ページ

2024年9月1日日曜日

三中全会の報告の問題点





 50元(約1000円)と安かったのでX-29を買って作って遊んでました。デカール貼りが鬼作業過ぎる(;´・ω・)
 知ってる人には早いですがエリア88で主人公が最後に乗った機体で、使用していた米国本国よりも日本の方が知名度の高い機体と言って間違いないでしょう。にしてもパイロットはこんな顔だったっけ(。´・ω・)?

 話は本題ですがこのところ「Sntinel Girls 2」こと「救国のスネジンカ」というゲームで忙しくあまりブログ書く気が起きませんでした。なおこのゲーム、「救国」と書いていますが救われるキャラは誰一人として存在せず、前作の「溶鉄のマルフーシャ」を正当進化させた内容で相変わらず素晴らしいです。

 そんなんで 何か各ネタないかなーと思っていた矢先、先日発表された中国政府の三中全会報告について何も書いていなかったことに気が付きました。三中全会というのは中国共産党中央常務委員会(人気5年)がその新体制発足時に発表する、これからの5年間について方針を語る中国においてほぼ最上位の政権方針を指します。
 もっとも有名な三中全会報告と言ったら鄧小平が最高権力を握った年に出された「改革開放」にほかならず、三中全会と言ったらほとんどこの時の方針を意味するほど浸透しています。

 それで今回の三中全会報告ですが、本来なら体制発足時である去年に出されるはずが何故か今年初夏まで発表が延期されていました。その理由は単純に中国の経済不況が深刻で、具体的な対策を出すことができない、方針で揉めていたためと言われていますが、恐らくその通りでしょう。
 このようにして時間をかけてまで今年出された三中全会報告ですが、その内容に対して市場は物足りないとして失望するという意見が多く出ました。私自身も同感で、そう感じた理由は主に以下の通りです。

・不良債権の削減目標が出されなかった
 かつて日本の失われた十年時、当時の竹中平蔵大臣は不良債権を3年で半減化するという目標を掲げ、2年半で実現しました。これが当時は非常に大きかったと思え、現在の中国も当時の日本同様にデフレ不況に入りつつあることから、こうした不良債権の具体的な数値削減目標が欲しかったところですが、「不動産子女をてこ入れしつつ地方債務などを減らしていく」という、あいまいな書き方で終わりました。

・地方への税源移譲
 その地方債務問題については、地方への税源移譲が触れられていました。知ってる人には早いですが中国の地方予算はその多くの歳入を不動産売却収入から得ています。日本人からすると理解しがたいのですが、中国の地方の収入源は日本と比べて非常に少なく、また中央からの助成金も日本ほど割合が高くないため、何かやろうとなると土地の使用権を民間企業に売って予算にするしかなく、そのため不動産市況によって地方財政が左右されやすい傾向にあります。
 こうした状況だというまでもなく債務は高まっていく一方で、これに対し中国政府は今回、地方に増値税を含む間接税などの中央と地方の配分比率を見直すなどして、地方へ税源を移譲するという方針を出しました。一見すると地方に自治を促すいい政策に見えますが、見方を変えるとこれは中央が地方の債務に対し今後責任を持たない、地方の借金は地方でどうにかしろという突き放しではないかと私は見ています。要するに、地方の貯まった負債について中央政府は救済しない姿勢の表れであるように見えます。

・不良債権の処理方法
 上の二つと相まって、不動産業界を中心に返す宛てのない負債額が中国ではどんどん膨れ上がってきていますが、この負債を最後どこに引き受けさせるのかという方針が見えませんでした。一応報告では、不動産業界の活性化を促して処理するような方針を出してはいますが、仮に不動産企業が潰れたらどうするのか、現状からみると先に住宅購入費用を支払った消費者個人に負担させるのではないかという風に読み取れます。
 逆の見方をすると、不動産業界の負債に関して銀行は一切補償しない、損失を引き受けないという方針であるかのように自分には見えました。こう考えるのも中国政府としては銀行、それも国有銀行をなるべく守りたい、安全地帯にいさせたいという動機があるように見え、だからこそ不良債権の処理方法、責任の所在についてやたらあいまいな姿勢を取っているような気がします。
 しかし銀行以外に巨額の不良債権を処理できる受け皿なぞなく、遅かれ早かれかつての日本の住専問題や金融恐慌の時と同様に銀行が矢面に出ざるを得なくなると思います。これは遅れれば遅れるほど傷が広がるものであり、今回こうした姿勢を出さなかったことで中国の未来は数年間が消し飛ぶことになると私は予想しています。

 主に気になったのはこの三点ですが、それ以外でもこれはと目を引く内容が乏しいものがありました。

 ただもう一点あげると、今回の三中全会報告では毛沢東に関する言及があまりなく、逆に鄧小平とその「改革開放」路線についての言及が増えているような気がしました。言うまでもなく習近平は毛沢東信奉者で、プーチン同様に失敗した指導者を何故信奉するのか理解しがたいのですが、ここへきて急に鄧小平路線を打ち出したあたり、焦りを非常に感じます。それだけ彼自身も現状の中国に対して自信を失ってきていることの現れともみえ、今後も政策方針を巡っては二転三転が続くかもしれません。

0 件のコメント: