ページ

2012年9月5日水曜日

天一坊事件

 知っている人には今更感もあるネタでしょうが、恐らく知らない人が多いと思うのでちょっと紹介します。

天一坊事件(Wikipedia)

 時は享保年間(1728年)、徳川将軍のうち最大の名君とも呼ばれる徳川吉宗の時代です。事の起こりは関東郡代である伊奈忠逵の屋敷に浪人の本多儀左衛門が訪ねてきたことから始まります。本田儀左衛門によると、南品川宿に天一坊という山伏がおり、近々大名に取り立てられるといって浪人を集めているといい、しかもその天一坊は将軍のご落胤、つまり吉宗の隠し子だと自称しているとのことでした。

 報告を受けた伊奈忠逵は直ちに上司へ報告し、最終的には老中を経由して吉宗自身が報告を受けることとなりました。吉宗自身も昔やんちゃをしていた覚えがあったのかすぐさま関係者をひっとらえることはせず、慎重に捜査を進ませた上で様子を見ることとしました。そうして最初の報告から半年以上を過ぎた頃、天一坊を含めその取り巻きを幕府は一斉に逮捕しました。
 ひっ捕らえられた天一坊は自分の素性について、「母は昔、紀州(吉宗の出身地)のお城に奉公していたが自分を妊娠して郷里に帰った。14歳の頃に死んだ母は『吉』という字を大事にするように言っており、死んだ叔父も近々、公儀から連絡が来るだろうと言っていたことから吉宗の落胤だと信じるようになった」と、なんていうか見ていて痛々しい言い訳をしたそうです。

 ただこういう一方で、自身が集めたろう人に対しては既に吉宗との対面はすんでいるとか、公儀にも加わっているなどとホラ話を吹いていたことが調査で分かり、幕府側も確信犯だったと判断して天一坊はそのまま打ち首となりました。天一坊に騙された浪人らは江戸から追放され、また検挙のきっかけとなった本田儀左衛門に対しては銀5枚の褒美(ちょっと少ないような)が下賜されたそうです。

 なんでこの事件をこうして取り上げようかと思ったのかというと、いつの時代も同じような詐欺をする人間がいるものだということが言いたかったということに尽きます。特に日本人は本人らはあまり意識していませんが地味に名家の血筋というブランドが大好きで、最近でも有栖川宮詐称事件が起こっており、なんていうか悪は絶えないなぁという気がします。
 なお自分は祖母が平家の隠れ里(鹿児島県菱刈町)出身であることから源氏か平氏かと聞かれたら平氏だと答えるようにしております。そもそもこういう質問自体されることなんてありませんが、こうして想定問答を用意しているあたり自分も日本人だから血筋を意識しているのかもしれません。

威力業務妨害に対する厳罰化の提案

悠仁さまを「襲撃」 脅迫メールを送った28歳男逮捕 警視庁(産経新聞)

 別に私は皇室オタクではありませんが、上記のニュースには思わず眉をしかめました。事件内容を簡単に説明すると悠仁様が通っているお茶の水女子大学付属幼稚園に対し、28歳の無職透明男が園児を襲撃すると脅迫するメールを送り、威力業務妨害で逮捕されたとのことです。この事件で何に腹が立つかというと、悠仁様はこの際置いといて、園児という非常に弱い存在に対する脅迫ということに加え、こんなどうしようもない奴に警備対策など幼稚園側がいろいろ煩わされたという二点で頭に来ます。
 何もこの事件に限らず、このところ大津市の例の中学校を始め、爆破するとか襲撃するといった内容の電話、メールといった脅迫事件が相次いで報じられております。たとえいたずらだとわかってはいても、かつての三菱重工ビル爆破事件のように予告を無視した結果、数多くの被害者を出すことになったことを考えると脅迫された側は万が一に備えて対応せざるを得ないのが現状でしょう。

