・日本の「過労死」問題が深刻化 女性の過労死が増加(人民網日本語版)
上記リンク先の記事は先週に人民網こと人民日報日本語版で、自殺問題に関しては一家言ある私が見出しを一読してすぐに興味を持った記事です。内容に関しては元記事を見てもらえばわかる、というより見出しだけでも十分わかるでしょうが近年日本では男性の専売特許と見られていた過労死をする女性が増えていると報じております。ネタ元というか出典はどこなのかと見てみたら記事中に、中国でも最強の右翼系新聞社が運営する環球網というサイトが米CNBCの報道を引用したと書かれてあるのですが、ところがどっこい私がちゃんと調べたらロイター発の記事でした。ってかこいつら全員ちゃんと出典元くらい調べろよな。
・Death by overwork on rise among Japan's vulnerable workers(REUTERS)
上記リンク先がロイターの東京駐在記者が書いた元記事で、割かし読みやすい英文なので興味ある方はぜひチャレンジして読んでみてください。私はこのところ毎日仕事で翻訳してるから読みたくなくて斜め読みしかしてませんが。
書かれてある内容は基本的に人民網がフォローしており、記事中に出てくる日本人弁護士の名前もそのままで、この弁護士が手掛ける案件なのかどうかまではわかりませんがかつて過労死案件は95%が男性だったものの近年は女性が20%を占めるようになってきたと書かれてあります。もう一つ女性の過労死が増えている根拠として挙げているデータとしては最終段落にある、
「厚生労働省の統計によると、過去4年の間に、29歳以下のグループを見ると、仕事が原因の自殺が45%増え、女性従業員の自殺件数も39%増加した。」
という記述ですが、取り上げといてなんだけどこのデータはほんまかいなと思う怪しいものです。というのも私がちゃんと調べたら厚生労働省がホームページで公開している自殺統計データは平成15年のしか見当たらず、むしろ内閣府の方が毎年きちんと自殺の統計データを出してます。でもって試しに内閣府の平成27年と平成23年のデータを見比べてみたところ、20~29歳の女性で自殺原因が「勤務問題」に分類されている自殺者数を見たら平成23年が95人だったのに対し平成27年はなんと75人と20人も減ってますっておい、4年で45%増えたんじゃねぇのか!?
という具合で、記事中で引用しているデータの根拠は確認できませんでした。このデータ自体はロイターの元記事にも書かれていますが、ただ単に私が元データを見つけられないのか、それとも引用した連中は誰も元データを確認しようとしなかったのかいろいろ疑問を覚えます。自殺統計データの発行元が厚生労働省ではなく内閣府である点を考慮すると後者である可能性が高いのではと思いますが、いい加減なことばっかやってないでちゃんと仕事しろよと関係したライター共には言いたいです。なんで関係ない私がいちいち検証しなくちゃならないんだろう……。
ただこうしてデータを検証しておきながらですが、あくまで印象論である前提で述べると日本で女性の過労死は増えているのではないかと内心思います。そう思う理由としてはいくつかあり、
1、女性の社会進出はかつてより確実に増えている
2、女性に限らず男性でも鬱になる人が増えていると聞いている
3、日本人が鬱になる理由はほとんど仕事絡み、わずかに介護絡み
4、未婚女性が増えている
5、このところ「女性の貧困」に関する特集記事をやけに見る
一つ一つはともかく上記五つの理由はどれも連関しており、総合的に考慮するならこれでも女性の過労死が増えないってのは有り得ないのではと思うくらいの連荘ぶりです。またただでさえ世帯収入がどんどん下がっている中、未婚女性が少ない収入でやりくりするのも理解できない話ではなく、でもって無理して働いて過労状態になるのも自然な成り行きかなと思うわけです。にもかかわらず何故自殺カウントデータは減っているのかですが、統計上できちんと自殺が認知反映されているかでやや議論の余地があり、また自殺未遂とかも含めるといろいろ変わってくるんじゃないかと思います。あくまで印象論の話として。
でもって一番最初に引用した記事を見た時に私が思い出したのが、ワタミの女性従業員過労死自殺事件です。事件自体はワタミならよくあることかもしれませんしこれが女性ではなく男性だったら大きく報じられることもなかったでしょうが、女性であっても容赦なくブラックな労働を押しつける社会になったということを象徴するような事件だったと今更ながら思います。それだけに、余所でもこういうの起こってそうだし、女性の過労死が増えてると聞いてもそうかもねと思ったわけです。
既に大分詰め込み過ぎな気がしますが最後にもう一言述べると、大本のロイター記事をみると冒頭で「death from overwork」とともに「karoshi」という単語が書かれてあるのにやれやれという気持ちにさせられました。意味分かる人はもう読み飛ばしても構いませんが、欧米人の感覚からすると「死ぬまで働くなんて奴隷でもないのになんで?」という印象を持たれているのかもしれず、そんな概念が初めから存在しないからこそ「過労死(Karoshi)」という日本語の単語がそのまま使われたのでしょう。
この辺の感覚は日本人か韓国人にしか案外理解されないかもしれず、逆に欧米人とか中国人からしたら死ぬような仕事を辞めようともせず続けるのはクレイジーだと思われるでしょう。一般的な日本人の感覚からぶっ飛んでしまった私からしても同じように……と言いたいところですが、さすがに日本出身なだけあって死んでも仕事にしがみつこうとする日本人の感覚は理解できてるつもりです。
おまけ
名古屋に左遷されたうちの親父は私が子供だった頃、文字通り朝から晩までずっと働きづくめだったのでお袋から、「過労死した時の証拠になるから勤務した時間を毎日メモっておいて」と言われてました。当時は何とも思わなかったけど、今思うと随分と血も涙もないことを言われてた気がする。
おまけ2
本当はこの記事は昨日に書く予定でしたが、昨日朝起きたら全身が痛い上に気だるく、吐き気を催すほど体調悪くて断念しました。一昨日までは元気に動き回ってたのに一体何故こうなったのか全く分からなかったものの一応きちんと出社して定時まで働きましたが、同僚からはこのところ残業が増えていることから、「過労では?」と心配されました。なんで過労死に関する記事書こうとしていた矢先に過労疑われてるんだろうと、不思議な気持ちを抱えたまま昨夜は夜8時に布団に入りました。でもって夜中12時に目が覚めるし。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2016年4月15日金曜日
2016年4月11日月曜日
美しくも貧しきハリウッド女優
今日もぶっちゃけ疲労困憊というかもう頭が何も考えられない状態なのですぐ流せる映画ネタで済ませます。でも案外、こういう手を抜いた記事ほどアクセスよかったりするから世の中よくわからない。
・キーラ・ナイトレイ(Wikipedia)
キーラ・ナイトレイと聞いてすぐパッと出てくる人は少ないかもしれませんが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」でヒロイン役を演じた女優と言えば「アッー、あの人」と思いだすかもしれません。それ以外に日本で有名な役どころと言えば「スターウォーズ エピソード1」でナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の影武者役を小さい頃に演じており、それが縁でナタリーとは現在も仲いいと聞きます。
キーラは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒット以降もその演技力が評論家からも高く評価され現在に至ってはハリウッドを代表する高額ギャラ女優の一人に挙げられています。特にややゴシックさを感じる容貌は幼少時からも賞賛されており、あちこちの企業からイメージキャラクターにも採用されており、「最も美しいピープルランキング」でも先程のナタリーと一緒にランキングの常連として名を馳せています。
そんな一見すると向かうところ敵なしな感じするキーラですが、変な意味でも有名というか、あまりの貧乳ぶりで有名です。ウィキペディアにも詳しく書いておりますが十代の頃のブラジャーを今でも使っている(ってか早く捨てろよ)そうですし、また全く胸がないから「拒食症なのでは?」と定期的に噂されたりして、その度にいちいち否定もしています。にしても胸がないから拒食症に間違われるというのもまた酷な話である気がします。
おまけにシャネルの広告に出ることとなった際はスポンサー側から、「CGで胸盛っていい?」と持ちかけられ、「勝手にしやがれこの野郎!(#;Д;)」と答えたかどうかは定かではありませんが了承はしたそうです。
