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2013年8月7日水曜日

日系企業の面白い中国法人名

 今日は久々にコラムがてらに、日系企業の中国法人名の中でも特に面白いものを私なりにセレクションしてみようかと思います。

 皆さん知っての通りに中国は漢字の国で、外資系企業であっても漢字名を付けなければなりません。ちなみに個人でも同様で、欧米人も色々な登録をする際に漢字名を充てられます。日系企業の場合、元々が漢字名の会社であればそのまま通用することが多くて「○○(中国)有限公司」って形で登録することが多いのですが、カタカナの名前の会社だとこうも行かず、各社でそれぞれアレンジを効かせた名前となるわけです。

 アレンジの仕方としては発音に合わせて中国語で同じ音の漢字を使うやり方と、その言葉の意味から充てるやりかたの二つあるのですが、前者よりも後者というか、結構ギョッとする名前が多いのでその辺を中心に紹介していきます。

1、兄弟(中国)商業有限公司(ブラザー工業)
 あまりにもストレートというべきか、一瞬「あれこれ何の会社?」って思ってしまう会社名です。っていうか、普通に中国ローカル企業の名前であってもおかしくない。なおブラザー工業はほかにも中国法人を持っていて、「兄弟机械商業(上海)有限公司」とか「浜江兄弟軟件(杭州)有限公司」など、なんていうかこの際だから日本の法人名も「兄弟工業」にしてもいいんじゃないとか思ってしまいます。

2、松下電器(中国)有限公司(パナソニック)
日本の法人名は変わっても、中国法人名はそのままという例です。今更変えるのもあれだし仕方ないと思うけど、将来の日本人がこの名前を見てどんな反応するのか、松下という名前の意味が分かるのかが気になります。

3、電装(中国)投資有限公司(デンソー)
 この会社に言えることは、日本法人名より中国法人名の方が何作っているかわかりやすいっていう点です。変にカタカナにする必要あったのかな。

4、愛信精機(中国)投資有限公司(アイシン精機)
 同じくトヨタグループ、っていうかトヨタ四天王(残り二つは知らんが)。こっちは日本法人名でも中国法人名でも何作っているかわからない名前です。あと「愛信」ってみると一字違うが「愛新覚羅溥儀」が頭に浮かんでくるな。どうでもいいけどプレスリリースに対する電話取材で明確に対応の悪い会社の一つですここは。

5、富士通将軍(上海)有限公司(富士通ゼネラル)
 今日の記事を書くきっかけとなった会社です、私はかねがね「富士通ゼネラル」のゼネラルは総合とかそういう意味だと思ってたのですが、まさかまさかで「司令官」のほうだったとは、しかも中国語訳に敢えて「将軍」とつけるあたり、なかなか風流人です。ぶっちゃけたところ、最初この会社名を見た時は中国企業との合弁かと思いました。

2013年8月5日月曜日

書評「楊家将」&「血涙 新楊家将」

 日本で中国の小説と言ったら一に西遊記、二に三国志、三に水滸伝といったところで、あと金瓶梅とか封神演義が続く者かと思います。ただこれ以外にも中国国内で有名な古典小説はほかにもあり、私自身もそれほど読んではいないのですが、中国で代表的な戦う女主人公こと「十三妹(シィサンメイ)」が活躍する「児女英雄伝」や、こっちはテレビドラマが有名ですが中国版大岡越前が活躍する「包公故事」などあり、今日紹介する書籍の下地である「楊家将演技」というのもその一つです。

 楊家将演技というのは書いて文字の如く、北宋の時代で武官だった楊一族が燕雲十六州を保有する遼との戦争において、時には大勝し、時には傷つき、時には裏切られるという軍記物の小説です。はっきり言って日本国内での知名度は無きに等しく楊家将演技と聞いて反応できるのは相当な中国古典マニアくらいだったのですが、ハードボイルド、歴史小説で有名な北方謙三氏が数年前に小説化したことで、日本で初めてといっていいほどに日の目を浴びました。
 北方氏はタイトルにも掲げている「楊家将」、そしてその続編である「血涙 新陽家将」というタイトル(それぞれ上下巻)で小説を発表しましたが、この本を私が知ったのは、口を十秒間閉じ続けることがまずないある先輩から教えてもらったことがきっかけです。あの楊家将を日本で小説化されているとは知らなかったために最初驚き、かつ前から興味があった内容だったことから早速電子書籍で購入して読んでみましたが、文句なしに推薦できるいい小説でした。