 しかしこういった脅迫ですが、非常に手軽に行える一方でその被害は非常に深刻です。過去に見たものだと入学式会場が脅迫されたことによって一生の思い出となる入学式自体が中止となったこともあり、またイベントなどでは主催業者に限らず仕出し業者や什器搬送会社などが莫大な損害を被ることとなります。
 こうした脅迫が何故横行するのかと言えば、繰り返しになりますが単純に手段があまりにも手軽であることに尽きると思います。メールや電話を使うことでわずか数分であっさり実行できてしまい、しかも強盗などと違って体を動かす必要もない。もっともその分、脅迫をを犯した所で実行者は金銭などを得ることは全くないのですが、それだけに愉快犯、というよりも暇人がどうもこうした犯罪を犯す傾向が多い気がします。

 何も脅迫に限るわけじゃないですが犯罪というのは少ないに越したことはなく、こうした脅迫を減らすためには何が一番効果的となると私個人としてはやはり厳罰化が一番手っ取り早い気がします。先程これら威力業務妨害に対する刑罰はウィキペディアでパパッと調べたところ「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」らしく、初犯では執行猶予が恐らくつくことを考えると犯罪を思いとどまらせるにはちょっとパンチが足りないかと思われます。
 ではどの程度まで引き上げればいいのか、一つの提案としては罰金額を大幅に引き上げる、それこそ100万円以上にこの際した方がいいと思います。更にもう一歩踏み込むのであれば、罰金として徴収したお金をその強迫によって被害を受けた人や団体に直接支払える仕組みを作れるのなら作ってみるのも一考かと思います。というのもこうした犯罪でどれだけ被害をこうむっても、被害者は犯人を自ら民事訴訟で訴えない限り被害額の賠償金を受け取ることが出来ないからです。民事訴訟を起こすと一言で言っても弁護士を雇って難解な法律を調べ、挙句に裁判に出廷してあれこれ陳述しないといけないとなると非常に負担が大きく、しかも犯人に支払い能力がなかったら泣き寝入りするしかないという現実もあります。

 こうした手間を考えるにつけ、この脅迫に限らず犯罪被害者への補償は刑事罰として徴収する罰金で直接対処してしまった方が効率的ではないかと思えます。また被害額の分だけ罰金額が取られるという仕組みができ認知が広がることによって、都合のいい考えかもしれませんがでかいことをしたらでっかく返ってくると思わせある程度思いとどまらせることが出来るかもしれません。どちらにしろ、これほど自分勝手な犯罪はそうそうないので、撲滅とまでいかないまでも減らせるようにもっと厳しく罰してほしいのが今日の私の意見です。

2012年9月3日月曜日

月々の生活費(;´Д`)

 今日はちょっと真面目で書き応えのある社会ネタを用意していたのですが、ふと思い立った行動から別の内容を書きます。
 本日ふと、日本の口座貯金額がどれくらいあるのかと気になりました。早速三菱東京UFJダイレクトを使って預金額を確認しましたが、7月に生命保険の年払いがあったことを忘れていたため、ちょっと激しく動揺するくらいに減少してました。今すぐ首が回らなくなるというほどではなく以前からも予想はしていた額ではあるのですが、改めて口座の額面を見るとハッサンにせいけんづき喰らわされたかのように地味にダメージがでかいです。

 ここでやめとけばいいのにまた、「そもそも中国での生活費とか預金の伸びはどんなもんだろう」とまた余計なこと思いつき、これまでの収支を全部エクセルに入力して社会学仕込みの分析を行いました。その結果、家賃や保険代を除いた月々の生活費は2678.5元、日本円にして約32000円強であることがわかりました。
 生活費に関してはこれまでも一応、毎月食費は1000元程度、交際費などは2000元程度で合計3000元以下に抑えることを目標として掲げてきてはおりました。今回の分析結果からするときちんとその目標を達成しているのですが、冷静に考えるとなんで日本より物価の安い中国で毎月3万2000円も使ってるんだよと思えてきて、やっぱ限度額のラインを2000元に設定すべきだったかとやけに後悔しています。