それほど貧乳にまつわる数多くのエピソードがあるくせに何故かこの人、レセプションとかではやたら露出の多い服装をすることが多く、2012年時における私の中でのこの人のあだ名は「不必要にエロいねーちゃん」でした。最近は貧乳の方が印象に残ってるので、「まな板大名」と勝手に名づけています。
・キーラ・ナイトレイ(Wikipedia)
キーラ・ナイトレイと聞いてすぐパッと出てくる人は少ないかもしれませんが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」でヒロイン役を演じた女優と言えば「アッー、あの人」と思いだすかもしれません。それ以外に日本で有名な役どころと言えば「スターウォーズ エピソード1」でナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の影武者役を小さい頃に演じており、それが縁でナタリーとは現在も仲いいと聞きます。
キーラは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒット以降もその演技力が評論家からも高く評価され現在に至ってはハリウッドを代表する高額ギャラ女優の一人に挙げられています。特にややゴシックさを感じる容貌は幼少時からも賞賛されており、あちこちの企業からイメージキャラクターにも採用されており、「最も美しいピープルランキング」でも先程のナタリーと一緒にランキングの常連として名を馳せています。
そんな一見すると向かうところ敵なしな感じするキーラですが、変な意味でも有名というか、あまりの貧乳ぶりで有名です。ウィキペディアにも詳しく書いておりますが十代の頃のブラジャーを今でも使っている(ってか早く捨てろよ)そうですし、また全く胸がないから「拒食症なのでは?」と定期的に噂されたりして、その度にいちいち否定もしています。にしても胸がないから拒食症に間違われるというのもまた酷な話である気がします。
おまけにシャネルの広告に出ることとなった際はスポンサー側から、「CGで胸盛っていい?」と持ちかけられ、「勝手にしやがれこの野郎!(#;Д;)」と答えたかどうかは定かではありませんが了承はしたそうです。
それほど貧乳にまつわる数多くのエピソードがあるくせに何故かこの人、レセプションとかではやたら露出の多い服装をすることが多く、2012年時における私の中でのこの人のあだ名は「不必要にエロいねーちゃん」でした。最近は貧乳の方が印象に残ってるので、「まな板大名」と勝手に名づけています。
2016年4月9日土曜日
五輪エンブレム候補に対する感想
・五輪エンブレム仕切り直しの最終4候補発表 1作は「敗者復活」(スポニチアネックス)
前代未聞のパクリ騒動から約半年、2020年東京五輪エンブレムの最終候補四作が一般向けに公開されました。あんまりほかのサイトとかでこれらの候補への感想を見ないので、もといとっとと今日の記事まとめておきたいので私個人の感想を試しに乗っけてみようかと思います。
結論から言うと、もっとマシな候補はなかったのか、という一言に尽きます。(個人の感想です)
一つ一つコメントしていくとまず左上、一見してクリスマスのオーナメントかいなと見間違えました。色使いもそれほど工夫を感じないし、日本らしさも東京らしさも、それどころかオリンピックらしさすらも全く感じられません。右の奴なんか一瞬、「闘牛?」とも思ったし。
次に左下のモデルについては、「なにこのエグザイル?」でした。古い言葉でいうならマトリックス的な。真面目な話に切り替えると五輪エンブレムにしてはやや複雑すぎるデザインに感じられ、もう少しシンプルなものを選択すべきであるような気がします。もっともそれ以上に、左上同様に日本らしさも東京らしさもないのですが、オリンピックらしさは一応色使いでカバーはされてるものの。
右上のデザインはシンプルな点はまだいいものの、実は一番この候補の中で「まずいんじゃないの?」と思った候補です。具体的に何がまずいのかというと左のエンブレムが「白抜き赤丸」という点で、考えすぎかもしれませんがまるで日本国旗から中身をくりぬいたかのようなデザインに一瞬見えました。女子高生風に言うと、なんていうか「国家安康」的な、家康マジ激おこぷんぷん丸だよ。
むしろ逆に、白抜きをやめて国旗と同じく背景白の赤丸にして、右上の円周部のみ今のデザイン同様に複数の色でウェーブをつけていたら大満足で文句なしのデザインでした。こういう修正にするのなら諸手を上げて賛成なのですが。
最後右下。好き勝手に言うと、「なめとんか?」って思いました。左側は一見して朝顔にしか見えず、なんで桜や菊を差し置いて朝顔を日本の東京五輪に使おうとしたのか、でもって何故こんなのが最終候補に残るんだと一見してたくさんの疑問が浮き出てきました。なお東京都のシンボル花はソメイヨシノです。
この右下に関しては右側のデザインも疑問で、これも一見してサッカーボールにしか見えず、ワールドカップとかと勘違いしたのかと疑いました。両方とも何故こんなものをオリンピックに、しかも日本のイベントに使おうとするのか、もしかしたら右側のサッカーボールは毬をイメージしたのかもしれませんけど、根本から日本らしさを叩き落としたかのようなデザインに思えてなりません。二度目ですが、何故これが候補に残ったんだろう。
四つともに言えることとして一見して、「あ、日本だ」と思うような日本らしさの要素が致命的なまでに欠けているような気がしてなりません。右上のデザインはテコ入れすればグッとよくなる要素があるのと、白抜きとはいえ赤い円であるため日本とイメージしやすいこともあってこの中では一番いいと思います。
にしたって、もっといい候補とかもあると思うんですけどね。別にこれだけに限るわけじゃないけど、日本のデザイン業界とかほんと大丈夫なの?
前代未聞のパクリ騒動から約半年、2020年東京五輪エンブレムの最終候補四作が一般向けに公開されました。あんまりほかのサイトとかでこれらの候補への感想を見ないので、もといとっとと今日の記事まとめておきたいので私個人の感想を試しに乗っけてみようかと思います。
結論から言うと、もっとマシな候補はなかったのか、という一言に尽きます。(個人の感想です)
一つ一つコメントしていくとまず左上、一見してクリスマスのオーナメントかいなと見間違えました。色使いもそれほど工夫を感じないし、日本らしさも東京らしさも、それどころかオリンピックらしさすらも全く感じられません。右の奴なんか一瞬、「闘牛?」とも思ったし。
次に左下のモデルについては、「なにこのエグザイル?」でした。古い言葉でいうならマトリックス的な。真面目な話に切り替えると五輪エンブレムにしてはやや複雑すぎるデザインに感じられ、もう少しシンプルなものを選択すべきであるような気がします。もっともそれ以上に、左上同様に日本らしさも東京らしさもないのですが、オリンピックらしさは一応色使いでカバーはされてるものの。
右上のデザインはシンプルな点はまだいいものの、実は一番この候補の中で「まずいんじゃないの?」と思った候補です。具体的に何がまずいのかというと左のエンブレムが「白抜き赤丸」という点で、考えすぎかもしれませんがまるで日本国旗から中身をくりぬいたかのようなデザインに一瞬見えました。女子高生風に言うと、なんていうか「国家安康」的な、家康マジ激おこぷんぷん丸だよ。
むしろ逆に、白抜きをやめて国旗と同じく背景白の赤丸にして、右上の円周部のみ今のデザイン同様に複数の色でウェーブをつけていたら大満足で文句なしのデザインでした。こういう修正にするのなら諸手を上げて賛成なのですが。
最後右下。好き勝手に言うと、「なめとんか?」って思いました。左側は一見して朝顔にしか見えず、なんで桜や菊を差し置いて朝顔を日本の東京五輪に使おうとしたのか、でもって何故こんなのが最終候補に残るんだと一見してたくさんの疑問が浮き出てきました。なお東京都のシンボル花はソメイヨシノです。
この右下に関しては右側のデザインも疑問で、これも一見してサッカーボールにしか見えず、ワールドカップとかと勘違いしたのかと疑いました。両方とも何故こんなものをオリンピックに、しかも日本のイベントに使おうとするのか、もしかしたら右側のサッカーボールは毬をイメージしたのかもしれませんけど、根本から日本らしさを叩き落としたかのようなデザインに思えてなりません。二度目ですが、何故これが候補に残ったんだろう。
四つともに言えることとして一見して、「あ、日本だ」と思うような日本らしさの要素が致命的なまでに欠けているような気がしてなりません。右上のデザインはテコ入れすればグッとよくなる要素があるのと、白抜きとはいえ赤い円であるため日本とイメージしやすいこともあってこの中では一番いいと思います。
にしたって、もっといい候補とかもあると思うんですけどね。別にこれだけに限るわけじゃないけど、日本のデザイン業界とかほんと大丈夫なの?
