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2021年9月13日月曜日

伊達記事の裏側

中国で馬賊になった伊達政宗の子孫、その豪快すぎる一生(JBpress)

 というわけで今日配信された自分の記事ですが、朝から見ている限りランキングは2位で、多分終日ランキングでも2位でしょう。1位は田中美蘭さんのDHCの韓国市場撤退に関する記事で、確かに内容的にこっちの方が価値が高いと自分も感じます。

 それはさておきこの伊達順之助ことダテジュンの記事ですが、真面目にこの記事は自分を含めごく限られた人間、下手したら一桁程度の人間にしか書けない記事内容だと考えています。というのもこの記事、紹介しているダテジュンは日本人ですがその活動は中国が中心であり、尚且つ存在自体かなりマイナーな人物です。自分もつい先日に趣味で買った、参考文献に挙げている「華族総覧」という本で初めて目にし、ネットで検索してもWikipedia二は記事あるけどそれ以外の言及となるとほとんど見られなかったことから、記事化でできると判断するくらいレアポケモンな存在の人物です。
 そんなダテジュンの記事を何故自分などごく限られた人間にしか書けないのかというと、突き詰めて言えば中国語で資料が読めないと事実内容が追えないというのが根拠です。

 前述の通り、ダテジュンは結構昔の人物で、彼の長男が書いた史料などはありますがその足跡を追った資料となるとかなり限られてきます。また書籍ならまだいくつかあるものの、ネット上となると彼に関する日本語での言及はほとんどなく、私が記事で言及した掖城事件についても、Wikipediaでは足跡欄に一文だけ入っていますがその詳細に関しては一切触れられていません。
 では何故掖城事件に関してここまで私が書けたのかというと、中国語のウェブサイトを読むことができたからです。参考文献に中国版Wikipediaこと百度百科も入れていますが、これ以外にも掖城事件に関しては地元なだけに紹介している中国記事は結構あり、それらに関して一通り目を通した上で記事を書いています。

 なお一部の中国語記事ではダテジュンこと張宗援について、「元々は日本人で姓は大島であり、皇族に連なる人物」と明らかに間違った説明をしている記述も目にしました。そのため複数の記事を比較し、説明記述が重複していて確実性の高い部分のみ記事に採用しています。
 ちなみに多分大島というのは別の大陸浪人と間違え、皇族云々は華族の定義を勘違いして書かれたのではと思います。

 話を戻すと、前述の通りダテジュンは中国での活動がメインですが、その中国における行動や業績についてはあまり日本語媒体では描かれていません。むしろ中国語媒体の方が充実しており、それら中国語媒体情報に触れられ、尚且つこんなマイナーな大陸浪人を追ったりするほど歴史的好奇心が強く、それでいて記事にまとめ上げられる人物となると、ちょっと偉そうですが本当に限られてくると思います。
 そういう意味で、この記事は歴史に造詣が深く且つ中国語が読めるという自分の強みというか真価がはっきり表れた記事だと考えちます。真面目にこの方面であれば自分は他の作家にない圧倒的な強みがあり、きちんと深みを持たせていけばこの分野である程度の地位は築けるのではとも考えています。まぁほかに書きたい内容あるからやらないけど。

 記事冒頭の提籃橋監獄についても、ここでダテジュンが処刑されたと知ったのは中国語媒体からです。なおここは一応軍事施設なので、当たり障りないよう割と遠目に写真撮った上で、誰が撮影したかについては触れないようにしました。まぁこの辺りは戦時中のユダヤ人のゲットーもあって軽い観光地化しているから、これくらいなら多分大丈夫だろうと踏んでるけど。

 以上をまとめると、この記事自体にはそこまで思い入れはない、というか記事にも書いている通りその粗暴さは目に余るし、現代であれば言い方悪いけど金嬉老みたいな人間になっていただろうと思えてダテジュンに対してはあまり好感を持っていません。ただ自分のスキルと強みを抜群に生かした記事だとは認識しており、その点では「上手く自分を使いこなした記事」という風に評価しています。

