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2008年1月29日火曜日

昨今の海外情報について

 専門が国際政治なだけに、自分は海外ニュースなどは割とよくチェックしている方です。情報の入手方法は一番いいのは言うまでもなく、現地情報を当地の言語で見ることですが、そんなのよっぽど凄い人じゃないと無理です。なので基本はやはり、既存のマスメディアの海外報道やニュースなどを見ています。一番参考になるのはNHKの海外ネットワークと、土曜の夕方にやっている各テレビ局ニュースの特集じゃないでしょうか。

 とまぁそんな風にメディアに頼るもんだから、あまり取り上げられない国とかだと情報もなかなか手に入りません。自分が当初、一番苦労した国はロシアでした。02年頃から注目していたのですが、当時はほとんど情報がなく、ネットでホームページなどを探して調べていました。このロシアですが、どうも05年あたりから経済が好調なのもあり、一般メディアでも取り上げられるようになりましたが、昔を思い出すと本当に楽になったと思えます。
 
 同じく、近年になって急激に情報量が増したのはお隣の中国です。こちらは02年あたりから急激に増えだして、現在に至ってもビジネス紙で中国の名が載らない日はないほどです。しかし情報量が多い分、あからさまに事実と異なる情報もいくつか見受けられます。特に多いのは、現地の新聞記事をそのまま翻訳した丸写しが多い事です。中国のメディアほど信じられないものはないのに、ちょっとこれはどうかと思います。なので、情報の扱いに注意がいる国です。

 中国と同様に扱いに注意がいる国はアメリカです。これは中国と違って私の私見ですが、どうもアメリカの情報ほど歪められて伝えられているものはない気がします。これは恐らく、アメリカに対する嘘知識が多いのも原因だと思いますが、どう考えても実態からかけ離れた情報とか、変に一部に偏った報道ばかりが目立ちます。まぁこういう事が起こる理由は大体わかっているのですが、それは今回は省く事にします。

2008年1月28日月曜日

万波医師の表彰

 今日は熱に浮かれれややフィーバー気味なので、えらく文章が進みます。本当はもう今日はやめておこうと思ってましたが、ちょっと凄い速報が入ったので忘れないうちに書いておきます。

 徳州会病院の万波医師を覚えている方はいるでしょうか。詳しい内容はどっかのニュースの過去記事に任せますが、要するに病気腎として摘出した腎臓を腎不全のほかの患者に移植していた医師です。当時、彼のこの移植の事実が報じられるや常軌を逸した行動として、まぁ大体が非難を行いました。ただ、私も注意深くこの報道を見守っていたと自負しますが、やはりなかには一部で、一般的には認められない行為ながらもやはり優れた技術だ、逆に彼のこの行動を医学的に認めるべきではないか、というような報道も見受けられました。

 そして報道で見る限り、移植を受けた患者らは皆万波医師に感謝の意識を持ち、恐らくマスコミの取材を考えると彼に対して不信感を持つ患者はいなかったと思います。被害者とも言うべき人間がいないにも関わらず、一方的に叩かれるだけの万波医師に当時から私は同情の気持ちがありました。

 そこで今日の速報ですが、夜11時のニュースZERO内にて、どうやら今回、アメリカの学会で、彼のこの病気腎移植の論文が優れたものとしてトップテンに入る入賞を果たしたそうです。今後、日本医師会がどのような反応を示すか興味深いですが、個人的にはただ医療倫理的に認められないからといって切り捨てるのではなく、より研究を深めて可能性を広げて欲しいです。

実体のない管理職について

 本日、東京地裁にて日本マクドナルド社が敗訴しました。訴訟はマクドナルドの現在も店長を務めるある従業員によって起こされ、賠償金は確か、750万円くらいだったかな。

 訴訟内容は最近になって偽装請負と共に明らかになってきた、実態のない管理職という奴です。これは、実際には管理職とは呼べない下っ端であるにも関わらず、従業員を管理職に無理やり祭り上げることによって、残業代などをカットするのが目的で、表に出ていないだけで外食チェーンなどでは現在、ほとんど一般化しているとも言われています。
 実はこのような裁判はこれが初めてでなく、確か去年に紳士服の青山も同様に自分のところの店長に訴えられ、未払いの残業代などを払う事、従業員を管理職に無理やり上げる事をやめるということで和解に至った例があります。

