このブログで体調悪いと書いて以来、このところあちこちから心配してくれるメールが届いております。実際にこういう形で体調崩したのは2011年末に香港で熱出して以来なのですが、必要以上に周りに心配かけさせてしまったようで反省しています。かといってこんだけ毎日更新しているブログなんだから、更新回数を減らすに当たっては何かしら理由も必要だしなぁ……。
それはそうとたった今、楽天が球団創設以来初めて優勝を決めました。なんていうか野村監督が育てて星野監督が優勝する(かっさらう)という阪神の時と同じパターンが繰り返されてしまった形ですがそれは置いといて、締めはあらかじめ予告されていたようにマー君こと田中将大選手がクローザーを果たし、1点差ながらもきっかり勝利を得て優勝を決めました。
私自身は楽天は気に入っていながらも根っからのファンではないのであれこれ語るほどのうんちくは持ち合わせていませんが、やはりこのチームは創設2年目に当時から注目されていた田中選手をドラフトで獲得し、スターでもあったことから田中選手の成長とともにあったチームの様に強く思います。もちろん田中選手のほかにもアメリカに行った岩隈選手や今年引退を発表した山崎選手、近鉄時代から頑張っていた磯部元選手などほかにもたくさんのプレイヤーが存在しましたが、今年の開幕連勝記録など今回の優勝の原動力は誰がどう見ても田中選手にあるでしょう。
既に今シーズン後の田中選手の去就についてはメジャー挑戦が濃厚とみられていますが、今回の優勝はこれ以上ない花道になったかと思います。とやかく言うつもりはありませんし、かの地でもぜひ頑張ってもらいたいと個人的に思います。
後また蛇足になるかもしれませんが、東北地方に球団があって本当によかったと思います。言うまでもなくこれは東日本大震災に対する感想で、現地の方々には今回の楽天の優勝は大いに勇気づけるイベントになったかと思えます。
そう思うのと同時に、もし2004年に楽天ではなくライブドアが球団を創設していたらどうなっていたのかということがなんかよぎりました。たまに楽天の三木谷社長は球団を短期で売り抜けようと今も考えているなどと言う揶揄が聞こえてきますが私はそれはないと思います。しかしあの時ライブドアの堀江社長が球団を創設していたら、あの人は考え変えるの早いから本気でやってたかもなぁとも思います。例の事件もあったし、
なにはともあれ、結果論で言えば楽天が創設してよかったよかったというのが私の本音です。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2013年9月26日木曜日
2013年9月25日水曜日
カナダ産シェールガスの輸入について
・シェールガス:輸入促進 日本、カナダと首脳会談で合意(毎日新聞)
たまたま昨日ラジオでこの関連の詳しい話を聞いたので、今日はカナダ産シェールガス輸入決定とそれに付随する内容をちらほら書いてこうと思います。
昨夜、安倍首相と来日中のカナダのハーパー首相が会談を行い、将来的にカナダ産シェールガスを日本が輸入することで合意しました。会談前からこの輸入は合意に達すると見られ、両国の関係者の間では双方にとってプラスの合意だとの見方が強いようです。
というのも日本は東電の原発事故によって現在、電力供給の大半、具体的には約9割を火力発電に頼っている状況で、発電用のエネルギーこと原油を各国から買い漁る状況が続いています。背に腹を変えられない状況故に高値での取引も多く、なんでも産油国では「ジャパンプレミアム」等と呼ばれて日本向けの販売が過熱しているとのことです。こうした状況下で比較的安価のカナダ産シェールガスを購入できる見通しが立ったことは単純にいいことで、また代替エネルギーの確保見通しが出来たことから既存の原油取引の価格交渉にも活かせるというようにも見られています。
もう一方のカナダにとっても今回の日本との合意はプラスなようで、というのもカナダは世界第4位のシェールガス埋蔵量を誇るものの、現在までに確保している輸出先はアメリカだけらしいです。そのアメリカもシェールガス埋蔵量で大規模な国で実質的にカナダから輸入することはほとんどないと見られており、それだけに確実に輸入するであろう日本を確保できたことで安心して開発、採掘に取り組められることとなったわけです。
ただこのシェールガスによるもしかしたらエネルギー革命は一部の製造業というかメーカーにとっては現在、思いっきりマイナスに働いているそうです。具体的に名前あげちゃうとこれは建機のコマツで、このところ各国で石炭鉱山の採掘よりもシェールガス採掘を優先する傾向が出ており、石炭鉱山向けの大型トレーラーとか建機の販売が伸び悩んできているそうです。これら大型建機は日本国内ではほぼ全く売れない海外オンリーな商品なだけに、何かしら別の用途向けに機種とか変更しなくてはならないとコマツ側も考えていると、ある場所で説明を受けました。
私個人の意見をもう少し書くと、やはりシェールガスの登場によってエネルギーの価値観は遠からず一変することになると思います。日本は現在、メタンハイドレードの開発に着手しましたが実用化はまだ遠い先で、現状ではシェールガスが代替エネルギー、というより次世代の主要エネルギーとして本命でしょう。自動車の燃料としては石油ことガソリンがまあしばらく続くでしょうが、仮に電気自動車のブレイクスルーが劇的に起こればこれも変わり、石油の価値が大幅に下落する時が来るかもしれません。
たまたま昨日ラジオでこの関連の詳しい話を聞いたので、今日はカナダ産シェールガス輸入決定とそれに付随する内容をちらほら書いてこうと思います。