 細かい感想を述べる前に当時の中国の状況を簡単に説明すると、10世紀に(北宋)が成立するまで中国は各地で軍閥が乱立して戦国時代のような様相を示しており、さらに北方からは異民族が進出してくるなどてんやわんやな状態でした。そんな時代に後晋という国が北方異民族の契丹族と手を組んで成立したのですが、この時の協力の見返りとして現在の北京市を含む、万里の長城を超えた領土を契丹属に割譲しました。この割譲された地域のことを燕雲十六州と呼び、契丹族は「遼」という国名を掲げてこの地に住む漢民族を支配するとともに領土を保有し続けておりました。
 割譲から少し時代は流れてようやく宋の初代皇帝である趙匡胤が中国をほぼ統一するのですが、燕雲十六州だけは遼の抵抗が激しくとうとう奪還することが出来ず、それどころか逆に散々に打ち負かされることが多かったために最終的には宋が遼に毎年贈り物を送ることで互いに戦争をしない不可侵条約、「澶淵の盟」が結ばれてひと段落するわけです。まぁその後に色々あって奪い返すんだけど、それはまた別の機会にでも。

 「陽家将」というのはこの宋と遼との燕雲十六州を巡る戦争の軍記小説なのですが、北方氏は元々のオリジナルを大胆に脚色しているとのことで、原作には登場しない人物も多数出てきます。そうした脚色以上に北方氏の小説で私が注目したのは戦争時の描写で、流れるような文章でかつ躍動感の伝わる素晴らしい出来となっております。特に中国北方、それも漢民族VS契丹族の戦争であることから騎馬隊の戦いがメインで、その騎馬隊の運用から指揮、訓練の場面まで事細かに書かれてあり、ほかの歴史小説と一線を画す戦いぶりが見事と言っていいほど描かれています。

 さらにそうした描写に加えてですが、北方氏の小説では原作でも主人公である楊一族の棟梁、楊業が「楊家将」で主人公を務め、彼が死んだ後の「血涙 新楊家将」では宋で武将となる楊業の六男と、記憶を失って何故か遼で将軍となった四男が主人公挌で話は進んでいきます。こうした楊家のキャラクターはそれぞれ個性があってとても魅力的なのですが、残念というかなんというか、あるキャラクターにすべての魅力が食われてしまっているというのが実情です。

 そのキャラクターというのも、遼の将軍である耶律休哥(やりつきゅうか)という人物で、ちょっと調べてみたら楊業とともに実在した人物でした。北方氏の小説ではこの耶律休哥というのが異常なまでに戦争で強く、なおかつ一切油断もしなければ部下にも厳しく妥協もしない、まさに戦場の鬼と呼べるような無茶ぶりなキャラクターです。
 その妥協なき姿勢+異常な強さだけでも十分魅力的ですが、何の縁というべきか記憶を失った楊業の四男を部下にして指導することとなり、彼に段々と父親めいた感情を持ち、四男も同じように慕っていく過程がその人物像に深みを与えています。もっとも父親と言っても異常なまでに厳しいので星一徹みたいな親父となっておりますが。

 なわけでこの小説のタイトルは「楊家将」というよりも「耶律休哥」にしても良かったのではないかと思う出来栄えです。ただ内容自体は最初にも述べたようにしっかりした出来で本気で太鼓判押せるので、興味がある方はぜひ手に取ってみてください。

   

