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2009年7月5日日曜日

鳩山邦夫氏について

 昨日佐野眞一氏の講演会を聞いてきたばかりでちょうどいいタイミングなので、鳩山邦夫氏についての私の評価をここで書いておこうと思います。

 まず最初に佐野氏が昨日の講演会にて話した邦夫氏(兄の鳩山由紀夫氏と分けるため便宜上以後はこの表記を使います)の話を紹介します。佐野氏は率直に、邦夫氏については非常に頭の賢い人物だと評しました。これはウィキペディアでも書かれていますが高校時代の全国模試では毎回全国一位で、本を一回読むだけで内容を暗記するなど秀才ぞろいの鳩山家において邦夫氏は特に抜きん出た知力を持っており、そのせいか兄の由紀夫氏からは嫉妬にも似たやっかみをもたれていると言っていました。これについては他のソースからも同じような情報はいくらでも手に入るのでほぼ確実と言ってよく、その上で佐野氏は過去の死刑議論についての鳩山氏の方法を内容の評価はともかくうまいやり方だったと褒め称えていました。

 その死刑議論というのは鳩山氏が去年に法務大臣を務めていた際に死刑確定囚を一挙に執行し(この中には宮崎勤も含まれる)、その上で刑が確定から一定の年月を過ぎたら自動的に死刑が執行される必要があるのではということをベルトコンベヤ式という表現で発言したことが当時に大きく議論を呼びました。朝日新聞に至っては邦夫氏は「死神」とまで呼んで、邦夫氏の方もそれにマジになって反論するなど一時白熱しましたが、私はというとこの時の邦夫氏の発言は内容はどうあれ議論の端緒を作った意味で高く評価しています。

 簡単にその理由を説明すると、死刑はその内容ゆえにやはり表立って議論しづらい問題です。特に判決から執行されるまでの時期については法務大臣の認可が必要と言うこともあってこれまで曖昧にされ続け、明確なルールが無いままいわば時の法務大臣の恣意的な判断に負うところが多かったのが事実です。死刑とはいえ刑が確定したにも関わらずそれが実行されないことについて、果たして法の正義はどこにあるのか、それであれば終身刑にすべきではという議論が専門家の間ではあったものの国民の中ではほぼ皆無といっていいほどにありませんでした。私はこの死刑という問題は国民も含めて議論する必要があり、そうした議論の波を作る目的であのような発言をしたのであればいろいろと納得が出来ますし、佐野氏が評価した点もそこにあると思います。

 その一方、私の中で邦夫氏の評価を下げさせた事件というのはちょっと前の「草彅剛、裸になって何が悪い事件」です。これはうちのお袋が言っていたことですが、事件が起きた直後に地デジ移行のイメージキャラクターを草彅氏がやっていたということもあって激しく怒って、「最低の人間だ」とまで揶揄したのですが、ジャニーズファンなどからのこの発言に対して激しい抗議が起きるや翌日には「言い過ぎた」とすぐに発言を撤回して謝罪したことについて、背筋のしっかりしていない人間だと別にジャニーズファンでもないお袋も怒ってました。
 私としても「最低の人間だ」などという激しい表現を使うのはどうかと思ううえに、慎重な発言が求められる政治家にも関わらずすぐに発言を撤回するなど言語道断だという気がします。これに限らず自らが総務大臣を辞任するきっかけとなった日本郵政の社長人事問題においても何度も「正義」という言葉を使って、麻生首相も発言が軽いですが邦夫氏も負けず劣らず非常に発言が軽いように思えます。だから二人とも馬が合ったんだろうけど。

 上記の事例以外にもいろいろと評価する点はあるのですが、結論を言えば私は鳩山邦夫氏は政治家には明らかに向いていない人間だと考えています。確かに当意即妙に切り返す力や独特のユーモアは高く評価していますが政治家にとって致命的過ぎるほど発言が軽すぎており、評論家などの外部から政治的発言をする立場ならともかく実権を持って動かす人間ではないと思います。本人は政治家が自分の天職と思うほど政治が好きなようですが、もうすこし自分の適正を考えて、どうしてもというのなら地方議員や知事位に止めて置いてほしいです。