 近年、就職状況はよくなり、少なくとも大学新卒については正社員比率が上がっているとも言われていますが、その一方でこれまで以上に残業代のいらない中間管理職の仕事の比重が高まっているとも聞きます。私の友人のいる企業でも、彼の同期が入った職場では社員の半分が管理職で、もちろんそんなんだから、中には部下が一人もいなくて権限も何もない社員もゴロゴロいるそうです。
 以前に政府が提唱した「ホワイトカラーエグゼンプション」という制度は仕事を自己管理させるという名の元に、残業代を無理やりカットする法律だと反対が起こり、廃止に追い込まれた経緯がありますが、うちの親父に至っては、なにも今更法制化しなくとも、どこの企業でも既にやっていると言っていましたが、まさにその通りだと思います。むしろ、名ばかりの管理職にされて、本来受け取るべき対価を受け取っていない従業員が蔓延しているのが現状でしょう。そういった従業員を保護する法律こそ今、最も必要とされているのではないでしょう。

 ホワイトカラーエグゼンプションについて、少し補足しておきます。
 私見ですが、これが前回の安倍内閣が破綻した最大原因でないかと、今になって思います。もしこれさえなければ、いくらとんちんかんなことばかりやっていても、官僚との対決姿勢をだせばまだ国民はいくらか支持したのではないでしょうか。しかしこんなの言い出しちゃったばかりに、国民は一気に安倍元首相から離れてしまい、二度とその支持は戻らなかったのだと思います。

Drマシリトへの弁護

 さて、今の若い人はDrマシリトといってすぐわかるかな。これは「Drスランプアラレちゃん」という漫画に出てくるキャラクターの名前ですが、モデルは名前を入れ替えた、週間少年ジャンプ鬼の編集者と呼ばれた鳥嶋和彦氏のことです。
 大体90年代末期でしょうか、当時にジャンプは売上が大きく落ち込み、ライバル紙の週間少年マガジンに販売部数で97年にはとうとう追い抜かれ、少年漫画雑誌一位の座を明け渡しています。当時、このジャンプの零落ぶりにあちこちでこの鳥嶋元編集長への批判が起こり、元編集者だったという人間なんか本まで出して鳥嶋氏がすべての元凶だとまでいっていました。
 そこで今日は当時、本当に鳥嶋氏がよくなかったのか、その辺を検証してみます。

 参考に使うデータはいつものようにウィキペディアで、これで見てみると、ジャンプの最盛期は95年で、この時に一週間平均で約653万部と、新聞を越えるとまで言われた驚異的な発行部数を出しています。ただこの年、メイン連載であったドラゴンボールが連載終了し、その後はずんずん下がり、マガジンに追い抜かれた97年は約405万部、そして……これは多分、最新のデータだと思うけど、それだと 2,778,750部とのこと。実に、ピーク時の半分以下です。

 このような低落振りの原因は一般に、それまで三本柱と呼ばれた連載の終了にあります。実際に、「ジャンプ第一次黄金期」と呼ばれた時期の最後は先ほどの「ドラゴンボール」、「スラムダンク」、「幽々白書」が一度に連載が終わり、その影響が一番強いと言われています。しかし、このことに関して言うと、鳥嶋氏は96年から01年まで編集長をやっており、確かにこの時期にいくらか連載が終わっていますが、これをもって鳥嶋氏の采配が悪いというのはややこじつけな気もします。
 実際に、先ほどの漫画はどれも無理やり連載期間を延ばされていたと作者達が証言しており、あれ以上続けても作品の価値を下げるだけでなく、人気もそこまで続かなかったと私は考えています。

 また、この鳥嶋氏の期間中に連載が始まった漫画を見てみると、「遊☆戯☆王」、「封神演義」、「ONE PIECE」、「ヒカルの碁」、「テニスの王子様」、少し問題はあるが「HUNTER×HUNTER」といった、当時だけでなく現在も絶賛連載中の漫画が連載を開始しておりますし、充実した連載ラインナップを鳥嶋氏が崩したとは少し思いづらいです。なお、98年から00年の間を私は便宜的に「ジャンプ第二次黄金期」と読んでいますが、この頃は文字通り、毎週新号が出るのが非常に楽しみな時期でした。当時に好きだったのは「ヒカルの碁」、「HUNTER×HUNTER」、「ONE PIECE」で、当時が私の青春期でもあったからでしょうが、今でもジャンプはこの時期が一番面白かったと私は思っています。

 こうしてみると、現在のジャンプの主力作品を作り、また海外にも展開しだした漫画、なんでも「ヒカルの碁」は現在ロシアで大ブレイクしているというらしいですが、そのような海外にも受ける漫画を作ったことを考えると、決して鳥嶋氏の功績は低くないのではないかと思います。一時期にマガジンに追い抜かれたとはいえ、02年にはまた追い抜き返していますし、95年までが異常だったと考えるべきではないでしょうか。
 それに、近年は少子化で漫画を買う子供の数が単純に減っているのもあり、また発行部数は落ちていながらも、05年にはコミック単行本の売上は過去最高記録を作っているという、購読者ニーズの変化が起きた事を考えれば、このような低落の仕方はむしろ自然な事だと思います。

