いよいよ第三回目となるこの胡録台にトラムを通すという謎企画。九州の立花家とかほかに書く話を差し置いて連投を続けるこの企画ですが今回が最後であり、且つ本命です。
このトラム導入案を最初に打ち出した時、私は胡録台を縦断するトラムがそのまま陸橋で松戸駅と接続しているイトーヨーカドー松戸駅東口店(プラーレ松戸)にまでたどり着ければ、あとはヨーカドーを通ることで駅まで簡単にたどり着けられるはずだと提唱しました。実際、実現性は無視してこの接続の仕方が最も理想的であり、且つ乗客の利便性にも資すると考えています。
前回では最大の難所である6号線突破という観点からルート設計を行いましたが、今回は上記観点こと何が何でもヨーカドーに接続させるという見解からルートを設計します。

狙ったわけじゃなかったものの聖徳大学のバスが映り込んでた
まず6号線からヨーカドーへの接続ですが、結論から言えば2種類のルートがあります。一つは上の写真にある岩瀬交差点からそのまま道路伝いにヨーカドーへ突入するルートです。地図で見ると以下の通りとなります。
一見すると細い路地を結構な距離を走るように見えますが、この路地付近は学校や幼稚園が集中する文教区であまり一般車が入ってくることはなく、トラムを通すことに意外と阻害要因は少なかったりします。道路幅がやや狭い個所もありますが周辺が学校や公共施設ばかりなので広げようと思えば広げられないわけではないように思え、実はかなり好条件が揃っています。
これだけ見たらもうこのルートで決まりじゃんと言いたくなりますが、実はかなり大きなマイナスポイントも存在します。それはどこかというとこのルート上ではなく、このルートへ至るまでの過程です。
今回のトラム導入案では胡録台を東西に縦断する水色のラインをトラムが通らなければほぼ意味がありません。その水色のラインから先の文教区のルート(紫色のライン)に乗せるためには6号線を一度左折してしばらく進んだ後を右折しなければなりません(黒色のライン)。
距離としてはそれほど長くありませんが、交通量の多い道路を二度旋回することはトラムの速度や運用効率に大きく落とします。また6号線をトラムが走ることにより、この道路を走るほかの車両にも影響を及ぼし、渋滞を引き起こす可能性も否めません。
ならば紫のラインを直線で跨ぐように、トラムを先に迂回させたらどうかとも言いたくなりますが、紫ラインに直線で乗る迂回路はありません。あの交差点付近は密集した住宅街で道路幅は非常に小さく、トラム自体が入り込むことが不可能なほどです。やはり6号線が最大の難所です。
正直言ってこの6号線問題さえなければ本気でトラム導入を考えるべきだと大手を振って訴えたくなるほどこのルートは条件がそろっているのですが、6号線に入ってしまう問題からプッシュしきれなくなりました。極端な対策としてはトラムが入り込む部分のみ6号線の道路を拡幅するという手段もありますが、あまり現実的ではないでしょう。
ではもう一つの突入ルートはどうか。ルート案はこちらです。
こちらのルート案における先の文教区ルート案との違いを挙げると、こちらも6号線に乗っかるものの交差点を斜め方向に縦断するため、6号線上を走行することはほとんどありません。そのうえで、その先の道なき道を爆走した挙句、聖徳大の敷地を縦断してヨーカドーへ突入するルートとなっています。
主要幹線道路から左折する6号線交差点
聖徳大ルートへと向かう方角(赤い丸付近)
6号線から聖徳大へ向かうルートですが、6号線から先にはいくつか住宅があり、空き地というわけではありません。ただほかの区画と違って住宅が密集しているわけではなく、空余地もやや存在することから、比較的に言って買収立ち退き交渉がまだしやすい場所だと感じました。
無論これは自分の勝手な憶測にすぎず、関係住宅権利者や住人の方には大変失礼な主張をさっきから展開していることを深くお詫びします。あくまで一つの構想として大目に見てもらえるとありがたいです。
ヨーカドー5階にある聖徳大への連絡出口