2013年8月4日日曜日

韓国の近現代史~その二十一、金泳三政権時代

 このところテンションが落ちてて更新頻度が落ちておりますが、まだ一応気力は保っております。色々プライベートで立て込んでいるのはもとより、また妙なサイトを作り始めたというのが主な理由です。

 話は本題に入りますが、また韓国の近現代史の連載です。前回ではソウル五輪を目の前にして軍事政権が民主派勢力との妥協を行ったことから大統領の直接選挙制、そして民主化の実現に至るまでの流れを書きましたが、今回はこうした流れを受けて成立した金泳三大統領の時代について紹介します。

金泳三(Wikipedia)

 先に一つだけ書いておくと、韓国の大統領経験者はその誰もが在任中に暗殺されたり亡命したりして、退任後も在任中の不正疑惑について追及を受けて投獄されたりなどとあまりいい晩節を送ることがありません。極めつけは二代前の盧武鉉元大統領で、この人に至っては捜査が進められていた最中に自殺しています。ただそんな韓国大統領の中で今日紹介する金泳三は例外的で、今の所は特別な背任容疑などで捜査を受けることもなく無事に生きております。なんでもないようなことが幸せなんだと思う生き方です。

 そんな昔の歌のフレーズを口ずさみつつ解説を始めますが、彼の来歴を簡単に説明すると軍事政権時代から金大中と共に一貫して民主化を主張し続け活動してきた政治家です。ただ政治スタイルは同じ民主派でありながらライバルでもあった金大中が原理原則を重視する立場であったのに対し、前任の盧泰愚政権時代には連立政権に参加するなどやや現実的な政治スタイルを実行していたように私には思えます。その上で金銭に関しては非常にきれいだったというか、大統領に就任するや余計な経費を大幅に削減し、汚職に対して厳しい捜査で臨み官僚や裁判官、警察官僚を片っ端から辞任させるなど清廉な姿勢をみせております。
 また盧泰愚や全斗煥といった軍事政権下の大統領経験者に対しても厳しい姿勢で臨み、両者ともに在任中の政治弾圧や贈賄といった容疑で逮捕し、全斗煥に対しては死刑判決まで下りております。ただ韓国でよくわからないと私が思うところなのですが、全斗煥は後の金大中政権下で特赦を受けて死刑執行を免れております。他にも特赦を受ける人が韓国ではやけに多いのですが、司法制度として如何なものかと外野にいながらですがよく思います。

 話は戻りますが、こうした過去の清算と政治改革を進めるとともに金泳三政権が手を付けたのは韓国経済のグローバル化推進です。私はてっきりこの後に起きるアジア通貨危機を経て韓国はグローバル化に邁進したかと思っていたのですが、実際には金泳三政権下で米国流に習う形で進められておりました。
 その成果というべきか、今の時代では死語ですが当時は「アジアNIEs」の一角に数えられただけあって下記の通り非常に高いGDP成長率を記録しております。

<韓国の90年代のGDP成長率>(引用元:世界経済のネタ帳
1990年:9.30%
1991年:9.71%
1992年:5.77%
1993年:6.33%
1994年:8.77%
1995年:8.93%
1996年:7.19%
1997年:5.77%
1998年:-5.71%
1999年:10.73%
(金泳三の大統領在任時期は1993年2月から1998年2月まで)

 見てみればわかる通りに、金泳三時代には8%超の成長率も記録しており去年の中国のGDP成長率より高かったりします。ただ退任直後の98年は前年に発生したアジア通貨危機によって一転してマイナス成長を記録しており、この遠因は金泳三が推し進めたグローバル改革が影響しているとの意見も少なくありません。

 こうした経済政策のほかに彼の在任中の大きな出来事を語ると、外交においては北朝鮮で金日成が死去して金正日が正式な指導者に交代し、一時緊張が高まりました。また対日外交に関しては今も続くように、恐らく国内政策のために対日批判を行っておりますが、日本の記者団とは日本語で取材に応じるなど一応表と外は分けてくれていたそうです。
 最後に金泳三の現在の韓国国内の評価ですが、やはりアジア通貨危機を招いた張本人であるとして高くないそうで、これに関しては私も批判されざるを得ない失政だったと思います。ただこの後の民主派大統領の金大中、盧武鉉に比べると時代に恵まれたということもありますが、比較的無難な政治運営だったとして大統領としての能力についてはそこそこまともだったのではないかとも考えています。

