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2021年10月18日月曜日

社会問題を二次方程式で解けるか否か

 「真・女神転生Ⅲ」の2週目を終えました。今回は裏ボスも倒す難易度が最も高いルートでエンディングにたどり着き、また全悪魔の登録を終えて召喚費用も半額化しているため、3週目やるとしたらかなり楽に攻略できそうな雰囲気です。
 恐らくですが3週目もプレイすることになると思うのですが、その際に人間から悪魔となって人修羅と呼ばれる主人公の名前をどうするかが気がかりです。2週目は「マカロニ大魔王」でしたが同じような大魔王系はワンパターンすぎるので、この主人公のイメージに合う名前はないかと帰宅中に考えていたところ、「中村紀洋」という名前が何故か浮かんできました。愛称はやっぱ「ノリさん」になるのか。


 話は本題ですが先日ネットで上のまとめ記事見て、ああ日本人らしいなと思いました。なお、

21: 2021/10/15(金) 13:00:08.049 ID:2KXcg/D70
大卒平均初任給20万円
これがまず頭おかしい
 この意見については内心同意するところがあり、ガチで10万円くらいでいいんじゃないかといつも考えています。

 上のまとめ記事の主張について何故日本人らしいと感じたのかというと、「一つの課題をクリアすればすべての問題が一挙に解決する」的な考え方をする人が多いからです。こうした価値観を陰で私は「日本人の決戦思想」と呼び、バルチック艦隊を倒した日本海海戦以降、何かと日本人は一つの大きな山場さえ超えれば万事ハッピーな方向に向かうという見方をする傾向が強い気がします。実際、二次大戦も何かと軍部は決戦にこだわり、相手の兵力を漸減するという発想はしませんでした。
 まぁ漸減に関しては日本の方が先に駄目になるという見方からやれないというだけでしたが。

 話を戻すと、上のまとめ記事では賃金を上げるだけで消費が回り、経済が良くなり、技術力も上がり、税収も上がりといいことづくめに書いていますが、私自身は仮に日本の賃金が上がったところで到底そんな風にならないだろうと考えています。理由としては少子化で、一人当たり賃金が上がっても少子化で人口が減れば全体消費額は結局縮小するし、また賃金引上げ幅をそれを上回るようにしたとしても、引き上げ効果は賃金が高ければ高いほど低くなると言われており、企業の競争力を失わせるだけになるとみています。
 仮に、外国から移民を取り入れて彼ら移民の賃金水準も日本人並みとし、その上で引き上げようっていうのならまだある程度の効果は見込めると思います。しかし人材に関しても、日本人を引き留めるくらいならむしろ優秀な外国人を引っ張ってくる方がコスパ的にもいいのではないかとすら思います。

 上記はあくまで賃金を例にしたパターンですが、これに限らず消費税をなくせば、自民党が下野すれば、ガソリン代が下がれば、メタンハイドレードが実用化されれば、阪神が優勝すればなどと、何か一つのことがきっかけで全部解決される的な主張は枚挙に暇がありません。まぁこれは日本に限らない傾向でしょうが、割と社会的権威ある人もこうしたこと言っててその辺が自分にとっては怖かったりします。

 その上で、現実においては何か一つ解決されれば物事が良くなるということはほとんどないと自分は考えています。むしろ何か一つを良くするために、二つ以上の複数をうまく運ぶ必要があり、またそれらをどう連動させるか、また片方を高めて片方を抑えるといったバランスを取るような対応も求められるものだと考えています。そのため社会問題を考える上では、常に複数の要因を同時並行で考慮する必要があると考えています。
 この複数要員を同時並行で考慮することを、よく私は要素が二つであれば「二次方程式を解く」と呼んでいます。読んでそのままで、二つの変数を複数の式から特定するという思考作業なのですが、一見すると当たり前に見ながら実際にこれが社会でできる人は10%もいないとみています。基本、人間は物事を単純化して考えようとするのが本能であり、敢えて要素を増やして複雑化するような施行からは避けがちだからです。

 ただ上記の通り、「消費」という点においても「賃金」だけ着目するのはナンセンス以外の何物でなく、実際には「人口」、「貯蓄」、「年齢層」、「家計資産」などの要素も考慮に入れなければなりません。さすがに四次、五次方程式となるとさすがに自分もきついため、影響力の低い「家計資産」などの項目は無視しますが、可能な限り考慮すべき要素は考慮した方が予想の精度は高まるに決まってます。しかし普通の人はそうした要素の追加を基本避けます。っていうか、要素を増やして二次方程式にした途端、何もわからなくなる人が大半です。

 敢えて消費に限って説明してきましたが、このほかにも国防をテーマにすると、対中国とかその辺の軍事力比較しか考えない人が大半でしょう。実際には予算、外交、彼我技術力、既存軍事力とかも一緒に考えないといけないのですが、まぁそうはならないでしょう。
 もっとも、ビームライフルを開発出来るってんならガチでこの問題は一挙に解決できちゃいますが。

 この辺の複数要素を同時に考慮する思考に関しては、私は学生時に意識的に鍛えていました。こうした思考法は割と学生に意識して指導すべきだと思うのですが、まぁ今の日本じゃむずいだろうな。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

中国文学者の守屋洋(だったと思う)は中国古典・兵法書の解説で、日本人が
決戦思考になるのは日本の地形が原因だと考察していました。 中国大陸は
土地が広いので、不利になったらとりあえず敵の手が及ばない所まで逃げて、
そこから再起を図る事ができます。 それに比べて日本は土地が狭く、そして
その土地も峠や山岳地帯で分断されており、遠くの土地まで逃げる事は
難しいです。 そのため日本人は逃げるのではなく、一か八かの決戦で勝とう
とする気質が生まれやすいと 考察していました。

花園祐 さんのコメント...

 それは確かにあるでしょうね。中国だと文字通り再起を期すパターンも多いし、またゴキブリみたくしぶとく生き残って邪魔し続けるというパターンも多いですが、日本だとゲリラ戦で抵抗し続けるなんて話はついぞ聞いたことがないです。
 さらに言えば食料生産力でも大きな差があり、一回の戦いで白黒つけないとどちらも次回に戦えないという事情もあると思います。そう考えると、意外とせっかちな価値観を日本人はしてるのかもしれません。