栃木女児殺害事件の第一審判決について
・小1女児殺害で無期懲役=自白信用性を認定―「身勝手で残虐」・宇都宮地裁(時事通信)
本日、かねてからこのブログで取り上げていた栃木県の小1女児殺害事件の第一審裁判において本日判決が下り、被告の男性に無期懲役刑が言い渡されました。私自身は以前に書いた記事でも述べたようにこの被告の方は冤罪である可能性が高いと見ておりその理由についても既述しておりますが、矛盾しかなく整合性のかけらもない自白調書が先に証拠として採用された段階でこの判決はあらかじめ読めてはいました。とはいえ、何とか無罪判決が下りてくれないものかと願っていただけにこの結果に関しては非常に残念極まりなくニュースを見た瞬間に気分も大きく落ち込みました。
何故この事件が冤罪だと考えるのかという理由については過去の記事でも散々に述べていますが、一番大きな理由としては実際に遺体を検死した法医学者が自白内容と死体状況が一致しないと述べていること、二番目としてはこの事件を捜査したのがかつて足利事件を生んだ悪名高き栃木県警であることからです。まぁ足利事件以上に私の中では栃木リンチ殺害事件の方が大きいけど。
ただ私以外にもこの事件を冤罪と疑う人間は少なくないように思え、このところこのブログのアクセスも派遣マージン率と並んでこの事件に関連した記事も急激に増えてきております。同じように考える人間が少なからずいてくれてほっとする一方、今回の判決を報じるニュース記事に付けられたコメントを見ると大半の方が被告が犯人であると信じて疑わず、「何故真実を語らない」とか「どうして死刑にならない」などと言うコメントがずらっと並んでおり、世論的にはまだまだ私はマイノリティに属しているのでしょう。
そのようなコメントの中で少し目を引いたものとして、「犯人じゃないというのならなんで自白した。やましいことがないなら自白なんてするわけない」といった類のコメントが数件見受けられました。本来反論すべき立場でないことは重々承知ですが、はっきり言えばこの認識は大きく間違っているだろうし世の中舐めた発言じゃないかと思わざるを得ません。というのも、警察に逮捕され留置所、次いで拘置所に送られた場合の精神的圧迫というものは非常に大きいと体験者は皆口を揃えて話しており、最後まで抵抗し続けた人たちですら「嘘でもいいから自白して早く楽になりたい」という考えが何度もよぎったと後に述べています。
具体的にどのようにキツイのかというと外界の自由を奪われた上に近親者との交信も制限され、その上狭い部屋に朝から晩まで監禁され自白するまで延々と怒鳴られる、嫌味を言われる、肩とか腕を掴まれ思い切り揺さぶられるというのも話を聞いてる限りだとそんな珍しくない気がします。大阪府警なんかは取り調べ中の怒声が過去に録音されていますがあんなの聞いたら震え上がらない人間の方が珍しいと感じるくらいですし、ましてやこの被告は二年くらい拘留されており、精神が萎えるというのもごく自然だし正気を保つことも難しかったのではないかと思います。
そもそも栃木県警では過去の足利事件で犯人とされた菅谷さんを取り調べ中に散々脅したり、実際に暴行を加えたことも証言されています。結局それらの拷問に屈する形で菅谷さんもしてもいない殺人を警察に言われた通りに自白することとなりましたが、この菅谷さんを迂闊だと責められる人がいるというのなら一回同じ目にあってみたらどうかと言ってやりたいです。まぁ自分も成人してからはサツにパクられた事がないので取り調べ体験はないのですが。
こうした警察、検察の取り調べ過程についてはやはり体験者の話を聞くのが一番で、中でも一番おすすめなのは「国家の罠」を上辞した佐藤優氏です。モスクワでマフィアとそう変わらない海千山千の政治家や官僚とハードな交渉をしたり、軍隊に囲まれたリトアニア政庁に乗り込んで和解に奔走した元外交官の佐藤氏(ついでにかなり強面の悪人ヅラ)ですら、取り調べ中には何度も拘禁症状が出て涙を流したり、精神的にかなり追いつめられたという経験が先の本の中で赤裸々に書かれています。この佐藤氏ですら、自らにかけられた根も葉もない容疑を最後まで認めず屈しなかったものの、あれほどまで追い詰められるのだから自分などは同じ状況で耐えられる自信はとてもありません。
同じく無実の罪で投獄され、さらには証拠まで偽装された厚生労働省の村木厚子氏も最後まで屈することなく裁判で無罪を勝ち取りましたが、真面目に佐藤氏と村木氏のタフさには頭が下がります。本当にすごい官僚というのは物凄くタフなんでしょう。
少し話が脱線しましたが、どう考えてもこの事件には女の子を殺した真犯人がまだ野放しになっているようにしか思えず、栃木県警のサボタージュのために無辜の市民の人生が弄ばれるという事実は正直癇に障ります。被告とその弁護団は控訴する方針とのことですが、二審で無罪を獲得することを切に願います。
おまけ
「国家の罠」の中に書かれた佐藤氏と検事のやり取りの中で、佐藤氏が鈴木宗男氏からお金を受け取っていたとみた検事が佐藤氏の預金を調べたところ300万円あるのを見て、「きっとこの金こそムネオ資金だ」と最初は考えたそうです。しかし他の外務省職員の預金も調べてみたらみんな数千万、下手したら数億円単位で大量に預金を持っており、
検事「あんた一体なんでこれしか預金持ってないんだ。外務省職員は半端なく給料いいんだからもっとあったっていいだろう(;´Д`)」
佐藤氏「馬鹿にするなよ、300万円だって立派な預金じゃないか!(# ゚Д゚)」
という妙なやり取りがあったそうです。ちなみになんで佐藤氏の預金が少なかったのかというと、仕事で使うお金の大部分を自己負担しており、記者や商社員、外国政府職員などから情報を得ていたためだそうです。他の人だったらもしかして嘘じゃないかなと思ったかもしれませんが、この人に関してはとてもそんな疑念は全く浮かびません。
本日、かねてからこのブログで取り上げていた栃木県の小1女児殺害事件の第一審裁判において本日判決が下り、被告の男性に無期懲役刑が言い渡されました。私自身は以前に書いた記事でも述べたようにこの被告の方は冤罪である可能性が高いと見ておりその理由についても既述しておりますが、矛盾しかなく整合性のかけらもない自白調書が先に証拠として採用された段階でこの判決はあらかじめ読めてはいました。とはいえ、何とか無罪判決が下りてくれないものかと願っていただけにこの結果に関しては非常に残念極まりなくニュースを見た瞬間に気分も大きく落ち込みました。
何故この事件が冤罪だと考えるのかという理由については過去の記事でも散々に述べていますが、一番大きな理由としては実際に遺体を検死した法医学者が自白内容と死体状況が一致しないと述べていること、二番目としてはこの事件を捜査したのがかつて足利事件を生んだ悪名高き栃木県警であることからです。まぁ足利事件以上に私の中では栃木リンチ殺害事件の方が大きいけど。
ただ私以外にもこの事件を冤罪と疑う人間は少なくないように思え、このところこのブログのアクセスも派遣マージン率と並んでこの事件に関連した記事も急激に増えてきております。同じように考える人間が少なからずいてくれてほっとする一方、今回の判決を報じるニュース記事に付けられたコメントを見ると大半の方が被告が犯人であると信じて疑わず、「何故真実を語らない」とか「どうして死刑にならない」などと言うコメントがずらっと並んでおり、世論的にはまだまだ私はマイノリティに属しているのでしょう。
