昨日も中国ネタを書いたのにまた今日も書くことになるとは……。
・中国外務省、14人の釈放要求を繰り返す(NNN)
もはや説明するまでもないでしょうが、香港から出向し尖閣諸島こと魚釣島に上陸した中国人活動家を日本が逮捕した件で、こっちも昨日から大騒ぎになっています。昨日の新聞の一面はほぼすべてが連続殺人犯の射殺された死体でしたが、今日は今日で尖閣諸島関連の写真が経済誌を含めてトップを飾りました。なおちょっと面白い話を書いとくと、頼んでもないのに配達してくる中国版恐怖新聞こと人民日報だけは全く関係ない話題が一面トップでした。
こちら側の反応ですが概ね日本でも報じられている通り、日本側の対応への非難と逮捕者の即時解放を要求するというもので特にこれと言って私から紹介するようなものはありません。なので中国側の意向と今後の展望について軽く書いておくことします。
まず今後日本が取るべき対応ですが、やはりすぐにでも逮捕者を強制送還することに限るでしょう。弱腰だといわれるかもしれませんが日本も中国もこの問題で長々争って得することは何もありません。また以前の漁船衝突事故の場合は海保の船が損傷するなど刑事事件に発展せざるを得ませんでしたが、今回はあくまで上陸だけで不法入国だけです。以前の小泉政権時代も全く同じことが起こりましたが、その時もすぐに強制送還処置を取ることで大ごとにまで発展することはなく、今回もこの轍を踏むべきでしょう。
中国側をかばうというわけではありませんが、私が見る限りだと向こうもそれほど大事にしたくはないというメッセージを出している気がします。まず今回の上陸船出航前には「あまり薦めない」としてやんわりですが制止をかけており、これを受けてか台湾で合流する予定だった活動家は今回参加しませんでした。また上記リンク先のニュースによれば北京にある日本大使館への抗議デモも当局が止めてくれているようです。こうした中国側のメッセージに対して日本もある程度応じるべきで、さっと返して早くお互いに忘れてしまうことが一番です。
もちろん中国側がこういうメッセージを出していると鵜呑みにしてはならない、っていうかしてはいけない国なのですが、今の中国の状況を考えれば今回に限れば信じてもいいのではないかとみております。まず前にも記事を書きましたが中国は今年十月に党大会を控えて政権交代をする予定ですがこの直前の今の時期にあれこれ政治問題を起こしたくない、胡錦濤総書記にとっても晩節を汚したくないのではないかと予想されます。さらに中国の経済は未だに好調ではあるものの、これまでの成長率が半端じゃなかった反動からプラス成長を保っているものの、景気減速によって資金繰りに悩む企業が増加するなどちょっと今の経済は微妙な状態となっています。輸出成長率も先月は1%台だったし。
今の状態で日本との貿易関係が悪化したら、恐らくダメージは日本側のが大きいでしょうが中国側も相当の物を覚悟せざるを得ません。特に最大の貿易相手先であるEUがあっぷあっぷしている最中で、ただでさえ日本やアメリカ、東南アジアとの取引を増やさなければいけない時期なだけに、尖閣問題で言い争っている場合じゃないと考えるのは自然じゃないかと思います。
そんなわけで私個人としては現在報じられているように、明日にでも逮捕者を強制送還してもらいたいのが希望です。もし変な対応を取ったら中国側も国内世論を気にしなければならず、2010年のように通関を止めてくるということも場合によっては有り得ます。
なお日本のメディアは中国側の反応として「環球時報」という中国の新聞をなんかあっちこっちで引用していますが、今日うちの上司とも話しましたけど、「あれ使うのはおかしいよね( ´゚д゚)(゚д゚` )ネー」ていうことで一致しました。というのも環球時報はタブロイド紙で、日本で言うなら夕刊フジみたいな感じで過激な意見を載せることで読者を取っている新聞で、中国の世論を反映しているかとなるとかなり微妙な新聞です。日本だって東スポの記事を日本人の意見として海外で紹介されたら困るだろうに。もっともこう言いながら、「一番過激な意見はこんな感じです」っていう具合で過去に日本の自治体に紹介したことは私もあるのですが。
最後に話が脱線しますが、私は領土問題というか二国間関係では中国より韓国の方が今えらいことになっていると思います。多分これを読んでいる皆さんも知っているでしょうが任期間近の李明薄大統領が先日、天皇に謝罪要求(後に表現を訂正)をしましたが、滅多に怒らない日本人の逆鱗と呼べるのはかつてのBSEなど食品問題と天皇に関する事柄なだけに、今回の発言でヒビの入った日韓関係を修復するにはシャレ抜きで長い時間が必要になるかと思います。はっきり言わせてもらえばもう日本でコリアンエンターテイメントが活躍する余地は全くなく、すでに日テレが放送予定だった韓流ドラマを竹島関連で批判が高まっていることから放送延期を決めたそうですが、ほかの局も韓国関連のエンターテイメントを出せば視聴率どころか批判を集めることになるでしょう。
更にこれは勝手な予想ですが、大抵の人間は「ここまで言ったらまずいよな」という悪口なり批判なりに自分なりのラインを持っていると思うのですが、一旦そのラインを越えてしまうとそれまでためらっていた発言内容をこれみよがしに繰り返すようになるとこれまでの経験則から私は感じます。これは即ち今回の天皇への謝罪要求を韓国は今後もためらわずに繰り返すようになるという予想で、そうなれば経済的な損失を無視しても日本人は国交関係を絶つのではないかと私は思います。それだけ日本において天皇という言葉はタブーであるという裏返しでもありますが。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2012年8月16日木曜日
