲法を改正しようとしているの?」と聞かれました。中国人としてはやはり改憲が気になるというのが本音らしいのですがそれはさておき、「恐らくだが、菅総理は憲法は弄らないと思うよ」と私は答えました。
このように応えた理由はいくつかあり、まず第一の理由としてはこれまで菅総理は憲法の改正是非について発言しているのを私が聞いたことがないという点です。そもそも自民党内でも会見が必要だとずっと言ってたのは安倍総理くらいで、ほかの政治家からすれば支持率も落ちる要因になるし、外交的にも睨まれるし、触りたくとも触りたくない問題というのが憲法でしょう。
また総理という立場の目線から見ても、憲法改正に取り組もうものならかなりのリソースをこの方面に取られてしまいます。真相は本人の腹のうちですが、私が見る限り菅総理は安倍総理と違ってそれほど長期政権に対する欲はないようにみえ、自分の在任期間を二年程度と見ているのではないかと勘繰っています。その上で、その二年の間で果たすべき政治課題をはっきり見据えていて、その実行を第一にするだろうから憲法には触れないだろうというのが私の見立てです。
では菅総理は何に取り組もうというのか。非常に簡単な質問ですが、答えは行革こと官僚改革でしょう。この点についてはかなり昔から菅総理は改革の必要性を叫んでおり、総務大臣ではなく行革大臣に河野太郎議員を据えたのも、彼に他の一切の業務を書き捨ててでも行革を推し進めろという姿勢の表れだと思います。
元々、官僚に対して菅総理は「騙されない」政治家だと田原総一郎氏が指摘しており、私自身も発言の端々からそのような人間だとみています。その上で菅総理は今の官僚組織についていろいろと不満があるというか納得していないような感じにも見え、電波料金引き下げ問題といい、現在の動きが生ぬるいと感じているように見えます。
以上のような分析に立つと、菅総理は徹頭徹尾内政を重視した政策を採るように思います。逆に外交に関してはそこまで関心がないというか、こうだという方針を持っていないため、他の自民党重臣の方針を維持すると思われます。私個人としてはそうしてくれると有利になる立場でありますが。
最後に一言付け加えると、恐らく大半の官僚は戦々恐々としているのではないかと思います。真面目に方針に逆らおうものなら菅総理なら平気でその官僚をクビとか左遷にするくらいの決意があるように思え、これまで通りとはいかないでしょう。
また一部報道でも出ていた通り、経産省の天下はもう終わるでしょう。私個人から見ても昨今の経産省のダブルスタンダードぶりには辟易しており、いい方向に変わってくれることを期待しています。
4 件のコメント:
9条改憲は、自衛隊明記や2020施行を目指すなどスケジュールありきで考える時点で本気でやる気がなかったんじゃないかと思います。
憲法典に自衛隊を書き加えても、自衛隊は軍隊なのかという議論やいままでの法制局の解釈に対する結論を出さないと、防衛政策で揉めるのが目に見えてます。
総裁選でも、条文の問題が論点だったので、自民党のやってますアピールしかなかったのでしょう。
最近は、コロナ対策のため緊急事態条項とかぬかしてますけど、自民党、政府共に最悪だったのに、現行憲法のせいにするなよと思います。
有事に備えて行革する菅さんのほうが、日本をより良くするには最適です。
おっしゃる通りというか、これまでの解釈議論の整理や結論総括を一切やらず、改憲手続きと自衛隊明記しか言ってませんでしたから、安倍総理も実現は実際にはあきらめていたのかもしれません。やる気は感じましたが、言われてみると確かに途中途中で変にあやふやな態度が見えましたね。
私自身は改憲派ですが、これまたおっしゃる通りに単純な政治運営であれば行革優先の菅総理の方がモアベターでしょう。逆に安倍総理はこの方面が各所から指摘されている通り、経産省の方針を何より優先するところがあり(財務省はスルーだったが)、官僚らを保護するような態度がありました。ついでに検察も。そういう意味でいいタイミングで菅総理が来たなと私も思います。
私も花園さんの意見に同意です。外交に関しては安倍路線を踏襲するでしょう。11月の米国大統領選の結果次第で変わるところもあるかもしれませんが。
現在非常にいいスタートを切っていますが、2年くらいの短期政権で菅総理が考えているならかなりいい施政の仕方するんじゃないかと思っています。あと今後の課題としては、後継者というか自民党内でまともな政治家をどれだけ育成できるかでしょうね。
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