 なお家賃代はこれまでが毎月3000元、保険代は年間6800元でこればっかはもうほんとどうしようもない必要経費ですが、家賃に関して言えば先月引っ越したのでこれからは毎月3200元にアップします。引っ越したと言っても同じサービスアパートメント内の別の部屋で、そもそも引っ越しの理由も前のオーナーが、「そろそろその部屋売るから出てって」というもので、先月はこの引っ越し関係で膨大な出費を迫られることとなりました。
 具体的に挙げていくと、新しい部屋の大家への初期費用として敷金+2か月分家賃前払いで9600元、不動産屋への仲介料として1000元、引っ越しを手伝わせた会社の後輩へのお礼を込めた昼食代178元、同じく晩御飯代112元(両方とも自分が食べた分も含まれるが)と、金額を事細かに覚えてるくらい多分納得いってないんでしょう。唯一の救いは前の部屋の大家が電気代を差っ引いた分の敷金と既に支払っている家賃を日割りで計算し、残り日数分をきちんと返却してくれた点で、事前の想定額以上の金額が返ってきました。これで今週末に日本に一時帰国してもある程度気にせず使えるとか思ってたら、保険会社から「次回3か月分の保険代1700元払ってください」という通知が来て、儚い夢と消えました。

 それにしてもお金の計算は気合や根性ではどうにもならない分、処理していていろいろ気苦労が多いです。なるべく予想は悲観的に立てているつもりですが、ちょっと預金額の増加率が想定を下回っているのでなかなかヘビーです。減っているわけではないものの、こういう時に最終的な帳尻を合わせるため想定ラインを引き下げるか、今後の支出を減らすかで人間2パターンに分かれる気がします。自分は間違いなく後者で、差し当たって外でコーヒー飲むのは今後控えようと思います。

2012年9月2日日曜日

自民、民主の総裁選について

 ある意味締めともいえる問責決議案が出たことによって国会での論戦は落ち着き、政治に関する話題の中心も自民、民主それぞれの総裁選へと移ってきております。特に自民党では早くも有力候補者が続々と出てきていることから、こちらとしても解説のし甲斐がある状況となりつつあります。

 まず現総裁の谷垣氏についてですが、普通に考えれば前回の参議院選も大勝しているのだし実績的には留任のはずですが、下馬評では再選は難しいと見られており私も多分負けると思っております。私自身もこれまでに何度も酷評しておりますが谷垣氏にはどうも政治家としてのセンスが全く感じられません。何か堅持している政策があるわけでもなく答弁を聞いてても政策に詳しいとも思えず、かといって敵失につけ込んで批判するという能力があるわけでもありません。それにこれまでの経緯を考えれば、仮に自民党の総裁がもうちょっとマシな人だったら既に民主党を解散に追い込んでいるとも思え、この前の問責決議案賛成も案の定というか身内からも批判されている始末なので多分支持する勢力なんていないでしょう。まぁそれを言ってしまえば、3年前の時点で自民党の議員はこの人を総裁に担ぎ上げるべきではなかったとも言えますが。

 では次は誰になるのかですが、現時点の有力候補とくればやはり安倍元総理が来るでしょう。ただ安倍元総理に関しても谷垣氏よりはマシとは言え私の中の評価は芳しくなく、出来ることならもうちょっと別の人に来てもらいたいというのが本音です。具体的に安倍総理のどの点を評価していないのかというと、確かに理念など政策方針は一貫しているところは高く評価できますが、これは理想の高い人物に共通して言えますがその理想を如何に実現するかという過程をあまり考えないところがあり、実行力に欠ける面がこの人にはあると思います。
 このまま黙ってコメント欄で突込みが来るのを待って一気に書き並べてもいいですがちょっと意地悪な気がするので先に釘さしとくと、確かに安倍政権時代は教育基本法改正など重要法案をいくつも可決させておりますが、それはあの時の議席状況が衆参共に自民党が安定多数を確保していた上、衆議院に至っては小泉元首相の遺産こと三分の二以上の議席があったからできたと断言できます。仮に今のねじれ国会の状況では当時の様な手法が通じるわけがなく、一回お手並みを見ているだけに、安倍元総理が総裁になって自民党が与党になっても途中で行き詰ることになるでしょう。

