毎度おなじみヤンマガ風の自分の記事の紹介です。なおヤンマガですが、彼岸島といいサタノファニといい、下品さで言えばぶっちぎりな漫画雑誌だと密かに思っています。
さてこの記事ですが、多分一般の記者にはまず書けない内容です。というのも記者というのはわかりやすい報道を心がけているせいか、比較的単純明快な内容やニュースを追いかける癖があります。逆を言えば、こうした法律とか制度といった複雑な内容は避ける傾向があり、実際こうした実務に成熟した記者というのは今まで見たことがないです。
ならなんで私はこういうの書けるのかというと、記者としてやや中途半端なキャリアであることと、今いる会社でこういった雇用関連の実務に係る機会がたまにあるからです。そういう意味で、このネタで記事が出るとしたら専門家インタビューか、自分が書く以外似ないだろうと記事ネタ思いついた時に感じました。
そういうわけで出たこの記事ですが、書こうと思ったきっかけは記事中でも少し触れていますが、中国では解雇時に企業から被解雇者に一時金を支払うのですが、その計算式をこの前何気なく業務で調べていた時に、「そういえば、日本の解雇一時金の計算基準とかどうなってるんだろう。退職金に係数かけるのかな?」などと思いつき、調べようとしたのがきっかけでした。結果は記事中にも書いている通り、日本にはそもそも解雇時の一時金支払い義務すらなく、中国の実務に慣れている私だけでなく知り合いの中国人もみんな揃って「なんじゃそりゃΣ(・ω・ノ)ノ!」とみんなしてびっくりしたので、記事としていけると判断しました。
結果はJBpressのアクセスランキングで今日8位前後をうろついていましたが、大衆受けするわけでもないこの内容でこの順位であれば健闘した方だと思います。
ヤフコメもやはり実務的内容からから普段よりコメント少ない上に、あからさまに内容読まずにコメントしている奴らがいて笑えます。
上の二人などはまさにその典型で、恐らく見出しだけ読んでコメント書いているのではという気がします。下のコメントに至っては「中国の労働環境て解雇が易しいのは~」と、自分が記事で書いた内容と正反対な内容について何故か必死でコメントしており、こんな情けない了見していて普段から生きてて恥ずかしくないのかなと割と真面目に思います。
また「中国なんか参考にする必要ない!」というコメントも複数みられますが、こうしたコメントが来ることは初めから想定しており、そのためにわざわざ「欧米も同一基準の解雇一時金制度を布いている」という文言を入れています。記事を読んでないだけかもしれませんが、欧米ならお前ら参考にするのという話が、彼らが本当に自らに問うべき問いだと考えています。
一方で決して多くないものの、記事内容に肯定的なコメントもみられたほか、記事中で触れているように日本の解雇規制の曖昧さについての言及もみられました。私自身、この記事で中国の方が制度的に労働者に平等だとか手厚いとかいうことではなく、日本は解雇時においても大企業と中小企業で天と地ほどの差があるということで、それはすべて法制度が整っていないせいで、最低限の支払基準くらいは法で固めるべきだと言っています。意外とこの辺誰も気が付いてないのが不思議でしたが。
あと記事中にも書いていますが、解雇一時金を支払う義務なんて日本はないから、予告した上で解雇すればその後完全放置でも日本は許されます。裁判を起こせばいくらか示談金が得られるかもしれませんが、裁判費用のが確実に上回るし、また示談金を回収できるかにおいても障害があります。こう考えると、日本はむしろ解雇天国にしか私には見えません。
ただ、唯一日本で企業に絶対的に解雇できなくさせる手段があるのですが、一人くらいいるかなと思いましたがコメント欄では誰一人言及がありませんでした。その手段というのも労働争議及び
労働紛争で、特に後者は個人でも自治体の関係当局に仲裁あっせんを依頼することで不当な解雇などに対する大きな抑止力となりえます。問題なのは、その存在を知っている人間がほとんどいないって点ですが。
一方、全車の労働争議は基本的に労働組合を介さないといけず、実質的に労働組合がほとんどの日系企業で機能しなくなり、若者も加入したがらなくなっている現状ではあまり有効と言えず、実際に発生件数なども年々縮小の一途です。そういう意味では、日本で解雇を妨げてきた張本人は労働組合だったのですが、この労働組合すら機能しなくなった現代日本においては、解雇を阻む障害は実質ほとんどなく、それこそ大企業の労働組合だけが唯一の障害じゃないかと思います。
このほか裏話を書くと、この記事を書くに当たって日本で整理解雇や諭旨解雇する際の実務とか金銭相場とかないのかなと思い、聞くだけ聞いてみようと、中国の制度の比較もできそうだからと思い、
ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所にメールで取材を申し込んだところ、
まさかの無視を決め込まれました。
メールを受信したとの自動返信メールを受けていることから入力アドレスの間違いなどはないはずなのに、嫌なら嫌で断ってもらっても別にいいというのに、返信すらよこさないとかなめてんのかこの野郎と頭に来ました。あまりにも腹ったから、記事に浸かっている図表に「非協力:ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所」と書こうかとすら思ったくらいです。
そういうわけで腹立つこともあるので、自動返信メールの内容を下記に引用します。何気にこの解雇記事を通して一番言いたかったのは、こうい失礼な連中もいるという事実だったりします。
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このメッセージは、システムより自動送信されています。
このメールに対して返信しないようお願いいたします。
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◇ お問い合わせ内容確認メール ◇
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ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所です。
この度はお問い合わせをいただき、誠にありがとうございました。
お問い合わせいただきました内容は以下のとおりです。
後日、担当者よりご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちください。
※本メールは等幅フォントでご覧ください。
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【お問い合わせ内容】
種別:中国労働法・労働契約法、中国人事・労務問題に関する相談
御社名:個人
ご担当者名:花園祐
ふりがな:はなぞのゆう
TEL:070-xxxx-YYYY
FAX:
E-mail:miyamakikai@gmail.com
郵便番号:37564
都道府県:千葉県
市区町村番地:マッドシティ
ビル・マンション名:デスパレス
お問い合わせ内容:初めまして。私はフリージャーナリストの花園祐というもので、現在下記アドレスのJBpressで中国関連コラムを連載しています。
https://jbpress.ismedia.jp/search/author/%E8%8A%B1%E5%9C%92%20%E7%A5%90
現在、私は日中の労働法規、特に解雇関連規定について比較する記事を執筆しようと検討しています。下調べをしていたところ貴事務所のこのサイトを知り、参考とさせていただきました。
その上で、大変厚かましいお願いとなりますが、日中の労働法規についていくつかご質問させていただけないかと思い、この度連絡を送ることとしました。ついてはもしよろしければ、メールなどを通して二、三のご質問に答えていただけないでしょうか。
金銭でのお礼は取材行為上で行うことはできませんが、記事配信の暁には協力として、記事中にて貴事務所のお名前を記載することはできます。誠にお手数ではございますが、質問にご回答いただけるかどうか、ご返信いただけないでしょうか。お答えいただける場合、改めてお聞きしたい内容をお伝えします。
以上、よろしくお願いします。
個人情報保護の同意:同意する
※このメールは、自動的返信メールです。
お問い合わせ内容に覚えのない方または
ご不明点などがございましたら下記までご連絡ください。
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ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所
愛知県名古屋市中区丸の内3-17-13 いちご丸の内ビル5階
TEL:052-212-7801
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