2021年9月12日日曜日

個人情報の国家管理に関する思想の対立

 前回までの記事で、米中は既に自国IT系企業を通して国内外の個人情報収集に明け暮れ、それに対し欧州はIT大手規制を名目に米中の動きに抗していると主張しました。地味にこの辺が現代における主要な思想対立ではないかとみており、即ち、個人情報をどこまで国家が一元管理し、共有すべきなのかというテーマが今の世界に起きている主要な対立じゃないかと考えています。

 結論から言えば、個人情報を国や企業が一元管理化した方が、国家管理面での効率はすこぶるよくなります。マイナンバーが未だ普及し切れていない日本を尻目に、国民IDを配布している企業は既に多く、中国に限りません。しかし中国の場合はこの国民IDを自国のIT大手に二次利用させることによって、コロナの市中感染の激減、ワクチン管理などに成功しています。
 先日報道が出ていましたが、日本が12月にもワクチン接種のスマホ証明書を発行するというニュースを見て、「まだやってなかったの?」と正直思いました。っていうかなんで初めから組まないんだそういう大事なのとか思います。

 こうした個人情報の一元管理、二次利用の程度においては恐らく現代世界においては中国が最も広範で、厳格という意味では北朝鮮じゃないかと思います。こうした一元管理の結果、政治的に不規則な発言は目を付けられ、政府にたてつく人間もその行動は既に監視済みであるためいろいろ妨害されることとなります。そうした面が、日本人からしたら反対の理由となるでしょう。
 その一方で、犯罪者の摘発や、証明書などの各種行政管理コストなどの面で、上記のような監視社会国家は圧倒的な優位を持ちます。未だ日本が実現できていない領収書の完全電子化、連番制も既に中国は実現しており、ぶっちゃけ管理会計に関しては好き勝手に損金に入れられやすい日本より中国の方がカチッとしてます。

 短くまとめると、個人の目線はさておき、国家単位の目線に立つならば、国民(+外国人)の個人情報を国が一元管理、収集する方が圧倒的にメリットが大きいです。そしてそれはそのまま、国家としての強さに直結し、今後の世界においてはどれだけ一元管理化がなされているかが国としての勝敗を分ける大きな分水嶺になる可能性があると私は見ています。端的に言って、中国のようなことをやるの方がどんどん強くなっていきやすいということです。
 とはいえ、中国みたいなパノプティコンに居たくないという感情も強いでしょう。そんな人たちの折衷案として、「国は個人情報を収集してないよ♪」と言って、自国の企業に収集させて企業から召し上げるのが米国型パノプティコンと言えるでしょう。個人情報をどれだけ収集するかIT大手企業が決めてるだけと経済の自由を建前にして、自由と監視を米国は両立できるというわけです。

 もっとも中国も米国も、自国内ならまだしもそれを他国の領域内でもやるからこそ問題であり、こうした国際間での個人情報取得に待ったをかけ、両国の覇権主義にセーブをかけようとしているのが冒頭の欧州の動きです。前回記事でも書いた通り日本はこうした個人情報を巡る動きに無頓着ながら、マイナンバーも拒否するくらい個人情報収集に拒否感を示しており、その一元化の遅れ具合から見ても状況的には欧州側の立場に立っているように見えます。

 ただね、真面目に今後こうした管理面での一元化に遅れれば遅れるほど、国家として著しい弱体化につながる可能性が高いと私も見ています。欧州側もそう見越していて、あくまで規制するのは国境を跨いで個人情報を収集し続けるIT大手であり、時効kのIT系企業または国家機関が情報を収集することに対して対策を採っているようにも見えます。それに対し日本はこのままでいいのかってことです。

