このエッグタルトですが、先月にハイチュウが切れてから実に約1ヶ月ぶりの甘い味なため、4個入りだから今日と明日で2個ずつ食べようと思っていたものの、我慢できずもう4個食べてしまいました。最初食べた瞬間、あまりの甘さから頭くらくらしました。
話は本題ですが今日の日系メディアの報道では、上海市は平常化に向けて動き出し、一部地域で外出が許可されたとやたらめったら報じていました。ただこれ、はっきり言うけど額面通りに報じているメディアの記者はレベルが低いと言わざるを得ません。というのもこの一時外出許可は、公式発表通りに実施されていないからです。
この一時外出許可は新規感染者の少ない地域や団地が対象とされ、外出時間は一律4時間で、薬局を除き一つの商店にのみ訪問できるという形式でした。何気に用意がいいというか、「1日外出券(4時間)」という、どっかのサラ金会社の地下強制収容所で配られてそうなチケットも配られました。
実は自分の団地も今日この外出が認められる団地に入っていたのですが、つい昨日に外出券が配られながら実際には実施されませんでした。昨日夕方の時点で、「外出やっぱなしね」とは言わず、「防疫徹底のため~」という言い草で、各団地からはしばらく一切外に出られませんという、ほんの数時間前とは全く逆の政府公式発表が出され、あとからの発表の通りにうちの団地では外出が一切行われませんでした。
なお私自身は外出可能時間は勤務時間中で、また多くの人が商店になだれ込み商品もすぐ売り切れるだろうから、危ないだけなので外出するつもりは当初からありませんでした。そのため外出できなくなったとしてもあまり気にならない立場だったのですが、一時とは言え外出できると期待していた人たちからしたら、今回のこの措置によるショックはでかいのではないかと思います。
っていうか残った1日外出券(日付入り)とかどうしろというのだろうか。記念に取っとけ的なのか。
では何故外出が直前でなしになったのか。いろいろ推論が出ていますが、一番可能性が高いのは先に外出された地区での混乱ぶりがあまりにも大きかったことが原因だと思われます。
この一時外出は昨日から地域を分けて行われるという形式で、実際に昨日は外出が許可されたエリアがあったそうです。しかし出回ってきた映像を見ると、多くの人が物を置いてある商店になだれ込む有様で、何もナレーションとかつけなければ本当に暴動にも見えなくもない状態でした。恐らく店にある商品も、一瞬で消え失せてたのではないかと思います。
こうした解放による人の殺到と混乱、そしてこの集中ぶりが感染を引き起こすという懸念から、一時外出は結局なしになったのではないかと思います。自分が住んでいる区だけの措置という可能性もありますが、これまでの政府発表の反故とか見てると、大半の区で同じようなことになっているのではないかと推測しています。
あともう一つ考えられる可能性として、国外脱出ならぬ上海脱出が相次いだという噂も出ています。一時外出が実際に行われた昨日の時点で他の都市行きの列車やバスのチケットが異常に売られ、中には数倍の値段もつけたというニュースもあり、封鎖下の上海から何としてでも脱出しようとする人が実際殺到したのではないかと思います。ただタクシーとか公共交通機関は動いていないため、徒歩で駅まで数時間歩いた人とかもいたそうです。
実際にというか私のいる団地のグループでも、「脱出する。ついては残った家具は欲しい人にあげる」というメッセージを出している人もいました。まぁ結局今日に団地から出られなかったから、実際に脱出したかはわからないけど。もしかしたら通行許可証持ちの人経由なのかもしれませんが。
前にも書きましたが、今回の上海封鎖では政府発表が額面通りに実行されないというケースが非常に多いです。先月あたりは感染者の有無でリスクレベルを3段階に分けて管理するとも言ってましたが、この三区制もその基準通りなら私の団地は団地の外にも行けるはずなのに実際はそんなことは許されておらず、今やこの制度もあってないような感じです。
ロイターなんかはこの辺よくわかってるので今日の記事で「外出許可は出されたけど、実際には外出が認められていない団地も多いのでは」という風に書いていましたが、こういう風に政府発表を鵜呑みにしない報道は日系メディアではあまりなく、みんな額面通りに「平常化に一歩前進、一時外出が可能に」などと馬鹿みたいに報じています。ちょっとは疑え。
少なくとも、昨夜の時点で一回認めた一時外出がやっぱりなしになることを示唆する発表や噂が出ていたのだから、今朝出る報道ではそれを反映できたはずです。これまでも何度もこういうことあったのに何でそのまま発表通りに報じるのか、ほんとこの辺は理解しがたいです。