  おまけ
 多分こんなの覚えているのは私を含めてほとんどいないであろうから書いておきますが、十年くらい前に当時の人気テレビ番組の「進め!電波少年」にて邦夫氏が登場したことがありました。
 確かお笑いコンビのTAKE2(ちょっと記憶が曖昧ですが)が自宅に招いてくれる政治家を探すという企画で国会前で片っ端から声を掛けていたところ、邦夫氏が「だったら俺の家の来い。朝飯を食わしてやるよ」と言って快く応じ、後日朝早くにTAKE2が尋ねていったところ邦夫氏が手ずから料理をして(確か作ったのはチャーハン)二人に振舞っていました。
 ただその際に邦夫氏は調理中にも関わらずタバコを吸い続け、見ているTAKE2も「(タバコの)灰が鍋に落ちてるよ」と小声で漏らしていました。当時からキャラが濃い政治家だとは思ってましたが、十年たって余計に濃くなった気がします。

北京留学記~その五、授業

 中国での大学の授業期間は日本と同じく前期、後期の二期制が基本です。ただ授業が行われる期間は日本とは少し異なって前期は三月から七月まで、後期は九月から一月までと、日本の大学と比べると終了時期こそ一緒なれど開始時期は一ヶ月ほど早く始まります。そして授業は基本的には午前中に一コマ五十分の授業を合間に十分休みをとって合計四コマで、正午過ぎに正規の授業は終わります。

 なお補足しておくと自分たち留学生は始業が八時半でしたが、北京語言大学の一般の中国人学生は八時から始まっていました。理由は何でも以前は留学生、中国人学生ともに同じ八時開始だったのですが、日本を含めて本国では九時開始だったと言い訳しては遅刻する外国人学生が後を絶たなかったため、妥協策として始業をそれまでから三十分程遅らせるようにしたらしいのですが、しかし三十分遅らせたところで遅刻する学生はやはりというか一向に減らなかったそうです。さらについでに書いておくと、やっぱりアジア系の学生は出席率が良くて欧米系の学生は出席率がどのクラスでも悪かった気がします。

 話は戻ってそうやって午前中に授業が行われると、ほかの大学ではわかりませんが午後は特に授業は設けられずずっとフリーでした。学期前に申し込んでおけば課外の授業として武術、太極拳、体育といった授業を受けることが出来ますが、私みたいに何も課外授業を登録していなかった学生は午後は毎日のんびりと過ごしてました。曜日については日本と全く同じで、月曜から金曜まで授業があって土日は完全な休日でした。

 授業で使うテキストは外国人は恐らく全中国共通で、北京語言大学の出版部が出してるテキストを使っていると思います。元々北京語言大学は外国人に中国語を教えるための大学でそうした教材も率先して作っており、現在確認しているだけでも蘇州、広州に向かった留学生も私と同じテキストを使っていたと確認しております。テキスト内容は学期ごとに一冊、もしくは二冊のペースでこなして行き、中身はほかの外国語の教科書と同じように対話形式や文章形式の文章が載せられ、その文章の後に単語と文法の解説が続く形式でした。
 蛇足かもしれませんが、会話形式の文章中に、「山田」という日本人女性が登場したり、「麦古」という漢字で書く「マイク君」というアメリカ人などが登場しますが、何故だか一番たくさん中国に留学に来ている韓国人はテキストには名前つきでは一人も登場しませんでした。国が近すぎるせいでしょうかね。