 言いたいことをはっきり書くと、どこまでの個人情報をみんなで公開し合って共有するか、そしてそれをどんな風に管理運用するかを、もっと国全体で議論するべきだと思います。管理面に関して中国は堂々と「俺(政府)がやっちゃるけん」と言ってて、米国は企業側に若干任せていますが、私個人としては日本政府は確かに筒洩れしやすくあまり信用できませんが、それでも企業よりはまだ政府がこの手の情報は管理すべき立場だと思え、政府に任すべきだという立場を取ります。

 その上で、差し出すべき個人情報としては生年月日に3親等までの血縁関係といった情報とかより、何よりも給与情報だと思います。リアルタイムで給与収入情報を得て課税額とか管理できれば、確定申告なしで公平な課税の実現できたら、日本のこの手の管理コストを大幅に浮かせられることができます。ついでに言えば脱税も減る。
 あとは犯罪対策で、もっと監視カメラ増やしてせめて顔認証システムくらい入れろと言いたいです。


 上の記事見てまた呆れてたのですが、例の硫酸男事件で監視カメラの映像から捜査員が見抜いたって話ですが、多分中国ならもっと早く効率的に捕まえてたことでしょう。というのも顔認証システムが発達してて、最近なんかアプリと連動させることで支払い時に一切スマホをかざさずとも顔認証だけで支払えるようになっています。
 監視カメラの映像確認は労力半端ないと「ハコヅメ」で書かれてましたが、こういうところこそITを運用して効率上げてかなきゃいけないのに何言ってるんだこいつらと、記事書いた産経は何も悪いわけじゃないですが、日本の警察の頭はどうなってんだとか正直思いました。

 私個人は自由主義を標榜していて監視社会はないならないで済ました方がいいとは思っています。とはいえ、犯罪にしろ管理コストにしろ、なくなることで社会が大きなメリットを得られ、それによって救われる人がいるというのなら、多少の自由の制限は仕方ないという風に考えています。
 このように、どこまで自由への制限を許容するのかが、今まさに起きている思想の対立点であるように思え、この議論を避けて着地点を見誤ると、それこそ帝政ロシアみたいな結末になるのではないかという危惧があります。

2021年9月11日土曜日

個人情報収集を巡る米欧の対立

 去年あたりからいろんなサイトで「これこれこういうわけでサイト訪問履歴とか使うけど同意してね」的にOKボタンを押すよう要求するポップアウトが出るようになっているかと思いますが、これは主に欧州のクッキー法(クッキー規制)の影響によるものです。サイト訪問者に対し意図しない個人情報の収集をしてはならないという規制で、主な対象は言うまでもなく米国企業のGAFAどもです。

 一体何故こうした措置を欧州が採ったのか。表向きはプライバシーの保護の観点から個人情報収集に暴走するGAFAを抑えるというのが建前ですが、この考えも無きにしも非ずも、その本質は米国IT大手の独占体制を崩すという経済的目的、また国の安全保障を念頭にした防衛目的の方が本音であるでしょう。
 先日友人にこの概念を少し説明したところ、「雇用も影響するのでは?」という指摘がありましたが、実にもっともな指摘でした。IT産業の場合、自動車産業などと違ってサービス提供先(この場合は欧州)にIT大手はそれほど多くの従業員を雇用していません。なので欧州側からしたらIT大手を叩くだけ叩いても、自動車産業などと違って自国の雇用にはほとんど影響しないこともあり、制裁金とかいくらでも課せられる背景があるでしょう。

 前回の記事で私は、米国と中国はその自国企業のITサービスに関して一見すると鋭く対立しているように見えるが、本質的には同じ目的で動いており実は思想的には全く一緒だと指摘しました。それに対し、上記の通り欧州は米中とは真逆で、企業(バックには国がいる)による個人情報の収集に対し「それはいけない」的に批判的なポジションにあります。そういう意味では、ITサービスの規制に関して秦の対立構図は米国対中国ではなく、米中対欧州ではないかというのが私の見方です。