 そんなわけで次回はいよいよというか、現代韓国を語る上で切っても切れないアジア通貨危機とIMF事態を紹介します。

2013年8月3日土曜日

麻生副首相のナチスに学べ発言について

 久々の更新ですがこれまた久々に意見が求められそうな政治話題が出来たので早速書いてみようと思います。

 既に報道などで皆さんも知っていられるかと思いますが、麻生副首相が憲法改正手続きについて、ナチスが知らない間にそっと変えていた手法を学ぶべきだなどという趣旨の発言をしたとして批判が集まっております。麻生副首相としては発言を撤回するとともに学ぶという意味ではなかったという弁明をしておりますが、私個人としては文章そのままの意味で、あまり目立たず騒がず国民に気付かれないようにそっと変えてしまおう、そうナチスの様にで間違いないと考えております。

 この発言は日本以上に海外での反応我凄まじく、ユダヤ人団体から抗議が来ただけでなくドイツなどからも非難されているそうです。改めてナチスに対するタブー性に驚くとともに、こういう事態を想定できなかったのかと麻生副首相に対して毎度のことながらげんなりします。
 何気にこの前、言った本人である自分が忘れているのに親父から、「お前が昔言った通り、麻生には本当に思想がないんだろうな」と言われたことを思い出しました。なんていうか未だにこれという政治原則がこの人には見えず、私としては評価できない人物です。

 話はナチス発言に戻りますが、私が今回の失言で注目したのはその内容よりもその時期です。というのも自民党は先月の参院選で大勝しており、その直後の記事でもこの大勝で自民党は気が緩むのではないかと書いておりますが、今回の失言もまさにその気が緩んだタイミングだったからこそだったと思います。むしろ失言メーカーの麻生副首相が組閣からこれまで失言がなかった方が珍しく、個人的にはよく我慢したなという気がしてなりません。
 ここまで書けばいいたいこともわかると思いますが、今後自民党議員や閣僚の間で失言がどんどん増えていくのではないかと予想します。これから約3年間は選挙がありませんし、何をどうしたところで自民党の議席におけるイニシアチブは動かず、それを勘違いした議員らもどんどん出てくることでしょう。皮肉な話ですが、失言さえなければ、何も問題さえ起こさなければ評価されるのが今の日本政界です。

 そういうわけで今の自民党議員、とりわけ麻生副首相に対してはナチスではなく、失言や失策によって崩壊し解党寸前の状況に追い込まれている今の民主党を学んでもらいたいのが私の本音です。学ぶべきものというのは勝者以上に敗者において多分に含まれていると思えますし。

2013年7月30日火曜日

東アジアカップ男子日韓戦のサポーター問題について

 コメントの方でリクエストが来たので、今日は先日行われたサッカー日韓戦においてのサポーターの行為について私の所見を述べようと思います。

「日本だって旭日旗掲げた」、韓国の反論に中国ほぼスルー、一部批判も=サッカー東ア杯―中国版ツイッター(レコードチャイナ)

 事の内容は上記リンク先の記事に詳しく載ってありますが、試合が行われている最中に韓国人サポーターが会場で「歴史を忘れた民族に未来はない」と書かれた横断幕を掲げたそうです。一方、同じ試合で日本のサポーターからは旭日旗が掲げられたとされ、どちらも政治的なアピールを禁止したFIFAの規定、精神に反するとして日韓双方がお互いに揶揄する事態となっております。
 あらぬ方向からの批判を避けるために念のため先に書いておきますが、旭日旗を振った団体については特定の政治団体だとの声が一部ありますが、少なくともはっきりした確証がないと思えるのでこの点についてはこの記事で無視します。なくったって話は進められるし。