話を戻すと、6号線への影響を最小限に聖徳大へと向かう道路へといったとしても、ヨーカドー前へたどり着くことはありません。しかし仮に聖徳大の敷地を踏み越えられるならば、もともとヨーカドー内に聖徳大正門前への通用口が5階に用意されていることからも、ヨーカドーを経由して松戸駅へ行くという構想に最適なルートとなります。
もっとも、実際に聖徳大の中に入って敷地見たわけじゃないですが、さすがに大学内にトラムを入れるとなったら聖徳大も抵抗があるだろうし、途中で建物が絶対立ちふさがると思います。こうした点も考えるとこのルートも実現性低そうですが、それでもほかのルート案に比べたら私は一番実現性が高いと感じます。
このように考える理由としては以下の通りです。
・胡録台からヨーカドーまで最も直線的にたどり着けるルート
・トラムが敷地に入ることで聖徳大も一部恩恵がある
・ヨーカドーも胡録台から消費者を引き込める
・6号線突破にあたっての用地取得がほかの案に比べ難易度が低いように思える
・ヨーカドーと聖徳大の間に空き地が意外に多い
最後の項目は今日野田の東京理科大まで行ってから松戸まで自転車で来た際にたまたま気が付いたのですが、なんか聖徳大の横付近にもう誰も住んでいない廃墟団地が存在しました。中に入り込めないので地形配置をいまいち把握できなかったものの、もし条件が揃えばこの廃墟跡地へトラムが乗り込むことで聖徳大に入らなくても、ヨーカドーと接続できる可能性もあるような気がします。
っていうかあれだけの用地なら、トラムの車両基地としても十分使えそう。
こんな感じで、胡録台と松戸駅をつなぐトラム案について今回いろいろ検討してみました。検討を終えてみて気が付いた点として、なんでこんなこと急に思いついたのかというとこの前に「キングダム&キャッスル」という中世の街づくりシミュレーションやったせいなのではないかという事実にようやく気が付きました。
とはいえこういう風に「どうすれば街はよくなるのか」という視点を持つことは、やっぱ大事であるような気がします。実現性を抜きにしてもそうしたアイデアからまた別の実現性を備えた案が出てくるかもしれませんし、何より街に対する愛情も増してきます。
今回自分が出したこのトラム案も、トラムと言わずバス専用レーンとしても検討することができる気がします。バス専用レーンを設けたり、ルート上の一部道路を一般車立ち入り禁止にするだけでも交通の利便性は高まると思うだけに、若干失礼な表現も含まれていることを承知しつつもこうして記事としてまとめ上げることとしました。
にしても今日ヨーカドーのクロックハウスで何故か腕時計買ってしまったよ( ´Д`)=3 フゥ
前から腕時計新調したかったとは言え、トラムのことを検討していて松戸への愛着高まっていたから変に散財してしまったよ( ´Д`)=3 フゥ
ヨーカドー突入ルートを拝読いたしました。いくつかに分けて投稿します。
返信削除まず、道路伝いにヨーカドーへ突入するルート(黒+紫)はご指摘の通り、6号線の車の流れがかなり速いため、6号線走行中のトラムと車との間に極端な速度差が生じると思われます。また、商店街から左折して6号に入る時(旋回一度目)はそれほど問題ありませんが、ヨーカドー方面に向かって6号から右折するときに、6号線内で信号待ちが必要となり、この二度目の旋回の難易度がかなり高いように思いました。
6号線(黒色ライン)の右側、コープ野村の前に、斜めに走っている道があります。ここを通って、岩瀬歩道橋のところに出て、6号を横断して、紫コースに入るプランを試しに考えてみたのですが、かなり道幅が狭く、住宅もあるので、残念ながらこの生活道路とトラムの共存は難しいと感じました。
紫のコースに入ってしまえば、交通量も少なく、(お住まいの方には失礼ながら)住宅の数も少ないため、トラムを通しやすいと思いますし、学校近くに一時停車できれば、一部の学生たちが通学にも使えるというメリットもあります。
返信削除聖徳大ルートと共通して、水色コース(胡録台商店街や稔台方面)を起点としていることが重要だと思います。水色コースは胡録台の領土の中央付近に位置しているため、南北胡録民たちが等しく利用できそうですし、今回の胡録台問題を解決するという趣旨を考ると、水色コースは外せないと思います。この道路伝いルートでは6号線問題の解決が難しいことを除けば、パーツはそろっていると思います。
