どうでもいいけど、最近買っている「プロ野球チップス」で、昨日といい今日といいおまけのカードがオリックスの加藤大輔とローズという、オリックスの選手が連日出てきたのがなんか納得いきません。二人ともいい選手だとは思いますが、オリックスはそんなに好きでも嫌いでもないし。去年は巨人の阿部と阪神の林がいきなり出てきてうれしかったけど。阪神の藤川のカードが一番ほしいのに。
さてそんなんでいきなりマイブームのリンク貼りで、ネタ元はいつもどおりのYAHOOニュースです。
・廃業するグッドウィル社員の平均年収を分析
このニュースでは今度つぶれるグッドウィルの社員の年収が親会社の「グッドウィルグループ」と、実際に派遣業を行っていた子会社の「グッドウィル」で差があるなどを報じていますが、それ以上に注目すべき点はグッドウィル社の売上原価と売上の比較です。前者は文字通り、グッドウィル社がさまざまな現場に派遣した派遣労働者に支払われた金額で、後者は派遣先の企業からグッドウィル社が受け取る総収入です。これを単純比較すると、売上に対する売上原価の割合は記事にも書かれているように66.4%となり、そのまま援用するなら、派遣労働者派遣先企業が支払うお金の1000円当たり、664円が労働者に行き、残りの336円はグッドウィルがピンはねしていたということになります。
この数字を冷静に考えてみて、片や電話とメールで労働者を回すだけで三割、片や電話とメールで回されるだけで六割の収入を派遣先の企業からそれぞれ得ていたことになります。一体、何の権利があって三割強ものピンはねが許されるのか、強い疑問を感じます。また私が以前に聞いた話だと、緊急の場合、派遣先は通常よりも高い値段を派遣会社にふっかけられるようですがそれは労働者には還元されず、派遣先が一万五千円を出しても労働者には五千円しかもたらされないという例すらあるようです。
さらに今日発売の文芸春秋八月号によると、派遣会社エム・クルーでは派遣先が日給として一万九千円をエム・クルーに支払う場合、派遣労働者には七千二百円しか渡されないという、マージンというかピンはね率はここでも37.9%になります。つまり、相場的にはマージンは三割を超えるのが普通なようです。
私は正直、この派遣労働のマージンは一割を超えても高いと感じます。こうして具体的な数字が出てきているので、もう少し各所で議論がなされることを切に祈ります。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2008年7月10日木曜日
インフルエンザ増殖原因を特定
今日の朝日新聞の夕刊に、東大の研究チームが、体内でインフルエンザ細胞を増殖させるたんぱく質の存在を突き止めたというニュースが報じられました。もしこれが事実だとすると、そのままインフルエンザ対策にもなりますし、応用すればもっと多大な範囲の治療も行えるかもしれません。今日発売の科学雑誌「NATURE」に載せられたとのことらしいですが、IPS細胞といい、今後の発展に非常に期待の持てるニュースです。
グローバリズムによる弊害
コメント欄に質問がきたので、今日はちょっと気合入れた内容を取り扱います。その内容というのも、グローバリズムの弊害についてです。
この問題については私と友人のツッチー、二人の恩師のK先生が詳しく取り上げていた内容で、その影響もあって今じゃ私は立派なアンチグローバリストです。前回にも書きましたが、日本ではグローバリズムは肯定的にしか使われないので、「何でアンチグローバルなの?」と疑問に思われることが多いのですが、グローバリズムというのは一見すると、世界中がつながりあえる、平和的な発達と取られがちですが、実際には経済的な概念が強く、その内実も搾取とも取られかねないものです。
このグローバリズムの弊害がもっとも事件化したのは、多分日本人はほとんど知らないでしょうが、90年代末に起きた「アジア通貨危機」です。この事件の中身はウィキペディアかなんかで見ると早いのですが、一番生々しい話が身近で聞きたいというのなら、韓国人留学生に話を聞くのがいいと思います。