 まずこの問題で私が言いたいことは日本側の報道についてです。敢えて引用記事をレコードチャイナから持ってきましたが、その理由というのも日本側サポーター、韓国側サポーター両方の行動をきちんと書いていたからです。現在においてはちゃんと双方について書く記事が増えておりますが、試合直後においてはやはり韓国側サポーターの行動しか書かない記事が日系メディアに多かったような気がします。色々と言い分はあるでしょうが、私としてはやはり双方のサポーターの行動を並列して書くべきだったのではないかという気がします。

 次に日本側の旭日旗についてですが、韓国側、ひいては中国側からすれば旧日本軍のシンボルであり侵略国家を連想させるものだとしてよく批判されております。これに対し日本の論者たちは旭日旗は軍旗としては明治の頃から採用されており二次大戦時の日本軍の行動だけで侵略の象徴とされるいわれはない、また現在の自衛隊も使っており特別な政治意図のある意匠ではないなどと反論が出ております。
 私個人としては旭日旗が問題のある意匠かどうかについてはっきりとこうだと線引きする根拠は持っておらず、またそういう立場にある人間ではないと自覚しております。もっともどう言い繕っても韓国や中国は批判を続けるでしょうし、日本側も反論を続けるでしょうからこの議論に終わりはそうそう来ないでしょうが。

 ただ今回のサッカーの試合に限って言えば、「旭日旗を振る必要はあったのか」と言えばはっきりと必要なかったと私は思います。旭日旗が韓国側サポーターを刺激することは考えればすぐわかる上にFIFAの精神にもはっきりと反します。また旗を振りたいのであればどうして普通の日の丸の旗を振らなかったのか、普通の日の丸では何か問題あるのか、日の丸を堂々と振って日本の選手を応援することを何故行わなかったのかで疑問符が付きます。旭日旗を振ることで日本の選手への特別な応援になるとも思えませんし。

 韓国の横断幕についても同様です。歴史問題がサッカーの試合と関係あるかと言ったらはっきり言ってないし、むしろ関係づけてはなりません。そういう意味では双方のサポーター共に選手たちの立派な試合に水を差しただけで、彼らはサッカーを馬鹿にしているのではないかと幾分苛立ちを覚えます。
 その上で日韓双方のサッカー協会にはこうした行為を自重するようもっと呼びかけてもらいたいのと同時に、選手たちにもっと注目するよう訴えてもらいたいです。サッカーの主役は言うまでもなく選手であってサポーターはやはり脇役です。今回の試合においては脇役の方ばかりが目立ってしまい残念この上なく、こういう事を繰り返しては本当にもったいない気がします。

 最後にこのところ多く出ているヘイトスピーチの問題について一言述べると、中国はともかくとして日本と韓国は互いに弱ってきているのではないかと思う時があります。というのも国として勢いがある状態だと他国に悪口言われてもあまり気にしない傾向があるように思えるのですが、このところの日本と韓国は売り言葉に買い言葉というか、互いに相手が自国を非難したことを大きく取り上げる傾向がある気がします。
 日本人は空気を読めない人間をとことん嫌いますが、私個人としては空気を読まない人間の方が強いように思え、多少批判されようが「それで?」と言い切ることが本当に強い態度だと思えます。然るにこのところの日本の世論を見ていると聞き流す余裕がやはり薄れているように見え、韓国も同様で、唯一中国に関しては以前と比べて外国人アレルギーが弱まってきたというか、外からの批判に対する余裕が前より感じられるようになってきました。といっても中国もまだまだすぐカーッとなって逆批判するところもあるけど。

 相手が間違っていることを言っていたらそれを正すのは当然です。ただ正す際の感情の起伏、態度にはその時々の余裕がはっきりと表れるもので、そうした余裕を空元気でもいいから日本も意識するべき時期に来ているのかもしれません。

2013年7月29日月曜日

サイバー部隊の重要性

 先日、うちの親父と戦争と経済学について話をしていた際に相手通信網を遮断する価値についてあれこれ意見が出てきたので、今日はその辺をメモ代わりに少しまとめて置こうかと思います。