昨夜、安倍首相と来日中のカナダのハーパー首相が会談を行い、将来的にカナダ産シェールガスを日本が輸入することで合意しました。会談前からこの輸入は合意に達すると見られ、両国の関係者の間では双方にとってプラスの合意だとの見方が強いようです。
というのも日本は東電の原発事故によって現在、電力供給の大半、具体的には約9割を火力発電に頼っている状況で、発電用のエネルギーこと原油を各国から買い漁る状況が続いています。背に腹を変えられない状況故に高値での取引も多く、なんでも産油国では「ジャパンプレミアム」等と呼ばれて日本向けの販売が過熱しているとのことです。こうした状況下で比較的安価のカナダ産シェールガスを購入できる見通しが立ったことは単純にいいことで、また代替エネルギーの確保見通しが出来たことから既存の原油取引の価格交渉にも活かせるというようにも見られています。
もう一方のカナダにとっても今回の日本との合意はプラスなようで、というのもカナダは世界第4位のシェールガス埋蔵量を誇るものの、現在までに確保している輸出先はアメリカだけらしいです。そのアメリカもシェールガス埋蔵量で大規模な国で実質的にカナダから輸入することはほとんどないと見られており、それだけに確実に輸入するであろう日本を確保できたことで安心して開発、採掘に取り組められることとなったわけです。
ただこのシェールガスによるもしかしたらエネルギー革命は一部の製造業というかメーカーにとっては現在、思いっきりマイナスに働いているそうです。具体的に名前あげちゃうとこれは建機のコマツで、このところ各国で石炭鉱山の採掘よりもシェールガス採掘を優先する傾向が出ており、石炭鉱山向けの大型トレーラーとか建機の販売が伸び悩んできているそうです。これら大型建機は日本国内ではほぼ全く売れない海外オンリーな商品なだけに、何かしら別の用途向けに機種とか変更しなくてはならないとコマツ側も考えていると、ある場所で説明を受けました。
私個人の意見をもう少し書くと、やはりシェールガスの登場によってエネルギーの価値観は遠からず一変することになると思います。日本は現在、メタンハイドレードの開発に着手しましたが実用化はまだ遠い先で、現状ではシェールガスが代替エネルギー、というより次世代の主要エネルギーとして本命でしょう。自動車の燃料としては石油ことガソリンがまあしばらく続くでしょうが、仮に電気自動車のブレイクスルーが劇的に起こればこれも変わり、石油の価値が大幅に下落する時が来るかもしれません。
2013年9月24日火曜日
書評:海賊と呼ばれた男
先週末に引越しを行いましたが、その疲れもあったのか昨日は一日中寝込んでいました。病状は結構重く、夜に喉乾いたので冷蔵庫で冷やしたコーラを飲んだら一気に体が冷え、奥歯ががちがちなるほど震えたので即布団入って寝ました。意外に自分も体力ない。
それにしても隣の住人、挨拶にカステラ買ったのに何度戸を叩いても出てこようとしません。灯りついてるから居留守使ってんのはわかりきってるというのに、なにかやましい秘密でも抱えてるのだろうか。壁から漏れ聞こえる言葉から察するに中国人のようだけど。
そういうくだらない話は置いといて本題ですが、以前に紹介した「永遠のゼロ」の作者である百田尚樹氏の著書「海賊と呼ばれた男」を読み終えたので、今日はその感想を書こうと思います。この本は本屋大賞という賞を受賞しただけあって今、非常に売れている本なのですが、結論から申し上げると何故この本がそんな賞を受賞したのか私には理解出来ず、お世辞にも質の高い小説ではないと考えています。
まず簡単にあらすじを紹介しますが、この本は出光興産の創業者である出光佐三(作中では国岡鐵造)を主人公に据えた小説で、彼の出生から立身出世に至る過程を描いています。ハイライトとなる場面はイギリスのBPが建設した石油施設を接収したイラク政府に対し世界のどの企業も取引をためらう中、果断にタンカーを差し向け初めての取引を結ぶ場面、といったところでしょうか。
正直に言って内容はそんなに悪くありませんし、決してつまらない小説ではありません。文章は「永遠のゼロ」の頃と変わらず一段落がやけに短い「ショット型」がまだ続いていますがわかりやすい文体で間違いはなく、話も起伏に富んであり飽きることはありません。特に出光興産の来歴といい先程のイラクの取引の話は今まで知らなかっただけに、その新鮮な情報には私も文句はありません。
にもかかわらず何故私の評価が低いのかというと、一言で言って主人公に問題があります。というのも、主人公の国岡鐵造があまりにも完璧超人過ぎるからです。
実際の出光佐三がどんな人物だったかは詳しく知りませんが、少なくともこの「海賊と呼ばれた男」に出てくる国岡鐵造という人物はあまりにも欠点がなく、全く以って親近感を覚えられないキャラクターです。確かに作中では業界団体につまはじきにされたり、日本政府に規制でいじめられたり、イギリス政府とガチでケンカしようとしたりなど決して順風満帆な人生を歩んではいませんでしたが、巻き起こる数々の困難は毎回といっていいほど優秀な有力人物が都合よく、突然支援に現れては解決され、一体どれだけラッキーマンなんだよと言いたくなるくらいこのパターンが繰り返されます。
またそれ以外の面、具体的には国岡鐵造の人格面ですが、清廉潔白で書画を愛する文化人。なおかつ部下に対して時には厳しく時には優しく、「従業員は家族だ」と言っては下からも慕われ、無茶な要求をしてくる日本政府や石油メジャー幹部に対しては一歩も引かずに石油業界全体を見据えた交渉を行うなど、こういってはなんですが有り得ないくらいに完璧な人物として描かれ過ぎてます。