簡単に話のあらましをすると、タイの通貨であるバーツは今の人民元レートみたくドルと連動した固定相場でした。そんな中、折悪くもドルの値段が上がり、それに伴ってバーツの通貨価格もどんどん上昇してきました。これに目をつけたのがアメリカのヘッジファンドたちで、簡単に言うと彼らはどんどんバーツを買っていき、みんなが買うもんだからバーツの値段もさらにどんどん上昇していき、あるところまで高くなったところで、一気に書いためたバーツを売り払ったのです。ちなみに、値段が上昇していく過程は今の原油高と同じです。
その結果何が起こったかというと、一ドル当たりのバーツの値段が急落し、それによってタイの株式の価格もドル換算で一気に低下し、通貨の信用不安が起こりました。これも簡単に言うと今の原油高みたいなもんで、どんどん原油の値段が高くなって売れなくなったところで、一気に値段が下がって売っても儲からなくなって、さらに追い詰められるようなもんです、強引なたとえだけど。
そしてこの信用不安はタイだけにとどまらず日本を除くアジア各国に波及し、韓国に至っては、現在も続く経済問題のすべての原因となっています。
このように、今では何十兆円という資金がパソコンを通してボタン一つで動くようになりました。ミクロな話をすれば、いきなりヘッジファンドが株式を購入することによってその企業に十兆円あげるから、これを使って大きな工場を建ててもっと儲けなよと言い、それを信じた企業が工場を建築すると、いきなり「今の話はなしね」といって、株式を一気に売り、その十兆円を再び持ち去ってしまい、あとには工場を作る費用の借金だけ残るということも、大いに起こりうる話です。
また多国籍企業の問題も、このグローバリズムとは切っても切れない関係です。この前なんてアメリカのウォールマートが国際条約で禁止されている児童労働を南米で行っていると非難されたら、「彼らは自主的に、ボランティアで我々の仕事を手伝っている。それに対して、我々は彼らにおこづかいをやっているだけだ」と言い訳していました。このように、本国では違法な労働でも他国では平然と行われ、その結果他国の経済格差を広げ、混乱を引き起こすと言われています。中には、「それでも仕事を与えてやっているじゃないか」という人もいますが、それは明らかな詭弁です。言ってしまえば、大きなスーパーがその地域になければ、小さな商店でもそれぞれやっていくことができ、雇用だって大きな差は起きません。仕事を与えるからといって、その国の人間を奴隷のごとく働かせる理由にはなりません。
このように、書き出したら延々と続く内容なので、続きはまたおいおい書いていきます。ひとまず、これらのグローバリズムの弊害を読み解くのにいい本として、少し古い本ですが、内橋克人氏の「悪夢のサイクル」(文芸春秋社)をおすすめします。文字通り、この問題に理解を広げていないと、日本の学生は世界の流行から取り残されると思います。
この問題については私と友人のツッチー、二人の恩師のK先生が詳しく取り上げていた内容で、その影響もあって今じゃ私は立派なアンチグローバリストです。前回にも書きましたが、日本ではグローバリズムは肯定的にしか使われないので、「何でアンチグローバルなの?」と疑問に思われることが多いのですが、グローバリズムというのは一見すると、世界中がつながりあえる、平和的な発達と取られがちですが、実際には経済的な概念が強く、その内実も搾取とも取られかねないものです。
このグローバリズムの弊害がもっとも事件化したのは、多分日本人はほとんど知らないでしょうが、90年代末に起きた「アジア通貨危機」です。この事件の中身はウィキペディアかなんかで見ると早いのですが、一番生々しい話が身近で聞きたいというのなら、韓国人留学生に話を聞くのがいいと思います。