 このほか挙がっている候補だと石破元防衛庁長官や石原幹事長がおりますが、石破氏は政治家として高く評価はしておりますが総理よりも国務大臣が向いている気がし、石原氏に至っては谷垣氏と同レベルと見ております。あともう一人、安倍氏と同じ森派から町村元官房長官が立候補に意欲を示しておりますが、こう言ってはなんですが自民の議員は誰か止めてあげろよと言いたいです。そもそも町村氏はほかの候補と違い前回の衆議院選挙で落選し、比例復活を果たした議員です。多分次の選挙では普通に小選挙区でも当選するでしょうが、比例で復活当選した議員を総裁、ある意味では首相候補にするというのはいくら何でも民主主義を馬鹿にしているんじゃないかと言いたいです。もしこれが通るのであれば、国民から全く支持されていなくても比例でなんちゃって当選した人間が総理やってもいいことに繋がりかねず、日本政治史に汚点を残すことになるでしょう。これならまだ参議院議員が総理になる方がマシです。

 以上の様な観点から言えば、やはり自民党はタレント不足という一言に尽きます。ここで名前を挙げた人物はそもそも5年前から総裁候補と言われていた人物とほとんど同じで、人材の新陳代謝が全く起こっていないという証拠です。
 一方、民主党は自民同様にタレント不足のきらいはありますが、こっちは野田首相が続投する可能性が高く自民よりは権力構造が安定しているでしょう。ほかに民主党総裁の有力候補を挙げるとしたら前原氏や岡田氏が挙がってきますが両氏とも野田首相支持で固まっており、これまでの党内野党こと抵抗勢力の親玉だった小沢は既に出ていっており、そこそこ力があって反野田を掲げているのは鳩山由紀夫元首相くらいです。また先日に一部の民主議員が田中眞紀子氏を候補に上げてくるという報道がありましたが、十年前ならいざ知らず今の田中氏では神通力も通じるわけはなく、マスコミだけが大きく取り扱って敗北することになるとみています。

 総じていえば民主党が小沢を追い出したことで党内がカチッと固まってきたのに対し、自民党は総裁選含みで分裂とはいかないまでも不安定な状態が続くことになり、後々の政局に影響を及ぼすかもしれません。それにしても野田首相は就任した際ははっきり言って「誰この人?」って私も思いましたが、中国の新聞にも「自称ドジョウ」と書かれているだけあって近年の首相と比べてタフであるのと、まだ方針が見えてくる人で私の中の評価もうなぎ上りです。恐らく次の総選挙ではよほどのことがない限り民主党は大敗して野田首相も下りることとなるでしょうが、次の首相候補にこれという人物がいない分、時間が経つにつれ野田首相の評価は高まるんじゃないかと考えております。

 それにしても今日のこの記事はウィキペディアもニュース記事も全く見ずに一気に書きましたが、故水野晴郎じゃないですが「政治って本当にいいものですねぇ」と言いたくなってきます。私なんか単純に娯楽として見れるくらい書いたり考えたりするだけで楽しいのですが、昔友人にも「絶対お前仕事間違えてるよ(当時ガス屋)」と言われましたが、なんだか最近そんな気がしてきます。

 ついでに書いておくと、水野晴郎つながりで最近のテレビの映画ロードショーでは昔みたいに解説がないのが地味に寂しいです。淀川長治さんの解説など当時はあまり意識しませんでしたが今思い出すとやっぱあった方がいいように思え、お笑い芸人のウッチャンなんか映画に詳しいんだから「笑う犬の冒険」でやっていたミル姉の時みたいにまた解説やってくれないかな。あの衣装で日曜洋画劇場に出てきたらある意味すごいが。

2012年8月31日金曜日

ゲームレビュー「ファイナルファンタジータクティクス」

 最近また固い話ばかり続いているので趣味の話でもしようと思い、恐らく友人も待望していることから「ファイナルファンタジータクティクス」について一筆書きます。

ファイナルファンタジータクティクス(Wikipedia)

