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2025年4月2日水曜日

トランプ政権に対応して日本が採るべき外交とは

 結論から書くと、米国周辺のカナダとメキシコに対し日本は通商を図るべきじゃないかと考えています。

 背景についてあまり説明する必要もないですが、トランプ関税によって恐らくこの20年くらいはなかった外交や貿易のパラダイムが起きつつあります。この状況を座して待つ必要はなく、むしろ変化が起きているこの時期だからこそ有利になるよう立ち回るべきであり、日本ももっとこれまでにない外交を試すべき時期にあるとみています。
 特にヨーロッパではウクライナがいまだにロシアより攻撃を受け続ける中、米国の安全保障が揺らいでいることもあってドイツやフランスを中心に新たな安全保証枠を作ろうという動きが広がっています。この中で一番得するのはドイツだとみており、北欧諸国やポーランドが相次いで軍事費拡大を決めており、この軍需の恩恵を最も受けるのではないかと思います。ただでさえドイツは経済が悪化していただけに、苦境を脱するいい契機となるやもしれません。

 翻って日本を見ると、安全保障についてはやや不安定となるものの、ここにきてオーストラリアやフィリピンが対中国で足並みを合わせてきてくれるようになっており、特に台湾有事に対して無関心を決め込むのではなく積極的に関与する姿勢を見せてきているのは僥倖だと思います。こうした動きに日本も積極的に動くべきで、以前にも書きましたが台湾有事が起きた際に避難民を受け入れる、情報を共有するなどの支援を行うことを今のうちにはっきり示してもいい気がします。

 話を冒頭の貿易というか通商に戻すと、個人的には今回を契機に米国への依存度を下げるように日本は動くべきだと思います。米国との関係を切ってはならないものの、その依存度を下げることは日本にとってはリスクヘッジになり、特に食糧やエネルギー方面で代替先というか選択肢を見つけるには越したことはありません。
 その最大の候補としては冒頭に上げたカナダ、次いでメキシコです。カナダは米国よりすでに関税引き上げを食らって、牛肉をはじめとする食糧の米国向け輸出が影響を受けています。この米国に行かなくなった食料を全部と言わずとも一部を日本が輸入するようになれば、カナダとしても大助かりだし、日本としても米国への食糧依存度を下げるきっかけになります。無論、米国から茶々が入るでしょうが、「もとはと言えばお前が原因」と言えば、これまでと比べ日本に対して米国も強くは出られないでしょう。むしろカナダとの通商を取引材料に、米国にもっと要求してもいいくらいです。

 次のメキシコに関してですが、若干期待も入ってはいるものの、今後米国からさらに製造業がメキシコあたりに移転してくるのではないかと考えています。というのも米国の製造業企業からすれば、米国内で製造すればするほど高い人件費によって赤字になり、それでいて今回の関税政策で米国の消費は落ち込むわけですから、いっそメキシコなどに生産能力を移してメキシコから欧州やアジアへ輸出する方が有利になってくるかもしれません。
 その場合、ただでさえ産業移転先となっているメキシコがさらにホットとなり、メキシコの経済規模が上がるとともに消費も拡大し、産業チェーンもそろってくる可能性もあるだけに、今のうちにメキシコと日本も通商を行い、関係を深めておくのも手だと思うわけです。元々、日系自動車産業はメキシコに結構進出しているし。

 そもそもカナダもメキシコも日本からすれば太平洋を挟んだ隣国にあたり、通商自体はしやすい国です。今後米国は明らかに経済力方面で力を落とすとみられ、その分を周辺国が受け継ぐ可能性もありますが、食糧やエネルギー方面ではカナダとの通商は日本にもメリットが少なくない気がします。
 このところの日本の外交はアジアにばかり目が行きがちですが、環太平洋ことアメリカ大陸の国とももっと可能性を探り、米国依存度を下げる外交をこの機に展開してはどうかというのが自分の見方です。

2025年4月1日火曜日

トランプの自動車関税で今後どうなるか

 このところの経済ニュースを独占している米トランプ大統領の自動車関税引き上げについてですが、まず自分が思ったこととしては米国内で中古車人気が高まるのではないかということです。関税分のコスト増によってどのメーカーも価格を引き上げざるを得ず(またはリストラか人件費削減)、価格高騰に嫌気がさした消費者が中古車を選ぶようになり、一時的に中古車市場が活気づくのではないかという予想です。
 ただそうした動きもしばらくすれば中古車自体がなくなり、関税引き上げによって余計に国外から入ってこなくなるのもあってタマ不足みたいになるでしょう。そしたら新車に向かうのかと言ったらそうでもなく、今度は買い控えが進み、今乗っている車をギリギリまで乗り切るように市場は推移するのではないかとみています。つまり行き着く先は、新車販売台数の減少という予想です。

 その上で今回のトランプ関税ですが、これによって一番被害被るのは多分米系自動車メーカーじゃないかと思います。ちょっと調べたところフォードの米国市場における国内供給率は80%と結構高いそうですが、それ以外のGMなんかでもせいぜい60%が関の山じゃないかと思います。というより、米国メーカーこそ地理的な近さからメキシコなどでの生産を日系以上にやっているように見え、今回の関税の影響を強く受けることになるような気がします。
 またこのところの米国の動きで、ほかの国においてはアメ車に対する嫌気が広がり、海外販売台数はただでさえ落ち目なのに今後さらに減るんじゃないかと思います。そもそもフォードなんか前から死に体だし、今後海外販売台数が落ち込めば財務的にもかなり厳しくなり、ブランドの切り売りなどに追い込まれるのではないかともみています。

 一方、日系メーカーについては米国市場の販売台数はそれほど落ちないとは思うものの、コストの増加は避けられず、利益の圧縮は起こるかと思います。ただ新車価格が高騰すれば長く乗り続けられる日本車のメリットがより際立つこととなり、マーケティングの仕方によっては追い風になる事態もあるかもしれません。

 また日本の消費者目線で見ると、恐らく日系メーカーは今後日本から米国向けの輸出生産を抑え、なるべく米国国内で生産して販売しようとするでしょう。そうなった場合、これまで米国向けに使っていたラインを国内市場向けに回せられる、というか稼働率を維持する上でもきっとそうすると思え、コロナ以降ずっと続いていた納期の長期化が解消されるかもしれません。
 っていうか半導体不足はとっくに解消しているのに、いまだ日本だけが半導体がないからという見え見えの嘘で納期を伸ばしているのは、完全に日本の消費者を舐めてみているからだと言い切れます。日本人向けには納入を遅らせてその分を海外輸出に回していたようにしか見えず、恐らく今回のトランプ関税の副作用で日本国内の納期は短縮化されると私は見ています。

 米国市場に目を戻すと、前述の通り関税を引き上げても米系メーカーの復権には至らず、依然売れないままの状態が続くとみています。そうなった場合にトランプは今度は「為替レートのせいだ」と責任転嫁すると私は見ており、日本などに円高ドル安方向にどうにかしろと言ってくるのではないかと思っています。
 急に言われるならまだしも今後こう言ってくるであろうと予想が立つなら、対策もいくらでも立てようがあります。そういう意味では行動が読みやすいトランプはうまく使えれば日本の国益にかなうように動かせる可能性もあり、この点で今後政治家には頑張ってもらいたいものです。