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2024年6月18日火曜日

密かに評価しているプロ野球の現役監督

日本ハムのドラ1・細野晴希「忘れられないマウンドに…」打者が「テレビの中の人でめちゃくちゃ緊張した」(スポニチ)

 本日、交流戦の最終試合が行われ、ルーキーにバッテリー組ませてデビュー戦を踏ませた日ハムでしたが、あいにく先輩格の阪神に本日は敗れてしまいました。もっとも、先の2試合には勝っているので実質的に2勝1敗ではありますが。
 それにしても新庄監督率いる日ハムは本当に強くなったというか、現在もリーグ戦でソフトバンクには差をつけられているもののロッテと同率で2位に入っているなど、数年前の暗黒期が嘘みたく強くなっています。過去2年間、チーム成績が上がらなかったことで新庄監督への批判は多かったですが、芯を曲げずにチーム強化に取り組んだ甲斐あって現在は選手も強くなり、批判する人も一気にいなくなった気がします。

 個人的にこの新庄監督の一番いいと思うところは、派手なパフォーマンスを行って自ら率先してメディアに露出し、その場でチーム内の各選手の名前を口にすることだと思います。やはり人気商売なだけあって選手の知名度向上は売り上げに直結することもさることながら、選手の側も知名度が上がることで自分が「見られている」ということを意識するようになり、よりいい成績を出そうと成長を促す効果もあると思います。
 実際、大リーグでもひたすらメディア露出を増やす戦略をとることで急激に強くなるチームもあったみたいだし。

 以上のように新庄監督について、過去2年間の勝てなかった時期も含めて高く評価しているのですが、実は彼以上にもっと評価している監督がいます。勿体ぶらずに言うとそれはセリーグ首位をひた走る広島の新井監督だったりします。

25番という選手(なんJ用語集)


 上記の単語を含めいろんな人にネタにされまくる新井監督ですが、正直言って就任初年度となる去年は「本当に大丈夫なのか?」という不安の方が大きかったです。

 というのもカープ自体がここ数年大した補強を行っておらず、逆に鈴木選手など主力が抜けるなどしていたチーム事情もさることながら、新井監督が本当にチームを引っ張っていけるのかという点で少し疑問を覚えていました。
 選手のやる気を引き出すモチベーターとしては、選手時代晩年の頃から、生来の温厚で天性の弄られキャラもあってか年の離れた若い選手とも積極的に交流していたため、彼以上の人間はいないと思っていました。しかし性格的に優しすぎると前から思っており、こうした勝負事、特に選手時代から面識のある選手に対しては成績が下がっても切れないのではなどという風に思え、監督業をきちんとこなせるかで不安に感じていました。

 というより、まさかカープレジェンドの前田氏や黒田氏より先に監督やるということ自体あり得ねぇとすら思ってた(;´・ω・)

 しかしふたを開けてみると、2023年シーズンは上記の通り補強はほぼ一切なかったにもかかわらず、阪神の独走こそ許したものの現有戦力を活用して2位という好成績を残すなど、戦術面でも非常にしっかりした監督ぶりを見せてくれました。彼の戦術について私見を述べると、非常にオーソドックスですが逆を言えばはずれがなく、打つべきタイミングにきちんとした戦術を打ち、非常に堅実であるように見えます。
 かと思えばここぞというチャンスやピンチの時に、モチベーターらしく選手を変に後退させずに一声かけてからそのまま送り出し、選手の側もその意気に応えてチャンスをものにしたり、ピンチを脱したりすることも多いです。ファンとしても見せ場を作ってもらえるだけに、見ているこっちも楽しくなります。

 そして2年目の今シーズンではまだ中盤ながら首位につけており、もうこの時点でカープの監督としては非常に優秀な成績ぶりです。でもって、あのと言っては何ですが新井氏がこうしてカープを率いる監督になっているという時点で目頭が熱くなったりします。

 知ってる人には早いですが、新井監督はそもそもドラフトに引っかかる選手ではなく、どうしてもプロになりたい一心で知人のつてを頼って野村謙二郎氏に頼み込み、無理くりドラフトで指名してもらって選手になっています。強みと言えば長打力だけで、守備に至っては論外というひどさだったらしいですが、担当したスカウトによると「才能のある選手よりも、どうしてもプロになりたいっていう子の方が案外伸びる」とのことで、その熱意に打たれて指名したとのことでした。