あまり人の描いた小説にケチをつけるべきではないとは思いつつも私が見る限りでこのような指摘をする評論家がいないために意を決して書きますが、上記のように主人公があまりにも完璧超人として描かれ過ぎているため、この本はもはや小説というよりは伝記、それも人物を持ち上げるために書かれた岡持ち伝記に成り下がっているように私は思います。かつて野口英世が生前に、自分について書かれた伝記を読むや、「こんな完璧な人間いるわけない」と投げ捨てたというエピソードがありますが、人の長所だけ書くというのは見た目には面白くても作品としては価値を失ってしまうと私は考えます。
敢えてここで百田氏の以前の作品「永遠のゼロ」を引用しますが、この本でも主人公が清廉潔白すぎるのが少し気になりましたが、ゼロ戦のパイロットとして卓越した技術を持ちながら異常なまでに臆病で生き残ることだけに執着するという、一見するとアンバランスにも見える個性があったからこそまだ感情移入をすることが出来ました。こうした個性が「海賊と呼ばれた男」の主人公にはまるでありません。
もう少し例を出しますがたとえば三国志だと、曹操は決断力もあり戦争指揮も卓越していますが女絡みのミスが多ければ戦争で大敗することも少なくなく、劉備も仁徳はあるけれども戦争は勝った数より負けた数の方が多いです。また一見すると完璧超人の様な諸葛亮も泣いて馬謖を切ったりすることもあれば、敵の司馬懿とともに反抗的な部下の魏延を火薬を仕掛けた谷に閉じ込めて抹殺しようとしたが雨が降ってきて失敗するなど腹黒い面を時々覗かせます。私が思うに完璧超人というのはそうそういるわけがなく、こういう負の面というか欠点があって初めて物語の中の人物に血が通い出し魅力が出てきます。ちょっと考えれば初歩的なことですが、それがこの本には致命的なまでに抜けています。
敢えて駄目な所を書けとは言いません。ただ聖人君子の様に人物を書いてしまうとそれは人間ではなくなってしまいます。魅力的な人間を書いてこそストーリーだと言えるのであって、その点を百田氏もも少し考えてもらえればと思い、未だに体調が悪い中でも筆をとった次第です。
それにしても隣の住人、挨拶にカステラ買ったのに何度戸を叩いても出てこようとしません。灯りついてるから居留守使ってんのはわかりきってるというのに、なにかやましい秘密でも抱えてるのだろうか。壁から漏れ聞こえる言葉から察するに中国人のようだけど。
そういうくだらない話は置いといて本題ですが、以前に紹介した「永遠のゼロ」の作者である百田尚樹氏の著書「海賊と呼ばれた男」を読み終えたので、今日はその感想を書こうと思います。この本は本屋大賞という賞を受賞しただけあって今、非常に売れている本なのですが、結論から申し上げると何故この本がそんな賞を受賞したのか私には理解出来ず、お世辞にも質の高い小説ではないと考えています。
まず簡単にあらすじを紹介しますが、この本は出光興産の創業者である出光佐三(作中では国岡鐵造)を主人公に据えた小説で、彼の出生から立身出世に至る過程を描いています。ハイライトとなる場面はイギリスのBPが建設した石油施設を接収したイラク政府に対し世界のどの企業も取引をためらう中、果断にタンカーを差し向け初めての取引を結ぶ場面、といったところでしょうか。
正直に言って内容はそんなに悪くありませんし、決してつまらない小説ではありません。文章は「永遠のゼロ」の頃と変わらず一段落がやけに短い「ショット型」がまだ続いていますがわかりやすい文体で間違いはなく、話も起伏に富んであり飽きることはありません。特に出光興産の来歴といい先程のイラクの取引の話は今まで知らなかっただけに、その新鮮な情報には私も文句はありません。
にもかかわらず何故私の評価が低いのかというと、一言で言って主人公に問題があります。というのも、主人公の国岡鐵造があまりにも完璧超人過ぎるからです。
実際の出光佐三がどんな人物だったかは詳しく知りませんが、少なくともこの「海賊と呼ばれた男」に出てくる国岡鐵造という人物はあまりにも欠点がなく、全く以って親近感を覚えられないキャラクターです。確かに作中では業界団体につまはじきにされたり、日本政府に規制でいじめられたり、イギリス政府とガチでケンカしようとしたりなど決して順風満帆な人生を歩んではいませんでしたが、巻き起こる数々の困難は毎回といっていいほど優秀な有力人物が都合よく、突然支援に現れては解決され、一体どれだけラッキーマンなんだよと言いたくなるくらいこのパターンが繰り返されます。
またそれ以外の面、具体的には国岡鐵造の人格面ですが、清廉潔白で書画を愛する文化人。なおかつ部下に対して時には厳しく時には優しく、「従業員は家族だ」と言っては下からも慕われ、無茶な要求をしてくる日本政府や石油メジャー幹部に対しては一歩も引かずに石油業界全体を見据えた交渉を行うなど、こういってはなんですが有り得ないくらいに完璧な人物として描かれ過ぎてます。
あまり人の描いた小説にケチをつけるべきではないとは思いつつも私が見る限りでこのような指摘をする評論家がいないために意を決して書きますが、上記のように主人公があまりにも完璧超人として描かれ過ぎているため、この本はもはや小説というよりは伝記、それも人物を持ち上げるために書かれた岡持ち伝記に成り下がっているように私は思います。かつて野口英世が生前に、自分について書かれた伝記を読むや、「こんな完璧な人間いるわけない」と投げ捨てたというエピソードがありますが、人の長所だけ書くというのは見た目には面白くても作品としては価値を失ってしまうと私は考えます。