2012年8月15日水曜日
中国の連続殺人犯の射殺について
今朝の中国の新聞は控えめに言ってもとても面白かったです。というのも一般紙から経済専門誌に至るまでどれも一面トップに、昨日射殺された連続殺人犯の写真を持ってきておりました。
・中国連続強盗殺人凶悪犯、重慶で射殺(人民日報日本語版)
念のため言っておくと上記リンク先には写真の類は一切ありません。ただ今日の中国紙では大半が顔面部分にモザイクをかけていたものの、ものの見事に射殺されて横たわる犯人の死体を掲載しておりました。一部に限ればモザイクもありません。香港の新聞だったら車にひかれたり、高所から落ちた死体の写真をノーモザイクで載せることは多い、っていうか毎日1枚は載っているのですが、中国本土の新聞でこういうことは自分が知る限りだと初めてです。そのせいで香港にいた頃の同僚なんか、「アップルデイリーだけは私に見せないで」と明言するくらいでした。
今回射殺された人物は周克華という人物で、2004年から現在に至るまで何度も強盗事件を起こしており、今月10日にも重慶市の銀行で強盗を行い1人を射殺、2人に重傷を負わせております。これまでに殺害した人物は10人にも及んでおり、拳銃を所持していたことから中国の警察も発見次第に射殺するように通達されていたのだと思います。
最終的には昨日早朝に路上を歩いていたところを市民から通報があったのか警官が発見し、様子を探っていたところ発砲してきたために応戦し、4発を撃ち込んで射殺したとのことです。なお今日自分が読んだ新聞には「正義の銃弾4発」という見出しが書かれておりました。
私個人がどうこう言うのもあれかなという気もしますが、この犯人に関しては前科が前科だけに射殺されてもしょうがないと思うのと同時に、ほんの少し前にも強盗事件で殺人を犯した上、拳銃を所持していたことから中国警察の対応は正しかったのではないかという気がします。ただ以前にも私は人質を取ったりしている立てこもり犯に対しては射殺条件を緩めるべきだと主張しましたが、そんな私ですら中国の警察対応を見ると時々ぞっとしたりします。
以前に女性に刃物を突きつけ立てこもっていた若い男が警察に水を要求し、言われた通りに見るからにおばさんという感じの中年女性が持っていき犯人が受け取ろうとしたその時、そのおばさんがパッと懐から拳銃を取りだしこともなげに犯人の頭を正確に打ち抜いて射殺する動画(人質は無事)を見ることがありましたが、そのおばさんというか警察官が本当に自然な動作でやってのけた姿にはちょっとビビりました。
何はともあれ今回の犯人は足掛け8年間にも渡って逃げ続け、上海でも以前に指名手配写真があちこちに貼られていただけにこっちではちょっとお祭り騒ぎになってます。射殺した警官2人は既に実名どころか年齢も出ていて、「20年以上も勤務した警官としての勘が……」などとインタビューに答えていますが、これから大規模に表彰されるそうです。今回の例は極端だとしても、日本も活躍した警官をもっと大規模に表彰することも必要なのではないかという気がします。
・マツダ、1-7月の中国販売は12%減 中国紙「未熟」(人民日報日本語版)
上の事件とは関係ありませんが、見ていて笑ったというか「言うなぁ中国」と思ったのでこのニュースも報じておきます。
内容は今年のマツダの中国市場の売れ行きが悪かった、っていうか私も先週くらいにマツダ本社広報部に直接電話して販売台数を確認しておりますが、マツダが主張する不振だった理由に対して人民日報が、「言い訳がましい」と書いているわけです。以下抜粋すると、
「マツダ中国法人の山田憲昭会長兼CEOは『販売減少は主に自動車市場の低迷や酷暑・豪雨などの異常気象、競合他社の大幅な値下げなどの影響によるものだ』と述べた。
マツダが販売減少の原因を『競合他社が強すぎるため』としたのは、これで何度目だろうか。自動車市場の低迷、酷暑・豪雨などの異常気象は、マツダだけに対するものだろうか。その他のメーカーは影響を被らなかっただろうか。
これはただの言い訳だ。周知の通り、マツダは中国市場でいつまでも方向性を見出せないでいる。これは中国市場をないがしろにし、新車を出し惜しみしていることと関連している。世界のほぼすべての自動車企業が業務の重心を中国に移す中、日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか。今後も子供のように駄々をこねるならば、マツダに未来はない」
確かに書いている通り、ほかのメーカーと比べてマツダが中国市場に最新車種を持ってくる時期というのは明らかに遅いです。日本では数年前にモデルチェンジしたアクセラを今年になってようやく持ってきたくらいですし、スカイアクティブ搭載車もまだ少ないです。
それにしたって、「日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか」とまで言ってくるとは、まぁ一流でないことは事実だとしてもここまではっきり言ってしまうのかといろんな意味でびっくりです。ただマツダの中国市場戦略は私もいまいち読めないというか方向性がはっきりしていないと感じますし、マツダ関係者はこの記事を金言として今後に役立てるべきだと個人的に思います。
・中国連続強盗殺人凶悪犯、重慶で射殺(人民日報日本語版)
念のため言っておくと上記リンク先には写真の類は一切ありません。ただ今日の中国紙では大半が顔面部分にモザイクをかけていたものの、ものの見事に射殺されて横たわる犯人の死体を掲載しておりました。一部に限ればモザイクもありません。香港の新聞だったら車にひかれたり、高所から落ちた死体の写真をノーモザイクで載せることは多い、っていうか毎日1枚は載っているのですが、中国本土の新聞でこういうことは自分が知る限りだと初めてです。そのせいで香港にいた頃の同僚なんか、「アップルデイリーだけは私に見せないで」と明言するくらいでした。