 そうまでして入ったカープでしたが、兄貴分と慕う、上原浩治氏からやたらネタにされる金本氏が阪神に行ったことから、どうしても自分も金本氏と同じチームにいたいとの思いからFAで移籍し、上記の「25番という選手」という異名が生まれるに至っています。その後、紆余曲折を経てカープに舞い戻り、見事な成績で優勝を経験し、そして監督になるなど、10年くらい前の人にこんなサクセスストーリーを聞かせても誰も信じないでしょう。それくらいなろう系主人公もびっくりなサクセスストーリーを地味に歩んでいます。

 ただその新井監督ですが、仮に平成野球史で最高の名シーンを上げるとしたら、第2回WBCのイチローのヒットよりも、2016年のカープ優勝時に黒田氏と号泣しながら抱き合ったあのシーンを自分は挙げます。カープの暗黒時代を自分も目にしており、その暗黒時代の4番とエースがお互いに一度はカープから離れながら再び舞い戻って優勝を経験するなど、こちらも大谷翔平氏に負けないくらい出来過ぎなストーリー展開である気がします。この背景を知っているだけに、あのシーンは今でも自部の中で強く印象に残っており、今年に関してはこのまま広島に頑張ってもらいたいなとも思っています。

 まぁ暗黒時代で言えば、横浜の三浦監督の方がずっと耐え忍んでいるんだけど……。

ロシアは核兵器を使うか?

 ウクライナ戦争が始まって以降、主にメドベージェフを中心にロシアの主要人物が核兵器の使用について言及していますが、少なくとも現時点で実際に使用される可能性はほぼないという風に見ています。その根拠というのも、逆説的ですがロシア側が使用をほのめかす発言を繰り返しているからです。本気で使用する気なら、絶対に気取られないよう使用はおろか核兵器についても一切触れず、前触れのない状態で使用するのがベストだからです。
 なので逆に言えば、彼らが脅しとして核兵器の使用に言及すればするほど、西側としては安心ができるでしょう。

 とはいえ、何をしてくるかわからない国というのは間違いのないことで、絶対に使用することはないとは言い切れないでしょう。ではどう対処するかですが、単純に核抑止論に則ってロシアが使用した場合は報復として米国側も使用の可能性をほのめかすというのが一番ですが、極論を言えばウクライナ領内に核兵器を置くことも一つの選択肢だと思います。
 もちろん恒久的に置くべきではないですが、米国や英国などが共同管理する拠点に報復用として置いとく、それも秘密裏にしてロシアの上層部にのみブラフでもいいので情報を流すのが一番効果的だという気がします。もっともこんなことしなくても米国はアラスカにおいているでしょうが。

 それにしてもウクライナ戦争がこんなに長く続くとはだれも予想しておらず、自分も長くて1年半ではとみていたのがもはや3年目に突入しており、このまま次の冬も継続している可能性が高いです。戦争中のウクライナの辛苦を思うと胸が痛みますが、アルメニアが東欧の軍事同盟から外れるなどロシア本国というよりはその周辺でロシアに対する不利な状況が増えてきており、これまでの戦いは決して無駄になってはいないと思います。日本としても行える支援は限られていますが、できる限りのことを政府にはやってもらいたいです。

2024年6月16日日曜日

最も激しく中国と台湾の分離工作を行っている組織

 本題と関係ないけどショーン・Kとディーン・フジオカがフュージョンしたら、「ショーン・フジオカ」になるのか「ディーン・K」になるのか気になって夜も寝られません。いやね、何となくこの二人の雰囲気が似ているように前から思うので。

 それで話は本題ですが、よく日本や米国が台湾情勢について口にするや大陸の方の中国は「分離工作はやめろ」と主張してきます。ここで言う分離工作とは中国大陸と台湾の統一を妨げる、台湾の国としての独立を支援するような動きで、こうした策謀というか活動は行うべきではないと中国は度々主張しています。
 ただ結論から述べると、仮に台湾に対する分離工作があるとしたら、それを最も激しく一番やっているのはほからぬ中国政府自身であることに間違いありません。でもって、中国はその事実についてガチで自覚がなく、台湾の国家としての独立を自らが現在進行形でガンガンに推し進めているという皮肉な状況に陥っています。

 それこそ20年くらい前であれば、中国と台湾の経済的結びつきが強まり、また香港で一国二制度方式の併合が特に問題なく進行していたこともあり、現在と比べると「もうこのまま大陸と一緒になってもいいかも」と思う台湾人は少なくなかった気がします。実際に知人経由の話である台湾人なんかは、欧州に旅行するとパスポートが大陸の中国と異なることを怪しまれることが多く、移動に不便だから早く統合してほしいということを述べていたという話を聞きました。