そのようなコメントの中で少し目を引いたものとして、「犯人じゃないというのならなんで自白した。やましいことがないなら自白なんてするわけない」といった類のコメントが数件見受けられました。本来反論すべき立場でないことは重々承知ですが、はっきり言えばこの認識は大きく間違っているだろうし世の中舐めた発言じゃないかと思わざるを得ません。というのも、警察に逮捕され留置所、次いで拘置所に送られた場合の精神的圧迫というものは非常に大きいと体験者は皆口を揃えて話しており、最後まで抵抗し続けた人たちですら「嘘でもいいから自白して早く楽になりたい」という考えが何度もよぎったと後に述べています。
具体的にどのようにキツイのかというと外界の自由を奪われた上に近親者との交信も制限され、その上狭い部屋に朝から晩まで監禁され自白するまで延々と怒鳴られる、嫌味を言われる、肩とか腕を掴まれ思い切り揺さぶられるというのも話を聞いてる限りだとそんな珍しくない気がします。大阪府警なんかは取り調べ中の怒声が過去に録音されていますがあんなの聞いたら震え上がらない人間の方が珍しいと感じるくらいですし、ましてやこの被告は二年くらい拘留されており、精神が萎えるというのもごく自然だし正気を保つことも難しかったのではないかと思います。
そもそも栃木県警では過去の足利事件で犯人とされた菅谷さんを取り調べ中に散々脅したり、実際に暴行を加えたことも証言されています。結局それらの拷問に屈する形で菅谷さんもしてもいない殺人を警察に言われた通りに自白することとなりましたが、この菅谷さんを迂闊だと責められる人がいるというのなら一回同じ目にあってみたらどうかと言ってやりたいです。まぁ自分も成人してからはサツにパクられた事がないので取り調べ体験はないのですが。
こうした警察、検察の取り調べ過程についてはやはり体験者の話を聞くのが一番で、中でも一番おすすめなのは「国家の罠」を上辞した佐藤優氏です。モスクワでマフィアとそう変わらない海千山千の政治家や官僚とハードな交渉をしたり、軍隊に囲まれたリトアニア政庁に乗り込んで和解に奔走した元外交官の佐藤氏(ついでにかなり強面の悪人ヅラ)ですら、取り調べ中には何度も拘禁症状が出て涙を流したり、精神的にかなり追いつめられたという経験が先の本の中で赤裸々に書かれています。この佐藤氏ですら、自らにかけられた根も葉もない容疑を最後まで認めず屈しなかったものの、あれほどまで追い詰められるのだから自分などは同じ状況で耐えられる自信はとてもありません。
同じく無実の罪で投獄され、さらには証拠まで偽装された厚生労働省の村木厚子氏も最後まで屈することなく裁判で無罪を勝ち取りましたが、真面目に佐藤氏と村木氏のタフさには頭が下がります。本当にすごい官僚というのは物凄くタフなんでしょう。
少し話が脱線しましたが、どう考えてもこの事件には女の子を殺した真犯人がまだ野放しになっているようにしか思えず、栃木県警のサボタージュのために無辜の市民の人生が弄ばれるという事実は正直癇に障ります。被告とその弁護団は控訴する方針とのことですが、二審で無罪を獲得することを切に願います。
おまけ
「国家の罠」の中に書かれた佐藤氏と検事のやり取りの中で、佐藤氏が鈴木宗男氏からお金を受け取っていたとみた検事が佐藤氏の預金を調べたところ300万円あるのを見て、「きっとこの金こそムネオ資金だ」と最初は考えたそうです。しかし他の外務省職員の預金も調べてみたらみんな数千万、下手したら数億円単位で大量に預金を持っており、
検事「あんた一体なんでこれしか預金持ってないんだ。外務省職員は半端なく給料いいんだからもっとあったっていいだろう(;´Д`)」
佐藤氏「馬鹿にするなよ、300万円だって立派な預金じゃないか!(# ゚Д゚)」
という妙なやり取りがあったそうです。ちなみになんで佐藤氏の預金が少なかったのかというと、仕事で使うお金の大部分を自己負担しており、記者や商社員、外国政府職員などから情報を得ていたためだそうです。他の人だったらもしかして嘘じゃないかなと思ったかもしれませんが、この人に関してはとてもそんな疑念は全く浮かびません。
2016年4月8日金曜日
今日気になった中国のニュース
最近パソコンを見ていてやけに目が疲れるのですが、まず第一に昼間の勤務でずーっとモニタ見てることが原因でしょうがそれともう一つ、ニトリで買った折り畳みデスクの高さが悪いのかも名と最近思えてきました。やけに左右にグラグラ揺れるし、高さもちょっと低いような気がするので、また今度どっかで手ごろなデスク買ってこようかな、このところお金使い過ぎで良くないのですが。
お金と言えばさっき新しい革靴を240元(約4000円)で買ってきました。というのも、これまで履いていた革靴が靴底との接触部分が破れて雨降るとヤバいくらい浸水してきたからです。
話は本題に入りますが、記者職を離れて以降は中国のニュースをあんまり見なくなっていたのですがさすがにそれはまずいかなと思い始め、まずは手軽にと人民日報日本語版のニュースをこのところチェックするようにしています。するとなかなか面白いニュースが見られるというか、どうして日本で報じていないんだろうと思うニュースがいくつか見つかり、もう今日もあんまりブログ記事書いていたくないからてっとり早くそんなニュースの紹介で済ませようかと思います。
・アリババ、世界最大の小売企業に(人民日報日本語版)
このニュースは全然知らなかったのですが、どうして日系メディアは報じていないのかが逆に不思議です。小売企業の売上高でアリババが世界一になったという点も注目に値しますが、それ以上にウォルマートやカルフールなど、よく陰謀論で黒幕扱いされるこれらの企業が最近はすっかりフェードアウトしたというかかつてほどの影響力を発揮しなくなってきたという点の方が私にとっては気になります。昔にも記事書いていますが小売りというのは案外文化の影響が非常に大きく、中国とか日本に店舗を置いても米国やフランスみたいには上手くいかなかったというのがここ20年くらいの小売世界大手の結果だったと見ています。
ついでに書くと、日本の小売大手でも今日動きがありました。社長解任決議の否決とやっぱ関係あるのだろうか。
・ロボット僧が人気者に、簡単な受け答えも可能 北京(人民日報日本語版)
だからなんだと言われればそれまでのニュースですが、この記事で取り上げられている受け答えロボットの概観が中国にしては大分かわいくなったというのが私の中でヒットしました。かつての中国では、恐らく子供受けを狙っているんだろうと思われるものの全然かわいくない、っていうかむしろキモいキャラクターがたくさん氾濫していたのですが、昨今はデザインセンスも目に見えて向上してそこそこ見られるキャラクターを作るようになってきました。このロボットもそういう点で上達が見られ、日本も侮ってばかりじゃダメだななんて中国のポップカルチャー分野の成長を感じさせられます。
あとこれはニュースソースがないこと自体がニュースなのですが、例のパナマ文書問題について中国の検索エンジン大手の百度で「巴拿马文件(パナマ文書)」と検索かけたら、見事に何も表示されないという面白い事態が現在進行形で起こっています。ただ「巴拿马文」だったら検索できるのでこんな検閲していて一体何の意味があるんだろうかと少し思えるのですが、それだけ中国政府も癇に障ったというか何か一発嫌がらせみたいなことをしなくちゃと焦っている証左ではないかと思えます。
・“鉄パイプ”とカマで…襲撃相次ぐ 茨城(NNN)
最後にこれは日本のテレビニュースですが、一体茨城で今何が起こっているんだと唖然とさせられました。っていうか鉄パイプと鎌で問答無用に襲ってくるなんて危険すぎるだろ茨城。
お金と言えばさっき新しい革靴を240元(約4000円)で買ってきました。というのも、これまで履いていた革靴が靴底との接触部分が破れて雨降るとヤバいくらい浸水してきたからです。