 正規の授業の科目は大まかに分けるとまず四つに分かれ、日本の英語授業でリーダーに当たる「総合」、スピーキングにあたる「口語」、ヒアリングに当たる「聴力」、サイドリーダーに当たる「閲読」の四つありまいた。この四つの中で特筆すべきなのは「閲読」で、というのも日本人がやけに得意な科目になるからです。
 言うまでも無く中国語の漢字と日本語の漢字は、それぞれ一部が略字化された結果見かけは少し変わってしまいましたが部首のパターンと意味は同じです。そのため閲読で使われる長い文章の読解において日本人だと、多少文法がわからなくとも漢字を見るだけで文章全体の大まかな内容を理解することができてしまうのです。

 ここまでくればわかるでしょうが閲読の時間で日本人はほんの一瞬で問題を解いてしまって、他の留学生が読解に手間取っている間を大抵寝て待っています。授業では最初にその日にやる単元の比較的長い文章を各自で読んだ上で付属の問題を解き、最後に先生から回答とその解説が行われるのですが、ほかの留学生が三十分かける問題を日本人は五分くらいで毎回終わらせてしまうので、終いには「お前らずるいぞ!」とフランス人の姐さんから怒られる羽目になりました。

2009年7月4日土曜日

佐野眞一講演会レビュー

 本日私の地元にてノンフィクション作家の佐野眞一氏の講演会があったので、友人と共に行ってきました。まず簡単に佐野眞一氏の経歴を紹介すると日本におけるノンフィクション作家としては事実上最巨頭であり、過去に取り上げたものとして東電OL殺人事件や甘粕事件、そのほか石原新太郎東京都知事や中内功氏などの人生を優れた著作として残しています。私もいくつか読ませていただいたのですがどれも面白く、何よりも佐野氏のこだわりすぎではないかと思わされるほどの綿密な取材には毎回頭が下がります。前述の甘粕事件を取り上げた著作の取材においては中国東北部こと旧満州地方を回って非常にハードだったと述べてましたが、あの年齢でそれだけ取材するだけでもたいしたものです。

 そんなわけで実際の講演内容についてですが、これは友人も言ってましたが結構話が二転三転していました。もともとカバー範囲の広い方ですのでこうなることは予想しており、私もカバー範囲の広さが武器ゆえに話が次から次へと飛ぶのが特徴なのであまり気にならなかったのですが、友人の方はというとあんまりにも飛ぶもんだから聞いてて疲れたと後で言ってました。

 まず最初に話したのは政局についてでした。これは本人も宣伝だといってましたが来週7/10発売の文芸春秋に鳩山邦夫氏とのインタビューと評論を書いたそうで、その際のインタビュー時の話や鳩山家の因縁、そして次回の選挙の歴史的意義について話をしていました。
 私が聞いていて面白かったのは、鳩山邦夫氏の立ち位置についてです。佐野氏が言うには鳩山邦夫氏は皆さんも知っての通りに過去四度の自民党総裁選で一貫して麻生現首相を応援し続けるだけあって非常に麻生首相に近い存在である一方、自民党の対抗馬である民主党の現代表である鳩山由紀夫氏の実弟であります。麻生政権が発足した後はその論功として鳩山邦夫氏は総務大臣となりましたが例の郵政会社社長の任命問題によって罷免され、それがきっかけとして明らかに麻生政権の支持率は低下し、意識してかしないでか兄弟の阿吽の呼吸によって自民党政権崩壊のきっかけを作ったと評していました。

 この辺も長いので次回に鳩山邦夫論でもまた私から書こうと思いますが、このほか話していたのは昭和から平成へのパラダイムや、日本の立ち位置についてです。昭和から平成へのパラダイムは言うまでも無く昭和天皇の逝去ですが、この年にまるで天皇とあわせるかのようにして美空ひばり、松下幸之助、手塚治虫といった昭和を代表する人物らが逝去し、日本人の価値観にぽっかりと空白を作ったことがその後に大きく影響したと指摘していました。
 この辺については私もほぼ同意見で、このブログで連載した「失われた十年」の元の発端は最終的には昭和天皇の死にあると思います。その上で佐野氏は今の日本の根元はどこにあるのかと必死で考えた挙句、最終的に満州と沖縄の延長線が交錯する点にあるのではないかと考えて最近の取材を行うようになったそうです。