敢えてここで百田氏の以前の作品「永遠のゼロ」を引用しますが、この本でも主人公が清廉潔白すぎるのが少し気になりましたが、ゼロ戦のパイロットとして卓越した技術を持ちながら異常なまでに臆病で生き残ることだけに執着するという、一見するとアンバランスにも見える個性があったからこそまだ感情移入をすることが出来ました。こうした個性が「海賊と呼ばれた男」の主人公にはまるでありません。
もう少し例を出しますがたとえば三国志だと、曹操は決断力もあり戦争指揮も卓越していますが女絡みのミスが多ければ戦争で大敗することも少なくなく、劉備も仁徳はあるけれども戦争は勝った数より負けた数の方が多いです。また一見すると完璧超人の様な諸葛亮も泣いて馬謖を切ったりすることもあれば、敵の司馬懿とともに反抗的な部下の魏延を火薬を仕掛けた谷に閉じ込めて抹殺しようとしたが雨が降ってきて失敗するなど腹黒い面を時々覗かせます。私が思うに完璧超人というのはそうそういるわけがなく、こういう負の面というか欠点があって初めて物語の中の人物に血が通い出し魅力が出てきます。ちょっと考えれば初歩的なことですが、それがこの本には致命的なまでに抜けています。
敢えて駄目な所を書けとは言いません。ただ聖人君子の様に人物を書いてしまうとそれは人間ではなくなってしまいます。魅力的な人間を書いてこそストーリーだと言えるのであって、その点を百田氏もも少し考えてもらえればと思い、未だに体調が悪い中でも筆をとった次第です。
2013年9月22日日曜日
戦争と少年兵
先月の話で少し古くなりますが長寿番組の「世界まる見え!テレビ特捜部」にて、「ジョニー・マッド・ドッグ」(2008年)という映画が紹介されたのを見る機会がありました。このフランスの映画はどんな映画かというと、内乱中のリベリアを舞台に反政府軍の少年兵を描いた映画なのですが、特筆すべきはその少年兵の俳優たちで、なんと実際にリベリアで戦闘を行っていたた元少年兵たちを起用しております。
まる見えの紹介によると、この映画の監督は元少年兵を起用することでリアリティを出すとともに、彼らが映画撮影を通してどのように変化していくかを見ようと考えたそうです。そのためか彼ら元少年兵が撮影所にやってきた直後にカメラの前で自由に話させてその映像も残しているのですが、彼らの初録画はお世辞にも上品な態度とは言えず、皆それぞれ鋭い目つきと共に非常に物騒なことを口にするだけでした。具体的にはどこそこの戦闘で何人殺したのか、隠れているスナイパーを見つけて逆に撃ってやったとか、捕虜の指を一本ずつ切り落としてやったなどと、こんなセリフを15歳前後の少年が話すのかと正直にショックを覚えました。
こうして始まった映画撮影でしたが、最初に彼ら元少年兵の演技指導を施したところやはりというか難航し、また字も覚えていなかったことからスタッフによる口述で暗記させたとのことです。そうした演技指導の傍ら、元少年兵の俳優たちには共同生活を行わせた上に、彼らの世話役には大人の女性を配置して疑似的な親子関係を作らせたそうです。
こうした取り組みが功を奏したというか監督の目論み通りというか、撮影が進むにつれて元少年兵の俳優たちには徐々に変化の兆しが見えるようになってきたとのことです。それが最もあらわれたのはフランスでの試写会の際で、かつては自分が「兵士」としていかに優秀であるかしかアピールできなかった彼らが涙ながらに、世界には自分たちの様な少年兵が存在して戦っていることと、映画の中にある少年兵の姿だけが自分たちではないということを訴えるまでに成長しました。
さっきも同じ表現を使いましたが、非常にショックなシーンの連続でした。確か漫画家の西原理恵子氏が言っていたと思いますが夫であった鴨志田穣の話しとして、「戦場では大人に銃を向けられるよりも子供に銃を向けられる方が怖い。何故なら子供はその引き金を引けばどうなるのかをきちんと理解していない」と紹介しており、元少年兵たちの最初のシーンなどはまさにそれを連想しました。
そのような意味で言うと戦争というのは理性のある大人が実行するからまだ保っていられる、子供が戦争に出たら、最後の最後というような理性のラインすら踏み越えてしまうのではないかという懸念がどうしてもよぎります。私はまだ「ジョニー・マッド・ドッグ」を見ていませんが、機会があれば是非とも見てみたいと思える映画です。
もうすこし少年兵というくくりで話を続けると、「機動戦士Vガンダム」というアニメ作品が私の中で挙がってきます。Vガンダムは有名なガンダムシリーズの一つなのですが、主人公のウッソ・エヴィンは若干13歳で兵器に乗り、敵の殺害を含めた戦争に参加します。作品中でウッソは天才的なパイロットセンスを持つことから周囲の大人に持て囃され、より積極的に戦うべきだなどと言われ続けるのですが、これに対してある大人の女性一人だけがウッソを戦争に参加させるべきじゃない、こんなのおかしいと言い続けます。
私がこのアニメを小学生の頃に見ており、当時は主人公がことごとく敵機を薙ぎ倒す姿を見て胸が湧き、より戦争に駆り立てようとする周囲の大人たちの発言は当然だと見ておりました。当然、戦争に参加させるべきじゃないという先程の女性の話は対局的なものなので、なんでこんなことを言うのかと疑問に感じたわけです。
時は経ち現在に至ると、やはりあの世界はおかしかった、あの周囲の大人はなんていう事をしているのだという気がしてなりません。私も大人になったということでしょうか。
ちなみに、先ほどの「ウッソに戦争をやらせてはいけない」と言っていたキャラはカテジナ・ルースという名前で、最終的には敵味方問わず撃墜し、わけのわからないことを叫び続けるなど一番おかしな人になります。恐らく、まともな人も戦争ではおかしくなるっていうのがテーマだったんだと思いますが。