 まず大きな前提として仮に今現在の技術力で大国同士が戦争をする場合、インターネットを始めとした通信網を破壊することが戦闘を起こした国にとって最初の目的になるかと思えます。というのも今の時代、ミサイルから各種火器まで衛星を利用した通信技術が当たり前のように搭載されており、通信網を破壊することによって完全にとまではいかなくとも一部を無力化することが出来ます。なので極端な話、米中が戦争を始めたら中国なんかまず最初に米国の衛星を破壊してくるかもしれませんし、場合によってはネットも見られないようにするため海底ケーブルも切断してくるかもしれません。

 とはいえ、仮に海底ケーブル切断みたいにネットインフラを破壊した場合、経済的にも社会的にも大きな混乱が起こることは間違いありません。鎖国している国ならともかく多国籍企業がどの国にもいる今の時代、戦争をやってる傍から国内の経済が混乱しては戦争を継続することも出来ないため、インターネットに関しては開戦前の条約でお互いにケーブル破壊などの手段は講じないように取り決めが交わされる可能性があります。仮にそうなった場合は米国は中国、中国は米国のネットとアクセスし続けられるのですが、そうなるとやってくるのは中国お得意のサイバー部隊です。

 サイバー部隊の提議は色々ありますがここでは単純なものとしてハッキングしてあれこれ邪魔をする部隊を指します。ネットを物理的に破壊できないとなるとサイバー部隊によって常に相手の通信を妨害することが非常に重要になるため、下手したらサイバー部隊の質で戦況が変わってくるかもしれません。もちろん攻撃だけじゃなく防衛にもサイバー部隊が必要となるのですが、通信妨害が激しくなってきたら案外、昔みたいにモールス信号とかが大活躍したりするかもしれません。

 あともう一つ気にしておく点として、米中間で戦争が起きた場合は主要兵器はミサイルと共に潜水艦が大活躍する気がします。戦場となるのは太平洋上である可能性が高く、普通に軍艦飛ばすよりも米本土、中国本土に潜水艦からミサイル打ちまくるのが緒戦の様相でしょうし、潜水艦の質で意外と勝負決まったりするかもしれません。

年金支給年齢は引き上げるべきなのか

 なんかやる気ないですがまだササッとかける話題だと思うので、年金支給年齢について私の意見を書こうかと思います。結論から述べると、私は今政府が検討している支給開始年齢の65歳から70歳への引き上げには反対で、むしろ元の様に60歳へ引き下げるべきだと考えています。無論これだと社会保障費用の負担が大きく財政が持たないので、支給額は大胆に引き下げることが条件となります。

 一体何故引き下げるべきだと主張するのかというと、単純に雇用の問題です。現在企業は政府などによって従業員を定年である60歳を過ぎても年金が支給される65歳まで雇用するように求められておりますが、これによって割を食うのはいうまでもなく新規に労働者となる若年層です。60歳以上の方の雇用が守られれば守られるほどパイは小さくなり若年層への雇用は減少することが火を見るより明らかで、現実にそのような声をよく聞きます。
 一方で、雇用を延長した壮年層は企業に貢献できるのかと言ったら果たしてどんなものかという気がします。もちろんバリバリに役に立つ人はいるかと思いますが、単純にITリテラシー一つとっても若年層の方が幅は広いですしその上、海外の大手企業の経営者を見てみると40代で立派な仕事をしていたりするのをみるにつけ、日本では年功序列の壁に阻まれて才能にあふれた人が経営に関われない側面もあるように思えます。

 以上のような考え方から、社会のセーフティネットを広げるというよりは社会の活性化を促すためにも支給年齢を引き下げるべきだと私は主張します。ただこの場合、既に書いてある通りに支給額は大幅に引き下げる必要があります。しかし長期的に見るならば現在の制度は破綻するのは火を見るより明らかで、それであるならば恒久的に維持できる制度に今変えるべきで、そうした決断を政界に期待します。