話は本題に入りますが、記者職を離れて以降は中国のニュースをあんまり見なくなっていたのですがさすがにそれはまずいかなと思い始め、まずは手軽にと人民日報日本語版のニュースをこのところチェックするようにしています。するとなかなか面白いニュースが見られるというか、どうして日本で報じていないんだろうと思うニュースがいくつか見つかり、もう今日もあんまりブログ記事書いていたくないからてっとり早くそんなニュースの紹介で済ませようかと思います。
・アリババ、世界最大の小売企業に(人民日報日本語版)
このニュースは全然知らなかったのですが、どうして日系メディアは報じていないのかが逆に不思議です。小売企業の売上高でアリババが世界一になったという点も注目に値しますが、それ以上にウォルマートやカルフールなど、よく陰謀論で黒幕扱いされるこれらの企業が最近はすっかりフェードアウトしたというかかつてほどの影響力を発揮しなくなってきたという点の方が私にとっては気になります。昔にも記事書いていますが小売りというのは案外文化の影響が非常に大きく、中国とか日本に店舗を置いても米国やフランスみたいには上手くいかなかったというのがここ20年くらいの小売世界大手の結果だったと見ています。
ついでに書くと、日本の小売大手でも今日動きがありました。社長解任決議の否決とやっぱ関係あるのだろうか。
・ロボット僧が人気者に、簡単な受け答えも可能 北京(人民日報日本語版)
だからなんだと言われればそれまでのニュースですが、この記事で取り上げられている受け答えロボットの概観が中国にしては大分かわいくなったというのが私の中でヒットしました。かつての中国では、恐らく子供受けを狙っているんだろうと思われるものの全然かわいくない、っていうかむしろキモいキャラクターがたくさん氾濫していたのですが、昨今はデザインセンスも目に見えて向上してそこそこ見られるキャラクターを作るようになってきました。このロボットもそういう点で上達が見られ、日本も侮ってばかりじゃダメだななんて中国のポップカルチャー分野の成長を感じさせられます。
あとこれはニュースソースがないこと自体がニュースなのですが、例のパナマ文書問題について中国の検索エンジン大手の百度で「巴拿马文件(パナマ文書)」と検索かけたら、見事に何も表示されないという面白い事態が現在進行形で起こっています。ただ「巴拿马文」だったら検索できるのでこんな検閲していて一体何の意味があるんだろうかと少し思えるのですが、それだけ中国政府も癇に障ったというか何か一発嫌がらせみたいなことをしなくちゃと焦っている証左ではないかと思えます。
・“鉄パイプ”とカマで…襲撃相次ぐ 茨城(NNN)
最後にこれは日本のテレビニュースですが、一体茨城で今何が起こっているんだと唖然とさせられました。っていうか鉄パイプと鎌で問答無用に襲ってくるなんて危険すぎるだろ茨城。
2016年4月6日水曜日
中国史におけるミスター転職
日本で多くの主の間を渡り歩いた人物とくれば藤堂高虎が有名で、彼が主にした主だった人物を上げても浅井長政、羽柴秀長、豊臣秀吉、徳川家康など、戦国時代全体を通してもこれだけビッグネームな人物たちの下にいたのは他にはいません。本人も、「武士は七度は主を替えねば武士とは呼べぬ」と豪語しており、自らの転職歴を忠義心のない行為だとは考えずむしろ誇るように話してたそうです。
彼ほど転職を繰り返して成功した歴史人物は恐らく日本において他にはいないでしょうが、海を渡った中国には確実に彼を上回る、みていて何や年と思う人物が一人いるので今日はその人を紹介しようと思います。
・馮道(Wikipedia)
馮道(ふうどう)とは中国の唐王朝が滅んだ後の五代十国と呼ばれる、具体的には10世紀頃に活躍した人物です。彼のいた五代十国時代は長く中国を治めてきた唐王朝が滅んだことによって中原に異民族が多数侵入したことによって混乱が起き、軍閥が各地を支配するようにもなり、新たな王朝が生まれては消え消えては生まれを繰り返して最終的には五つの王朝と、その王朝に組み込まれない十ヶ国が誕生したことをもじって五代十国と言い表すようになりました。
馮道は当初、北方に興った燕の国で文官をしていましたが外交戦略で主君を諌めたところ幽閉されます。しかしその後で燕を滅ぼして後に「後唐」という王朝を作る将軍に評価されたことによって幕臣に迎えられますが、その将軍が殺された後はその身内に付き、その身内も死んだあとは一旦は左遷されます。
その後、後唐が滅んで後晋という王朝が起こり、新皇帝は左遷されていた馮道を宰相に抜擢して外交を任せられますがその皇帝が死去するや再び左遷されます。しかし使者として訪れた異民族王朝の「遼」の皇帝が後晋を滅ぼすと馮道は再び召し出され、またも宰相に任命されます。
しかしその遼も中原を長く支配することが出来ずに北方へと帰還することとなり、その過程で馮道を抜擢した皇帝が死去したため馮道は再び中原へと戻ります。中原ではまた新たな王朝の「後漢」が興っておりそこでまたまた馮道は召し出されて宰相に任じられますが、この後漢も反乱軍にやられて敢え無く滅亡し、今度は「後周」という王朝が興り、そこでもまたまたまた馮道は採用されて、その後死去するまで仕え続けました。
馮道の最終的な経歴は「五朝八姓十一君」になると言われ、これは「五つの王朝、八つの一族、十一の主君」に仕えたという意味なのですが、一つや二つでも大変なのにこれだけ多く、しかもその大半を宰相という事実上の最高職で勤め上げたのですから彼以上の転職上手はまずこの世にいないでしょう。
この馮道の波乱万丈な人生については古来より盛んに議論されており、忠義心のない人間だ批判する者もあれば、時代を考慮すると批判はできずむしろその才能を如何なく発揮したとかばう者もおり、彼は国や皇帝に仕えたのではなく中華圏の文化やその人民に仕えたと評価する人もいます。
私の彼への評価は言うまでもなく三番目の考え方で、実際に遼の皇帝が中原に侵入してきた際は漢人を悉く虐殺しようとしたところを必死で諌めて止めており、国破れて山河ありを実践したと思う人物です。私自身も転職が多いというか日本人の感覚からしたらかなりイカれた人生を送っていますが、これは私自身が望んだというよりそういう渦に巻き込まれたと思う節があるだけに、この馮道はその渦を見事にさばき切ったんだなぁと見ていてしみじみ思うわけです。
彼ほど転職を繰り返して成功した歴史人物は恐らく日本において他にはいないでしょうが、海を渡った中国には確実に彼を上回る、みていて何や年と思う人物が一人いるので今日はその人を紹介しようと思います。
・馮道(Wikipedia)
馮道(ふうどう)とは中国の唐王朝が滅んだ後の五代十国と呼ばれる、具体的には10世紀頃に活躍した人物です。彼のいた五代十国時代は長く中国を治めてきた唐王朝が滅んだことによって中原に異民族が多数侵入したことによって混乱が起き、軍閥が各地を支配するようにもなり、新たな王朝が生まれては消え消えては生まれを繰り返して最終的には五つの王朝と、その王朝に組み込まれない十ヶ国が誕生したことをもじって五代十国と言い表すようになりました。
馮道は当初、北方に興った燕の国で文官をしていましたが外交戦略で主君を諌めたところ幽閉されます。しかしその後で燕を滅ぼして後に「後唐」という王朝を作る将軍に評価されたことによって幕臣に迎えられますが、その将軍が殺された後はその身内に付き、その身内も死んだあとは一旦は左遷されます。
その後、後唐が滅んで後晋という王朝が起こり、新皇帝は左遷されていた馮道を宰相に抜擢して外交を任せられますがその皇帝が死去するや再び左遷されます。しかし使者として訪れた異民族王朝の「遼」の皇帝が後晋を滅ぼすと馮道は再び召し出され、またも宰相に任命されます。