おまけ
上記動画は私がよく見る「エキプロ動画」というもので、あるプロレスゲームであらゆるゲームキャラクターを再現するという企画の一つですが、今日取り上げたVガンダムのキャラクターの面々も見事に再現されています。特に例のカテジナさんに至ってはバージョン別に3キャラも作られており、「お色直し2回」というコメントが妙に笑えました。
まる見えの紹介によると、この映画の監督は元少年兵を起用することでリアリティを出すとともに、彼らが映画撮影を通してどのように変化していくかを見ようと考えたそうです。そのためか彼ら元少年兵が撮影所にやってきた直後にカメラの前で自由に話させてその映像も残しているのですが、彼らの初録画はお世辞にも上品な態度とは言えず、皆それぞれ鋭い目つきと共に非常に物騒なことを口にするだけでした。具体的にはどこそこの戦闘で何人殺したのか、隠れているスナイパーを見つけて逆に撃ってやったとか、捕虜の指を一本ずつ切り落としてやったなどと、こんなセリフを15歳前後の少年が話すのかと正直にショックを覚えました。
こうして始まった映画撮影でしたが、最初に彼ら元少年兵の演技指導を施したところやはりというか難航し、また字も覚えていなかったことからスタッフによる口述で暗記させたとのことです。そうした演技指導の傍ら、元少年兵の俳優たちには共同生活を行わせた上に、彼らの世話役には大人の女性を配置して疑似的な親子関係を作らせたそうです。
こうした取り組みが功を奏したというか監督の目論み通りというか、撮影が進むにつれて元少年兵の俳優たちには徐々に変化の兆しが見えるようになってきたとのことです。それが最もあらわれたのはフランスでの試写会の際で、かつては自分が「兵士」としていかに優秀であるかしかアピールできなかった彼らが涙ながらに、世界には自分たちの様な少年兵が存在して戦っていることと、映画の中にある少年兵の姿だけが自分たちではないということを訴えるまでに成長しました。
さっきも同じ表現を使いましたが、非常にショックなシーンの連続でした。確か漫画家の西原理恵子氏が言っていたと思いますが夫であった鴨志田穣の話しとして、「戦場では大人に銃を向けられるよりも子供に銃を向けられる方が怖い。何故なら子供はその引き金を引けばどうなるのかをきちんと理解していない」と紹介しており、元少年兵たちの最初のシーンなどはまさにそれを連想しました。
そのような意味で言うと戦争というのは理性のある大人が実行するからまだ保っていられる、子供が戦争に出たら、最後の最後というような理性のラインすら踏み越えてしまうのではないかという懸念がどうしてもよぎります。私はまだ「ジョニー・マッド・ドッグ」を見ていませんが、機会があれば是非とも見てみたいと思える映画です。
もうすこし少年兵というくくりで話を続けると、「機動戦士Vガンダム」というアニメ作品が私の中で挙がってきます。Vガンダムは有名なガンダムシリーズの一つなのですが、主人公のウッソ・エヴィンは若干13歳で兵器に乗り、敵の殺害を含めた戦争に参加します。作品中でウッソは天才的なパイロットセンスを持つことから周囲の大人に持て囃され、より積極的に戦うべきだなどと言われ続けるのですが、これに対してある大人の女性一人だけがウッソを戦争に参加させるべきじゃない、こんなのおかしいと言い続けます。
私がこのアニメを小学生の頃に見ており、当時は主人公がことごとく敵機を薙ぎ倒す姿を見て胸が湧き、より戦争に駆り立てようとする周囲の大人たちの発言は当然だと見ておりました。当然、戦争に参加させるべきじゃないという先程の女性の話は対局的なものなので、なんでこんなことを言うのかと疑問に感じたわけです。
時は経ち現在に至ると、やはりあの世界はおかしかった、あの周囲の大人はなんていう事をしているのだという気がしてなりません。私も大人になったということでしょうか。
ちなみに、先ほどの「ウッソに戦争をやらせてはいけない」と言っていたキャラはカテジナ・ルースという名前で、最終的には敵味方問わず撃墜し、わけのわからないことを叫び続けるなど一番おかしな人になります。恐らく、まともな人も戦争ではおかしくなるっていうのがテーマだったんだと思いますが。
おまけ
上記動画は私がよく見る「エキプロ動画」というもので、あるプロレスゲームであらゆるゲームキャラクターを再現するという企画の一つですが、今日取り上げたVガンダムのキャラクターの面々も見事に再現されています。特に例のカテジナさんに至ってはバージョン別に3キャラも作られており、「お色直し2回」というコメントが妙に笑えました。
2013年9月19日木曜日
漫画レビュー:烈!!!伊達先パイ
先日からしょっちゅうタブレットPCのNexus7の話をし続けておりますが、実は故あってniftyのWIMAXを契約し、キャンペーンということでタダでもらいました。ほかの会社だと2万円のキャッシュバックとかありましたが、中華製タブレットPCが購入から約半年で壊れたこともあり、またSophieさんも最新のNexus7はお勧めだと言っていたので選んだわけですが、今のところ文句もなくタブレットライフを満喫しています。
Nexus7の入手後に最初に行ったのはアマゾンの電子書籍アプリ、kindleのインストールで、これをインストールした直後に購入した本と言うのも、今日取り上げる「烈!!!伊達先パイ」という漫画でした。
・烈!!!伊達先パイ(Wikipedia)