 それに対し日本については、はっきり言ってこの問題に関しては無頓着です。思想がないと言ってしまえばそれまでですが、中国は信用できないけど米国は信用できるという前提があるため、米系IT企業に個人情報を抜かれまくっても全く気にしません。むしろ進んで抜かれているようにすら見えます。
 一方で中国に対する警戒心は強く、一時話題になった中国系アプリや携帯電話に「個人情報を抜く機器や機能がある!」といった報道には、自分が見ている限りでは一部誇張というか事実にそぐわぬ報道が見られました。まぁ中国は抜いてるだろうけど。

 一見するとこの対立はごく単純で当たり前のように見えますが、地味に現代における主要な思想対立なのではないかという風な気がします。資本主義と共産主義の対立が共産主義の敗北で終わった後(90年代)、資本主義の中でも統制経済派と新古典派の対立が始まり(00年代)、リーマンショックで実質的に親古典派が敗北(どの国も政府財政の拡大、為替介入が一般化=政府の経済的役割の拡大)して以降、自分が考える世界的な思想の対立はまさに上記の米中と欧州の対立じゃないかと思います。
 IT大手規制の何が思想対立なのかとお思いでしょうが、具体的に言えばこれは、個人情報の保護と政府・経済効率のどちらを重視するかの対立じゃないかと見ています。その上で、この思想対立の観点で見るならば、さっきはどっちつかずと書いた日本は明確に欧州側、つまり個人情報保護重視側に立っていることになります。本人は意図せずですが。

 次回はその辺の、個人情報取り扱いを軸にした思想対立について解説します。

2021年9月10日金曜日

GAFAとHATT


 本題と関係ないけどいまのPCの壁紙はこのユーロファイター・タイフーンです。実際プラモも作りましたが、クローズデルタなため搭載できる武装が多く、下から見上げるとすごくいい機体だと思います。日本も欧州と組んで飛行機つくりゃいいのに。

 話は本題ですがよくこのブログでも書きますが、日本人は中国系アプリや製品から個人情報抜かれることを凄い恐れる癖に、米国系アプリや製品から抜かれることには全くもって無抵抗なのはなかなか興味深いです。単純な中国に対する信頼のなさがそうさせているとはいえど、個人情報を抜かれるということがそもそも認識できていない節があるとも見ています。

 言うまでもないですが、フェイスブックなんかは抜いた個人情報を勝手に分析して米国政府に売っているのは暗黙の了解です。日本国内では以前リクルートが個人情報を勝手に分析した上で「内定辞退率」という指標を作って企業に売っていましたが、販売先が分かるやみんな報道をやめたのは素晴らしい日本の連携でしょう。まぁこのリクルートの例が一番わかりやすいのですが、既に米国は加工した個人情報を基に「排除を想定する人間」グループは確実に作っているでしょう。あと要注意団体とかも。

 個人情報を抜く、売り買いするということは上記のように危険性を想定した選別もさることながらもっといろいろ活用方法があるものの、実はこれ、国内の人間にやってもそこまで価値があるとは思っていません。本当に価値があるのはその国にとっての外国人の情報で、やはりどこもこれを欲しがっていると思います。
 そういう意味で、GAFAというのは米国政府がやりたいことを企業が代替してやっているに過ぎないと私は考えています。企業が代替するのは他のサービス提供と同時並行でできるという効率的観点からで、仮に政府が個人情報を収集しようものなら危険人物ほど抵抗することも目に見えます。

 ここで話を戻すというか結論を言うと、やってることは米国の中国も一緒でしょう。米国のGAFAに対し敢えて中国対抗馬を出すとしたらHATT(Huawei、Alibaba、Tencent、TikTok)で、GAFAにしろHATTにしろ、彼ら自身が望んでいるかどうかに係らず各政府は国内外の個人情報収集の出先としての役割を担わせています。逆を言えば、こうした世界的に普及するアプリや製品を供給する出先機関が、外国人を含めた個人情報の収集戦略で非常に重要となるわけで、LINEしかない日本はちょっと心もとない感じがしないでもありません。