しかしその遼も中原を長く支配することが出来ずに北方へと帰還することとなり、その過程で馮道を抜擢した皇帝が死去したため馮道は再び中原へと戻ります。中原ではまた新たな王朝の「後漢」が興っておりそこでまたまた馮道は召し出されて宰相に任じられますが、この後漢も反乱軍にやられて敢え無く滅亡し、今度は「後周」という王朝が興り、そこでもまたまたまた馮道は採用されて、その後死去するまで仕え続けました。
馮道の最終的な経歴は「五朝八姓十一君」になると言われ、これは「五つの王朝、八つの一族、十一の主君」に仕えたという意味なのですが、一つや二つでも大変なのにこれだけ多く、しかもその大半を宰相という事実上の最高職で勤め上げたのですから彼以上の転職上手はまずこの世にいないでしょう。
この馮道の波乱万丈な人生については古来より盛んに議論されており、忠義心のない人間だ批判する者もあれば、時代を考慮すると批判はできずむしろその才能を如何なく発揮したとかばう者もおり、彼は国や皇帝に仕えたのではなく中華圏の文化やその人民に仕えたと評価する人もいます。
私の彼への評価は言うまでもなく三番目の考え方で、実際に遼の皇帝が中原に侵入してきた際は漢人を悉く虐殺しようとしたところを必死で諌めて止めており、国破れて山河ありを実践したと思う人物です。私自身も転職が多いというか日本人の感覚からしたらかなりイカれた人生を送っていますが、これは私自身が望んだというよりそういう渦に巻き込まれたと思う節があるだけに、この馮道はその渦を見事にさばき切ったんだなぁと見ていてしみじみ思うわけです。
先週末の三日間
知ってる人には早いですが先週末の三日間は日本に一時帰国していてこのブログの更新もさっぱりできませんでした。一応、ノートパソコンを持ってきてはいたのですが、一度も空けることなく道中のバラスト(重り)にしかなりませんでした。では具体的にこの三日間は何してたのか記録がてら少し書き残しておきます。
四月二日
朝10時発のデルタ航空のフライトに乗るため朝5時半に家を出発し、上海の空港に7時に到着。二時間前に着けばいいのだからもっと遅くてもよかったものの、久々なので空港前の時間が読めずに早く着いてしまった。そのまま飛行機で飛び立ち、日本時間の午後2時頃に成田到着。そのままマッドシティ(松戸)の潜伏地へ移動するが、荷物の受け取りに時間がかかったことと、目の前で成田エクスプレスに乗りそびれたこともあって到着した頃には夕方の4時を過ぎていた。
その後、左遷先の名古屋から千葉に戻っていた親父と合流して喫茶店で時間を潰し、地元の友人とも合流して焼肉屋で晩御飯を食べつつテスラ・モーターズについて談義する。親父がテスラ・モーターズのディーラーでモデルSを試乗してきたとやたら自慢して来たが乗った感じや性能については私も友人も興味があったので黙って話しを聞いていた。
夕食後はそれぞれ分かれ、私は潜伏地で親父から借りたWIFI無線ルーターでPSVitaにひたすらゲームを購入してダウンロードする。なお今回ダウンロードしたゲームは以下の通り。
・戦国無双4
・サガフロンティア1、2
・グラビティデイズ
この前リメイクが出たばかりのロマンシングサガ2も買おうか悩んだものの、子供の頃に散々遊び倒しているゲームということもあり自重した。またダウンロード中、部屋の片づけなどを続けたため、就寝した頃には既に深夜2時を回っていた。
そもそも今回の帰国目的はこのマッドシティ潜伏地となっている部屋を解約するため。また現地採用になったし今後も生活や活動の基盤が上海になることがこの部屋は不要と考えたためで、あらかじめ友人があらかた片づけてくれていたこともあってそれほど作業は重くなかったものの、それでも整理する荷物はそこそこあった。
そんなかんだで疲れてすぐ寝れるだろうと思ったものの、既に部屋からは布団も運び出されていたため、親父が持ってきた寝袋に入って寝ようとするも、どう見てもその寝袋は真夏のキャンプに使うようなうっすうすの寝袋で、入っても全然暖かくなく、ってかその部屋の室温は明らかに外気温よりも低いと思えるほど寒くて結局ほとんど寝られなかった。寝たというより1、2時間を気を失っていただけだった気がする。
四月三日
ほとんど眠れなかったままとりあえず起きて軽く身支度を整える。年寄りなので起きるのがやけに早くなった親父が8時半にやってきたので合流し、一緒に朝食を食べた後で部屋の荷物を運び出す。幸い、午前中にほぼすべて運び終えて親父と別れた後、地元の友人と共に不動産屋に行き、またすぐ上海に行くから退去を始めとする解約手続きを友人に一任すると告げて出る。
なお後日、友人が不動産屋から言われた内容としては、退去は二ヶ月前の通知が必要ということで賃貸契約は6月まで続くのと、清掃料としてピッタリ敷金と同じ金額を請求されたとのこと。清掃料が敷金と同額っていうことは初めから返すつもりがなかったということにしか思えず、第一清掃だけで4万円以上も取られるわけない上に、裁判でもこうした敷金搾取は認められないと判例で出ていることもあるだけに色々と腹立つ。
死ね、アパマンショップ。こんな連中だと知ってたら初めから使わなかったよクソが。
ファッキンなアパマンショップを出た後は友人と一緒に部屋に残っていた古本やゲームを売って、3950円をGET。なお売った本の中で意外に高額だったのは「ユダヤ人の頭の中」という本で500円で買い取ってもらえたのだが、この本はその場にいた友人が譲ってくれたもので友人曰く、「つまらない内容ではなかったが、ユダヤ人っていうよりお前の頭の中だろって読んでて思った」とのこと。
この3950円を持ってそのままファミレスのガストを訪れ、友人と一緒にやや遅い昼食。この際友人が前夜の親父を交えた会食について、「なんでこの人たち(私と親父)は突然軍艦とか戦闘機の話をするんだろうと思った」ということをカミングアウトする。実際、旧日本軍で最強の戦闘機である紫電改は川西航空機が作り、その川西航空機は今の新明和工業だとか突然話し出して親父と盛り上がってた。
昼食を終えて友人と別れた後は散髪屋に行き髪を切る。かなり伸びてたから切ってすっきりするとともに頭部に感じる重力が明らかに減ったと思った際、「無重力の宇宙に行くとカツラって浮くのかな?」とまた変なことを想像する。その後、マッドシティを訪れる際には必ず立ち寄るカレー屋に寄って元ラリーストのマスターと歓談。半年ぶりだがお互いに、「そんなに長くあってない気がしない」という点で一致した。
カレーを食べ終え、昨夜の反省からこの日の晩はネットカフェで夜を明かそうとこれまたいつも訪れているネットカフェへ行き、ナイトパックで入店する。チェック対象である漫画をあらかた読もうとして乗り込んだがこの時点で大分疲れてたのもあってややペースが遅く、読めた漫画はざっとこんなもんだった。
・キングダム
・彼岸島
・ナポレオン
これらを読んでそろそろ寝ようかなと思ったところ、前からちょっと興味あった「ヒナまつり」という漫画を一巻だけ読もうと手に取った所、これが失敗だった。読んでみたところ非常に面白く、続けざまに4巻まで読んでしまって気が付いたら夜中の二時を回っていた。さすがにヤバいと思ってまだ続きがあったものの我慢して就寝に入るが、ネットカフェで寝るのは何度かしてるがなんかあんまりよく眠れなかった。ちなみに3時半ごろに近くの席で携帯電話が鳴り、所有者はすぐに電話を消したものの隣の席の奴に壁ドンされてた。まぁこれは叩かれても仕方ないね。
四月四日
余り寝付けないまま朝六時半にネットカフェを出て一旦潜伏地へ帰還。正直全然寝足りないのでもう少し部屋で寝ようとするものの室内にはもはや段ボールしかないので、段ボールを床に敷いてコート被って寝ようとするもあんま寝られず、むしろ姿勢悪くて段々頭も痛くなってきた。ついでに言うと寒さに極端に強い私でも寒かった。野宿した時もそうだったが、いつもこうやって寝ているホームレスの方々には強い尊敬の念を覚える。
