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2024年6月23日日曜日

語り継がれないギャグ漫画家

漫画に出てくる手塚治虫(あにまんch)

 上のまとめ記事のようにすでに逝去から何十年もたっているにもかかわらず、手塚治虫についてはいまだにあれこれ語られています。それだけエピソードに堪えない人物だということもあるでしょうが、同じくエピソードが多く、手塚と同時期に並び称されたあるギャグ漫画家についてはこのように語られる場面をほとんど見ません。勿体ぶらずにその名を挙げると、赤塚不二夫です。

 赤塚不二夫についてはあまり説明するまでもないですが、彼の名を近年見たのはアニメで「おそ松さん」がヒットした時くらいで、それ以外ではまず見ることもなければ、作品名がリバイバル的に再評価されるというケースも見ません。これは彼の作品の価値が低いというよりも、流行に左右されやすいギャグマンガというジャンル故、「ブラックジャック」や「火の鳥」といった手塚作品と比べ赤塚の作品は時代を超えて読み継がれることが低いせいだと思われます。

 私自身ですが昭和後期の生まれですが、あまり赤塚作品を読んで面白いと感じたことはほとんどありませんでした。とりあえず「シェー」のポーズなどは誰にでも認知されているのでまねたことなどは子供の頃にありましたが、そこまで面白いと思って読んでていたかというとそうでもなく、当時は「おそ松くん」のアニメも放送されていましたがそこまで積極的に見ているわけではありませんでした。

 こうした傾向は何も赤塚作品に限るわけではなく、ギャグマンガ全般に通じる話です。大体連載終了から2、3年も経てば作品名が語られることはほぼなくなり、また時流の変化に伴ってかつては笑い読まれた作品が笑って読めなくなることも珍しくなく、時代を超えて読み継がれるギャグ漫画自体が希少だということでしょう。

 敢えて挙げるとしたら、「エンジェル伝説」なんかは今の子供に読まれても十分笑わせる実力があるのではないかと密かに考えています。あとマイナーだけど「うめぼしの謎」とか。

 逆に不思議なのが、連載終わってから10年近く経って急激に評価を高めていると思える「ボボボーボ・ボーボボ(中国語:鼻毛神拳)」です。私も連載当時はつまらないとは思わなかったけどあまりにも不条理過ぎてついていけませんでしたが、なんかこの年になって急激に再評価がすすみ、「ところてんの介は素晴らしいキャラだった……」などと人に語るようにもなっています。マジでこの心境の変化は自分でも不思議なのですが、確かに読者をぐいぐい引き込む力は群を抜いており、それが時を超えて今になっても引き込んでいるのではないかという気がします。

 逆に今読んだら全く笑わないだろうなと思う作品を上げると、単行本も買ってたけど「突撃!パッパラ隊」な気がします。連載中ですらキャラ増やしていた後半から笑えなくなっていたし、前半は「無知との遭遇」などのサブタイトルとかも面白かったんだけど。
 同じくガンガンの「ハーメルンのバイオリン弾き」も、中盤のガンガン隔週化時代に急激に質を落としてから笑えなくなり、今読んだら当時以上に微妙に感じる気がします。パンドラ母さんの登場回とかは今でも好きだけど。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ さんのコメント...

「激烈バカ」という作品があります。この作品は週刊少年マガジンで連載されていました。
分類的には ギャグ漫画の範疇に入りますが、不条理系の要素が強いです。そしてこの
作品は 中年男性が 飲み屋で話すようなネタ、中年男性が競馬場やバーで行うような
おふざけネタやお下劣ネタも含まれています。子供の時には分からなかったネタも
大人になってから読み返すとその意味がわかります。少年マガジンの読者の年齢層は
高いとはいえよくこんな作品を連載したな と思いましたよ

花園祐 さんのコメント...

 「激烈バカ」は今まで読んだことなかったのですが、調べてみたら面白そうな作品ですね。こういう年齢層というか読者層をわきまえない作品って妙な存在感があって後々伝説化することも多いですが、少年ジャンプの「惑星を継ぐもの」とかも自分は大好きだったりします。