簡単に話のあらましをすると、タイの通貨であるバーツは今の人民元レートみたくドルと連動した固定相場でした。そんな中、折悪くもドルの値段が上がり、それに伴ってバーツの通貨価格もどんどん上昇してきました。これに目をつけたのがアメリカのヘッジファンドたちで、簡単に言うと彼らはどんどんバーツを買っていき、みんなが買うもんだからバーツの値段もさらにどんどん上昇していき、あるところまで高くなったところで、一気に書いためたバーツを売り払ったのです。ちなみに、値段が上昇していく過程は今の原油高と同じです。
その結果何が起こったかというと、一ドル当たりのバーツの値段が急落し、それによってタイの株式の価格もドル換算で一気に低下し、通貨の信用不安が起こりました。これも簡単に言うと今の原油高みたいなもんで、どんどん原油の値段が高くなって売れなくなったところで、一気に値段が下がって売っても儲からなくなって、さらに追い詰められるようなもんです、強引なたとえだけど。
そしてこの信用不安はタイだけにとどまらず日本を除くアジア各国に波及し、韓国に至っては、現在も続く経済問題のすべての原因となっています。
このように、今では何十兆円という資金がパソコンを通してボタン一つで動くようになりました。ミクロな話をすれば、いきなりヘッジファンドが株式を購入することによってその企業に十兆円あげるから、これを使って大きな工場を建ててもっと儲けなよと言い、それを信じた企業が工場を建築すると、いきなり「今の話はなしね」といって、株式を一気に売り、その十兆円を再び持ち去ってしまい、あとには工場を作る費用の借金だけ残るということも、大いに起こりうる話です。
また多国籍企業の問題も、このグローバリズムとは切っても切れない関係です。この前なんてアメリカのウォールマートが国際条約で禁止されている児童労働を南米で行っていると非難されたら、「彼らは自主的に、ボランティアで我々の仕事を手伝っている。それに対して、我々は彼らにおこづかいをやっているだけだ」と言い訳していました。このように、本国では違法な労働でも他国では平然と行われ、その結果他国の経済格差を広げ、混乱を引き起こすと言われています。中には、「それでも仕事を与えてやっているじゃないか」という人もいますが、それは明らかな詭弁です。言ってしまえば、大きなスーパーがその地域になければ、小さな商店でもそれぞれやっていくことができ、雇用だって大きな差は起きません。仕事を与えるからといって、その国の人間を奴隷のごとく働かせる理由にはなりません。
このように、書き出したら延々と続く内容なので、続きはまたおいおい書いていきます。ひとまず、これらのグローバリズムの弊害を読み解くのにいい本として、少し古い本ですが、内橋克人氏の「悪夢のサイクル」(文芸春秋社)をおすすめします。文字通り、この問題に理解を広げていないと、日本の学生は世界の流行から取り残されると思います。
2008年7月9日水曜日
洞爺湖サミットについて
今日はちょっと気合の入るネタを書こうとしていたところ、デスクトップのパソコンがネットにつながらなくなり、しょうがなくこのノートパソコンで書いている始末なので短いネタを扱います。それにしても、また怒鳴って声が枯れちゃったな。
さて今日で洞爺湖サミットは終了しましたが、私の評価は全くの無価値です。環境についてあれこれ話すとか言ってた割には具体的な目標がアメリカの反対によって何も決まらず、挙句の果てに拉致問題も言及こそしたものの、あまり大きな議題にならず拉致家族の会同様に残念な結果に終わったと思います。
それよりも、以前にも書いた「日本語にならないアンチ・グローバリゼーション」でも触れた、反グローバリズムの概念がまたも取り上げられませんでした。一部のメディアではそのような反グローバリゼーション団体によるサミット妨害の懸念が取り上げられましたが、その運動内容や精神については誰も何も解説してませんでした。さすがに、今回は日本でやるんだから多少は報道されるんだろうと思ってましたが、個人的に一番残念な点です。
さて今日で洞爺湖サミットは終了しましたが、私の評価は全くの無価値です。環境についてあれこれ話すとか言ってた割には具体的な目標がアメリカの反対によって何も決まらず、挙句の果てに拉致問題も言及こそしたものの、あまり大きな議題にならず拉致家族の会同様に残念な結果に終わったと思います。
