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2024年4月22日月曜日

米国での賭博で作った損失を肩代わりしてもらった男

 先日の水原一平容疑者の騒動は彼自身が当初行った虚言や隠蔽工作もあり、発覚当初は大谷選手が一平が賭博で作った借金を肩代わりしたと信じた人も少なくなく、事件の全容が明らかになるにつれそのように疑い発言した人らは発言を撤回するようになっています。
 まぁ中には、「米国の銀行のセキュリティ的に大谷選手以外が送金できるはずない!」と豪語して見事に外した、米国通を気取ってかえって知識の浅さを見せた人もいましたが。にしてもこの発言主、なんか今になって昔のホリエモンっぽい立ち位置になってきている気がする。

 かくいう自分も当初の発言の翻し方を見て、大谷選手が肩代わりしたのではないかと思っていました。この点についてはギャンブル中の虚言に乗せられたと反省する限りで、やはりこういう人間の発言にいちいち取りあっていてはならないのだなと今後は肝に銘じようと思います。
 ただそのような、賭博で膨大な損失を作っておきながら、実際に肩代わりしてもらった日本人は過去に実際いました。その金額は何と4億5000万円で、一平の24億円と比べると約5分の1程度に見えますが、この損失額は1973年に作られたものだということを考えると、当時の為替相場から見ても一平に負けるとも劣らない価値に相当するのではないかという気がします。その損失を作った男というのも浜田という人物ですが、ここでピンときたら110番ことあの浜田です。

浜田幸一(Wikipedia)

 そう、この浜田というのはハマコーという通称でおなじみの元ヤクザで国会議員だった故浜田幸一のことです。事件はほんとそのまんまで、ラスベガスのカジノで多大な損失を作ったのですが、これをかつてハマコーを雇用していて「記憶にございません」という言葉を作った小佐野賢治が全額を補填して挙げていました。ただこの時に補填に使われた資金は、あのロッキード事件で小佐野がロッキード社から受け取った金の一部が使われたと言われ、仮にそうだとしたらマネーロンダリングも成立するし、合法的に取得した金でないのは間違いありません。
 ただハマコーが一平と違うのは、この時補填してもらった金は後に自ら不動産取引を行って稼ぎ、小佐野に返金したとのことです。実際はどうなのかわかりませんが、少なくとも一平と違って無断で小佐野の資金を流用したわけではなく、また返済行為も行ってその後も関係を続けている点で、一平に比べれば全然まともと言えるでしょう。賭博が禁止されている日本の国会議員が米国で賭博に明け暮れたって点を見逃せば。

 自分がなんでこの事実っていうか一平事件との共通項に気が付いたのかっていうと、今日たまたま読んでいたドリヤス工場の「昭和怪事件案内」を読んでて、ロッキード事件に絡めてこのハマコーギャンブル事件も紹介されたのを見たからです。ハマコーが米国で多額の金をすったということは前から知っていましたが、その補填に小佐野がロッキードで得た資金を使っていたのは知らず、また一つ勉強になりました。

 それにしてもこのドリヤス工場は同人誌時代から知っていましたが、水木しげる風の作画というか作風をものの見事に完コピしていて、今こう言う歴史ものの作品も手掛けているというのは前で知りませんでした。手塚治虫風の漫画でおなじみの田中圭一氏と同じく、あそこまで画風を模倣できるというのは一種の才能であるように思え、ドリヤス工場の作品をもし水木しげる本人が読んだらどんな感想を残したのだろうかという気すらします。
 っていうか画風を寄せる者同士、ドリヤス工場と田中圭一でコラボ作品でも作ったらいいのに。出たら自分は買います。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ さんのコメント...

貨幣価値の違いを考慮しても水原一平氏は 三億円事件の犯人数人分の窃盗を行った
事になります。 若くしてそれだけの収入がある大谷翔平氏もすごいですが。
水木しげる風の画風と言えば、三木大雲和尚の怪談説法は漫画化されています。
その漫画の作画を担当しているのは漫画家の 森野達弥氏です。 水木しげる風の
絵を描く人だとは思っていましたが、本当に水木氏のアシスタント出身でした。

花園祐 さんのコメント...

 水木しげるの画風は意外と模倣し辛いというか、あの独特の雰囲気を出す人は本当に少ないですよね。ただシンプルでありながら背景描写が濃密なだけに、歴史ものとかにはものすごく相性のいい画風だし、ストーリーテラー的に過去の話を紹介するなら、横山光輝風と並んで優れていると個人的に考えています。