今回射殺された人物は周克華という人物で、2004年から現在に至るまで何度も強盗事件を起こしており、今月10日にも重慶市の銀行で強盗を行い1人を射殺、2人に重傷を負わせております。これまでに殺害した人物は10人にも及んでおり、拳銃を所持していたことから中国の警察も発見次第に射殺するように通達されていたのだと思います。
最終的には昨日早朝に路上を歩いていたところを市民から通報があったのか警官が発見し、様子を探っていたところ発砲してきたために応戦し、4発を撃ち込んで射殺したとのことです。なお今日自分が読んだ新聞には「正義の銃弾4発」という見出しが書かれておりました。
私個人がどうこう言うのもあれかなという気もしますが、この犯人に関しては前科が前科だけに射殺されてもしょうがないと思うのと同時に、ほんの少し前にも強盗事件で殺人を犯した上、拳銃を所持していたことから中国警察の対応は正しかったのではないかという気がします。ただ以前にも私は人質を取ったりしている立てこもり犯に対しては射殺条件を緩めるべきだと主張しましたが、そんな私ですら中国の警察対応を見ると時々ぞっとしたりします。
以前に女性に刃物を突きつけ立てこもっていた若い男が警察に水を要求し、言われた通りに見るからにおばさんという感じの中年女性が持っていき犯人が受け取ろうとしたその時、そのおばさんがパッと懐から拳銃を取りだしこともなげに犯人の頭を正確に打ち抜いて射殺する動画(人質は無事)を見ることがありましたが、そのおばさんというか警察官が本当に自然な動作でやってのけた姿にはちょっとビビりました。
何はともあれ今回の犯人は足掛け8年間にも渡って逃げ続け、上海でも以前に指名手配写真があちこちに貼られていただけにこっちではちょっとお祭り騒ぎになってます。射殺した警官2人は既に実名どころか年齢も出ていて、「20年以上も勤務した警官としての勘が……」などとインタビューに答えていますが、これから大規模に表彰されるそうです。今回の例は極端だとしても、日本も活躍した警官をもっと大規模に表彰することも必要なのではないかという気がします。
・マツダ、1-7月の中国販売は12%減 中国紙「未熟」(人民日報日本語版)
上の事件とは関係ありませんが、見ていて笑ったというか「言うなぁ中国」と思ったのでこのニュースも報じておきます。
内容は今年のマツダの中国市場の売れ行きが悪かった、っていうか私も先週くらいにマツダ本社広報部に直接電話して販売台数を確認しておりますが、マツダが主張する不振だった理由に対して人民日報が、「言い訳がましい」と書いているわけです。以下抜粋すると、
「マツダ中国法人の山田憲昭会長兼CEOは『販売減少は主に自動車市場の低迷や酷暑・豪雨などの異常気象、競合他社の大幅な値下げなどの影響によるものだ』と述べた。
マツダが販売減少の原因を『競合他社が強すぎるため』としたのは、これで何度目だろうか。自動車市場の低迷、酷暑・豪雨などの異常気象は、マツダだけに対するものだろうか。その他のメーカーは影響を被らなかっただろうか。
これはただの言い訳だ。周知の通り、マツダは中国市場でいつまでも方向性を見出せないでいる。これは中国市場をないがしろにし、新車を出し惜しみしていることと関連している。世界のほぼすべての自動車企業が業務の重心を中国に移す中、日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか。今後も子供のように駄々をこねるならば、マツダに未来はない」
確かに書いている通り、ほかのメーカーと比べてマツダが中国市場に最新車種を持ってくる時期というのは明らかに遅いです。日本では数年前にモデルチェンジしたアクセラを今年になってようやく持ってきたくらいですし、スカイアクティブ搭載車もまだ少ないです。
それにしたって、「日系企業の2流ブランドのマツダは、事の軽重をわきまえているのだろうか」とまで言ってくるとは、まぁ一流でないことは事実だとしてもここまではっきり言ってしまうのかといろんな意味でびっくりです。ただマツダの中国市場戦略は私もいまいち読めないというか方向性がはっきりしていないと感じますし、マツダ関係者はこの記事を金言として今後に役立てるべきだと個人的に思います。
2012年8月13日月曜日
意志の強い人間について
昨日の記事で私は人間の性格なんて言うものは環境によって容易に変わり得ると主張しましたが、その一方で環境に左右されにくい人間もいるのでは、そういう人間は一般的に「意思が強い人」なのではという意見を書きました。今日はここからさらに掘り下げて、意思が強いという人間について考察を書いていきます。
まず意志が強い人間とはどんな人間を指すのかですが、私の中の定義ではどんな場所でも自分の意思を貫き通すというか、あきらめの悪いような人間を指すかと思います。それこそ受験勉強を例にとると目標とする学校に合格するためには膨大な量の勉強時間が必要となると、それを苦にせずきちんと果たすような具合の人間がそれで、逆に理想は高くてもその理想の実現に必要な努力をしようとしない、または途中であきらめてしまうのは「意志薄弱」と言えるでしょう。
またある意味では妥協をしないというか、自分が正しいと思うことを信じ続けて、どんな逆境においてもそれを主張し続けるというのも意志が強いといえるでしょう。これも例を取るなら戦前の山本五十六など、勝てないとわかっている日米戦に対して暗殺予告が来ても主張し続けるようなもので、昨日の南原繁の話じゃないですがこういう人間が当時も今も日本には少ない気がします。どうでもいいですが南原の弟子の丸山眞男はあまり好きじゃないです。