 しかし現在、統合の前提ともいうべき一国二制度は香港ではもはや崩壊しているに等しく、また台湾に対して中国は目の前で軍事演習を行うなど、直接的な脅迫行為も度々行うようになってきました。それどころか台湾で選挙が起こるたびに露骨な世論誘導といった選挙干渉を繰り返しており、こうした行為を見るにつけ「こいつらとは一緒にやっていけない(;´・ω・)」的に台湾人の心は年々、少なくともこの10年においては大陸と統合からどんどん離れているように見えます。
 これを分離工作と言わずして何と呼ぶかです。

 では一体何故、ほかの国にやるなと言っている分離工作を中国はやり続けているのか。こちらも結論から言うと、中国の外交は内政に対し従であり、内政が外交に優るからです。

 自分のスタンスもありますが、私自身は外交と内政で比べるなら外交が主であり、内政を犠牲にしてでも外交を優先すべきだという立場を取ります。
 先のウクライナに対する日本の2国間署名、追加援助に対して、日本国内で税金を使わずにほかの国に配るなんてけしからんとして岸田首相を批判する人もいますが、私は逆に支持しています。日本国内で大量の餓死者や凍死者などが出ている状況ならいざ知らず、今ウクライナではロシアに電力インフラが破壊されるなど、電気や飲み水などにも困難な地域が多数あり、ガザも含めこうした国や地域へ率先して支援することは必要です。それ以上に、同じロシアという厄介な隣人を抱える同士として、現在行われているウクライナ戦争でロシアが勝利する事態だけは何が何でも日本としても避けるべきであり、このために内政の予算を削って外交に用いることは理にかなっていると考えます。

 話を戻すと、内政も重要ではありますが外交は国そのものの安全や地位を左右し、ワンミスで一気に国家が吹き飛ぶくらいの影響力を持つ分野です。よく戦争は外交の延長線上と言いますが、街区と内政を比較するならその優先度は圧倒的に外交であり、外交のために内政を犠牲にすることは当然で、その逆はむしろあってはならないのですが、それを中国が今やってしまっていると言いたいわけです。

 一体何故中国は、台湾人に嫌われるだけなのに世論工作や軍事的脅迫を露骨に続けるのか。答えを言ってしまえば中国共産党内での仕事アピールに使っているからです。
 具体的には日本の外務省に当たる中国の外交部では、「台湾の独立を防ぐ措置をやれ、やらなきゃ評価ダウンだ」と命じられており、この指示命令の下で世論工作とかをやっているのだと思います。しかもそれらの活動が目に見える形でないと評価実績につながらないため、必要以上、っていうかそもそも逆効果なんだからやるべきじゃないのに、敢えて目に見える形で世論工作を露骨にやっている節があると私は睨んでいます。でもってそれを見た人事権者も「いいぞいいぞ、もっとやれ(・∀・)」的に言うので、より大胆かつ露骨にセルフ分離工作を拡大させる一途を辿っています。

 言ってしまえば中国共産党内での実績アピールとして、中国は台湾に対する外交活動をやっている節があります。なので目的と手段が逆転しており、少なくとも彼らが外交活動と思ってやっていることは台湾人の反感、そして独立心を高めるだけにしかなっていません。っていうかやらない方がずっとマシだし、こういうことしているから日本や米国も台湾情勢に目を向けるようになっており、周辺国すら巻き込む事態となっています。
 この過程を見ると、中国が「外交のために内政を行う」のではなく、内政、というより共産党内部での出世競争のために外交を行っているという構図となり、まともな外交的対応なんて期待できるものではありません。逆を言えば中国は外交よりも内政を優先するので、その辺をうまく理解すれば外交での動きは読みやすくなるとも言えるでしょう。

 それにしても、上記のような点に起因しますが中国の外交の下手さぶりには見ていて呆れてきて、かつて散々批判していた私ですが、中国と比べるなら日本の外交は前述のウクライナ支援を含め、ずっとまともだししっかりしている様にすら見えてきます。っていうかあまり言及されないけど、岸田首相は外務大臣時代を含め、基本的に外交で問題が起きることがないです。大きな成果を出すということもないのですが、波風なく安定的に常に外交を運営しており、「外交の岸田」という評価は間違いなく、もう少しこの点は世間も評価してほしいと密かに思っています。