 結構ややこしい話もあって変に誤解したところを書くのもあれなんでこの辺で止めておきますが、講演自体は期待通りに非常に面白く、知的刺激を満面に受けられたいい講演でした。ただ去年の田原総一朗氏の講演同様に集まったのはお年を取られた方が多く、自分と友人のような二十代くらいの若者は本当に数えるほどしかいませんでした。さすがに田原氏みたいに凝視されることはありませんでしたが、帰りに友人とも話しましたが今時十代や二十代の若者の九割くらいは佐野氏のことを知らないだろうと思います。著作はどれを読んでも面白いので、もし興味があれば是非佐野氏の本をお手にとられるのをお薦めします。

 なお帰りにファミレスにて「クリームあんみつ(抹茶)」を食べて帰りました。昨日に300円で売っているところを見つけられたのでこれからも利用したいと思います。

2009年7月3日金曜日

鳩山由紀夫民主党代表の個人献金疑惑について

議員献金も個人資産? 鳩山代表あて 法令違反の疑い(MSNニュース)

 ちょっと立て込んでてて書くのが大分遅れましたが、今日は今も話題となっている民主党鳩山由紀夫代表の個人献金疑惑について私の意見を紹介します。

 まずこの事件についての私の第一印象は、あれだけいろんな人間が政治生命を刺されていているにも関わらず何故今まで今回の問題を放置してきたのかと、正直に言って鳩山代表に呆れました。それこそ外部監査なりなんなりをしていればすぐにでもわかったであろう問題でしょうに、その脇の甘さは以前から指摘されていましたが今回もそれを露呈させるなんてつくづく反省が足りない人間と言わざるを得ません。

 それで今回の疑惑のあらましですが、初めにいうのもなんですが非常にややこしいです。
 発端は鳩山代表の政治団体が公表している会計記録に、既に逝去している人物から個人献金が行われていたと記録されていたことが発覚したことからでした。ニュースなどでも「個人献金ならぬ故人献金」などといって発覚時に大きく取り上げましたが、ちょっと私のチェック不足かもしれませんがどうもその後に詳しく内実などを説明したり、問題を整理するような解説はあまり無かったように思えます。
 そのせいで私も今苦しんでいるのですが(前行からこの行に至るまで十分かかった)、そうした断片的な情報を私の理解する限りで整理すると以下のようになります。

 まずこの故人からの献金が実際に会計簿に記録されていたことは鳩山代表も認め、それは会計担当の秘書が勝手にやったことで既に処分として解雇したそうです。ではその故人から出たと記録された献金額はどこから出ていたのかというとなんとそれは鳩山代表個人の口座からということで、いわば鳩山代表のポケットマネーを別人からの個人献金ということにして鳩山代表の政治団体の口座に入れられていたということになります。別にこれ自体は極端に違法ではなく政治家個人が自分の財布から自分の活動費を出すことは珍しくはないのですが、何故それが個人献金という形で行われたのかがこの問題での奇妙な点です。
 鳩山代表が言うには「秘書が(鳩山代表が受けている)個人献金額が他の議員よりすくないことから、見劣りするのではないかと心配したため」と話していますが、これについては毎日がこのニュースで書いてあるように実際には他の議員と比べても突出して多くの個人献金を受けており、先の理由では明らかに不自然です。

 ではなぜこんなことをしていたのかいくつか考えられる理由として、差し当たって私が思いつくのは将来の相続のためです。週刊文春が自民党の小渕優子議員の例を取り上げてから俄然問題化しましたが、政治団体が前代表者から新代表者に引き継がれる場合、通常の財産移動の際にかけられる相続税というものが一切免除となります。それこそ自宅を事務所に登録して一切の財産を政治団体のものとしておけば小渕敬三元首相から小渕優子議員の例のように、相続税が一切かけられないまま親から子へ財産を引き継がせることが出来ます。
 あくまで一つの推測としてですが、今回鳩山氏が個人献金という形で個人のお金を政治団体に移していたのは、将来親類に財産を無税で相続させる準備を目立たないように行おうとしたというのも可能性としてはあると思います。先の毎日のニュースだとどうも個人献金を年平均約6,000万円を受けていたので、これに相続税をつけるとなるとそりゃ脱税もしたくなる額です。