次に、前回の記事でその存在を明かされた聖徳大ルートについてです。お示しいただいた住宅地への入り方であれば、6号横断と、聖徳大方面へ向かうことの両方が同時に達成できそうですね。そして終点部分は現在、旧相模台住宅の取り壊しが一部始まっており、新拠点ゾーンの開発予定区域にもなっていますので、トラム駅を設計図に加えていただくことができれば、実現可能性は高いと思います。新拠点ゾーンの商業施設案として、ヨーカドーの位置に何らかの施設(ヨーカドーかどうかは協議次第)が検討されているようですので、今後も、駅の高さまで降りていくエスカレーターは確保できるのではないかと考えています。あとは6号からの入口や聖徳大学と比べて、住宅地部分が低くなっており、その高低差をうまく処理する必要があるかもしれません。住宅地部分への影響を減らすことを考えると、一中の広い校庭の北側端っこを軌道として使わせてもらうことも、アリかなと思いました。ただ、その場合は、どこから一中の高さまでトラムを上らせるかという先程の高低差問題がつきまといます。
返信削除私はひねくれ者なので、6号から住宅地に入った後、あえて聖徳大方面には行かず、市営相模台住宅1号棟の横の坂を上がって、紫ルートに合流するプランを考えてみました。しかし、この坂がまるでジェットコースターのように、人体に影響を与えるほど急すぎます。恐らく荷物も後ろに吹っ飛びます。坂の角度に応じてトラムの座席が垂直になるよう姿勢制御しないとヤバく、現実的ではありません。今でも下り一方通行で車は上れません。やはり、ご提案いただいた聖徳大ルートの方が、手前で一中に上るよりも、緩やかに聖徳大の高さまで上り切ることができ、侵入もとい進入角度も良さそうな気がします。敷地を突っ切る部分については、地権者様のご理解とご協力が不可欠だと思いますが、相模台の再開発とトラムを組み合わせることで、松戸駅周辺のこれからの発展につなげることができれば、特定の地区に限らず多くの市民に還元することができる案だと思います(学生さんの数も増えるかも。すでに定員超過だったらごめんなさい)。
返信削除胡録台出身者として一連の記事を拝読いたしました。
返信削除現地取材をしっかりされた上で、周囲の人々への影響も含め、各ルートのメリット・デメリットを検証されており、頭が下がる思いです。
ルート案ごとに記事を分けていただいたことで、毎回次のルート案が公表されるのを楽しみに待ちながら過ごすことができました。
徒歩か、自転車か、車か、普段使う交通手段によって街の見え方が変わってきます。今回、トラムを通すという、私自身今まで考えてみなかった視点から胡録台あるいは松戸を見直すきっかけを与えていただいたことで、今まで見えていなかったことに、いろいろと気づかされました。
しばらく大きな動きのなかったマッドシティですが、新駅ビル建設やマッドステーション改良工事をはじめ、市庁舎や図書館などの文化施設の建て替え問題など、最近はネタが尽きません。今後も記事を通してご意見を伺えると幸いです。
私の拙いコメントに毎回ご返信いただき、ありがとうございました。
ご丁寧に細かく検討していただき、本当にありがとうございます(´;ω;`)ウッ…
返信削除基本的にどの意見にも同感で、満点ではないものの最後の聖徳大ルートが一番コストバランスがいい案であると思い、締めにもっていきました。自分も今回、胡録台にトラムを通すという観点で松戸を見直した際、これまでにない発見が非常に多く、調べている間は非常に楽しかったです。特にヨーカドー裏側なんてこれまでほとんど立ち入ったことがなかっただけに、意外と環境よく景観もいいということに驚きました。
このトラム案ですが、話を必要以上に広げないように敢えて始点は語りませんでしたが、理想を言えば東松戸まで繋げたら経済圏が大きく広がる可能性があるように思えます。すでに京成線が松戸-東松戸間をつないで入るものの、その京成線の線路自体がさらなる分断を招いているし、京成線の駅はいまいち利便性が足りない感じがします。ぶっちゃけ、既存の京成線を配線して、あの線路の上をトラム走らせたほうがいいんじゃないかなぁもう(´・ω・)