2024年6月15日土曜日

鹿児島県警の闇

「本部長の犯罪隠蔽」告発で揺れる鹿児島県警の愚挙 批判メディアへの強制捜査、心臓疾患を無視した取り調べ(AERA)

 先日にも触れたこの鹿児島県警の情報漏洩ですが、その後も一向に火が止むどころか鹿児島県警自らが燃料を投下しているような事態となっています。詳細は省きますが、情報漏洩事件の容疑者が流出させた内部情報を得たメディアに対し、令状もなくパソコンなどを押収した上に該当データを削除していたとのことが報じられました。もっともこれはメディア側の主張で、鹿児島県警側はちゃんと令状もとったし、データ削除にも同意を得たと言ってはいますが。

 正直なところ、情報漏洩よりもこちらのデータ削除の方が内容的にもずっと深刻なのではないかという気がします。いわゆる暴露系Youtuberとかにプライバシーに関する情報が流出した場合には迅速な対応が必要で、上記のような措置も時に必要になるかと理解できますが、今回に関しては曲がりなりにも鹿児島県警を度々批判してるけどきちんと報道活動をしているメディアで、少なくとも現時点で流出した情報のうちプライバシーに関する内容などをみだりに拡散などもしていません。そうした点を踏まえると、今回の鹿児島県警の行動は令状があったとしても、報道の自由に対する侵害に当たると私は思います。

 その上で最初は結び付けるのはどうかなと思っていましたが、ここに至ってかつての志布志事件を思い出すようになりました。

志布志事件(Wikipedia)

 知ってる人には早いですが、志布志事件とは2003年に鹿児島県警が引き起こした大規模な冤罪事件です。10人以上もの人間が全くのでっち上げともいうべき根拠のない容疑で無理やり拘留させられた上に自白を強要され、「お前のことをお前の家族は嘆いている」などと、その家族が言ってもないことを言ってその関係を浸そうとするなど卑劣極まりない事件でした。
 この当時も鹿児島県警ってやばいと思っていましたが、今回のこの一連の事件を見ると、神奈川県警や大阪府警と張り合うレベルでやばいんじゃないかと思うようになってきました。敢えて言うなら基本的な常識に欠け、糊塗に糊塗を重ねようとする体質があるように思え、情報漏洩の容疑者である元鹿児島県警の人もその内部告発の仕方に疑問を覚えますが、鹿児島県警という組織自体に問題があるというのは十分理解できます。

 っていうかこの事件、警察庁は何をしてんのかという気持ちも覚えます。事ここに至っては鹿児島ん県警に自浄というか対応をゆだねるのはもう無理でしょう。ほっとけばそれこそ志布志事件みたく、国家賠償請求が警察庁などにも及ぶであろうし、もっと早く行動すればというように思えます。
 つうか鹿児島県警だし、また志布志事件みたく踏み字とかやってんだろうか。

2024年6月13日木曜日

プレサンス事件の「不適切にもほどがある」検事


 大分前に自分もこのブログで取り上げたプレサンス元社長の冤罪裁判ですが、元社長の国家賠償請求裁判にて、冤罪のきっかけを作った検事本人への尋問が行われたとのことです。

プレサンス事件(日本弁護士連合会)

 この事件の概要については上のリンク先にありますが簡単に自分の方から説明すると、不動産会社のプレサンス社を経営していた山岸氏の部下のある社員が、とある学校理事への個人的融資として会社の金を横領して使用しました。その際にこの社員は、理事個人への貸付ではなく学校法人に対する貸付だと嘘を言って貸し付けました。その後、融資を受けた理事はこれを裏金として使って見事理事長になると、学校の土地を売却し、そのお金をプレサンスへの返済金として使用しました。

 この一連の取引について検察は社員と理事を捕まえると、社員が否定しているにもかかわらず「社長が指示したんだろう」と執拗に供述を迫り、虚偽の自白を取ることに成功し、これをてこに社長の山岸氏も逮捕立件しました。
 しかし、社内報告書などの証拠はむしろ社長が社員に騙されたことを裏付けており、また一度は自白した社員も裁判にて「自白は強要されたもので社長は無関係」と証言し、裁判所も社員に対する検事の脅迫的な誘導があったと認めて山岸氏には無罪判決が下ります。この判決に検察はぐうの音も出ず、かなり珍しいことに控訴すらせずに確定しました。