昨日にも書きましたがこうした意思の強い人間は恐らく、現代社会、というかほとんどの時代で爪弾きにあうでしょう。いつの時代、どの国でも直言居士というものは大抵煙たがられるもので、逆に妥協を是とする人間はどの時代、どの集団でもちやほやされるでしょう。またさらに言えば、意志の強い人間が変な方向に理想とか思想を持ってしまうのも非常に問題です。例は悪いですが極左やオウム真理教に走った人間はこの典型で、方向性さえ間違えなければと周囲の人間が言う世にその気真面目さがおかしな方向に行って世の中を悪くさせてしまう結果となりました。
ここまで書いていると意志の強い人間はさも面倒くさそうな人間に見えてきますが、それでも私は意志の強い人間に強い憧れを持つと同時に、そうした人間を明らかに好んでいると言い切れます。私自身はどちらかと言えば意志が弱い方で言いたいことを時たまかみつぶすことがありますが、人間いうべき時は言わないと物事がおかしな方向へ行ってしまうと常々感じます。それこそ空気に支配された集団ほどどうしようもないものはなく、そうした空気に抗する人間というものは一定数は必ず必要だと思います。
なんでこれほど意志の強い人間にこだわるのかですが、もうはっきり書いてしまえばこうした人間をないがしろにしてきたからこそ今の日本の苦境があると思うからです。オリンパスの損失隠しを例にとることなく、日本では問題に対して真正面から取り組もうとする人間がパージされる一方で責任逃れがうまい人間が出世していきます。このオリンパスの問題も外国人社長によって初めて明らかになったことを考えると、これは日本人、というより日本社会が劣っているという風に考えてもいいでしょう。
また古くは山一證券でも、破綻の数ヶ月前にしっかりと対策を取っていれば破綻を免れたと元社員が書いているにつけ、責任逃れこそが山一を破たんさせた最大の原因のように思います。なんかちょっと話がずれてきているように感じますが、真面目に意志の強い人間がもっと世の中に出る必要があると感じつつあることからこうして記事にすることにしました。
まず意志が強い人間とはどんな人間を指すのかですが、私の中の定義ではどんな場所でも自分の意思を貫き通すというか、あきらめの悪いような人間を指すかと思います。それこそ受験勉強を例にとると目標とする学校に合格するためには膨大な量の勉強時間が必要となると、それを苦にせずきちんと果たすような具合の人間がそれで、逆に理想は高くてもその理想の実現に必要な努力をしようとしない、または途中であきらめてしまうのは「意志薄弱」と言えるでしょう。
またある意味では妥協をしないというか、自分が正しいと思うことを信じ続けて、どんな逆境においてもそれを主張し続けるというのも意志が強いといえるでしょう。これも例を取るなら戦前の山本五十六など、勝てないとわかっている日米戦に対して暗殺予告が来ても主張し続けるようなもので、昨日の南原繁の話じゃないですがこういう人間が当時も今も日本には少ない気がします。どうでもいいですが南原の弟子の丸山眞男はあまり好きじゃないです。
昨日にも書きましたがこうした意思の強い人間は恐らく、現代社会、というかほとんどの時代で爪弾きにあうでしょう。いつの時代、どの国でも直言居士というものは大抵煙たがられるもので、逆に妥協を是とする人間はどの時代、どの集団でもちやほやされるでしょう。またさらに言えば、意志の強い人間が変な方向に理想とか思想を持ってしまうのも非常に問題です。例は悪いですが極左やオウム真理教に走った人間はこの典型で、方向性さえ間違えなければと周囲の人間が言う世にその気真面目さがおかしな方向に行って世の中を悪くさせてしまう結果となりました。
ここまで書いていると意志の強い人間はさも面倒くさそうな人間に見えてきますが、それでも私は意志の強い人間に強い憧れを持つと同時に、そうした人間を明らかに好んでいると言い切れます。私自身はどちらかと言えば意志が弱い方で言いたいことを時たまかみつぶすことがありますが、人間いうべき時は言わないと物事がおかしな方向へ行ってしまうと常々感じます。それこそ空気に支配された集団ほどどうしようもないものはなく、そうした空気に抗する人間というものは一定数は必ず必要だと思います。
なんでこれほど意志の強い人間にこだわるのかですが、もうはっきり書いてしまえばこうした人間をないがしろにしてきたからこそ今の日本の苦境があると思うからです。オリンパスの損失隠しを例にとることなく、日本では問題に対して真正面から取り組もうとする人間がパージされる一方で責任逃れがうまい人間が出世していきます。このオリンパスの問題も外国人社長によって初めて明らかになったことを考えると、これは日本人、というより日本社会が劣っているという風に考えてもいいでしょう。
また古くは山一證券でも、破綻の数ヶ月前にしっかりと対策を取っていれば破綻を免れたと元社員が書いているにつけ、責任逃れこそが山一を破たんさせた最大の原因のように思います。なんかちょっと話がずれてきているように感じますが、真面目に意志の強い人間がもっと世の中に出る必要があると感じつつあることからこうして記事にすることにしました。
2012年8月12日日曜日
環境によって性格が変わること
あまり有名ではなく歴史の教科書にもまず乗ることはないでしょうが、戦後直後に東大の総長となった南原繁という人物がおります。この人の業績をいくつか書くと法学部出身で、サンフランシスコ平和条約の際には全面講和を取るべきと主張し、ソ連や中国を含まない多数講和を取った吉田茂に対して激しく批判した人ですが、確か戦後最初の東大入学式で行った講演は当時に大きく取り上げられ、新聞などに全文が掲載されと聞きます。その時の講演の概要ですが大まかに書くと以下の通りになります。