 しかも最初にリンクを貼ったニュースによると、発覚した故人からの献金だけでなくどうも北海道の道議員からの献金も同じように鳩山代表の個人資産が原資だったと報道されているので、ここまでくるやはり鳩山代表が確信犯的に行っていたのではないかと誰だって思うでしょう。第一、それだけの額の鳩山代表の個人資産をいくら会計秘書とはいえ独断で動かせるものかと俄かには信じ難いです。まぁそれを言ったら「日本ブレイク工業」はどうなるのということになるのですが。

 仮に今回の件が本当に鳩山代表の秘書が独断でやっていたのであれば、私は信頼回復するためには鳩山代表は思い切った行動に出る必要があると思います。まず最初にその解雇した秘書の実名を挙げて刑事告訴を直ちに行うことです。もし鳩山代表のいうことが真実であればこれは明らかな背任であり政治家としての鳩山代表の名誉毀損に当たるので告訴自体は問題なく、またはっきりと主従関係を切る姿勢を見せつつ裁判にてオープンに双方議論することで事の真相もはっきりしてきます。

 次に計上された個人献金の使い道です。いくら鳩山代表のポケットマネーとはいえ国民の目からしたら疑惑のお金です。その疑惑を払拭させるためにも最低でも今回疑惑として挙げられた個人献金額分、出来ることならこれまで受け取ってきた個人献金額すべてを何かしらのNGOやNPO団体、わかりやすくいくならユニセフなどへの寄付として一挙に使う方がいいと思います。パフォーマンスとしては非常に格好が付く上、変な目的で集めたお金ではないということも内心はどうあれ見せ付けることができるので、選挙を控えたこの時期に短期で乗り越えるために私ならこうします。相当かみさんに怒られそうだけど。

裏切られるのは誰だ?

 またゲームの話で申し訳ないのですが、先週まで信長の野望を延々とやっていて、ついに佐竹家で天下統一を果たしました。いちおう難易度は上級にしてあるのですがこのゲームはどのシリーズでもあらかた勢力を広げると天下を取るのがほぼ確定化してしまい、後半はただ決まった作業を黙々とやり続ける状態になりやすいゲームです。
 そこで私はこれに一味スパイスを入れようとある程度勢力を広げたところで縛りとして自分が戦争を仕掛けたり指揮したりすることを止めて、国境の領地をコンピューターに一任させることで戦争もコンピューターに一から十までやらせるようにしました。しかしそのままにしておくとコンピューターは馬鹿なゆえに確実に負けていって領地を切り取られるので、ある行動で以って自軍コンピューターに戦争を勝たせる方法で補填することにしました。その方法というのも、「内応」です。

 具体的な方法は自分が直接操作する大名の所に謀略に長けた武将を集め、そこで毎月ひたすら敵国の国境線にいる武将に謀反を誘い続け、いざ自分の部下が戦争を起こした際に戦闘を有利にさせるように働きかけるのです。これがゲーム序盤ならともかく年数がそこそこ行くと敵国もある程度まとまってきて一回の戦闘で大兵力を何人もの武将を繰り出しくるので、謀略を仕掛けるこっち側も必死になって戦闘に出てくるであろう敵国武将にリクルートを仕掛け続けます。
 そんなもんだからこの方法に慣れて来るにつれて、どんどんと戦争がいびつになってきました。それこそ戦争開始直後に敵国の武将が八割くらいまとめて裏切ってくれて、自信満々で攻め込んできた敵大名が逆に領地を切り取られる羽目になったり、戦争をこっちから仕掛けても兵力が減るどころかどんどんと増えていったりもしました。