私も全く同じことを考えていました。松戸市立総合医療センターへのアクセスの悪さもありますし、同様の問題を抱えている地域に目を向けるきっかけにもなりました。今回記事で検討されたことは、他の地域に応用できる要素が多々あると思います。
削除返信ありがとうございます。
奇遇なのですが、母校が松戸一中でしたので岩瀬十字路から胡録台への急な坂に将来的にトラムを作ればいいのではと思っていました。トラム導入案は今後バスの運転士不足などに伴う課題として、昔から実現してほい事案の一つです。
返信削除大学ではフランスに短期留学した経験があり、
ヨーロッパの市街地では市民の足として悠々と街中をトラムが運行しており便利です。トラムは将来、無人の自動運転も可能でしょうし、運転士不足も解消されます。
まあこんな話家族に話すと実現する頃には私たちは死んでるねwと言われましたが、同じ様に考えている人がいることにうれしくてコメントさせて頂きました。
コメントありがとうございます。ここにも賛同者がいてくれて嬉しい限りです(´;ω;`)ウッ…
削除恐らくトラムのアイデア聞いたら、同じように賛同する胡録台住人は潜在的に多い気がします。それくらいあの地域の駅との微妙な距離感は大きく、将来性や採算もあるでしょうが、いつか実現してもらいたいですね。
トラムルート案はかつて演習線として実在した!?
返信削除話を広げすぎるのもアレですが、遊び半分でPerplexity無料版にトラムルートを考えてもらったところ、松戸にあった旧陸軍鉄道連隊演習線跡(新京成に転用されなかった部分)を活用してはどうかと提案してきました。そこでネットを調べてみたところ、記事本文中で検討されたルートの一部が、かつて演習線として実在したと思える情報を見つけました(松戸よみうり、文春オンライン、戦争遺跡調査系ブログなどを参考)。
道路伝いにヨーカドーへ突入するルート(黒+紫)の中で、没ルートとなった6号線(黒色ライン)の右側、コープ野村の前に斜めに走っている狭い道を通って、岩瀬歩道橋のところに出て、6号を横断する部分。そこから紫ルートに入り、一中前まで行く部分。その両方が演習線として実在したようです。一中前にある相模台町会公民館あたりが、工兵学校への支線の終点だったのではないか、との指摘が複数ありました。上本郷から胡録台の間で本線から分岐(胡録台分岐?)していたそうです。
他にも、ニトリ・ヤマダ電機ルートをそのまま東にずらしたような演習線ルートがありました。胡録台商店街の奥、「まてばしい通り」から和名ヶ谷、二十世紀が丘に至るルート(こっちが本線の終点か)や、そこから千葉大園芸学部の西を通り矢切に至るルートが実在したと思われます。
演習線跡は道路として残りやすく、後に線路を敷こうとする人たちにも(AIにも)目を付けられやすいだけのことといえば、それまでですが、これは時空を超えたロマンなのかも(笑)。
ちなみにどのAIも提案ルートはショボかったにもかかわらず、人間思いなのか、保身なのか「ルート案を実行に移す場合は、関係各所としっかり協議しましょう」とまともなことを言ってきました。はい先生、おっしゃる通りであります。
それにしても、演習線の胡録台分岐から南を全部残しておいてくれたらなぁ。。。胡録台分岐から南の支線と本線を、胡録台商店街に軌道を敷設してつなぐ。あとは、一中前から紫ルートに沿って延伸する。それだけで、紫ルートが実現し、二十世紀が丘から胡録台を経由してヨーカドーまで行けたのに・・・。
非常に興味深い情報ですね。そもそも京成線がもう少し南というか松戸駅から真東に伸びていてくれれば、ここで議論する問題もなかったのにとついつい思ってしまいます。
削除それにしてもこの記事、そこそこアクセス良くてコメントしないまでも読んでる松戸市民が結構多いんじゃないかと思います。こんな感じで同志増やしてけばいつかは。。。