 この観点に立っていうと、米国がHuaweiとTikTokを排除したのは経済的問題というより、米国人、特に要人の情報が抜かれるということへの警戒感もあったと、言うまでもないですが言えるでしょう。逆に中国は、GAFAのうちGoogleとFacebookは随分前から排除しており、AmazonもEC方面は外資参入を厳しく制限したかいあってアリババ、京東方という中国系企業の育成に成功しています。中国で大手振って活動しているのは、制限付きではありますがガチでAppleだけです。

 以上を踏まえて何が言いたいのかというと、米国も中国もやってることは実は全く一緒で、他国企業を排斥して自国企業を使って個人情報を収集しているだけで、そこに思想の対立なんていうのは全くないということです。それを踏まえて、次回ではじゃあ何が思想の対立となっているかについてまとめます。

2021年9月8日水曜日

西日本新聞に対する敬意

外野から見た菅義偉首相の不出馬騒動(JBpress)

 例の「菅きゃん」こと菅総理の辞任発表に関する報道について勢古浩爾氏がコメントをまとめた記事を出しています。ここで最初に取り上げられているひろゆき氏の発言を引っ張った中日スポーツに関して、もしこれ書いたのが自分の同僚だったら、間違いなく就職情報誌を買って渡していることでしょう。たとえそれが上司であっても。
 この際はっきり言ってやるが、あのネタで記事を書いたということはジャーナリストとして完全に失格です。生きてても人の足しか引っ張ることしかないから、早くあの記事書いた人は死ぬべきでしょう。


 まぁそんなカス中日のことは放っておいて本題に移ると、たまたまの偶然でしょうが、私が先日のブログ記事で取り上げた上の西日本新聞の記事を勢古氏も引用していました。素直に驚くとともに、私以外にもこの記事を評価する人は思ってた以上に多いのだと思いました。

 勢古氏はこの記事について、ライターの名前を挙げつつ手放しで称賛していますが、私自身も非常に深く同感します。他の大手紙に比べて非常に納得感が得られる内容であるとともに、非常に切迫感を感じさせられる文体で、内容といい文章といい他を圧倒する政治記事で、有象無象の何の事実的根拠のない憶測ばかり飛んだ辞任関連報道の中で、その質の高さで圧倒的な存在感を示していました。
 っていうかほかの大手紙の政治記者らは、一体何やってたんだか。しかも速報を逃したというのはまだ運も絡むけど、翌日になっても箸にも棒にもならない適当な憶測でごまかす記事ばかり出されており、中日の奴みたく死ねとまではいわないけど、いてもいなくてもいいような見事な仕事ぶりであるように見えます。

 話を戻すと、上の記事に限らず西日本新聞に関してはかねてから強い敬意を覚えています。報道内容は独自の取材で組み立てられていることが多く、他のメディアが取り上げていない重要な内容を取り上げることも多いです。また上の記事のように単純に文章の質が良く、新聞らしく格調を強めた(実はこういうのは嫌い)文体であるものの要所をしっかり押さえてあって、内容が読み取りやすいです。
 なお関係ありませんが最近アドベンチャーゲームを遊ぶ際はテキストをじっくり読むのが面倒で、半スキップしながら読み進めています。その結果、速読の訓練になっているのか読み込み速度がかなり高まってきています。

 またまた話を戻すと、私自身は西日本新聞についてかつてはそれほどその存在を意識したことはありませんでしたが、なんか去年あたりからYahooがトップページに引用することが増え、それに伴ってみる機会が増えていき、こんな新聞社があったのかとようやく気づくに至りました。前述の通り、地方紙でありながら全国大手紙に負けない取材と記事内容が際立っており、真面目に優秀な記者を数多く抱えているのではと伺われます。