それよりも、以前にも書いた「日本語にならないアンチ・グローバリゼーション」でも触れた、反グローバリズムの概念がまたも取り上げられませんでした。一部のメディアではそのような反グローバリゼーション団体によるサミット妨害の懸念が取り上げられましたが、その運動内容や精神については誰も何も解説してませんでした。さすがに、今回は日本でやるんだから多少は報道されるんだろうと思ってましたが、個人的に一番残念な点です。
2008年7月8日火曜日
最近の近況
涼しいので、今日はもう一本書きます。私の近況です。
もともと、私は英語が大嫌いで、あのセンテンスの魂のなさといい、それで反発とばかりに中国語に執心していたところもあったのですが、現在はとある理由で毎日英文のメールを打っています。もちろん、自発的にじゃないですよ。こういうのもなんですが、すごい私にとって苦しいです。これならまだロシア語を無理やり勉強させられる方がマシ、ってか逆にロシア語は大好きなんだけどね。
このところの週末には何故だか高校時代に知り合った人間とばかり会っています。ここで書くのもなんですが、清流派か濁流派かを二者択一的に言うなら、確実に私は清流派の人間で、友人も比較的おとなしい人間を選びがちです。その影響なのか、このところ会っている友人を思い浮かべると、非常に自分の好みのタイプを体現しているおとなしい人間ばかりです。そりゃまぁ、濁流派の友人もいることはいるけど。
ちなみにこの清流派と濁流派の話で、三国志の英雄である曹操は濁流派ではあるが、彼の参謀の荀彧は清流派の代表格で、曹操ではなく彼を慕って数多の清流派の人間が曹操の下に集まり、彼は天下を取る事ができたという評論がありましたが、なるほどと私もそう思いました。かといって曹操も、現代に残るほど中国古代詩を残しており(古代詩は曹操親子で以って完成されたとされる)、全く濁流一辺倒というわけではないですが。
もともと、私は英語が大嫌いで、あのセンテンスの魂のなさといい、それで反発とばかりに中国語に執心していたところもあったのですが、現在はとある理由で毎日英文のメールを打っています。もちろん、自発的にじゃないですよ。こういうのもなんですが、すごい私にとって苦しいです。これならまだロシア語を無理やり勉強させられる方がマシ、ってか逆にロシア語は大好きなんだけどね。
このところの週末には何故だか高校時代に知り合った人間とばかり会っています。ここで書くのもなんですが、清流派か濁流派かを二者択一的に言うなら、確実に私は清流派の人間で、友人も比較的おとなしい人間を選びがちです。その影響なのか、このところ会っている友人を思い浮かべると、非常に自分の好みのタイプを体現しているおとなしい人間ばかりです。そりゃまぁ、濁流派の友人もいることはいるけど。
ちなみにこの清流派と濁流派の話で、三国志の英雄である曹操は濁流派ではあるが、彼の参謀の荀彧は清流派の代表格で、曹操ではなく彼を慕って数多の清流派の人間が曹操の下に集まり、彼は天下を取る事ができたという評論がありましたが、なるほどと私もそう思いました。かといって曹操も、現代に残るほど中国古代詩を残しており(古代詩は曹操親子で以って完成されたとされる)、全く濁流一辺倒というわけではないですが。
「利益分配」の時代から「負担分配」の時代へ
もう三日も続けて田原総一朗氏の講演内容をやっていますが、多分今日当たりが最期の話で、一日目に話した内容の復習です。
田原氏は、高度経済成長の頃は日本が得た利益を如何に分配するかが主な政治課題で、そのために「バラ撒き財政」の仕方に長けた人間ほど政治家の資質があった時代と評した上で、もうあの頃以上に成長が望めない、それどころか少子化のため逆に経済力が下がる可能性の方が高い現代では、誰がどれだけ社会の負担を抱えるか、「負担分配」を考えなければならない時代だと述べました。
その上で年々上がる社会保障や取り沙汰される消費税の増税議論についても、しっかりと国民を含めて考えねばならないとし、今の政治家にはその負担の分配理由をきちんと説明できる資質が問われると断言しました。