 そして、鳥嶋氏がもっとも批判される、気に入らない作品は次々と蹴落とすという噂ですが、期間ごとに短期集中連載を除く、連載が一年未満で打ち切られた数を数えてみたところ、90年から94年では40本、鳥嶋氏が編集長だった95年から99年は37本と、あまり大差ありません。ちなみにこの数字はくらくらしている時に数えたので、多少の狂いはあると思います。それにしても、やっぱジャンプって打ち切り多いな……。

 と、このように私は考えています。まぁここまで書いといてなんだけど、うちの親父が仕事でこの鳥嶋氏と大喧嘩を起こしたこともあるので、ぶっちゃけ私もあまり好きじゃないんだけどね、彼。ただ、「ジャンプ第二次黄金期」の功績があまり評価されてないのは少し可哀相だと思ったので、こんなん書いてみました。

古紙配合率偽装問題とカルテルの疑惑

 本来なら、今回のネタは私はあまり書きたくなかったのが本音です。どこかのマスコミがこの点を追究していてくれたならばそっちに任そうとの思いがありましたが、フセインについての記事同様、ほかがやっていないので私が取り挙げる事にします。まぁ週刊誌から新聞まで全部チェックしていないから、もしかしたらどこかやっててくれたかもしれないけどね。

 先週になり、日本製紙が年賀状に使われた再生紙の古紙配合率をごまかしていたという事が明らかになりました。そしたら続けざまにどこの製紙会社もノートや封筒に使われている再生紙の配合率を実際より多く表示していたことが明らかになりました。連中は環境に配慮している事をアピールする必要があるにも関わらず、古紙の価格が上昇しておりコストが高くなったのと、見栄えが悪くなるとのことでこのような行為を行ったといってましたが、はっきり言っていらんことやって馬鹿を見せただけでしょう。要望に答えられないなら、初めからそう言えばいいのに。

 と、この辺の事実報道なら多分誰でも知っているでしょう。問題はこの後です。恐らく、同じ業界にいて同じ業種に関わっている人間同士なら、ライバル会社の再生紙の古紙配合率はまがい物だと普通は見抜けるでしょう。後出しじゃんけんみたいでちょっとかっこ悪いですが、私自身も巷に出回っている再生紙を使ったノートを見て、果たしてこれほどまできれいに作れるものかと、素人目ながらに疑問に感じていました。昔の再生紙ノートはもっとざらざらしていて鉛筆書きにちょうどよかったのに、最近はつるつるして嫌だなと思いつつ、技術が進歩したとはいえここまでなるものかな、というような感じで。

 私の予想だと、恐らく製紙業界関係者はお互いに古紙配合率を上乗せし合っているという事実がわかっていたんじゃないかと思います。でなければ今回のように製紙会社が揃って謝罪するという現実には合いません。無論、これだけでも十分非難の対象になります。いくらライバル会社とはいえ不正を知っておきながら黙っているのは、社会倫理上許されない行為でしょう。ですが私が考えるに、製紙会社らは黙認し合っていただけでなく、カルテル行為、いわゆる談合を行っていたのではないかと疑問に思っています。お互いに古紙配合率を実際より数割上乗せし合い、環境PRを邪魔し合わない、というように。

 これも無論、根拠となる事実は今のところ私の手元の情報にはありません。しかし状況から察するに、こういった予想もこの機にしておかねばならないと私は思います。これは特にマスコミの人に言いたいです。今回の事件で日本製紙のトップは辞任をするようですが、他の製紙会社のトップも一緒に辞任しないとするならば、カルテルがあった場合にまたこういった事件が起こる可能性があります。そのために疑惑は推論でも徹底的に追及するのがマスコミの役割だと思いますが、多分例によって広告費や新聞紙に使う紙代とかの関係で、あまり大手メディアはやらないんだろうな。

2008年1月27日日曜日

大阪府知事選と地方政治について

 今日は今朝から頭痛で寝込んでました。でもってテレビ漬け。なので一日中テレビを見ていたので、今回の大阪府知事選の速報も、大体九時前くらいに出ていたのもチェックしてました。まぁ予想の通り、橋本氏が受かりましたが。