 そんで以って今回の裁判へと至るのですが、今回登場した検事は社員を脅迫した検事です。その鳥しばれ中の録画映像が公開されたとのことですが、「失敗したら腹切らなきゃいけないんだよ。命賭けてるんだ、こっちは」などとのたまっていたようです。見事に失敗して冤罪を作り無辜の人物に裁判をかけたにもかかわらず、いまだに腹を切らないし、反省の態度も全く見せないあたり、この前流行ったドラマの「不適切にもほどがある」という単語が自分の中で浮かんできました。

 このクソ検事への尋問詳細については赤澤氏の記事をぜひ読んでもらいたいのですが、やはり常々思うのは裁判所から違法な捜査だと認定されたにも係わらず、冤罪事件に関わった検事らは一切処罰されず、むしろこのプレサンス事件や大川原化工機の冤罪事件のように検察が守ろうとすることに強い違和感を覚えます。
 唯一の例外は村木事件の時で、この時は関係検事らが逮捕され有罪となっています。確かにこの事件では前田恒彦が証拠捏造という桁違いの不正をやらかしてというのはありますが、それを言ったらほかの冤罪事件も脅迫や証拠隠避の類はどれも行われているだけに、検察内部の処罰度合いになんか差を感じます。はっきり言うと、この村木事件は被害者が官僚だったから、検察も内部処罰に動かざるを得なかったのではないかという気がします。

 話を戻すと、仮に検察自身が違法な捜査を認定された検事やその上長を内部処分するなど自浄作用を働かせるなら話は別ですが、実体はさにあらず、むしろ保護しようとすらします。無論これは権力の暴走もいいところであり、自浄作用が働かないというのであれば、裁判所に違法捜査と認定された案件の担当検事と上長に対する刑罰を法定化すべきではないかと思います。でないとこれ、後々大きな禍根になるように思えてなりません。

 恐らくそんなこと言ったら検事が捜査に躊躇するなどというでしょうが、立件した案件に無罪判決が下りようとも、違法な捜査さえしなければ処罰されないはずであり、そのような言い訳はナンセンスでしょう。前述の通り検察自身が自浄できないのであれば、ましてや大川原化工機事件のように明らかに法解釈を捻じ曲げて強引な捜査を続けた点も踏まえると、検察の捜査を国家法で制限してでも国民を保護する必要が出てきている気がします。
 具体的な処罰水準に関してはその度合いによって定めるべきであり、単純な法曹資格の喪失、懲戒免職はもちろんですが、上司の命令で関わらざるを得なかった末端の検事などについては、いくらかの温情措置もあっていいのではと思います。具体的には法曹資格の一時停止と研修活動の義務で、冤罪を起こしてはならないという研修コースをみっちり受けさせることを条件に業務復帰を認めるようなのがいいかと思います。

 でも実際にそんな研修ってあるのかな、もっと効果的なのないのかななどとしばらく考えてみたところ、一方的に筋のない主張で延々と怒鳴られ続けることを身を持って体感できる、コールセンター業務を半年間くらいやってもらうのが一番いいのではという結論に至りました。っていうか処罰以前に検事はこれ、絶対やった方がいいとすら思う。カミーユじゃないけど「一方的に怒鳴られる今日がどんなものか、教えてやる!」という具合で、殴られる覚悟のある奴だけ殴ってもいいじゃないですが、脅迫的な手段で捜査される側の立場に立ってもらうのは大事でしょう。

2024年6月11日火曜日

誰も言わないけど中国の年金が心配

米国人講師4人刺傷 「単発事件」として捜査 中国外務省(時事ドットコム)

 今日出たこの記事ですがガチのマジで中国では一切報じられていません。こんなの隠蔽する必要性が全く見当たらない記事内容だと思うのですが、こういうのすら堂々と出せないあたり今の中国はよっぽど弱ってんだなと逆に思えてきます。

 そんな中国の話を今日はしようと思うのですが、一時期と比べると社会における悲壮感はやや薄まり、消費もこのところは活発になってきたように思います。ただその一方で企業業績はどこもあまり改善しておらず、また若者の新規採用が依然として狭い門であるだけでなく、中高年のリストラも続けられています。最近だとスタバにリストラされて行き場をなくした中高年がよくたむろするようになったと言われており、ほんと90年代後半の日本に様相が似てきたなと思います。