 しかしこのゲーム、戦争前に謀反に誘うコマンドの「内応」が成功しても必ずしもうまくいくわけではありません。智謀が高かったり大名の血縁武将ですと裏切りには同意するものの実際の戦闘で合図を出したところで必ずしも裏切ってくれなかったりするのですが、それゆえに時にはえらい事態を招いたこともありました。
 その日もいつも通りに敵武将全員のリクルートを完了した上で攻め込んだところ、案の定このパターンで、「あの約束は見せかけよ。わしが主君を裏切るわけが無かろう!」と言って見事にこちらの約束を一人目の武将に反故にされたのですが、なにも裏切りを約束していたのはその武将だけじゃなかったのでしばらくしたらこの反故にした武将以外が全員裏切って私の味方についてしまい、敵軍にはその武将だけしか残らなくなりました。多分この時のこの武将の心境を言い表すと、「えっ、俺だけ仲間はずれ!?」ってな感じだったと思います。戦争後にはこの武将をとっ捕まえることができたので、折角だから「斬首」にしてやりました。

2009年7月2日木曜日

北京留学記~その四、大学寮

 前回の記事では北京で外出するのには交通の不便から非常に体力がいると書きましたが、そうなると留学中にもっとも長い間いる空間というのはやっぱり学内の寮となります。

 基本的に中国に来る留学生は学内の寮に住むことになります。以前は留学中の安全を担保するためという名目で監視をする目的から留学生は寮住が強制的でしたが、しばらく前に法律が変わってからは前もって届け出ることで留学生も学外のアパートメントを借りる事ができるようになりました。自分の知人の中でも何人かは寮を出て外に部屋を借りましたが、見たり聞いたりした感じだとそうした留学生を相手に商売しているところも大学周辺には多く、料金面や部屋の質からも学生寮よりそういったアパートの方がよさそうでした。

 ただそのように貸し出される部屋は基本的に2LDKこと二つのリビングを持つ部屋で、それぞれの個室に一人ずつ住むルームシェアが基本でした。もちろん二人で済むのだから家賃も折半して払うのですが、突然それまで一緒にやっていた相部屋相手が卒業なり引っ越したりして次の住人が来なかったりすると、次の月から突然相部屋相手の分の家賃も上乗せされて二倍を払わされることになるので、そのような状況になって慌てて相部屋の住人を探す羽目になるというのもままあるそうです。かくいう自分もそんな状況になりかけた知人の日本人学生に頼まれたことありましたが、寮での生活が安定してたのでその際は断らせてもらいました。

 ついでに書いておくと学外に部屋を借りるのは自分たちのような外国人留学生に限らず、最近では中国人学生もそのようにして下宿する学生が増えてきており、以前はよっぽど近くに自宅のある学生以外はみんな寮住まいだったのが率的には見事に逆転してきているほどだそうです。
 何故寮に住むのに比べて多くの家賃がいる下宿を選ぶ中国人学生が増えているのかというと、何でも一人っ子政策が影響して子供を甘やかす親が増えており、子供のことを思って費用がかかってもいい部屋を借りようと親が率先して行うそうです。それでも私の留学先の中国人学生寮では一部屋六人のところに結構学生がいましたけど。

 それで肝心の学内寮についてですが、一言で寮といってもたくさんあって一概に言い切ることができません。日本の感覚からしたら結構びっくりなんですが向こうの学生寮は大学の運営組織とは全く関係が無く、いわば学内で営業をすることを許可された団体(会社?)が独自に居住サービスを行っています。そのため自分たちの都合で改装のために急に学生を追い出したりすることがあり、現に私自身も留学中に寮を一度転居させられました。
 その寮も同じ大学にありながら千差万別で、男子寮と女子寮、そして男女寮で建物が分かれていれば家賃によって設備なども異なり、私のいた北京語言大学では確か十棟くらいはタイプの異なる寮があった気がします。