私がこの漫画を初めて読んだのは何故か去年の上海でした。きっかけは向こうで知り合った大学の先輩が正月休みに日本へ帰国した際、週刊少年ジャンプを持って帰ってきたからいるかと言われて、軽い返事でいると答えたら5冊くらいまとめて持ってこられたのでちょっとビビりました。
それはともあれもらったものだからと手に取ってみるものの、ジャンプなんて数年間も読んでいたので載っているのは知らない漫画ばかり。また昔から連載が続いている漫画も大分断絶がなくつながりがわからなかったため適当に流し読みしていたところ、一話完結のショートストーリー形式であったことからこの「烈!!!伊達先パイ」をじっくり読むこととなりました。
この漫画のあらすじを書くとまんまタイトルそのままで、高校生の主人公とヒロインは両想いでラブラブな関係であるものの、ヒロインの兄であるもう一人の主人公、伊達まさしは異常な伊達政宗マニアであり、なおかつシスコンであるため彼氏である主人公を隙あらば殺そうと襲い掛かってくるというのが主なパターンです。こうしたこの漫画のスタイルは作者も認めている通りに、少女(?)漫画家の岡田あーみん氏の傑作である「お父さんは心配症」とまったく同じものですが、伊達政宗フリークがアレンジとして付け加えられています。アレンジと言っていいものかは置いといて。
私個人の感想を述べると、非常に面白い作品でした。ただでさえこのところ一話完結のギャグ漫画が減っている中で果敢な内容となっており、また所々に作者なりのセンスがきらりと光るセリフ回しが秀逸な作品でした。特に気に入っているセリフはあるキャラクターが「メイドの本場は中国です」と言ったら、「ちょ、森薫先生に怒られない?」という、読んでネタわかる人はいるのかよと言いたくなるツッコミセリフがあります。なお森薫氏についてちょっとだけ述べると、現在連載中の「乙嫁物語」ではそのあまりの書き込みの多さに本気でゾッとしました。
話は戻りますがそんな具合で気に入ったことからジャンプくれた先輩に、「伊達先輩おもしろいっすね」と言ったら「花園君もそう思う?俺もあの漫画好きなんだけど」などと好みが見事一致しました。
ただこの時から一つ懸念があり、というのも「烈!!!伊達先パイ」の連載順位がかなり後ろの方、つまり少年ジャンプで言えば打ち切り候補だったというのが気になっていました。そしたら案の定、今年初めに早々と打ち切られ、全20話(全2巻)で幕を閉じてしまいました。私としては非常に高く評価していた漫画であっただけにぜひ買ってあげようと思って今回、電子書籍でコミックスを購入しましたがコミックスに寄せられた作者のコメントによると、なんでもこの漫画の連載をするに当たってそれまで勤めていた会社を退職していたそうです。
それまではサラリーマンをしながら担当編集者と打ち合わせていたようですが、連載が決まると同時に忙しい部署への転属を命じられたことから、「漫画を取ります」とばかりに退職した経緯が書かれてありました。もっとも週刊連載だったら忙しくない部署でも二足のわらじはきついと思いますが。
私としては作者の近藤信輔氏を高く評価しているだけに、是非とも今回の失敗をばねにまた連載を勝ち取り漫画家を続けてもらいたいと思っていることから、応援とばかりに今回のレビューを書くこととしました。ただ「烈!!!伊達先パイ」については、打ち切りだったとはいえあの舞台設定では長続きするネタではなかったとも思えますので、ある意味で失敗を前提とした初連載としてはこういう形でよかったのかなという気もします。
おまけ
例のジャンプをくれた先輩は私と同時期に中国勤務から日本国内勤務に移りましたが、「最近のジャンプだと、『食戟のソーマ』が面白い」と言ってたので、「奇遇っすね、俺もそう思ってたところですよ」と言い返してやりました。つくづく、好みが被る。
Nexus7の入手後に最初に行ったのはアマゾンの電子書籍アプリ、kindleのインストールで、これをインストールした直後に購入した本と言うのも、今日取り上げる「烈!!!伊達先パイ」という漫画でした。
・烈!!!伊達先パイ(Wikipedia)
私がこの漫画を初めて読んだのは何故か去年の上海でした。きっかけは向こうで知り合った大学の先輩が正月休みに日本へ帰国した際、週刊少年ジャンプを持って帰ってきたからいるかと言われて、軽い返事でいると答えたら5冊くらいまとめて持ってこられたのでちょっとビビりました。
それはともあれもらったものだからと手に取ってみるものの、ジャンプなんて数年間も読んでいたので載っているのは知らない漫画ばかり。また昔から連載が続いている漫画も大分断絶がなくつながりがわからなかったため適当に流し読みしていたところ、一話完結のショートストーリー形式であったことからこの「烈!!!伊達先パイ」をじっくり読むこととなりました。
この漫画のあらすじを書くとまんまタイトルそのままで、高校生の主人公とヒロインは両想いでラブラブな関係であるものの、ヒロインの兄であるもう一人の主人公、伊達まさしは異常な伊達政宗マニアであり、なおかつシスコンであるため彼氏である主人公を隙あらば殺そうと襲い掛かってくるというのが主なパターンです。こうしたこの漫画のスタイルは作者も認めている通りに、少女(?)漫画家の岡田あーみん氏の傑作である「お父さんは心配症」とまったく同じものですが、伊達政宗フリークがアレンジとして付け加えられています。アレンジと言っていいものかは置いといて。