「日本人が何故勝ち目がないにもかかわらず先の大戦(=二次大戦)に入ってしまったのか、それは等しく日本人一人一人が独立した理性を持たず、周囲が開戦の熱気に盛り上がるや自分もその熱気にあてられ勝算や戦う価値を考えることをやめてしまったからである」
文章自体は私が作っておりますが、大まかには日本人一人一人が冷静な思考を持ち続けていればあのような戦争は回避できた、といったようなことを言ったそうです。言われることまさにその通りに感じますし、ややもすると付和雷同しやすいとされる現代日本人にとっても耳の痛い内容に聞こえます。
ただこう言っておきながらも、周囲の状況に抗して自分独自の意思というか個性を守るというのは至難の業だといっていいでしょう。これなんか社会学の代表的な学論で私もよく主張しますが、「人間というのは個性やその性格よりも周囲の環境に定義される」ものだと本気で信じています。
・スタンフォード監獄実験(Wikipedia)
周囲の環境によって性格が決まる、というより性格が変わるという代表的な実験として、上記のスタンフォード監獄実験というものがあります。非常に有名な実験で別名「アイヒマン実験」とも言われますが、この実験では参加者を看守役、囚人約に分けて刑務所に近い設備に入れてそれぞれの役割を演じさせたところ、看守はより看守らしく傲慢で暴力的に、囚人はより囚人らしく卑屈でおどおどするようになっていったそうです。もっともこの実験は禁止されていた暴力すら看守が途中で振るうようになっても主催者がそれを一切止めなかった、情報を完全に隔離するなど(実験中止は危険と見た牧師が参加者家族に伝えて果たされている)実験結果を一般的とするには問題となる要素も少なくないのですが。
ただこのスタンフォード監獄実験ほど極端でなくとも、地位が上がるや急に傲慢な性格になったり、逆に移籍されるや大人しい性格になるなど、就く役職、または組織内の地位や支援者の数によって性格の変動が起こり得ると私の実感では感じます。
では逆に、そうした周囲の環境変動に左右されずに一定の性格を維持できる人間とはどういったものなのでしょうか。それこそ最初の南原繁が言ったような、戦時中でも日本はこの戦争に勝てるわけないといえるような。
言ってしまえばこのような人間は古い言葉でいうと「KY」と呼ばれるような、空気の読めない人間でしょう。ただ昔にも一度書きましたが、日本人は周囲の空気を過剰に読もうとしてそれこそ「空気に飲まれる」人間も少なくありません。そんな中で、というよりもそんな人間が多いからこそ敢えて空気を読まない人間、空気に支配されない人間が一定数いるんじゃないかとこの頃強く感じます。もちろん空気読めない人間ばかりというのもまた問題ですが。
では空気を読まない人間とはどんな人間か、敢えて言い換えるなら「意志の強い」とされる人間がそういうタイプなんじゃないかとにらんでおり、このところ自分の周囲で誰がどんなふうに意思が強いのか観察しています。そういうわけで次回は意思の強さとはどういうことかを簡単にまとめて、具体例をいくつか紹介しようと思います。
「日本人が何故勝ち目がないにもかかわらず先の大戦(=二次大戦)に入ってしまったのか、それは等しく日本人一人一人が独立した理性を持たず、周囲が開戦の熱気に盛り上がるや自分もその熱気にあてられ勝算や戦う価値を考えることをやめてしまったからである」
文章自体は私が作っておりますが、大まかには日本人一人一人が冷静な思考を持ち続けていればあのような戦争は回避できた、といったようなことを言ったそうです。言われることまさにその通りに感じますし、ややもすると付和雷同しやすいとされる現代日本人にとっても耳の痛い内容に聞こえます。
ただこう言っておきながらも、周囲の状況に抗して自分独自の意思というか個性を守るというのは至難の業だといっていいでしょう。これなんか社会学の代表的な学論で私もよく主張しますが、「人間というのは個性やその性格よりも周囲の環境に定義される」ものだと本気で信じています。
・スタンフォード監獄実験(Wikipedia)
周囲の環境によって性格が決まる、というより性格が変わるという代表的な実験として、上記のスタンフォード監獄実験というものがあります。非常に有名な実験で別名「アイヒマン実験」とも言われますが、この実験では参加者を看守役、囚人約に分けて刑務所に近い設備に入れてそれぞれの役割を演じさせたところ、看守はより看守らしく傲慢で暴力的に、囚人はより囚人らしく卑屈でおどおどするようになっていったそうです。もっともこの実験は禁止されていた暴力すら看守が途中で振るうようになっても主催者がそれを一切止めなかった、情報を完全に隔離するなど(実験中止は危険と見た牧師が参加者家族に伝えて果たされている)実験結果を一般的とするには問題となる要素も少なくないのですが。
ただこのスタンフォード監獄実験ほど極端でなくとも、地位が上がるや急に傲慢な性格になったり、逆に移籍されるや大人しい性格になるなど、就く役職、または組織内の地位や支援者の数によって性格の変動が起こり得ると私の実感では感じます。
では逆に、そうした周囲の環境変動に左右されずに一定の性格を維持できる人間とはどういったものなのでしょうか。それこそ最初の南原繁が言ったような、戦時中でも日本はこの戦争に勝てるわけないといえるような。
言ってしまえばこのような人間は古い言葉でいうと「KY」と呼ばれるような、空気の読めない人間でしょう。ただ昔にも一度書きましたが、日本人は周囲の空気を過剰に読もうとしてそれこそ「空気に飲まれる」人間も少なくありません。そんな中で、というよりもそんな人間が多いからこそ敢えて空気を読まない人間、空気に支配されない人間が一定数いるんじゃないかとこの頃強く感じます。もちろん空気読めない人間ばかりというのもまた問題ですが。
