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2010年8月18日水曜日

記録に残る外国人野球選手 後編

 昨日の前編に引き続き私的外国人野球選手の特集です。今回は現役選手も何人か入れてきます。

6、宣銅烈(中日)
 韓国の至宝とまで呼ばれて鳴り物入りで中日に入団するも一年目は不調でしたが、二年目以降は日本のプロ野球に馴染んで当時横浜にいた大魔神こと佐々木主浩氏とともに38セーブの記録で最多セーブ賞に輝き、その後も中日の優勝を牽引するまでの活躍を見せてくれました。

7、ロバート・ローズ(横浜)
 今回私がこの記事を書こうと思ったきっかけとなった選手で、横浜ファンにとっては未だ忘れられないほどの活躍を残した名選手です。このローズ氏がいたころの横浜はまさに黄金期で、マシンガン打線とまで呼ばれた継ぎ目のない打線の中で鈴木尚典氏と共に中軸を担って98年の優勝に大きく貢献しました。
 ローズ氏を語る上で外せないのはプロ野球史上唯一の三度のサイクル安打という大記録で、その長打力はもとより確実にヒットを打つ打率も半端ではなく、99年には打率.369、打点153、本塁打37という恐ろしい記録を残しております。またこの打点153という記録が示している通りにチャンス時の勝負強さは圧倒的だったらしく、塁に走者を置いた状態でローズ氏を打席に立たせる場合は押し出しとなってでも敬遠する価値があるとまで解説者に言わしめております。

8、ロベルト・ペタジーニ(ヤクルト、巨人、ソフトバンク)
 かねてから外人スカウトの力量に定評のあったヤクルトが引っさげてきたのが、現在ソフトバンクに在籍するこのペタジーニ氏です。
 ペタジーニ氏は二度のホームラン王に輝いた長打力ひとつとっても特筆に価するのですが、それ以上に恐ろしいと言えるのが異常な出塁率です。よく日本にやってくる外人長距離打者は前回にも紹介したラルフ・ブライアント氏が「三振か本塁打か」と言われたようにその長打力に比して三振数が多いといわれがちですが、ペタジーニ氏はそのような外人長距離打者の割には選球眼が非常によくて四球を得て出塁する事が多く99年と01年には最高出塁率タイトルも獲得しております。またそうした選球眼のよさが効いているのか比較的直球を好む傾向が強い外国人打者の中でも変化球に強く、日本にいた時代は毎年安定した成績を残してスランプらしいスランプがないのも立派なものです。
 そんなペタジーニ氏ですが、2004年に巨人を退団してから六年後の今年になってまさかソフトバンクに移籍してくるとは夢にも思いませんでした。しかも移籍後初ホームランがサヨナラだし。

9、タフィ・ローズ(近鉄、巨人、オリックス)
 阪神に在籍したランディ・バース氏と並んで「史上最強の助っ人」との呼び声の高いこちらのローズ氏ですが、バース氏同様にその打撃力は驚異的と言わざるを得ません。01年の本塁打数は最後の試合がまた王監督のいるソフトバンクに当たったために記録更新こそならなかったもののシーズンタイ記録の55本を打ち、その他の年もシーズンを通して出場した年はほぼ毎年ホームラン王争いに絡む活躍をしております。特に近鉄時代は現楽天の中村紀洋氏と共に「いてまえ打線」を作り、持ち前の長打力を生かして見事優勝を勝ち取っています。
 ただローズ氏はこうした打撃面以外の記録と言うか、やや不名誉なものですが退場記録数が通算で14回とこちらは日本歴代最高記録です。悪い人ではないのでしょうが、やや血気盛ん過ぎるための記録と言えるでしょう。

10、ホセ・フェルナンデス
 多分私だけでしょうが、よくフェルナンデス選手のことを「球界渡り鳥」と呼んでおります。
 その打撃力はどの球団も認めるもののそれを失って余りある守備の稚拙さゆえにチーム構想から外れるや次々と球団を渡り歩き、その回数なんと日本球界だけでも五回という陳記録を作っております。ちなみにその移籍の経過はと言うと、

ロッテ→西武→楽天→オリックス→西武

 と、ある意味便利と言えば便利な存在ですけど、近年の日本球団はどこぞの馬の骨を連れてくる位なら日本で実績を残した外国人選手を招聘するようになっていることがこのフェルナンデス氏の移籍数に影響しているでしょう。

11、アレックス・ラミレス(ヤクルト、巨人)
 野球をあまり知らない人にとってもすでにおなじみのラミレス氏ですが、十年にも渡って日本球界で長くに安定して活躍するその実力はさすがいう他ないでしょう。ホームランは毎年30本前後打ち、また安打についても右打者としては史上初めてシーズン200本安打を打つだけあって抜群の成績ですが、その一方で外国人選手にありがちな三振数の多さも半端でないために出塁率が低いという欠点もあります。
 ただラミレス氏はそうした試合での活躍のほかに自ら率先して行うファンサービスやパフォーマンスの面での球団への功績は計り知れず、もはやお馴染みとなった「ゲッツ」がダンディ坂野氏の持ちネタとは思えないほど定着しております。それにしてもダンディ坂野氏もまさかプロ野球選手に持ちネタを奪われることになるとは思わなかったろうな。

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