 その反対に、近年の大手紙の低迷ぶりは目に余ります。私の専門とする国際報道においては言うまでもなく、多分今の私なら私一人で最低でも大手紙の3~5人分の仕事ができると断言できます。っていうかそもそも、現地に支局持ってるくせに現場に取材に行かない国際部記者が多すぎるという気がしてなりません。私なんか先週末も上海市内の処刑場訪れてんのに。
 もっとも国際報道が弱いのは今に始まるわけじゃありません。今回槍玉にあげている政治報道に関しては、少なくともこの5年間を見るだけでも確実にレベルが落ちてきています。森友関連報道でもしょうもない繰り返し内容が多かったですが、菅政権以降も長男の官僚接待を始めスクープは全部文春に持ってかれる始末であり、また政策解説報道も、「ああ書いた奴、絶対内容理解してないな」という事実くらいしかわからないとっ散らかった内容ばかりで、びっくりするほど価値のない政治記事が増えています。ワクチン接種に関しても、私のように何故若者から接種を開始しなかったのかと書いた記事は日本語媒体では一度もみませんでした。

 そういう意味も含めて西日本新聞には今後もぜひ頑張ってもらいたいです。

 それにしても、ネット配信によって新聞、テレビが弱まる一方、なんか雑誌メディアがやや力をつけてきている気がします。現代も前と比べ、特にビジネス系でいい記事がほんとよく出るようになったし。
 その雑誌というか週刊誌で、なんか電車の中づり広告をやめるという報道を前に見ましたが、ある意味今の風潮を暗示しているようにも見えます。

2021年9月7日火曜日

たけしの戦国風雲児

 誰とは言いませんが岸田ってほんとチキンだなと思います。それもファミマで売ってるような。

 話は本題ですが先日、タレントの北野たけし氏がテレビの収録語にヤクザに襲われるリアルアウトレイジ事件が起こりました。この事件に関して当初、直前での番組での政治的発言が刺激したのではないかと指摘されていましたが、後出し孔明的に言えばこの指摘自体がそもそも問題でしょう。というのも近年、政治思想に凝り固まった人ほどむしろ行動力がなく、逆にそういうのに無関心な人の方が行動力を有り余らせています。あんま指摘する人いないけど、こうした行動力の観点から見ると結構見えてくるものがあります。

 それで北野たけし氏についてですが、彼を題材にしたゲームだと伝説のクソゲーと言われる「たけしの挑戦状」ばかりが良く世間に取り上げられますが、地味に自分の中では見出しに掲げた「たけしの戦国風雲児」の方が思い出深いです。

たけしの戦国風雲児(ゲームカタログ)

 このゲームはいわゆるパーティーゲームで、すごろく風のマップで仕官したり、お金を稼いだりなどの特定のゴールを目指してわいわいがやがやするゲームです。特筆すべきは世界観は当時テレビ番組で放映されていた「風雲たけし城」をモチーフとしており、実際に番組内に出てくる川渡りなどのアクションがミニゲームとして登場します。
 今思い返すと結構凝ったゲームで、お金を稼ぎつついい刀を手に入れると戦闘で有利となったり、減った体力を回復するために宿屋行ったり、1回やすみになるかもしれないけど「うんこカレー」のコスパがめちゃ良かったりと、ゲーム中で取りうる行動の幅がめちゃ広かったです。

 一方でこのゲームの主要な目的となる仕官こと大名家への仕官を果たすにはハードルが高く、小学校にも入ってなかった私からすると何をすればいいのかが全く分かりませんでした。なので無駄に友人とミニゲームで競ったり、うんこカレーを食べるばかりでした。それでも楽しかったけど。

 私は以前、ゲームの面白さを形作る要素とは収集、成長、対戦だと指摘しました。わかりやすい例はポケモンで、ポケモンを集めて、育てて、戦わせてというのがさっきの要素を含んでいます。大方のRPGゲームはこの三要素を含めているほか、モンハンなどのアクションゲームでもレアリティのあるアイテムを登場させつつ、プレイヤーの技術向上を促すことでこの要素を取り込んでいます。

