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2010年8月19日木曜日

韓国、中国とは対話が出来るか

 大分期間が空きましたが、菅首相が村山談話に続く形で菅談話を行って韓国に対して戦前の日本政府が行った行為を謝罪した一件を題材に取って、今日は東アジア外交の話を簡単にしようと思います。菅首相の談話の中身については私自身が詳細に検証していないので敢えてここでは触れずに謝罪をした対象の韓国、ひいてはこの関係でよく一緒に揉める中国が果たして対話が出来る相手なのかどうか、その点について自分の知る範囲で書いていきます。

 まず韓国についてですが、言ってはなんですが対話ができるかどうかとなると私はあまりこの国を信用しておりません。残念なことに韓国政府はこれまで一巻として日本を仮想敵国に仕立て上げ、そんな日本を批判することで政権の支持率維持をどの政権も図ってきている節があります。もちろんこのような政策は韓国に限らずどの国でも行っており、かくいう日本も小泉政権の頃は意図的に中国を相手にやっていた節がありますが、韓国に対して私が最も呆れたのは今も揉めている戦前の個人賠償請求問題についてです。

 内容をざっくばらんに話せば戦前の日本の統治下で強制連行といった非人道的行為(なかったという人もいますが、私はこういう行為はあったと考えております)を受けた方個人に対して日本政府が賠償をするべきだという韓国側の主張なのですが、日本側としては国交回復の際に結んだ日韓基本条約内にて、「日本政府は韓国政府に対して援助を行う変わりに、韓国政府は個人賠償請求を放棄する」という文言があるとして言い合いを続けてきました。
 少なくとも日本は国交回復後に韓国に対して当時の韓国のGDPの三倍にも及ぶ経済援助を行っているのは事実でそれにもかかわらずどうして韓国側は個人賠償請求をかたくなに主張するのかと疑問に思っていたら、なんと韓国側では支持率低下を恐れてこの文言を国民に対してひた隠しにして、つい最近の2005年になってようやく公開したそうです。でもって案の定支持率が落ちたそうだけど。

 そりゃどの政権だって支持率が落ちるようなことをわざわざしたくないという懐具合も分かりますが、これまで援助を行ってきたにも関わらず一方的に本来される必要のない請求で文句を言われ続けてきた日本人の私からするとやっぱり納得がいきません。第一国家同士で結ばれた正式な条約を国民に隠してきたなど言語道断、と言いたい所ですが、沖縄返還時や核持ち込みに関する密約の事を考えると日本もあながち強くは批判できないものです。

 ただ韓国は、これは中国でも同じですが日本が行ってきた経済援助やODAの事実を意図的に隠す政策を取っており、これまでの外交の経緯を考えると政府から政府への謝罪や賠償を行ってもなかった事にされてほとんど効果は望めないと私は見ております。
 これは実際に私が知り合いの中国人から聞いた話ですが、彼が言うには中国人は日本が一言謝ってくれさえすればいいのに日本は日中戦争をまるでなかったことにしようと振舞っているのが我慢できないと考えていたそうで、そんな彼に例の村山談話からこれまで日本が中国に対して行ってきたODAの話をするとこれらの事実を全く知らなかったために非常に驚いていました。ちなみにその中国人は日本に五年以上住んでて、自らを「京橋のキムタク」と自称していましたが。

 さすがに韓国人の知り合いは少ないのでこのような話をしたことはないのですが、どうも韓国人も中国人同様に日本の政府発表による謝罪や経済援助の事実を全く知らないんじゃないかと思います。これだけインターネットが発達した時代ではありますが私自身も日本語での情報しか常日頃は殆んど見ませんし、仮に相手側が正しい情報を主張していたとしてもそうは簡単に信じず母国側の情報に頼ってしまう可能性が高いでしょう。そうなるとここで私が展開する話もぼろぼろと崩れて行ってしまうのですが、国際政治をやるとなるとここら辺をどう料理するかで実力が決まってきます。

 話は戻って果たして対話ができるかどうかですが、やはり現時点でも韓国、中国共々この辺の問題ではあまり期待は出来ません。ただ以前と比べるのであれば、私は両国とも大分やりやすい相手にはなってきたとも考えております。
 韓国の李明白大統領は日本同様に北朝鮮に対して強硬派であり、前盧武鉉政権と比べても感情的というかその場凌ぎのような発言が少なく慎重で、ここしばらくの韓国大統領の中でもまだマシな交渉相手ではないかと見ています。ただ日本に対してはやっぱり厳しい目を持っているようなので、隙を見せずにやっていく必要があるでしょう。

 それに対して中国の胡錦濤総書記ですが、聞けば驚かれるかもしれませんが私はこの人は日本に対して相当我慢してくれているなといつも感心します。確かに靖国問題などで揉めはしましたが、仮にあの問題が江沢民前総書記(日本嫌いの日本語上手)の時代であれば反日デモはあんなもんじゃすまなかったでしょう。またガス田問題、領海侵犯問題などこのところ中国は日本に対し強硬な姿勢を見せていますが、これらの中国の行動は中国からしたら「付け入る隙があるから付け入っているだけ」とでもいうべきか、非常に合理的で利益に則して行動しています。これは逆に言えば日本側に付け入る隙がない、このような行動を取ると利益よりも損の方が大きいと思わせれば控えてくるのではないかと楽観的かもしれませんが私は考えております。
 元来中国の政治家は利に対して非常に貪欲で感情的な行動は少なく、譲歩に対して相応の見返りを用意する事でまだ話し合いが出来る相手ではないかと見ております。しかしこれまた逆に言えば、何もデメリットがなければ中国は国際常識を無視していくらでも日本に圧迫をかけてくる可能性も高いという事ですが。

 結論を言うと、韓国も中国も政府相手となるとあまり信用が出来ない相手で、政府も変な友愛精神とかで譲歩してもなにも日本の利益に結びつかないのではないかと私は考えています。ただ近年は昔と違って政府だけでなく民間レベルの交流がしやすくなり、本当に小さなエピソードとかで国民感情ががらっと変わってきたりするのでそういったところから攻めて行くのも悪くない気がします。
 そんな手段の一つとして以前に私が考えたのは、中国のアイドルは鶏がらのように痩せている女性が多いので、ここは一つグラマーな日本のアイドル陣を大挙して中国に送り込めば一気に見方が変わるのではと提案しましたが、友人らからは相手にされませんでした。
(ノД`)

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