 このゲームは初登場時の天津飯くらいにゲームソフト会社のスクウェアのブランドイメージが最も高かったころに発売されたとあって、国内販売本数はシミュレーションゲームとしては現在においても最高を記録しております。これほどまでに売れた理由はやはりゲームブランドとしては恐らく最大級の「ファイナルファンタジー」の名をタイトルに関していることが大きいでしょうが、ゲーム内容も高く評価されており、名実揃った内容であったことがヒットの要因でしょう。

 ではそんなこのゲーム一体どんなゲームかというと一言で言えば、「家畜に神はいない!」といったところでしょうか。このセリフはゲーム中にとある人物が叫ぶセリフなのですが、その殺伐ぶり、切り捨てぶりがプレイヤーによって高く評価されこの前もネットの掲示板で、「クレーマーにお客様は神様だろと言われたらどう切り返す」という問いに対し、「社畜に神はいない!」という書き込みをした人がおりました。現にこのゲームをやっている人間なら誰もが覚えていると言っていいセリフで、関係ないところでつぶやき相手の反応を見るだけでプレイしているかしてないかがわかるくらいです。

 簡単なストーリー内容を説明すると、中世ヨーロッパ、というか百年戦争とその後に起こった英王室の薔薇戦争をモデルにしたファンタジーなのですが、途中からは化け物に返信する人が出てきたりと私自身も非常に面白いと感じるストーリーとなっております。特に私に勧めてきた友人なんか、「これをやれば花園君もキリスト教を信じなくなる」と言ってくるくらいで、いわゆる教会こと宗教勢力の陰謀と暗躍が話の柱になっています。
 私は大学時代にその友人から借りることで一度プレイしましたが、ゲームの攻略が非常に難しい上にいまいち乗り気になれず一旦は放棄してしまいました。しかしその後、プレイステーションアーカイブスでダウンロード販売していることを知り、友人もいまだに勧めてくるもんだから思い切って買って今度はきちんとやり遂げました。

 エンディングを見終わった後の感想としてはストーリーに関しては言うに及ばず、というか非常に殺伐とした内容で知人などは「救いが全くない」というほどのハードコアな締め方で私も好感を持ちました。一方、ゲームシステムに関してはキャラクターをどう育てるか、どんな戦術で相手を倒すのかなどやりこみようがあって良くできていると思うものの、ストーリーを進める上で雑魚敵とのレベルアップが多くの場面で必要になり、しかもそれが長くかかるというのがやってて何とも苦痛でした。しかも後半にパーティに加入してくるメンバーに至ってはドラクエ6のドランゴ引換券ことテリーと同じく、全く能力が育っていないことから使おうにも使えないという扱いで、この辺はもう少し気を使ってくれてもいいんじゃないかと思いました。

 このほか特に書くことはありませんが現代のRPGと比べて、90年代のゲームはストーリー構成がしっかりしているという印象を受けました。今に始まるわけじゃありませんが、RPGに必要なのはCGではなく洗練されたストーリーであるということだとつくづく思います。なおストーリーのいいRPGとなると私なら、「ヘラクレスの栄光3」と「クロノトリガー」、あとスケールの大きさなら「真・女神転生2」といったところを挙げます。


2012年8月30日木曜日

戦時中に日本が犯した人体実験

 誠に恥ずかしいながら、今年の終戦記念日に載せられたニュース記事を見て初めて下記の事件の内容を知りました。

九州大学生体解剖事件(Wikipedia)

 事件の概要を簡単に説明すると、1945年5月に日本を爆撃するため九州に飛んできた米軍のB-29が日本側によって撃墜され、搭乗員の米国兵士12名が捕虜となりました。この捕虜の扱いに困った日本軍は九州大学の医学部教授らの提案に従い、12名のうち8名を生体解剖、いわば人体実験に使用することで殺害しました。
 生体解剖するに当たって麻酔などが使用されたかどうかは定かではありませんが、結局のところ実験大将となった捕虜らは生きて帰るなく全員死亡しました。戦後にGHQがこの時の捕虜の処遇を調査したことによって初めて事実が明らかとなり関係者らが一斉に逮捕されましたが、首謀者の一人である石山福二郎教授は獄中自殺したことから、周辺関係者5人に絞首刑が判決され、そのほか立ち会った医師ら18人が有罪判決を受けることとなりました。ただ判決後に朝鮮戦争が勃発したことから、対日感情を考慮した米軍によって絞首刑判決者は獄中自殺した1名を除くすべて恩赦を受け後に出所しています。