 今回改めてたけしの戦国風雲児を思い起こしてみて、もう一つ面白さを感じさせられる要素として、「一つの目的に対する複数の手段」というのがあるように思えてきました。このゲームでは前述の仕官を果たすためには、腕っぷしの強さをアピールするほか、賄賂を渡すなど複数の手段が用意されています。そのためプレイヤーは自分の得意とする方法やゲーム上の状況に応じて行動を変えることができ、この辺がやっぱゲームの一つの面白さなんじゃないかという気がします。

 というのも、よくシナリオが一本道のRPGゲームなどは批判されやすく、実際私も遊んでて面白くないです。逆に、普通に戦うとクソ手ごわいボスが、特殊な装備や戦い方でやると容易に勝てたりするなど、戦い方などに工夫があったりするとやっぱり遊び甲斐があります。
 先ほどの一本道に関しても、フリーシナリオやシナリオ分岐などがあるとやはりこれまた面白く、やはりボスを倒すとかエンディングを迎えるなどのゲーム上の目的に対し複数の手段があり、それを任意に選ぶという行為もまたゲームの醍醐味じゃないかと思います。この辺は「自由度」という指標でよくゲームは評価されますが、どっちかというと「任意性」の方が適切な気がします。

 忍者ゲームの「天誅」や「忍道」なんかはまさにその「任意性」が無限大で、それがユーザーにも評価されたのだと思います。もっとも「忍道」の2が出た後、アクワイアはこうしたゲーム作んなくなっちゃったけど。

2021年9月5日日曜日

何もないと言われる福井県

本当に何も無い県、「福井県」に決定(ぶる速)

 上のまとめ記事は福井に何もないことを言い合う内容ですが、奈良県といい、こういう地方がディスられる記事は読んでて本当に楽しいです。

 福井県については過去に何度か触れていると思いますが、実は前からかなり注目している県であり、奈良市、信楽市に続いて移住しちゃおうかなランキングで上位に入っています。一体なぜ福井に注目しているのかというと、幸福度が毎年全国トップクラスにあるのと、出生率も高めで、いろいろと特殊と思われる要素がてんこ盛りだからです。
 上記要素の背景として自分が睨んでいるのは、元々本願寺のおひざ元なだけあって、浄土真宗の帰依率が高いことが要因じゃないかと見ています。なお以前に福井県で神職をしている方に話を聞いたところ、福井では神道と仏教は仲良くやっているようです。なおその人の乗ってた日産・ティアナは、ロゴ部分がシルバーじゃなく金色になってたのが地味に気になりました。

 話を戻すと、2017年に本願寺に関する記事を書いた後に福井県を訪れています。回ったのは記事にも書いた本願寺と上記の神社のほか、

敦賀鉄道資料館

 上の鉄道資料館にも行ってきました。なんでこんなところに行ったのかというと、同行したソ連人民の敵であるうちの親父が「ここ行きたい(・∀・)」と言い出したせいです。なんでも、親父の新卒時の最初の赴任地が金沢だったこともあり、関西の実家に帰省する際に日本海沿いの鉄道を利用していて、その辺で懐かしさを感じたからだそうです。実際訪れると、「この列車に乗っとったんや!」などと一人ではしゃいでました。
 そんな鉄道資料館の近くには敦賀ムゼウムという、こちらは港湾としての敦賀を紹介する博物館があり、こちらにも行ってきました。ある意味、在りし日の黄金時代を思い起こすような博物館で、日本海に面した国際港として戦前まではアジア屈指の港湾であったことが紹介されてて、この辺はなかなか参考になりました。杉原千畝のビザをもらったユダヤ人の多くも、この敦賀港を経由していたそうです。

 以上を踏まえると、意外と敦賀は見るところも歴史も多くって、決して何もない県ではないと自分は思っています。奈良よりはマシでしょう(´・ω・)