では空気を読まない人間とはどんな人間か、敢えて言い換えるなら「意志の強い」とされる人間がそういうタイプなんじゃないかとにらんでおり、このところ自分の周囲で誰がどんなふうに意思が強いのか観察しています。そういうわけで次回は意思の強さとはどういうことかを簡単にまとめて、具体例をいくつか紹介しようと思います。
2012年8月8日水曜日
中国とロシアの関係
本日の上海市は台風直撃のため、飛行機が全便欠航になるわ各所で大混乱が続いています。自分の会社も午後4時で撤退を決めてその後は自宅で作業をしましたが、雨はともかく事務所周りでも並木が倒れるほど風が強く、話に聞く限りだと高層ビルが林立している浦東地区ではビル自体が風邪で大きく揺れ続けたために立ち入り禁止になったそうです。それにしても上の新華社の写真はいいシャッターチャンスをものにしている。
そろそろ本題に入りますが、ちょっと久々に専門だと自認している国際政治の話を書きたいので、中国ロシアの関係について書こうと思います。まず結論から言うと中国のロシアに対する恐怖心というものは現在も相当なもので、トラウマと言ってもいいレベルにあると私は見ています。
・中ソ対立(Wikipedia)
中華人民共和国が設立して以降の中ソ関係をてっとり早く確認してもらうには上記のウィキペディアのサイトが一番ですが、ここで書かれている内容を簡単に説明します。
まず中国の設立当初、中ソは同じ共産主義国家として非常に仲が良かったです。単純に毛沢東とスターリンがぎゃくさ…をためらわずにお互い実行するなど馬が合ったというか、この蜜月自体にはソ連から核兵器など様々な分野にわたって技術供与を中国は受けています。なお余談ですが、自分が北京に留学した際に最初に入った学生寮は、この蜜月時代にソ連の技術者が建てた寮でした。
そんな蜜月時代が暗転したのはスターリンの死後にフルシチョフが立ち、かの有名な「スターリン批判」をしてからでした。現代においてはこのスターリン批判は至極まともな内容でまさにその通りとお墨を付けてもいい内容ですが、当時の全世界の社会主義者にとってはどうもイデオロギーの転換というか路線変換に移ったらしく、ちょっと想像しづらいですが相当にショッキングな内容だったそうです。これは中国にとってもそうで、米国との親和路線(雪解け=デタント)をフルシチョフが取ろうとしたことも相まって公にも激しい批判を毛沢東が繰り返すようになり関係が険悪化していきました。
その後、これは私の想像ですが中国が1965年から文化大革命に入るとイデオロギーというか思想に対する意識が極大化したこともあって、もし戦争になったらどうなるのかなど関係悪化に伴うデメリットなど一切考慮せず、「ソ連憎し」みたいな感情が中国で広まったのだと思います。もうこのころになると国交は断絶状態に近いのですが、1969年にダマンスキー島事件という中ソの国境紛争がおこるなど、実際に火花も飛んでおります。更にソ連はアメリカに対して「中国を攻撃したらどうする?」と非公式に打診するわ(そしてそれをばらすアメリカ)、また機関紙でも中国への核攻撃を示唆するなどかなり強気な態度を取るようになっていきます。
こうしたソ連の態度に中国側も恐怖心を抱いた結果、敵の敵は味方とばかりにアメリカとの国交回復に至ることとなりました。考えてみれば非常におかしな話ですが、元々フルシチョフの親米路線から対立が始まったのにアメリカと手を組むなんて、このころには目が覚めたというか昔みたいにイデオロギーだけじゃやってけないと毛沢東も考えたのかもしれません。
なお断言しますが仮にこの時期にソ連が中国に対して戦争を起こしていたら、文化大革命で大混乱していた時期なだけに赤子の手をひねるように簡単に叩き潰せたでしょう。当時はアメリカもベトナムにかかりっぱなしで中国を助けることもできなかったでしょうに。仮にそうなってたらという設定で大友克洋氏作画で「気分はもう戦争」が書かれていますが、この本は自分も読みましたけど内容はちょっと……というものでした。
話は戻って中ソ関係ですが、米国の後ろ盾を得たことで中国のソ連に対する軍事的脅威は一時緩和します。またその後に中国が改革開放路線に転じ関係改善を図るようになり、ソ連側もゴルバチョフのペレストロイカに入ったことによって現在のように普通の国交関係を維持するまでに回復します。
ただここで現在の話に入りますがこのところの中国の新聞を見ていて非常に気になる点として、日本の北方領土問題に対して異常に大きな扱いで取り上げられていることが多いです。それこそこれまでの経緯から今後の展望に対する解説、果てにはキーマンとなる日本の政治家の個人名など事細かに1ページ丸ごと書いていることも珍しくなく、まるで自国の領土問題化の様な扱いです。内容に関しては中立を保ってはいますが、「ここで日本が譲歩すればロシアの拡大路線が強まる」などと書くなど、どちらかと言えばロシアへの警戒感が強くにじみ出た内容である印象を受けます。
一体何故中国はここまでロシアに警戒するかですが、日本と違って陸続きであることも大きいでしょうが、歴史的にも油断のならない国だと認識しているのだと思います。世界史を学んでいる方には早いですが、過去にロシアはプラハの春やアフガン侵攻を筆頭に、傍若無人さでは中国にも負けないことを平気で何度もやっております。それだけに日本に対しては尖閣問題などでがみがみ言い合える関係だけれども、ロシアに対しては強く言ったらなにをしてくるかわからないというような、潜在的な恐怖感があるように感じます。