 その上で今後について述べると、現状ではまだ不動産業界鹿話題になっていませんが、依然として不良債権の処理に手を付けようとする動きが見られないだけに、大体2~3年後くらいに不況の波が金融界にも一気に広がると思います。逆を言えばそれまでは状況の深刻さにいまいち気づけずに、麻酔を嗅いだように火が広がっていても危機感を持てない状態で中国は続くのではとみています。

 ただそうした経済危機以上に、地味にもっと深刻だと思っているのが見出しに掲げた中国の年金制度です。中国では「養老金」と呼びますが、具体的に研究したわけではないもののただでさえ日本以上にハイペースで少子高齢化が進んでおり、なおかつ社会全体の雇用が悪化してきて地方財政も火の車とも言うべき状態にあることを考慮すると、日本よりも年金制度の破綻がずっと深刻に発展するのではないかと危惧しています。


 実際に国の年金制度に疑念を持つ中国人は増えており、このところマジで私の周りでも個人年金に加入したり、検討する人が増えてきています。上のリンク先の中国語記事はそれを裏付けるかのように、個人年金の口座開設者数が6000万人を突破したことを報じているのですが、それだけ公的年金への不安が高まっているとも言えるでしょう。
 その公的年金についてですが、直近ではあまり分析する記事が出ていません。ただ状況から考えるとこのままいけば状況的に破綻待ったなしだと思えるだけに、もっと早く検討したり分析したりする必要があるように思います。時間あったらまた自分がやってみようかなとも思いますが、ガチな話、中国政府は早く今のうちから年金制度を検討した方がいいと思います。

2024年6月9日日曜日

秋葉原通り魔殺人事件の救命現場

「血液が両手の指の間から大量に溢れ出して…」2人の命を救った”通りがかりの民間人”が見た、壮絶すぎる光景《秋葉原通り魔事件から今日で16年》(文春オンライン)

 今年に入ってから読んだ記事の中でばこの記事と、その続きの後半記事が一番というくらい印象の強い内容でした。書かれている内容は約16年目となる2008年の秋葉原連続通り魔殺人事件の糾明現場におられた方のインタビュー内容で、当時の凄絶な現場とその後も思い悩む日々などが綴られています。

 この事件に関してはもう若い人の間では知らないという人も出てくるくらい年月が経っており、また犯人であった男もすでに死刑が執行されており、徐々に過去の歴史となりつつある事件です。確か当時のブログにも書いていたかと思いますが、たまたまですがこの事件で亡くなった大学生が自分の実家近くに住んでおり、別の用事で仏具屋に線香を買いに行った際に「もしかしてご友人ですか?」とお店の方に言われています。
 はっきりとその大学生だった方である裏付けは取れてはいないものの、公判記事で亡くなった方の友人の証言では車に轢かれて亡くなられたことが書かれており、家族や友人などからその死が惜しまれていたことを見るにつけ自分もいろいろ思うところがありました。

 話を戻すと、その前の地下鉄サリン事件の現場でもそうでしたが、救命現場では「誰を優先して治療するのか」という判断が医療従事者に求められます。言ってしまえば助かる見込みのない人間を見捨てる判断も要求されるわけで、その結果救える命が増えたとしても、実際の現場の方からすればぬぐい切れない感情を持つのも無理がありません。
 実際に上記奇異のインタビューアーの方も大きな精神障害を負ったようで、記事へのコメントなどを見るとこの方面の精神治療やバックアップ体制が必要だという声も見られます。これが米国ともなるとシェルショックこと戦場帰りの軍人の精神衛生問題を常に抱えており、もし有効な制度や対策があるなら日本もこの際学んでおいた方がいいかもしれません。

 その上で、この秋葉原の事件が起きた当時は通り魔をどう防ぐかが散々議論されましたが、結論から言えばそんな方法はまずないでしょう。どんなに安定した世の中でも価値観がおかしかったり、自分に都合のいい考えを外部に強制する人間っていうのは出てくるものです。強いて言えば、この手の人間があまり出ないよう社会のストレス環境を下げる、精神衛生環境をマシな状態に保つことが最善策に思えますが、自分で言っててできるならとっくにやってるって思います。
 もっとも被害を減らす方法としては、無責任な言い方をすれば通り魔現場では即射殺を警察に奨励するのも一つの手かと思います。ほかの事件でもそうですが、犯行が警察官を含む大勢の目の前で行われ疑いようがない状況の場合、裁判なんてまどろっこしいことする必要あるのかと前から思っています。裁判せずに犯人を射殺する、または裁判するにしても非常に簡素な審理で終えるなどは、してもいいのではないか思っています。