この田原氏の意見について、私も基本的に同意見です。それこそ消費税が二桁に増税するとしても、結果的に今の子供たちの世代の負担が軽くなるというのなら、甘んじて高い税金を受けるつもりです。しかし現状では上げた分の税金が効率的に使われる可能性が低いため、ただ財政難だから税金を上げるという理由だけでは賛成しかねる立場です。テレビなどでも多くのコメンテーターが述べてますが、税金を上げる前にすることがある、つまり予算の無駄使いをまず国からやめてもらわなければとても国民の側としては承服しかねます。田原氏も、まずは国が血を流さねばならないとして、自分の見積もりとして国家公務員はあと10万人はリストラできるとまで言いました。具体的な数字は別として、社保庁の問題からしていらない公務員の首切りは今すぐにでも必要な処置だと私も感じます。
こっから別ネタになるのですが、この田原氏の話を聞いた際に思い出したのが、数ヶ月前の文芸春秋の記事でした。その記事の内容というのも、豊臣政権から徳川政権への移り変わりの話で、豊臣政権では朝鮮半島に侵攻するなど、あくまで収入を大きくするための拡張路線を採ったのに対して徳川政権では、今ある収入、要は日本国内の全石高の中で、如何に皆で耐え忍んで食っていくかを考える、持久力をもつ路線を採ったと書かれていました。江戸時代は確かに何度かの新田開発を経て石高は上昇したものの、領地という点ではほんの少しも広がりませんでした。土地がすべての資本であったあの時代、これは成長が全く見込めないも同然です。そのために徳川政権は大名や武士の身分を固定し、外国との交流を閉じるといった政策を採り、結果的に二百年以上に及ぶ長い統治に成功したのだろうと、その記事にはまとめられていました。
ここまで話せばわかると思いますが、田原氏の言う「負担分配」の時代に必要な政策モデルに当たるのが、まさにこの徳川政権の政策だと私は思いました。成長はないが、持続できる社会。それは人口抑制かもしれませんし共産制かもしれません。ですが、こういった観点で議論を行えば、何かしら新たないいアイデアも生まれるのではないかと期待しております。
田原氏は、高度経済成長の頃は日本が得た利益を如何に分配するかが主な政治課題で、そのために「バラ撒き財政」の仕方に長けた人間ほど政治家の資質があった時代と評した上で、もうあの頃以上に成長が望めない、それどころか少子化のため逆に経済力が下がる可能性の方が高い現代では、誰がどれだけ社会の負担を抱えるか、「負担分配」を考えなければならない時代だと述べました。
その上で年々上がる社会保障や取り沙汰される消費税の増税議論についても、しっかりと国民を含めて考えねばならないとし、今の政治家にはその負担の分配理由をきちんと説明できる資質が問われると断言しました。
この田原氏の意見について、私も基本的に同意見です。それこそ消費税が二桁に増税するとしても、結果的に今の子供たちの世代の負担が軽くなるというのなら、甘んじて高い税金を受けるつもりです。しかし現状では上げた分の税金が効率的に使われる可能性が低いため、ただ財政難だから税金を上げるという理由だけでは賛成しかねる立場です。テレビなどでも多くのコメンテーターが述べてますが、税金を上げる前にすることがある、つまり予算の無駄使いをまず国からやめてもらわなければとても国民の側としては承服しかねます。田原氏も、まずは国が血を流さねばならないとして、自分の見積もりとして国家公務員はあと10万人はリストラできるとまで言いました。具体的な数字は別として、社保庁の問題からしていらない公務員の首切りは今すぐにでも必要な処置だと私も感じます。