上記を踏まえた上で私が感じる点として、日本は中国との衝突に対する後ろ盾をアメリカに期待する人が多いですが、これにロシアを組み込んだらどうなるのかとたまに考えます。もっとも二次大戦時には平気で約束破られて北方領土を奪われたのですから、あまり期待してはいけないのですが。
2012年8月7日火曜日
消費税増税法案を巡る攻防
昨日は用事があったため午後6時台というかなり早い時間に帰ってきましたが、突然感染した夏風邪の影響から何もできず寝込んでいました。今日も本音では会社休みたかったけど、マジで病欠を認めてくれないところなので吐きそうになりながら出社して勤務を終えました。食欲ないから今日の晩御飯はバナナだけだし……。
ただ今日の夕方位からちょっと持ち直して来ているので、明日には全快するでしょう。そんなわけで今日もブログを書いているわけですが、ようやく政治関連で動きが出てきているので個人的に好きな内容を書くことが出来ます。ここだけの話、見てる側はつまんないだろうけど政治系記事はすぐ書き終ります。
・増税法案あす採決を自民容認=与党、不信任協力して否決(時事通信)
当初は消費税増税法案可決後の解散を確約しない限りは三党合意破棄も辞さない姿勢を見せていた自民党ですが、ここにきて方針転換し、無条件で参議院での採決で賛成に回ることを決めたようです。私の意見を言うと、まぁ正解な対応だと思います。
前回の記事でも書いていますが、確かに民主党が分裂した上に政権基盤が弱まっている野田首相を攻める上では今がこの上ないタイミングでしょう。ただ一旦増税に賛成しておきながら後になって党利党略でひっくり返すという手段は恐らくあまり政治に興味のない人たちにとっても変な行動に見え、実行していたら今の民主党以上の反発を受けることになったでしょう。もっともそれを言ったら、初めから解散を迫るために三党合意破棄をちらつかせなければベストだったのでしょうが。
何はともあれこのままいけば、明日の野田内閣不信任決議も否決されて増税法案も可決といたるでしょう。私としては消費税増税はあと十年早ければと思えてならないのですが、ギリシャを笑ってられないのだし、これ以上遅れるよりはまだいいといったところでしょう。ただこうなると気になるのは解散の時期です。一応今の民主党の任期は来年までありますが、以前にも書いたように今上天皇の体調がすぐれないことから、可能ならば年内にやっておいた方がいいのではというのはという気がしてなりません。時期としてはやはり年末がいいですが、野田内閣が来年度予算の編成に取りかかったところを見るとどうもこのまま粘って寄り倒すつもりなんじゃないかと思います。
それにしても愚痴になりますが、もうすこしまともな政治家、というより政治家志望の人間はいないものかとつくづく思います。維新の会にしろ減税日本にしろ、一部の人間かもしれませんが真面目に資質を疑う人間もおり、一体どういう基準で人選しているんだと言いたくなってきます。地方議員に至っては政治屋が大半だし。愚痴っても始まりませんが、次回選挙の際にはまともな議員が出てくることを切に祈ります。比例制をなくせばいいだけでしょうが。
ただ今日の夕方位からちょっと持ち直して来ているので、明日には全快するでしょう。そんなわけで今日もブログを書いているわけですが、ようやく政治関連で動きが出てきているので個人的に好きな内容を書くことが出来ます。ここだけの話、見てる側はつまんないだろうけど政治系記事はすぐ書き終ります。
・増税法案あす採決を自民容認=与党、不信任協力して否決(時事通信)
当初は消費税増税法案可決後の解散を確約しない限りは三党合意破棄も辞さない姿勢を見せていた自民党ですが、ここにきて方針転換し、無条件で参議院での採決で賛成に回ることを決めたようです。私の意見を言うと、まぁ正解な対応だと思います。
前回の記事でも書いていますが、確かに民主党が分裂した上に政権基盤が弱まっている野田首相を攻める上では今がこの上ないタイミングでしょう。ただ一旦増税に賛成しておきながら後になって党利党略でひっくり返すという手段は恐らくあまり政治に興味のない人たちにとっても変な行動に見え、実行していたら今の民主党以上の反発を受けることになったでしょう。もっともそれを言ったら、初めから解散を迫るために三党合意破棄をちらつかせなければベストだったのでしょうが。
何はともあれこのままいけば、明日の野田内閣不信任決議も否決されて増税法案も可決といたるでしょう。私としては消費税増税はあと十年早ければと思えてならないのですが、ギリシャを笑ってられないのだし、これ以上遅れるよりはまだいいといったところでしょう。ただこうなると気になるのは解散の時期です。一応今の民主党の任期は来年までありますが、以前にも書いたように今上天皇の体調がすぐれないことから、可能ならば年内にやっておいた方がいいのではというのはという気がしてなりません。時期としてはやはり年末がいいですが、野田内閣が来年度予算の編成に取りかかったところを見るとどうもこのまま粘って寄り倒すつもりなんじゃないかと思います。
それにしても愚痴になりますが、もうすこしまともな政治家、というより政治家志望の人間はいないものかとつくづく思います。維新の会にしろ減税日本にしろ、一部の人間かもしれませんが真面目に資質を疑う人間もおり、一体どういう基準で人選しているんだと言いたくなってきます。地方議員に至っては政治屋が大半だし。愚痴っても始まりませんが、次回選挙の際にはまともな議員が出てくることを切に祈ります。比例制をなくせばいいだけでしょうが。
2012年8月5日日曜日
野田内閣不信任案について