 今回の府知事選を私から言わせてもらうと、非常に争点のない争いでした。
 現在の大阪府が真っ先に対処しなければならない問題はまずは財政再建、次に市政改革です。前者は言うまでもなく、通産省出身で鳴り物入りで知事になった太田房江は借金を増やすだけ増やして無策のままやめていきました。結果、大阪府は経済力でも生産高計算で2005年から愛知県に抜かれ、人口でもこの前に神奈川県に抜かれています。文字通り、両方の意味で第三の都市となり、このまま地方都市へと成り下がるか否かの瀬戸際でありますが、選挙中にも関西ローカルの番組などで選挙の報道を見ていましたが、どう見ても財政対策への具体的な方策がどの候補にも見えてきませんでした。言ってはなんですが、選挙に不利になるとはいえ大阪府、市を合わせた職員の全給料のうち△%をカットするなどの具体的な数字を出してもらいたかったものです。

 そして今回当選した橋本徹氏ですが、やはり私自身は疑問を感じる人物です。今回の府知事選の際に、過去の「横山ノック」知事についてはあまり触れられず、恐らくまた大阪府民は知名度だけで選ぶだろうとは思ってはいましたが案の定そうなりました。
 一応言っとくと、橋本氏という人物を私は決して評価していないわけではありません。ただ私が言うまでもなく彼の最大の武器は歯に衣着せぬ物言いで、出来る事なら弁護士であり芸能人という立場から日本の問題を抱えまくっている司法について、これからも問題点を追究していってもらいたかったです。ですがこれが知事という公人の立場だと、滅多な発言はできなくなります。それどころか、この彼の武器は反転し、失言癖となって非常にマイナスな特徴にまでなってしまいます。
 さらに言えば、今回橋本氏は無所属で出てはいますが、自民、公明の推薦を受けている事も問題です。はっきり言いますが、大阪府議会議員は無能の集団です。2004年以降に次々と明らかになった大阪市職員の問題は、本来ならば彼ら府議員などが暴かなければならないところを、結局MBSが単独で暴いていますし、また市民団体からなんども注意を受けているにも関わらず、政務調査費といっては府から金をむしり取っているだけで、やはり知事となるからには、対決姿勢を多少出さねば大阪で改革は何も起こせないでしょう。

 とはいっても、今回の候補は自分から見て、改革力や実行力ではほとんど差のない人間達ばかりであった事を考えれば、誰がなったところで大きな変化はないのかもしれません。しかし橋本氏の失言癖と、テレビにあれだけ露出しているくせに弁護士としての仕事を本当にやっているのか、実際は西村慎吾前民主党衆議院のように、弁護士資格の名義貸しをやっているのではないかという疑惑を考えると、熊谷氏の方が個人的にはよかったと思います。ま、彼も民主の推薦を受けているからあまり意味ないだけど。

 あかん、文章のノリが悪いわぁ。自分、大阪府民ちゃうのになぁ。

2008年1月26日土曜日

サイバー犯罪と京都府警

 先日、大阪電気通信大学に通う学生がネット上にプログラムを破壊するウィルスをばら撒いたとして、京都府警に逮捕されました。さてこの京都府警、一部のネットユーザーからはとにもかくにも嫌われる警察組織です。というのも2004年にわざわざ東京くんだりまで行って、当時の東大助手であったファイル交換ソフト「winny」の作者を逮捕しています。

 前回の事件といい今回の事件といい、京都府警はネット犯罪に対してやや刑法を高飛びさせるような行動をとっています。果たして、組織内にそういったものを専門的に扱う部署でもあるのかとホームページを見てみると、「京都府警察ハイテク犯罪対策室」というのがあり、恐らくこの中に相当ネット犯罪に対して相当見識のある人間がいるのではないかと思います。

 先に言っておくと、私は京都府警を評価しています。確かに日本の法体系はネット犯罪に対して今だ整備が出来ておらず、しかも規制を強くしようという声すらほとんど上がっていません。今回の事件で明るみになったのは犯罪者が一大学生だったというプロフィールではなく、ウィルスの作成者を取り締まる法律すらないという日本の現状でしょう。詳しくは知りませんが、確かスパムメールを送る人間に対しても処罰する法律がなかったんじゃないかな。そういった意味で、問題提起を行ったこの京都府警は賞賛されるに値するでしょう。
 でも私が一番言いたいのは、政府はせめて普通の国並にこういった犯罪を防ぐ法体系を早く作って欲しいという事です。どっちの事件も犯人は大学に在籍している人間で、倫理観も非常に問われる問題だと思います。確か、前の官房長官の与謝野馨はパーツの開封から完成まで2時間でやってのけるという自作パソコンマニアだって言うから、彼あたりにそこら辺を作らせればいいのに。