私個人の感想を述べると、非常に面白い作品でした。ただでさえこのところ一話完結のギャグ漫画が減っている中で果敢な内容となっており、また所々に作者なりのセンスがきらりと光るセリフ回しが秀逸な作品でした。特に気に入っているセリフはあるキャラクターが「メイドの本場は中国です」と言ったら、「ちょ、森薫先生に怒られない?」という、読んでネタわかる人はいるのかよと言いたくなるツッコミセリフがあります。なお森薫氏についてちょっとだけ述べると、現在連載中の「乙嫁物語」ではそのあまりの書き込みの多さに本気でゾッとしました。
話は戻りますがそんな具合で気に入ったことからジャンプくれた先輩に、「伊達先輩おもしろいっすね」と言ったら「花園君もそう思う?俺もあの漫画好きなんだけど」などと好みが見事一致しました。
ただこの時から一つ懸念があり、というのも「烈!!!伊達先パイ」の連載順位がかなり後ろの方、つまり少年ジャンプで言えば打ち切り候補だったというのが気になっていました。そしたら案の定、今年初めに早々と打ち切られ、全20話(全2巻)で幕を閉じてしまいました。私としては非常に高く評価していた漫画であっただけにぜひ買ってあげようと思って今回、電子書籍でコミックスを購入しましたがコミックスに寄せられた作者のコメントによると、なんでもこの漫画の連載をするに当たってそれまで勤めていた会社を退職していたそうです。
それまではサラリーマンをしながら担当編集者と打ち合わせていたようですが、連載が決まると同時に忙しい部署への転属を命じられたことから、「漫画を取ります」とばかりに退職した経緯が書かれてありました。もっとも週刊連載だったら忙しくない部署でも二足のわらじはきついと思いますが。
私としては作者の近藤信輔氏を高く評価しているだけに、是非とも今回の失敗をばねにまた連載を勝ち取り漫画家を続けてもらいたいと思っていることから、応援とばかりに今回のレビューを書くこととしました。ただ「烈!!!伊達先パイ」については、打ち切りだったとはいえあの舞台設定では長続きするネタではなかったとも思えますので、ある意味で失敗を前提とした初連載としてはこういう形でよかったのかなという気もします。
おまけ
例のジャンプをくれた先輩は私と同時期に中国勤務から日本国内勤務に移りましたが、「最近のジャンプだと、『食戟のソーマ』が面白い」と言ってたので、「奇遇っすね、俺もそう思ってたところですよ」と言い返してやりました。つくづく、好みが被る。
2013年9月18日水曜日
シリア情勢に対する一つの考察
先週、政府軍が化学兵器を使用したとの疑惑が出ていたシリアへの対応について、シリアの化学兵器を各国や国際組織が管理・監視するというロシアの提案に米国が同意したと発表されました。それまで米国は一貫してシリア政府に対して「超えてはならない一線を越えてしまった」として軍事制裁を示唆していましたが、今回のロシアとの合意によって事実上、見送られる形となりました。
米国が今回ロシアに妥協した理由としてあるメディアでは、シリアの隣国であるイスラエルに対する報復を懸念したのではないかと報じておりました。確かにイスラエルはシリアの隣国にあり、また米国のロビイストに深く食い込んでいる国なだけに十分ありうる話でその通りだと思うのですが、それ以前に何故米国がこれほどまでに軍事行動を示唆したのか、ちょっとその辺が気になります。
というのも、これまた海外報道で審議の確認は難しいのですが、化学兵器使用疑惑が立って間もない8月下旬の時点で、既に米軍はシリアへの軍事行動に向けて艦隊を差し向けたりするなど攻撃準備を整えていたそうです。それだけに攻撃命令が出されずに9月を迎えた際は米軍内部で動揺が広がったと書かれてありましたが、実際にオバマ大統領の当時の発言を見ているとさもありなんという気もします。
ここでの大きな疑問点は、一体何故米軍はこれほどまでにシリアに対して軍事行動を起こそうとしたのかです。推測ならば理由はなんとでも言えますが、中東にもっと幅を利かせたいとか、反政府側と何らかの取引があったのか、いちいち挙げていたら切りがありません。さすがに中東情勢は専門じゃないのでこの辺りについて詳しい言及は避けますが、少なくともロシア(+中国)の抵抗がなければ米国は本気で軍事行動を起こしていたと私は思います。
そう思うだにつけてオバマ大統領は随分とまた好戦的な人物だったのかと言わざるを得ません。元々彼はイラク戦争の失敗を指摘してイラクからの米軍早期撤退を訴えて大統領になりましたが、先日の個人情報の件といい、根っこはブッシュと変わりがないのではないかとも思えてきました。まぁもう再選したのだし、余計な遠慮がなくなったとでもいうべきなのかな。
米国が今回ロシアに妥協した理由としてあるメディアでは、シリアの隣国であるイスラエルに対する報復を懸念したのではないかと報じておりました。確かにイスラエルはシリアの隣国にあり、また米国のロビイストに深く食い込んでいる国なだけに十分ありうる話でその通りだと思うのですが、それ以前に何故米国がこれほどまでに軍事行動を示唆したのか、ちょっとその辺が気になります。
というのも、これまた海外報道で審議の確認は難しいのですが、化学兵器使用疑惑が立って間もない8月下旬の時点で、既に米軍はシリアへの軍事行動に向けて艦隊を差し向けたりするなど攻撃準備を整えていたそうです。それだけに攻撃命令が出されずに9月を迎えた際は米軍内部で動揺が広がったと書かれてありましたが、実際にオバマ大統領の当時の発言を見ているとさもありなんという気もします。
ここでの大きな疑問点は、一体何故米軍はこれほどまでにシリアに対して軍事行動を起こそうとしたのかです。推測ならば理由はなんとでも言えますが、中東にもっと幅を利かせたいとか、反政府側と何らかの取引があったのか、いちいち挙げていたら切りがありません。さすがに中東情勢は専門じゃないのでこの辺りについて詳しい言及は避けますが、少なくともロシア(+中国)の抵抗がなければ米国は本気で軍事行動を起こしていたと私は思います。