午前10時前に大量の荷物と共に部屋を出て銀行へ向かう。なんでかというとネット送金に当たってこれからワンタイムパスワードが要求されるようになるが海外在住なのでこの要求なしでも送金できるよう手続きをするためで、今回の帰国の目的の一つでもありました。
銀行行って用件を伝えるものの、かなり頭がボーっとしてたためあまりうまく説明できずやや時間を食う。何とか相手に伝わって、窓口の行員もすぐイントラネットで対応方法を調べた後で海外在住者手続きを取ってもらうことになった。しかしその際、「印鑑は?」と問われて、「海外じゃ、印鑑なんて押さへんもん……」といい返して持っていないことを伝える。そしたら銀行カードの暗証番号で本人確認を済ませてくれて、「最近、銀行も印鑑なしの確認ができるよう対策取ってます」となんかどや顔で教えてくれた。
手続申請用紙をもらって記入を始めるものの、やはり頭が回らずやたら書き間違える。ついでに白状すると海外の住所欄にはメモした手帳を忘れたため、上海市の適当な住所を書いてそのまま出してしまった。こんな感じだったものの手続きは無事完了して、そのまま成田空港へ出発する。
成田空港には午後1時半ごろに到着し、チェックインを済ませると昼食に冷やしたぬきうどんを食べるが、頭痛くてあんまり味がわからなかった。その後、空港内の本屋で在庫管理の本とカー雑誌を購入して搭乗口で待っていると、予想通りに大量の中国人観光客がどんどんと搭乗口に集まってきた。離陸時間が近づいてきて搭乗口が開いたところ、座席が指定されていないお客からとアテンダントが呼びかけたところ私も当てはまってたので行ってみたところ、「本日、オーバーブッキングなのでビジネスクラスに座っていただきます」と言われ、そのままビジネスクラスにランクアップした。何気に成人になってビジネスクラスに座るの初めてだったりする。
指定されたビジネスクラスの座席は最前列の席で、非常に幅の広い席だった。ただ座席の良さを感じる間もなくあまりの疲れ+頭痛からメガネを脇の小テーブルに置いてそのまま死んだように寝はじめる。離陸時のGを夢現の中で感じつつ、空飛んでしばらくたってから目を覚ました所、脇に置いたメガネが無くなっていた。恐らく飛び立つときの振動やGでどこかに落ちたのだと思い真っ暗な機内でメガネなしの状態で「どこやねん」と言いながら必死で探すもなかなか見つからず、「何がビジネスクラスだよ、ファック」とリアルにつぶやきつつあちこちをまさぐる。何気に近くにいるアメリカ人がファックという言葉に反応するかなと周囲をうかがっていた辺りは自分も食えない奴だと思う。
幸い、座席のサイドポケット奥にメガネが落ちていたのを発見してホっと一安心。メガネが戻ってきたので機内食を食べ終えるとついでに映画を見ようと液晶パネルを弄り、ちょうど前から見たかった「マッドマックス」があったのでそれを選択する。
結論から言うと「マッドマックス」は前評判通りにクレイジーかつ最高に面白かった。元々、シャーリーズ・セロンが出演しているという時点で見たい映画であったが、相変わらずセロンは「あんた誰?」って思うくらいほかのキャラやプライベートの姿とは似ても似つかない演技っぷりを見せつけていてさすがだった。私の中でセロンはナタリー・ポートマンと並ぶハリウッドのヤバイ級美人(ついでにモデル出身なだけあって無駄にデカい)だが、この映画の中だとゴリラも逃げ出すようなワイルドさたっぷりのごつい女っぷりで未だその役者魂が健在であることが確認できる。
その後上海の空港に到着して、イミグレ通って、リニア+地下鉄乗って自宅に着いたのは午後9時を過ぎていた。タクシーも検討したが、リニアと地下鉄乗って帰るのとあんまり時間に差が無かったのでやっぱり乗らずに正解だったと思う。
疲れてるし頭痛いしだったが荷物を開いて整理して、痛い頭を必死で抱えながらネットの更新情報などをチェックした上でパズドラを遊ぶ。大体十二時半を回ったあたりで就寝し、実に三日ぶりにちゃんとしたふとんで寝ることが出来て妙な幸福感を覚えた。実際、昔に野宿した後に初めてふとん入った時はその暖かさと柔らかさに涙を流したことがあったりする。
四月五日
ざっとこんな三日間を過ごした上で本日に至ります。ちゃんと昼間は仕事して、雑務を片づけてブログを書いていますが、正直なところを言うと早く買ってきたゲームしたいなって気がします。さすがにまだ一度もやってませんが。
でもって先程、気になってたから「ヒナまつり」の5巻を電子書籍で購入。ちょっとお金使い過ぎかなと思うので、今週は自炊したりして節制する必要がでてきました。それにしても、自分の日記ながら下手な記事より面白いなと我ながら思ったりします。
四月二日
朝10時発のデルタ航空のフライトに乗るため朝5時半に家を出発し、上海の空港に7時に到着。二時間前に着けばいいのだからもっと遅くてもよかったものの、久々なので空港前の時間が読めずに早く着いてしまった。そのまま飛行機で飛び立ち、日本時間の午後2時頃に成田到着。そのままマッドシティ(松戸)の潜伏地へ移動するが、荷物の受け取りに時間がかかったことと、目の前で成田エクスプレスに乗りそびれたこともあって到着した頃には夕方の4時を過ぎていた。
その後、左遷先の名古屋から千葉に戻っていた親父と合流して喫茶店で時間を潰し、地元の友人とも合流して焼肉屋で晩御飯を食べつつテスラ・モーターズについて談義する。親父がテスラ・モーターズのディーラーでモデルSを試乗してきたとやたら自慢して来たが乗った感じや性能については私も友人も興味があったので黙って話しを聞いていた。
夕食後はそれぞれ分かれ、私は潜伏地で親父から借りたWIFI無線ルーターでPSVitaにひたすらゲームを購入してダウンロードする。なお今回ダウンロードしたゲームは以下の通り。
・戦国無双4
・サガフロンティア1、2
・グラビティデイズ
この前リメイクが出たばかりのロマンシングサガ2も買おうか悩んだものの、子供の頃に散々遊び倒しているゲームということもあり自重した。またダウンロード中、部屋の片づけなどを続けたため、就寝した頃には既に深夜2時を回っていた。
そもそも今回の帰国目的はこのマッドシティ潜伏地となっている部屋を解約するため。また現地採用になったし今後も生活や活動の基盤が上海になることがこの部屋は不要と考えたためで、あらかじめ友人があらかた片づけてくれていたこともあってそれほど作業は重くなかったものの、それでも整理する荷物はそこそこあった。
そんなかんだで疲れてすぐ寝れるだろうと思ったものの、既に部屋からは布団も運び出されていたため、親父が持ってきた寝袋に入って寝ようとするも、どう見てもその寝袋は真夏のキャンプに使うようなうっすうすの寝袋で、入っても全然暖かくなく、ってかその部屋の室温は明らかに外気温よりも低いと思えるほど寒くて結局ほとんど寝られなかった。寝たというより1、2時間を気を失っていただけだった気がする。
四月三日
ほとんど眠れなかったままとりあえず起きて軽く身支度を整える。年寄りなので起きるのがやけに早くなった親父が8時半にやってきたので合流し、一緒に朝食を食べた後で部屋の荷物を運び出す。幸い、午前中にほぼすべて運び終えて親父と別れた後、地元の友人と共に不動産屋に行き、またすぐ上海に行くから退去を始めとする解約手続きを友人に一任すると告げて出る。
なお後日、友人が不動産屋から言われた内容としては、退去は二ヶ月前の通知が必要ということで賃貸契約は6月まで続くのと、清掃料としてピッタリ敷金と同じ金額を請求されたとのこと。清掃料が敷金と同額っていうことは初めから返すつもりがなかったということにしか思えず、第一清掃だけで4万円以上も取られるわけない上に、裁判でもこうした敷金搾取は認められないと判例で出ていることもあるだけに色々と腹立つ。
