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2021年11月13日土曜日

ニートを生む教育法

天才なんJ民「過干渉な母親には、ある日"子育ての大変換"が起きる」(暇人速報)

 上のまとめ記事は先月見たものですが、非常に納得感があるというか金言だと感じる内容が書かれてあります。直接抜粋すると、

32 風吹けば名無し 2018/10/17(水) 04:34:04.69 ID:fBdqdJ6Yd
子供をいつまでも幼児扱いする過保護過干渉な母親と、寡黙で子育てに無関心な父親
ことあるごとに母親が口を出してくるので、子供はどんなことでも母親に意見を仰ぐようになる

入る部活から、家庭科で使う裁縫道具のケースのデザインまで何でも口出しされる
母親に反対されそうなことは怖くてできないので、行動力の無い子供になる

また、こういう母親は往々にして他人の悪口を平気で子供の前で言うため、子供も人嫌いになったり、対人関係における好き嫌いが激しくなり友達もできない
しかし、人生の出来事において全て母親が過保護とはいえしっかり面倒を見切れるのならニートになることはないかもしれない

問題は、高校大学受験や就活などの人生の大きな節目になると、母親がビビって急に口出しをやめることである

それまで何においても干渉してきたくせに、子供の人生を大きく左右するそれらのイベントに直面すると途端に怖じ気づき、「自分の人生なんだから自分で決めなさい」と一切の口出しをやめてしまう(子育ての大転換)

突然母親という羅針盤がなくなった子供は、どうすればいいかわからず受験や就活に失敗し、ニートになる
ここに来て、ようやく重い腰を上げた間抜けな父親が叱責を始めるが、自分に無関心だった父親が今更何を言い出すのか、と子供は反発し、更にニートの地位にしがみつくようになる

というわけや

 簡単に言いなおすと、子供の進学や進路について小さい頃から細かく口出す母親の元で育つと、子供は自らの方向性や将来について考えられなくなるのに、大学神学者就職などの重要なシーンになって母親が怖気づいて急に指示しなくなると、子供はニートになりやすくなる、といったところです。この主張ですが上にも書いてある通り私としてはまさにその通りだと感じるとともに、まさにこういうケースだと感じる人を実際に何度か見ています。それまで過干渉だったのに突然干渉をやめ、ある意味悪い場所で突き放されることで躓くような人がまさにそういう人でした。

 先日に私は「日本人の自我形成における大学教育の重要性」という記事も書いていますが、実はこの記事を書くきっかけとなったのも上の書き込みです。上の書き込みを読んで、またかねてより日本の教育は大学を除いて自我を叩き潰すことが目標になっているという前提を掛け合わせたところ、結局のところ日本人の自我はどこで形成されるのかというと大学在学シーンで、だからこそ各大学の学風というかスクールカラーも成人において比較的わかりやすくみられるのではという結論になりました。

 話を戻すと、仮にニートになる人の一部原因がまさに上の書き込みの通りであるとしたら、その対策はやはり子供の節目節目で、自らに自分の生き方や価値観を自己決定させ、自らが判断する重要性とその責任をはっきり自覚させることに尽きると思います。具体的にはまとめ記事にも書いてある通り習い事や高校などの進学先については強制はせず、本人が望むものを取捨選択させたり、誤った選択であることをわかっていながら本人が望むのなら敢えて選択させて、失敗の経験を敢えて積ませるなどが対策となりうるのではないかと思います。

 その上で、前の記事で主に取り上げた自我について、地味に日本人とその教育を分析する上でかなり重要なワードじゃないかとこのところ思うようになってきました。突き詰めれば自我が未発達の状態で突き放されるということが上の書き込みの内容で、自我をどのように形成させるか、またその自我が暴走しないようにどう抑えるかをもっと日本は考えるべきだと思います。
 具体的には、小中高の自我を叩き潰す教育は早くやめるべきだと思います。この教育法の中で自我を発達させるには既存権力(両親や学校)への反抗しかほぼないように見え、仮に家庭教育の中で自我が育成されなければ本当にもうどうしようもなくなります。

 一方で、現在の大学教育はやはり日本だと非常に重要だと思います。カリキュラムに関してはもっとどうにかしてほしいという気持ちがありますが、授業出席を強制せず、本人の自主性にある程度委ねる姿勢はやはり維持されるべきでしょう。真面目に日本の自我教育における最後の砦な気がします。

4 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

10年以上前の船場吉兆の食品偽装謝罪会見におけるささやき女将を思い出します。
当時は、湯木喜久郎取締役(当時45歳)が貴社の質問に対して言葉に詰まり、
ささやき女将こと母親で社長の湯木佐知子が隣で助言するという行為が大いに
話題になりました。当時は社長ではないとはいえ40歳を過ぎた男、それも
取締役の立場にある人間がまるで小学生や幼稚園児のように母親に手助けして
もらう点が失笑を買いました。
でも今にして思えば湯木喜久郎氏は進学はもちろん就職先までも、いや人生の
ほとんどを母親の指図で動いていたのかもしれません。
今の時代30歳,40歳になっても親の指示で動いていて、「親の死」という絶対的
な羅針盤の喪失によって、このさきどうすればいいかわからず途方にくれる
中年もいるようです。



花園祐 さんのコメント...

 まぁある意味船場吉兆のささやく女将は成人後も子供への干渉を続けたという意味では責任を全うしたところはありますね。その結果が閉店ではありましたが。
 この辺の話を言い換えると親離れ、子離れになるのですが、単純にこれができないことによる大きな弊害についてこれまであまり社会が意識してこなかったのかもしれません。
 ちなみに船場吉兆が潰れた時に京都吉兆のの人がタクシー乗ったら「京都吉兆も潰れるらしいですね」とか運転手に言われてマジ焦ったそうです(;´・ω・)

ルロイ さんのコメント...

過干渉型の母親にも色んなパターンがありますが、ニートとか引きこもりにしちゃうのは、飯だけ食わせて必要な技術や知識を得る機会は与えない、ペットと同じ育て方をしちゃった場合ですね。生まれたときから動物園にいるライオンに大人になってからサバンナで一人で生きろと言うのはさすがに酷という。
母親が古い女性のレール通りに生きてきた人だとかなり厳しいですが、最近の母親はそれなりに男子と同じレールを通ってるので昔よりはマシになってきてるんじゃないかと思います。
それに最近は中学高校もかなり自発性重視の教育になってるみたいですよ。なるべく生徒に考えさせようとする教師は増えてるみたいです。
ただ出来上がってしまった40〜60代の引きこもりの対処はかなり今後の社会的課題になってくると思います。

花園祐 さんのコメント...

 言われてみると確かに今の時代、母親となる人は大卒で社会人経験ある人が多いので、これまでと違った教育方針となる可能性も高いですね。そういう意味では確かに希望はあるのかもしれません、少子化だけど。
 既存の引きこもり世代に関してはもはやどうにもならないでしょう。ネットニュースも出ていましたが悪徳な引きこもり対策をやる業者が増えているようですが、多分今後も増え続けるでしょう。