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2017年11月23日木曜日

中国の自動車メーカーが見えない理由

 今日、約1年ぶりに上海大江戸温泉に行ってきましたがその際に乗っていた自転車のペダルがやけに軽いように感じ、ギアがおかしいのかと思うくらいに普通に乗っていていつの間にか重たいギアにまでシフトアップしていることが多くありました。その反動からか、今めっちゃ腰から下がやけに重くてしんどいです。

 さて話は本題ですがコメント欄で、「中国の自動車メーカーは何故なかなか世界レベルのメジャー企業にならないのか」という質問を受けました。この質問に対する回答は観点をどこに置くかで変わってきますが、敢えて一番わかりやすい回答でいうならば「見えないから」というのが最も適当であると考えます。
 なお関係ありませんが今普通に「うみねこのなく頃に」のBGM聞きながら書いており、上の段落書きながら作中に出てくる「愛がなければ見えない」というセリフが思い浮かびました。まぁあの作品、トリックに関してはでたらめもいいところって気がしますが。

 本題に戻します。何故「見えないから」が中国の自動車メーカーが世界メジャーとならない理由になるのかというと、私個人の観点でいえば、日本人には中国の世界メーカがどのように世界進出しているのかが全く見えないし、わからないし、報じられないからそう思うのではという風に考えています。
 以前たまたま知りましたが一応日本にも中国、それも外資との提携のない民族系メーカーの輸入代理店とかあるそうですが、日本の街中で中国メーカー車を見ることなんてまずあり得ないでしょうし、実際にどんな車種があるのかなんて、「HAVAL」なんて言っても反応できる日本人なんていないでしょう。

 では日本で販売されない、走っていないから中国メーカー車は価値がないのか、評価されていないのか?これに関しては議論の余地がまだありますが、そもそもの前提として日本は世界的にも異常なレベルに国産車種の比率が多く外国車の少ない市場であります。イタリア車なんてほぼ見かけないし、ドイツ車もベンツやBMWといった高級車は人気がある者のVW系車種ともなると少ないし、アメ車に至ってはフォードが完全撤退するくらい売れません。
 このように日本国内だと、市場に外国車が極端に少ないため、自動車の世界市場における力関係がやや見えづらい環境にあります。ただこの点を考慮したとしても、中国の民族系自動車メーカーのブランド価値は世界で高く認知されているかと言ったら、現状はまだまだでしょう。

 つまり、ブランド価値が低いから中国の民族系自動車メーカーはまだまだ、かと判断できるのか。この点について私は疑問視しており、少なくとも日本人が思ってるよりかは民族系自動車メーカーは世界市場でのその存在感は小さくない気がします。こう思う理由としては、中国車は日本や米国といった先進国市場ではなく、発展途上国市場を中心に攻めているからです。

 中国車の最大のメリットは技術でもデザインでもブランドでもなく、言うまでもなくコストこと値段の安さです。いわゆる安かろう悪かろう的なこのコストメリットは先進国ほど通じづらく、逆にともかく走ればそれでいいと思われるアフリカや南米などの発展途上国では威力を発揮し、中国の各メーカーもそれが分かっているから海外進出に当たってはこうした国々を攻めています。そのためブランド力は育ちはしませんが、世界における存在感は確実かつ年々と高まっているのではと私は見ています。
 実際、街中で走っている中国車を見ていても、かつてはいかにも貧相なデザインだったのが最近は欧米系メーカーにも劣らないくらいに洗練されてきて、実際に運転して性能を見てみたわけではないものの、技術力などの点では確実に向上していると感じます。しかし、発展途上国市場に進出している事実や、こうしたデザインの洗練具合について日系メディアはまず報じることなく、むしろ最近は全く見なくなってきた日本車のデザインをパクった車探しに躍起になってます。こんな状態では、中国メーカーがどのように躍進しているかなんて判断はできないでしょう。

 自分もこの点を最近憂慮して、割と楽にまとめられそうなので中国の民族系自動車メーカーを紹介する記事でも書いてみようかなと考えてもいますが、とにもかくにも日系メーカーは彼らを軽視し過ぎです。ブランド力は確かにまだまだ低いものの、実力に関しては確実にその差を詰められており、特にEVへの転換に関しては日系よりも進んでいることから今後どうなってくるかはわかりません。
 内容をまとめると、ブランド力がないため世界的メジャー企業はまだ生まれてはいないものの、中国自動車メーカーの世界市場における存在感は確実に増してきているというのが私の見解です。

 敢えて、中国メーカーがブランドを持てるようになるにはどうすればいいかを考えるならば、やはりF1かWRCに参加するのが一番手っ取り早い気がします。っていうかさっきWRCの参加チームを確認しましたが、トヨタ、フォード、ヒュンダイ、シトロエンのたった4チームしか参加してないようです。三菱、スバルはもとよりランチアの名前すらないWRCに価値があるのか、改めて考えてみるとすごい疑問です。なおゲームのグランツーリスモではWRCの雪原ステージをGDB初期型で走るのが得意だし一番好きでした。

2 件のコメント:

潮風太子 さんのコメント...

早速取り上げていただきありがとうございます
m(__)m
メーカー名だけはウキペディアはじめネットメディアで
知ることができるものの実際どういう流通経路で、
国際市場に出ているのかナゾだったのですが、
なるほど発展途上国狙いでジワジワと進出してきている
とは知りませんでした(@_@)
確かに今更、まずアメリカや日本市場で一旗揚げよう!
ってなコトやっても将来的な展望からして、
無理に先進国で勝負するより安価な車が欲しい、
発展途上国をターゲットにして価格勝負した方が、
利口ですよね(笑)
さて問題はこの先、気づいたらアジアはじめ
「かつての発展途上国」は今や、
中国製の自動車で席捲されています!
なんてことにならなきゃいいんですが・・・
大変勉強になりました。
また機会ありましたら文中にもありましたように、
中国製自動車の乗り味などポテンシャルなどについての
リポートなどもお願い申し上げます。
ではまた。



花園祐 さんのコメント...

 ローカルメーカーの車は最近、なかなか乗る機会がないのであれですが、恐らく将来的に日系メーカーの敵となるであろう長城汽車については前から注目しているので、恐らくそう遠くないうちにJBpressで記事を書くことになると思います。
 この辺、事情が分かるライターが少ないため日本での報道が少なくなっていると思うのですが、あながち無視できない内容なだけに、自分もそこそこ動かなきゃなと感じてきました。