 この事件の矛盾点は関係者も手記に記してありますが、本来人の命を守るべき医師が実験と称して奪う側に回ったということです。殺害された米兵らは健康診断を受けるものと思っていたらしいですが、非常にむごたらしい結果となったというよりほかがなく、また事件が調査され裁判は行われたものの政治的判断から減刑されたというのもなんとも皮肉なものです。

 歴史に詳しい方ならそろそろ頭に浮かんでいる頃かと思いますが、戦時中に日本が関与した人体実験とくれば何をおいても真っ先にあの悪名高き731部隊が挙がってくるでしょう。

731部隊(Wikipedia)

 先日も知人に731部隊について講義を行ってきましたが、この部隊の所業について私くらいの世代の日本人は大概がその存在すら知らないでしょうが、事件の舞台となったここ中国の人間は意外に多くの人間が知っており、過去にはこの部隊に関連して大規模な日本製品ボイコット運動も起こっております。
 そんな731部隊というのはどんな部隊かですが、上記の九州大の事件と同様に人体実験を行った、それも長期にわたって比べ物にならない人間を対象に行っています。色々と真偽について現代で疑問が出ていますが森村誠一氏がまとめた著書「悪魔の飽食」によると、部隊があったのは中国東北部にあるハルビン市で実験の対象とされたのは中国軍の捕虜や逮捕されたスパイで、中にはロシア人も含まれていたそうです。私が覚えている内容ですと12歳くらいの少年が麻酔をかけられ意識を失った状態で手術台に運ばれてきて次に手術室から出てきたときはすべての内臓が取り出されていたということや、拘束した状態で真冬に水の入ったバケツに足を入れさせ、凍傷となる経過を観察したといった行為があったそうです。

 仮に人道に対する罪があるとすれば、先の九州大学の事件同様にこの731部隊の所業こそが最も当てはまると私は思います。しかも九州大の事件はまだ正式に裁判が行われたものの、この731部隊については人体実験データを米軍に提供することで関係者らへの裁判はおろか処分は一切行われずに放免となりました。ただ悪い行為は悪い結果につながるというべきか、この時のデータから開発された血友病患者への非加熱製剤は後に薬害エイズ事件を引き起こすことになります。

 731部隊に関して既に政府も中国に謝罪しておりますが、真面目にこの件に関して私は今後も中国に対して謝罪し続ける必要があると思います。何故謝罪し続ける必要があるのかというと被害者を出した中国に対する申し訳のなさ、行為の残虐さもさることながら、人間はたがが外れるというか集団の異様な空気に飲み込まれると、日常からは考えられない行為を平気で行ってしまえるという教訓を意識し続ける必要があるからだと思うからです。
 先日も私は意思の強さというか空気を敢えて読まないこと、空気に支配されない人間の必要性みたいなことをわけがわからない文章で書きましたが、人間というのは本当にちょっとした環境の変化で倫理観などが一気にすっ飛ぶ危険性があると感じます。宮沢賢治じゃないですが、たとえ人生で損し続けるとしても、本当にあるかどうかはわかりませんが自分は自分の意思を保ち続けていたいというのが密かな願いです。

2012年8月29日水曜日

野田首相への問責決議案可決について

 昨日はまた帰宅が夜遅くだったので今日に丹羽中国大使公用車のビーチフラッグ事件でも書こうかと思っていましたが、また日本の国会で動きがあったのでこっちを優先して書くことにします。それにしても会期末ということもあり、このところ政治ネタには事欠かない。