本日、ハマコーこと浜田幸一元議員が死去したというニュースが流れました。なんかこの人はいい意味で殺しても死ななそうな人間だっただけに、この突然の訃報はなんかほかの人とは一味違うような感じがします。何はともあれ、ご冥福をお祈りします。
話は変わって今国会における最大の山場こと消費税増税法案議論ですが、自民党を中心とする野党が野田内閣と結んだ三党合意を破棄し、逆に内閣不信任案を突きつけて止めを刺そうかと動いているようです。こうした野党の動きに対して野田内閣はあくまで三党合意を遵守するよう呼びかけていますが、特になにか新条件を出すわけでもないし正当性を訴えるわけでもないので私から見てもあまり説得力はない気がします。仮にこうした呼びかけを野党全体にではなく、やや立場がふらついている公明党に集中して呼びかけるというのであればまだ面白いのですが。
もっとも説得力がないと言いつつも、私個人としては消費税増税に賛成であるためにこのまま参議院でも十てもらいたいのが本音です。ただ自民党の側からすると確かに政局的には今が追い詰める絶好のチャンスであり、また法案成立後に解散することを確約させる譲歩を引き出す上でも重要な局面でしょう。
しかし仮にこのまま何も進展がなく三党合意を破棄し、消費税増税法案が流れたとしたら逆に自民党の立場が悪くなることも有り得ます。もしかしたら私だけかもしれませんがもしそうなった場合、消費税増税を煽っておきながらそれをフイにしたことで次回選挙時に「増税に反対した」、「増税を食い止めた」という宣伝文句がうすら寒くなり、むしろ党利党略を優先し過ぎて停滞を招いたと批判される恐れがあります。そんなわけだから仮に三党合意を無視して参院で否決されても、残り国会会期を考えれば衆議院に戻っても時間切れによって自動成立することは間違いないでしょうが、野田首相は敢えてここで解散に打って出てみると面白いかもしれません。もっともそんな大それたことをする度胸があったのは小泉元首相くらいでしょうが。
ここで少し話をまとめると、今自民党が何よりもほしいのは解散だけです。民主党が不人気で分裂しているので解散に持ち込むだけで漁夫の利が得られるからです。しかし今の自民党は政権を奪回したところで何をするのか、はっきり言ってビジョンも何もなく、下野する前と比べればあまりにも地力が落ちた状態と言わざるを得ません。
じゃあ今度はどこが来るのか、橋本大阪市長が率いる維新の会が来るのかなどという人もいるかもしれませんがこれには私は否定的です。別に維新の会が悪いとかそういうものじゃなく、友人曰く「あそこはスポンサーがいない」ということから、選挙を戦うことが出来ない上にこの前当て逃げした人みたいにやや烏合の衆しか集まっていない節があります。せいぜい橋本市長が国会議員になるだけで終わるでしょう。
まぁこんな感じで、多分次回選挙後も日本は混乱が続くことになるでしょう。そのころには自分も日本にいるかどうかわかりませんが、少しでも良くできるように何かできればとは思います。
話は変わって今国会における最大の山場こと消費税増税法案議論ですが、自民党を中心とする野党が野田内閣と結んだ三党合意を破棄し、逆に内閣不信任案を突きつけて止めを刺そうかと動いているようです。こうした野党の動きに対して野田内閣はあくまで三党合意を遵守するよう呼びかけていますが、特になにか新条件を出すわけでもないし正当性を訴えるわけでもないので私から見てもあまり説得力はない気がします。仮にこうした呼びかけを野党全体にではなく、やや立場がふらついている公明党に集中して呼びかけるというのであればまだ面白いのですが。
もっとも説得力がないと言いつつも、私個人としては消費税増税に賛成であるためにこのまま参議院でも十てもらいたいのが本音です。ただ自民党の側からすると確かに政局的には今が追い詰める絶好のチャンスであり、また法案成立後に解散することを確約させる譲歩を引き出す上でも重要な局面でしょう。
しかし仮にこのまま何も進展がなく三党合意を破棄し、消費税増税法案が流れたとしたら逆に自民党の立場が悪くなることも有り得ます。もしかしたら私だけかもしれませんがもしそうなった場合、消費税増税を煽っておきながらそれをフイにしたことで次回選挙時に「増税に反対した」、「増税を食い止めた」という宣伝文句がうすら寒くなり、むしろ党利党略を優先し過ぎて停滞を招いたと批判される恐れがあります。そんなわけだから仮に三党合意を無視して参院で否決されても、残り国会会期を考えれば衆議院に戻っても時間切れによって自動成立することは間違いないでしょうが、野田首相は敢えてここで解散に打って出てみると面白いかもしれません。もっともそんな大それたことをする度胸があったのは小泉元首相くらいでしょうが。
ここで少し話をまとめると、今自民党が何よりもほしいのは解散だけです。民主党が不人気で分裂しているので解散に持ち込むだけで漁夫の利が得られるからです。しかし今の自民党は政権を奪回したところで何をするのか、はっきり言ってビジョンも何もなく、下野する前と比べればあまりにも地力が落ちた状態と言わざるを得ません。
じゃあ今度はどこが来るのか、橋本大阪市長が率いる維新の会が来るのかなどという人もいるかもしれませんがこれには私は否定的です。別に維新の会が悪いとかそういうものじゃなく、友人曰く「あそこはスポンサーがいない」ということから、選挙を戦うことが出来ない上にこの前当て逃げした人みたいにやや烏合の衆しか集まっていない節があります。せいぜい橋本市長が国会議員になるだけで終わるでしょう。
まぁこんな感じで、多分次回選挙後も日本は混乱が続くことになるでしょう。そのころには自分も日本にいるかどうかわかりませんが、少しでも良くできるように何かできればとは思います。
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