そう思うだにつけてオバマ大統領は随分とまた好戦的な人物だったのかと言わざるを得ません。元々彼はイラク戦争の失敗を指摘してイラクからの米軍早期撤退を訴えて大統領になりましたが、先日の個人情報の件といい、根っこはブッシュと変わりがないのではないかとも思えてきました。まぁもう再選したのだし、余計な遠慮がなくなったとでもいうべきなのかな。
2013年9月17日火曜日
中国人留学生の男児救出に対する中国の報道
体調がいいので本日、久々に二本出し。っというか、あんまり後に書いても意味がないニュースだし。
・中国人留学生、大阪淀川で男児を救出「まさに英雄!」「勇敢!国のイメージをも変える」―中国版ツイッター(レコードチャイナ)
知っている人も多いかと思いますが、台風が日本列島を縦断した昨日16日、大阪府の淀川に流されてしまった男児をたまたま通りかかった中国人留学生の厳俊氏が単身で飛び込み、見事救出するというニュースが報道されました。この中国人留学生の行動には日本の各報道機関、ならびにネット上などでも称賛の声が溢れており、私自身も久々にいいニュースを見れたと気持ちのいい思いがしてなりません。
それにしてもこの厳俊氏ですが、こういってはなんですが一体どういう神経と身体能力をしているのか計り知れません。当時、大阪はもとより全国で台風の影響から大雨が吹き荒れ、淀川もまっ茶色になって荒れに荒れ狂っている状況でした。普通に考えたらいくら溺れている人がいるからってあんな状態で飛び込めば自分も流されかねないと思ってまず飛び込まないでしょうが、果敢にも飛び込んで、見事に男児を救出するなんて並大抵の業じゃありません。消防隊員ももし厳俊氏が飛び込まなければ男児の命は危うかったと証言していますが、その言葉に偽りはないでしょう。文字通り、英雄的な行動と言って間違いありません。
それでこの事件は中国だとどう報じているのか、レコードチャイナの記事でも引用されていますが一応念のために私の方でも調べてみました。
・上海小伙在日救起9岁男童 日本网民:中国人真勇敢(東方網)
上記のサイトは中国語で書かれていますが、事件のあらましと厳俊氏の来歴を紹介した上で、日本の各メディアは彼の行動を絶賛していると報じております。このほかのサイトでも同じように報じられてあり、日中両国で大きく取り上げられていると言ってこれまた間違いないでしょう。
あまり意地汚い話はするべきじゃないのでしょうが、ちょうど去年の九月に尖閣諸島を日本が国有化したことによって反日デモが起こり、あれからちょうど一年ということで中国の日本に対する報道はピリピリしたムードがありました。もちろん政治は政治で別個の話ではありますが、こうしたムードを吹き飛ばすかのような素晴らしいニュースが出たことはまさに僥倖です。私としては日中はなるべく仲良くやるべきだと思うし、厳俊氏みたいに荒れた川に飛び込む必要まではないけどこのように両国の国民同士が助け合うというニュースは今後も見続けていきたいものです。
・中国人留学生、大阪淀川で男児を救出「まさに英雄!」「勇敢!国のイメージをも変える」―中国版ツイッター(レコードチャイナ)
知っている人も多いかと思いますが、台風が日本列島を縦断した昨日16日、大阪府の淀川に流されてしまった男児をたまたま通りかかった中国人留学生の厳俊氏が単身で飛び込み、見事救出するというニュースが報道されました。この中国人留学生の行動には日本の各報道機関、ならびにネット上などでも称賛の声が溢れており、私自身も久々にいいニュースを見れたと気持ちのいい思いがしてなりません。
それにしてもこの厳俊氏ですが、こういってはなんですが一体どういう神経と身体能力をしているのか計り知れません。当時、大阪はもとより全国で台風の影響から大雨が吹き荒れ、淀川もまっ茶色になって荒れに荒れ狂っている状況でした。普通に考えたらいくら溺れている人がいるからってあんな状態で飛び込めば自分も流されかねないと思ってまず飛び込まないでしょうが、果敢にも飛び込んで、見事に男児を救出するなんて並大抵の業じゃありません。消防隊員ももし厳俊氏が飛び込まなければ男児の命は危うかったと証言していますが、その言葉に偽りはないでしょう。文字通り、英雄的な行動と言って間違いありません。
それでこの事件は中国だとどう報じているのか、レコードチャイナの記事でも引用されていますが一応念のために私の方でも調べてみました。
・上海小伙在日救起9岁男童 日本网民:中国人真勇敢(東方網)
上記のサイトは中国語で書かれていますが、事件のあらましと厳俊氏の来歴を紹介した上で、日本の各メディアは彼の行動を絶賛していると報じております。このほかのサイトでも同じように報じられてあり、日中両国で大きく取り上げられていると言ってこれまた間違いないでしょう。
あまり意地汚い話はするべきじゃないのでしょうが、ちょうど去年の九月に尖閣諸島を日本が国有化したことによって反日デモが起こり、あれからちょうど一年ということで中国の日本に対する報道はピリピリしたムードがありました。もちろん政治は政治で別個の話ではありますが、こうしたムードを吹き飛ばすかのような素晴らしいニュースが出たことはまさに僥倖です。私としては日中はなるべく仲良くやるべきだと思うし、厳俊氏みたいに荒れた川に飛び込む必要まではないけどこのように両国の国民同士が助け合うというニュースは今後も見続けていきたいものです。
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