こっから別ネタになるのですが、この田原氏の話を聞いた際に思い出したのが、数ヶ月前の文芸春秋の記事でした。その記事の内容というのも、豊臣政権から徳川政権への移り変わりの話で、豊臣政権では朝鮮半島に侵攻するなど、あくまで収入を大きくするための拡張路線を採ったのに対して徳川政権では、今ある収入、要は日本国内の全石高の中で、如何に皆で耐え忍んで食っていくかを考える、持久力をもつ路線を採ったと書かれていました。江戸時代は確かに何度かの新田開発を経て石高は上昇したものの、領地という点ではほんの少しも広がりませんでした。土地がすべての資本であったあの時代、これは成長が全く見込めないも同然です。そのために徳川政権は大名や武士の身分を固定し、外国との交流を閉じるといった政策を採り、結果的に二百年以上に及ぶ長い統治に成功したのだろうと、その記事にはまとめられていました。
ここまで話せばわかると思いますが、田原氏の言う「負担分配」の時代に必要な政策モデルに当たるのが、まさにこの徳川政権の政策だと私は思いました。成長はないが、持続できる社会。それは人口抑制かもしれませんし共産制かもしれません。ですが、こういった観点で議論を行えば、何かしら新たないいアイデアも生まれるのではないかと期待しております。
2008年7月7日月曜日
田原総一朗が評価する政治家
昨日に引き続き、田原総一朗氏の話です。
昨日は田原氏の講演の後、この地域の候補者であるさいとう健氏との対談時間も設けられていました。ちなみにさっきコメントにも書きましたが、国家公務員である官僚が選挙に打って出るというのは非常に覚悟のいることなのです。というのも、公務員は規定により、選挙に立候補した時点で当落にかかわらず職を辞さねばならないからです。それこそただ黙って安穏と過ごしていれば安定した生活が保障されるにもかかわらず、勝てるかどうかわからない選挙に官僚が出るというのその点だけでも評価に値すると思っています。ちなみにさいとう健氏も言っていましたが、公務員は「失業保険」には入っていないので、選挙で落選してから文字通り無収入になったらしいです。
話は戻りますが、その対談の際にさいとう健氏から、田原氏が今までに評価した政治家というのはどんな人かという質問がありました。その質問に対してすぐに田原氏が挙げてきたのは、あの岸信介でした。
「あの安保改定の際、私も反対するデモに加わっていましたがね」
と前置きした後、吉田茂が最初に結んだ日米安保条約というのはアメリカが日本を守る義務がなく、しかも日本側に何の相談もなく日本国内に基地を建設する権利がありました。それを岸信介は有事の際に日本を守る義務を明記させ、基地の建設においても日本と事前協議することを盛り込むなど、それまでの安保条約からすると画期的な改正を行い、今の日本の繁栄に貢献したと評価していました。
その上で田原氏は、恐らく岸は安保改定を行った後、憲法改正も行う予定だったと言っていました。もっとも世論の強い反対の元に辞任を余儀なくされ、その孫の安倍晋三が祖父の仇とばかりに改正を図ったものの、こっちも討ち死にあったとまとめました。
そして最期に、なぜ岸がもっとも偉大なのかで、戦前に東条内閣を倒閣させたのはほかでもなくこの岸であることを指摘しました。この事実は私も知っており、東条内閣に閣僚として岸は名を連ねていましたが、戦局の悪化と事態の打開を図るため、閣僚である自分が東条に対し、閣内不一致を脅迫材料として退陣を迫ったといいます。詳しい経過はウィキペディアでも確認できますが、東条内閣を倒した岸がその後にA級戦犯になったのはこれまた皮肉な結果でしょう。
この岸の次に田原氏が挙げたのは、まぁ大体予想がついてましたが田中角栄氏でした。田原氏によると、田中氏は常々、「福田赳夫は30いくつもの団体に加盟している。それに対して私はたった二つの団体しかない。新潟県人会と、小学校の同窓会だけだ」と言っていたらしく、楽しそうに話していました。
そして最期に挙げた三人目の政治家は中曽根康弘氏でした。
「今にして思うと、彼は国鉄、電電公社、日本専売公社(今のJT)という、非常に壁の厚い組織の民営化をよくやった」と言い、その手腕と現在のサービスのよくなったJRを誉めるとともに、中曽根氏の行った靖国神社参拝について言及しました。
