今年も終盤に入り物故する人も多く出てきて、漫画界からは白土三平とさいとうたかをという大物も逝去されました。ただこうした有名人の物故者においては、その知名度や業績以上に「殺しても死ななさそうな人」のほうがやはり印象としては強くなる気がします。そういう意味では、先日報じられた細木数子なんかは自分でも意外というかびっくりしました。そしてその細木数子逝去の報以降、以下のような話題をよくネットで見るようになりました。
上のまとめ記事ではかつて放送されていた細木数子の冠番組こと「ズバリ言うわよ」で、当時一発屋として最盛期を迎えていたレイザーラモンHGが出演した際の回が話題となっています。見出しの通りあの回は神回だったとして、ぜひともまた見たいから再放送してほしいという話題なのですが、非常に同感というかやれるものならやるべきだと私も思います。
というのもこの回、私もリアルタイムで放映されたいたのを見ていました。「ズバリ言うわよ」は毎回見ていたわけじゃなかったものの当時最盛期にあったレイザーラモンHGが出るということで見てみるかと久々にテレビの前で待ち構えてみていましたが、想像を絶する内容に驚愕したのをよく覚えています。
詳しい内容については上のまとめ記事にも書かれていますが、例の如くハイテンションでレイザーラモンHGが登場して大騒ぎしたことに対し細木数子が苦言を呈したところ、
「謝ってくださいよ!」
と、何故かレイザーラモンHGが逆ギレするかのように細木数子へ詰め寄り、謝罪を要求してたりしました。
一体これは何なのかというと、細木数子の苦言に合わせて番組スタッフがレイザーラモンHGに対し「(細木数子に)謝ってください」とカンペを出したところ、幾らかテンパってたレイザーラモンHGが曲解して、細木数子に対し「謝ってくださいよ!」と逆に謝罪を要求し出したというのが裏側だったそうです。
当時テレビで見ていた感じとしては、品行方正とは見た目からして言えないものの、それまで極端に常識に欠けた人物だとは思えなかったレイザーラモンHGがあの細木数子に対し横柄にも謝罪を要求し出したの見て、なんか変だなという違和感は強く感じました。それこそ当時も何か番組側で仕込んでいるのかと疑ったのですが、それにしたって細木数子とレイザーラモンHGの会話が全く噛み合っておらず、何がどうなっているのかが見ていて一切わかりませんでしたが、雰囲気がどんどん険悪化していくのは画面越しからもはっきりわかり、何故だかわからないけど目が離せない展開ではありました。
その後、「謝罪しろ→何を?→僕を否定していることを→あんたなんか否定していない」などという噛み合わない会話を繰り広げた後、さぁ占いへと行こうとしたところでまたも会話が噛み合わなくなって、結局番組史上初の占いNGとなってレイザーラモンHGはスタジオから退場することとなりました。番組後にカンペのミスマッチがあったことを知ってレイザーラモンHGは楽屋で細木数子に文字通り謝りに言ったそうですが、「あんたも大変ね」と細木数子からは声をかけられたと後の報道で見た気がします。
この時の放送回の何が凄いかって、番組に仕込みを入れようとスタッフが動いたところ、出演者が全く想定外の行動を採り、誰も一切先が読めないくらい仕込みゼロなカオスな展開になったってところでしょう。まさにトラブルがトラブルを呼ぶような展開で、そこへきて細木数子とレイザーラモンHGというビジュアル的に激しい二人が画面上で「謝ってくださいよ!」などと激しく言い合いするもんだから、画面映えの良さと言ったら桁違いでした。
結果的には放送トラブルに近い回でしたが臨場感はすさまじく、お蔵入りさせずに放送した当時の番組スタッフは大したものだったと今更ながら思います。そういう意味ではやはり、番組というのは仕込み一切なしの予想の付かない展開こそが一番面白いと思え、この辺は「たかじんのそこまで言って委員会」で生前のたかじんも同じこと言っていました。
なおこのほかで「ズバリ言うわよ」で記憶に残っているものとしては、元琴光喜が出演して、ライバルと言われた朝青龍相手に延々と負け続けるVTRを流した回を覚えています。今思うとこうした著名人から話引き出すのは細木数子は上手かった気がします。