死ね、アパマンショップ。こんな連中だと知ってたら初めから使わなかったよクソが。
ファッキンなアパマンショップを出た後は友人と一緒に部屋に残っていた古本やゲームを売って、3950円をGET。なお売った本の中で意外に高額だったのは「ユダヤ人の頭の中」という本で500円で買い取ってもらえたのだが、この本はその場にいた友人が譲ってくれたもので友人曰く、「つまらない内容ではなかったが、ユダヤ人っていうよりお前の頭の中だろって読んでて思った」とのこと。
この3950円を持ってそのままファミレスのガストを訪れ、友人と一緒にやや遅い昼食。この際友人が前夜の親父を交えた会食について、「なんでこの人たち(私と親父)は突然軍艦とか戦闘機の話をするんだろうと思った」ということをカミングアウトする。実際、旧日本軍で最強の戦闘機である紫電改は川西航空機が作り、その川西航空機は今の新明和工業だとか突然話し出して親父と盛り上がってた。
昼食を終えて友人と別れた後は散髪屋に行き髪を切る。かなり伸びてたから切ってすっきりするとともに頭部に感じる重力が明らかに減ったと思った際、「無重力の宇宙に行くとカツラって浮くのかな?」とまた変なことを想像する。その後、マッドシティを訪れる際には必ず立ち寄るカレー屋に寄って元ラリーストのマスターと歓談。半年ぶりだがお互いに、「そんなに長くあってない気がしない」という点で一致した。
カレーを食べ終え、昨夜の反省からこの日の晩はネットカフェで夜を明かそうとこれまたいつも訪れているネットカフェへ行き、ナイトパックで入店する。チェック対象である漫画をあらかた読もうとして乗り込んだがこの時点で大分疲れてたのもあってややペースが遅く、読めた漫画はざっとこんなもんだった。
・キングダム
・彼岸島
・ナポレオン
これらを読んでそろそろ寝ようかなと思ったところ、前からちょっと興味あった「ヒナまつり」という漫画を一巻だけ読もうと手に取った所、これが失敗だった。読んでみたところ非常に面白く、続けざまに4巻まで読んでしまって気が付いたら夜中の二時を回っていた。さすがにヤバいと思ってまだ続きがあったものの我慢して就寝に入るが、ネットカフェで寝るのは何度かしてるがなんかあんまりよく眠れなかった。ちなみに3時半ごろに近くの席で携帯電話が鳴り、所有者はすぐに電話を消したものの隣の席の奴に壁ドンされてた。まぁこれは叩かれても仕方ないね。
四月四日
余り寝付けないまま朝六時半にネットカフェを出て一旦潜伏地へ帰還。正直全然寝足りないのでもう少し部屋で寝ようとするものの室内にはもはや段ボールしかないので、段ボールを床に敷いてコート被って寝ようとするもあんま寝られず、むしろ姿勢悪くて段々頭も痛くなってきた。ついでに言うと寒さに極端に強い私でも寒かった。野宿した時もそうだったが、いつもこうやって寝ているホームレスの方々には強い尊敬の念を覚える。
午前10時前に大量の荷物と共に部屋を出て銀行へ向かう。なんでかというとネット送金に当たってこれからワンタイムパスワードが要求されるようになるが海外在住なのでこの要求なしでも送金できるよう手続きをするためで、今回の帰国の目的の一つでもありました。
銀行行って用件を伝えるものの、かなり頭がボーっとしてたためあまりうまく説明できずやや時間を食う。何とか相手に伝わって、窓口の行員もすぐイントラネットで対応方法を調べた後で海外在住者手続きを取ってもらうことになった。しかしその際、「印鑑は?」と問われて、「海外じゃ、印鑑なんて押さへんもん……」といい返して持っていないことを伝える。そしたら銀行カードの暗証番号で本人確認を済ませてくれて、「最近、銀行も印鑑なしの確認ができるよう対策取ってます」となんかどや顔で教えてくれた。
手続申請用紙をもらって記入を始めるものの、やはり頭が回らずやたら書き間違える。ついでに白状すると海外の住所欄にはメモした手帳を忘れたため、上海市の適当な住所を書いてそのまま出してしまった。こんな感じだったものの手続きは無事完了して、そのまま成田空港へ出発する。
成田空港には午後1時半ごろに到着し、チェックインを済ませると昼食に冷やしたぬきうどんを食べるが、頭痛くてあんまり味がわからなかった。その後、空港内の本屋で在庫管理の本とカー雑誌を購入して搭乗口で待っていると、予想通りに大量の中国人観光客がどんどんと搭乗口に集まってきた。離陸時間が近づいてきて搭乗口が開いたところ、座席が指定されていないお客からとアテンダントが呼びかけたところ私も当てはまってたので行ってみたところ、「本日、オーバーブッキングなのでビジネスクラスに座っていただきます」と言われ、そのままビジネスクラスにランクアップした。何気に成人になってビジネスクラスに座るの初めてだったりする。
指定されたビジネスクラスの座席は最前列の席で、非常に幅の広い席だった。ただ座席の良さを感じる間もなくあまりの疲れ+頭痛からメガネを脇の小テーブルに置いてそのまま死んだように寝はじめる。離陸時のGを夢現の中で感じつつ、空飛んでしばらくたってから目を覚ました所、脇に置いたメガネが無くなっていた。恐らく飛び立つときの振動やGでどこかに落ちたのだと思い真っ暗な機内でメガネなしの状態で「どこやねん」と言いながら必死で探すもなかなか見つからず、「何がビジネスクラスだよ、ファック」とリアルにつぶやきつつあちこちをまさぐる。何気に近くにいるアメリカ人がファックという言葉に反応するかなと周囲をうかがっていた辺りは自分も食えない奴だと思う。
幸い、座席のサイドポケット奥にメガネが落ちていたのを発見してホっと一安心。メガネが戻ってきたので機内食を食べ終えるとついでに映画を見ようと液晶パネルを弄り、ちょうど前から見たかった「マッドマックス」があったのでそれを選択する。
結論から言うと「マッドマックス」は前評判通りにクレイジーかつ最高に面白かった。元々、シャーリーズ・セロンが出演しているという時点で見たい映画であったが、相変わらずセロンは「あんた誰?」って思うくらいほかのキャラやプライベートの姿とは似ても似つかない演技っぷりを見せつけていてさすがだった。私の中でセロンはナタリー・ポートマンと並ぶハリウッドのヤバイ級美人(ついでにモデル出身なだけあって無駄にデカい)だが、この映画の中だとゴリラも逃げ出すようなワイルドさたっぷりのごつい女っぷりで未だその役者魂が健在であることが確認できる。
その後上海の空港に到着して、イミグレ通って、リニア+地下鉄乗って自宅に着いたのは午後9時を過ぎていた。タクシーも検討したが、リニアと地下鉄乗って帰るのとあんまり時間に差が無かったのでやっぱり乗らずに正解だったと思う。
疲れてるし頭痛いしだったが荷物を開いて整理して、痛い頭を必死で抱えながらネットの更新情報などをチェックした上でパズドラを遊ぶ。大体十二時半を回ったあたりで就寝し、実に三日ぶりにちゃんとしたふとんで寝ることが出来て妙な幸福感を覚えた。実際、昔に野宿した後に初めてふとん入った時はその暖かさと柔らかさに涙を流したことがあったりする。
四月五日
ざっとこんな三日間を過ごした上で本日に至ります。ちゃんと昼間は仕事して、雑務を片づけてブログを書いていますが、正直なところを言うと早く買ってきたゲームしたいなって気がします。さすがにまだ一度もやってませんが。
でもって先程、気になってたから「ヒナまつり」の5巻を電子書籍で購入。ちょっとお金使い過ぎかなと思うので、今週は自炊したりして節制する必要がでてきました。それにしても、自分の日記ながら下手な記事より面白いなと我ながら思ったりします。
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