なんでも、中曽根氏は靖国参拝を行う前に、あらかじめ中国政府に打診したようなのです。その時の返事は、「我々は靖国参拝を肯定はしないが、否定もしない」という返事だったので、それを確認してから中曽根氏は参拝したものの、予想以上に中国国内で中国国民が反発したせいで中国政府としても非難声明を発表せざるを得なくなったらしいのです。それに対して中曽根氏は、この例を前例として今後は控えるべきだとぴたりと参拝をやめたらしいのですが、その判断の切り替えは早くて正しかったと田原氏は評価しました。逆に、中国に内緒でこそこそと参拝した小泉氏には辛口でしたけど。
昨日は田原氏の講演の後、この地域の候補者であるさいとう健氏との対談時間も設けられていました。ちなみにさっきコメントにも書きましたが、国家公務員である官僚が選挙に打って出るというのは非常に覚悟のいることなのです。というのも、公務員は規定により、選挙に立候補した時点で当落にかかわらず職を辞さねばならないからです。それこそただ黙って安穏と過ごしていれば安定した生活が保障されるにもかかわらず、勝てるかどうかわからない選挙に官僚が出るというのその点だけでも評価に値すると思っています。ちなみにさいとう健氏も言っていましたが、公務員は「失業保険」には入っていないので、選挙で落選してから文字通り無収入になったらしいです。
話は戻りますが、その対談の際にさいとう健氏から、田原氏が今までに評価した政治家というのはどんな人かという質問がありました。その質問に対してすぐに田原氏が挙げてきたのは、あの岸信介でした。
「あの安保改定の際、私も反対するデモに加わっていましたがね」
と前置きした後、吉田茂が最初に結んだ日米安保条約というのはアメリカが日本を守る義務がなく、しかも日本側に何の相談もなく日本国内に基地を建設する権利がありました。それを岸信介は有事の際に日本を守る義務を明記させ、基地の建設においても日本と事前協議することを盛り込むなど、それまでの安保条約からすると画期的な改正を行い、今の日本の繁栄に貢献したと評価していました。
その上で田原氏は、恐らく岸は安保改定を行った後、憲法改正も行う予定だったと言っていました。もっとも世論の強い反対の元に辞任を余儀なくされ、その孫の安倍晋三が祖父の仇とばかりに改正を図ったものの、こっちも討ち死にあったとまとめました。
そして最期に、なぜ岸がもっとも偉大なのかで、戦前に東条内閣を倒閣させたのはほかでもなくこの岸であることを指摘しました。この事実は私も知っており、東条内閣に閣僚として岸は名を連ねていましたが、戦局の悪化と事態の打開を図るため、閣僚である自分が東条に対し、閣内不一致を脅迫材料として退陣を迫ったといいます。詳しい経過はウィキペディアでも確認できますが、東条内閣を倒した岸がその後にA級戦犯になったのはこれまた皮肉な結果でしょう。
この岸の次に田原氏が挙げたのは、まぁ大体予想がついてましたが田中角栄氏でした。田原氏によると、田中氏は常々、「福田赳夫は30いくつもの団体に加盟している。それに対して私はたった二つの団体しかない。新潟県人会と、小学校の同窓会だけだ」と言っていたらしく、楽しそうに話していました。
そして最期に挙げた三人目の政治家は中曽根康弘氏でした。
「今にして思うと、彼は国鉄、電電公社、日本専売公社(今のJT)という、非常に壁の厚い組織の民営化をよくやった」と言い、その手腕と現在のサービスのよくなったJRを誉めるとともに、中曽根氏の行った靖国神社参拝について言及しました。
なんでも、中曽根氏は靖国参拝を行う前に、あらかじめ中国政府に打診したようなのです。その時の返事は、「我々は靖国参拝を肯定はしないが、否定もしない」という返事だったので、それを確認してから中曽根氏は参拝したものの、予想以上に中国国内で中国国民が反発したせいで中国政府としても非難声明を発表せざるを得なくなったらしいのです。それに対して中曽根氏は、この例を前例として今後は控えるべきだとぴたりと参拝をやめたらしいのですが、その判断の切り替えは早くて正しかったと田原氏は評価しました。逆に、中国に内緒でこそこそと参拝した小泉氏には辛口でしたけど。
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