昨日壊れたエアコンは今日正午に大家が修理業者を呼んできてくれて無事直り、今も余裕の夜を過ごしています。途中から修理シーンを見たため詳しい故障原因は聞きかねましたが、ボンベからガスを入れていたのでガス抜けかと思っています。
話は本題ですが一昨日友人に二次大戦における各国の参戦経緯という、また妙なトピックで講義をしてきました。なんでこんな話になったのかというと、戦車の話になって、ドイツとソ連がお互い戦っている最中にものすごく戦車を発展させ、同時代においてはこの二ヶ国が戦車技術で突き抜けたとかそういう話から何故か突入しました。具体的には、「そんな血で血を争った二ヶ国も、開戦当初は仲間同士だったんだけどね」っていう切り口からでした。
これはどういうことかというと、わかる人には早いですが1939年のポーランド侵攻のことです。二次大戦はこのドイツによるポーランド侵攻から始まったと歴史上では定義されていますが、このポーランド侵攻は西からドイツが、東からソ連が攻め込み、両国がポーランドを文字通り分割しています。こうしてポーランドを落としたドイツはその後フランスへと襲い掛かり、英国を除く西ヨーロッパの大半を握るに至ります。
その英国に対しても、ドイツは当初自らの戦果を誇示して講和を持ち掛けますが、英国はこれに対し拒否して抗戦する姿勢を見せ、その後のバトルオブブリテンへと至るのですが、ヒトラーとしては当初、英孝は講和に応じるはずだ、真の敵はソ連であってお互い仲良くなれるはずだと本気で信じてたようです。
先のポーランド侵攻では共同で攻め込んだドイツとソ連ですが、そもそも政治信条的にはお互い真逆(国家社会主義VS共産主義)という立場であり、また国境も深く接し合う不倶戴天の敵同士です。ポーランドはあくまでお互いの利害が一致しただけの結果であり、両国ともその後、雌雄を決しなければならないと考え、開戦準備を進めていました。
そんな独ソ戦開幕前夜、ドイツにやってきたのが我らが
松岡洋右です。彼は若干しっくり来ていないように見えるドイツとソ連に対し「日本が仲立ちになろう」的なこと考えてたようです。というより、ドイツとソ連は既に仲間同士であって日本もその輪に入ればいい的に思ってた節もあります。
当時既に日独伊三国軍事同盟を結んでいた日本でしたが、その表敬のためドイツを訪れた松岡はヒトラーから直々に「ソ連には気を付けた方がいいよ」と言われましたが、そんなのお構いなしに帰路にモスクワによって、日ソ中立条約を結んでしまいます。これによってドイツとの戦争時に日本側から背後を脅かされる懸念がなくなったことでスターリンは大喜びし、わざわざ駅まで松岡を見送りに来たほどでした。
この直後、独ソ戦が開始され、慌てた松岡は日ソ中立条約を破棄してソ連を攻めるべきだと主張します。しかし外交ミスの原因を作った張本人が何を言うかと大顰蹙を買い、松岡は間もなく罷免されますが、その後の歴史は言うまでもなく、日ソ中立条約は日本の終戦間際にソ連によって一方的に破られ多くの悲劇を生むこととなります。
以上は日本側の視点に立った流れですが、これをドイツ側の目で見ると、本当に日本はうざいことしてんなって思えてなりません。というのも、ドイツが日本と軍事同盟を結んだ最大の目的はほかならぬ、ソ連に対する牽制以外何物でもありません。それを日本が日ソ中立条約を結んだことで、軍事的には三国同盟は何のメリットを持たなくなりました。それどころか、ソ連側は極東の防衛兵力を西側に移動させることができるようになり、ドイツに対する防衛力を高めたことは間違いありません。仮に中立条約を結ばず、日本がソ連に対して牽制だけでもしていたら、独ソ戦はどうなっていたのかという議論はできるかと思います。
またその後についても、日本が真珠湾攻撃によって米国と開戦したことで、ヨーロッパ戦線における対独米国参戦も招いています。この直前まで英国は非常に厳しい立場に置かれていたとされ、米国の参戦が遅れていれば英国も陥落していたのではないかという説もあります。それだけに米国も国内世論が反対する中にもかかわらず政府は参戦を急いでいたとされ、日本側から攻撃させて世論を参戦に持ち込むよう挑発していたという陰謀論が出てくるわけです。
まぁこの陰謀論は実際そうですが、真珠湾攻撃を知ってたってのは嘘だと考えています、米国はどうも、日本は最初フィリピンなどを奇襲すると予想していたようで、地理的にもそう思うのが自然でしょう。
話は戻しますが、日米開戦によって米国が参戦したことで、ドイツは東のソ連と西の米英という二面作戦に追い込まれます。正確には北アフリカ戦線もあるのでほぼ三面作戦でしたが、仮に米国の参戦が遅れていたらもっと序盤に対ソ連戦に集中できたと思え、そうだったらまた結果も違ったんじゃないかなと思う節もあります。
この辺まで話し終えて私も、「ぶっちゃけ、ドイツの目から見たら日本が悉く敵を増やしており、なんか日本のせいで敗戦したと思われても仕方ないような……」という一声が喉から出てきました。それ以前に、日独伊三国軍事同盟は軍事的なメリットは一切運ばず、デメリットのみ締結国にもたらしているように見えてきます。
この辺、空気を読むことに命を懸けている民族の癖に、日本は国際社会の空気を悉く読み違え、結果的に自国の亡国を招いたばかりか、なんかドイツさんにやたらと負担をかけていたような気がします。自分も今回、時系列で解説している最中にこの構造に初めて気が付いたのですが、ネットで検索してみるとこうした主張をしている人はあまり見かけません。
それだけに気になるのが、ドイツ人はこの辺をどう思っているのか。日本のせいで二次大戦負けたとか彼らは思ってないのかが若干、というかかなり気になります。内心、ドイツ人にそう思われても仕方ないような気がします。