野田首相の問責を可決、3党合意批判で公明棄権(産経新聞)
<首相問責可決>焦点、9月の党首選へ(毎日新聞)

 敢えて産経と毎日の二社の記事をリンク貼りましたが、記事の質で見るなら今回私は産経に軍配を上げます。あまり同業の批判はどうかというか、もし自分がされたら短気なサイヤ人もびっくりなくらいに怒るのでしょうが敢えて苦言を呈すと、毎日の記事は問責可決という内容についてはあまり深く触れず、民主党、自民党それぞれの代表選の話を長々書いていて、どうも何を言いたいのか焦点がぼやけた記事になっているように見えます。しかもその総裁選話も政治家候補の名前を片っ端から挙げるだけあまり参考になるような話じゃないし。

 ひとまず本題に戻りますが、リンクに貼った産経の記事に書かれている通りに本日、野田伊首相に対する問責決議案がかつての福田元首相の時のように参議院で可決しました。ただこの問責決議案には強制力がなく、福田元首相時代も思いましたけど茶番としか思えず、こんなのやっても倒閣にあまりつながらないのだしもっと必要な議論を優先しろと野党には言いたいです。小泉元首相の時代は彼の発言がよくパフォーマンスだと言われましたが、この問責決議案こそパフォーマンス以外の何物でもないでしょう。

 ただ今回の問責提出はみんなの党とか中小野党が出すのはまだ理解できますが、今回この決議に自民党が賛成に回ったというのは私はどうにも腑に落ちません。産経の記事には書いてませんが午後7時のNHKニュースで自民党は今回の賛成理由について、「内政、外交面で野田政権は日本に対して大きな損失を与え続けている」と発表してましたが、TPPの問題でもそうですがこの手の議論に自民党は発言する資格は全くないと言っていいでしょう。まず内政というか財政についてはこれまで借金を重ねてきたのは自民党にほかならず、外交に関してもこれまで領土問題を棚上げにして問題を先送りしてきたし、挙句に今日出ている中国の新聞にもリアルに出てくるかの有名な「河野談話」を出した議員はどこの政党だと言いたいです。今の野田政権の外交が正しいかどうかは議論の余地があるものの、少なくとも今起こっている問題の種は野田政権が蒔いたものではなく自民党が蒔いたものだとははっきり言え、もうちょっとまともな賛成理由を出せよなと個人的に言いたいです。

 また今回のポイントは、自民党は野田政権の一体改革法案に対して賛成するというか協力することを公明党と一緒に合意(三党合意)していたという点です。こうした背景から今回公明党は決議を棄権しましたが自民党は野党と共に賛成票を投じており、民主党の前原議員が言っている通りにこれは明確な合意違反じゃないかと私も思います。前原議員はさらに踏み込んで、自民党が約束を破ったのだから近いうちに解散するという取り決めも無効化すると言っていますが、この点に関しては私も民主党の肩を持ち、もう無視してもいいと太鼓判を押します。
 そもそも解散時期を巡って自民党というか谷垣総裁の対応は見ていて呆れてきます。仮に合意を結ぶ前であれば一体改革法案に賛成する代わりに明確な解散時期を要求するのはあり、というか本来ならこの時期に要求するべきなのですが、合意を結んで衆議院で可決した後になって解散を約束しなければ参議院では賛成しないというのはなんか順番が違うのではと思えてなりません。挙句、具体的な時期こそ明らかにしなかったものの野田首相が一応解散を約束したそばから今回こうして問責決議に賛成するなんて、ちょっと都合よすぎないやしないかと思えてきます。

 更にもう一言を加えれば、今回の問責が終わってしまえば野田首相を攻撃する材料はもうなくなるのではないかと思います。これは即ち今後の政局のイニシアチブは完璧に野田政権が握ることとなり、解散の時期決定はもとより国会閉会後の外交などかなり好き勝手動けるようになるという予想に繋がります。どうもこのところ小沢一派を追放したのが効いているのか野田首相もかなり独自色を出せるようになってきており、その手腕をこちらとしてもぜひじっくり見てみたいところです。