 その中で一際周りからうらやましがられるのは、家賃が高けれども一人部屋で豪華な設備の寮です。基本的にそんな寮を使うのはお金に余裕のある日本人や韓国人の女の子なのですが、私も留学を終えて一年後に再び北京に旅行で訪れた際にその豪華な部屋を使いましたが(部屋が空いていれば旅行者も使える)、自分が住んでいた寮と雲泥の差があって泊まってみて非常に気持ちよかっです。
 ここで少し触れましたが私が当初いた寮は留学生が借りられる中でも最下級の寮で、相部屋なのは当然で風呂トイレは部屋の外での共用でした。私自身はこれが中国人の普段の生活なのだからとすぐに慣れましたが周囲の日本人はトイレが汚いとか、部屋が狭いなどと不満たらたらで、さらには欧米人らに至るととてもじゃないが住めないといってすぐさま逃げ出して外に部屋を借りていました。

 ただそんな生活は約二ヶ月で突然終わりを告げ、寮の改装のために先ほどにも書いたように強制的に追い出され、代わりに出来たばかりの今度は設備も豪華なちょっとしたホテルのようなきれいな寮に移り、以後は留学を終えるまでずっとそこで過ごしました。この辺の過程は話し出すと延々と長くなるのでまた別の機会にお話します。

2009年7月1日水曜日

どっちの政党がどの政策を実現できるのか?

 今日でかなりディープな政治ネタが三連発も続いてしまいますが、実をいうとこの企画は二週間前に思いついておきながら資格試験と信長の野望のために伸ばし伸ばしになっており、ようやく書ける余裕が生まれたことから他のネタには一切振れずに現在必死で書いています。こんなことをいいながら、昨日は「街道~峠の伝説」というレースゲーム、一昨日は「パチパラ13」を延々とやっていたわけなのですが……。

 そんなわけで今日の政治ネタです。昨日、一昨日と政治家や政府に求められている政策を国民目線と私の目線でいくつか提起しましたが、それらの政策を自民と民主、どっちの政党が実現力があるのかということを本日比べようと思います。
 日本は基本的にはずっと自民党の単独政権で戦後から現在まで続いてきましたが、政権交代のある欧米諸国では各政党ごとにそれぞれの持ち味というか得意とする政策があり、国民も時代々々に政府に求める政策を得意とする政党を選ぶことで政権交代を行わせてきました。選挙を控えた去年から二大政党制の実現だとかいろいろ言われてはいますが、何故二大政党制になるのかや政権交代が何故必要なのかというのはつまるところ、今求められる政策をどっちの政党ができるのかという比較があってこそ私は成り立つと思います。

 そういうわけで今日はこれまでに提起した政策を個別に自民、民主で実現力を比較する私の評価を紹介しようと思います。まずは国民が恐らく今、最も求めているであろう年金問題についてですが、私の評価は下記の通りです。

1、年金問題の解決
自民× 民主○

 この問題においては甲乙がはっきりしており、圧倒的に民主党の方が年金問題の解決を実現できる可能性が高いと自信を持って言えます。その理由を一から説明すると、まず自民党は福田政権以降は官僚に政治を任せて年金問題などの問題に一切踏み込まないでいました。今の麻生首相に至っては「私は官僚の味方だ」とまで公言しており、こんな政権ではとてもじゃないですが社会保険庁を追求することを期待する方が間違いでしょう。もっとも安倍政権時はまだこの問題にも関心があり実際に手もつけようとしましたが見事に社会保険庁の自爆テロに遭ってしまい、知っての通りにこの問題が元で選挙でも大敗してしまいました。ただ安倍政権にも全く非が無いわけではなく、政権与党でありながら社会保険庁の抱えていた問題を民主党に追及される形で次々と暴かれ、自らが精査して先手を打って改革することが出来たにもかかわらず常に後手後手の対応を見せており、多分あのまま続いても解決させることはできなかったでしょう。

 それに対して民主党はこの問題を厳しく追及して一挙に問題性を暴き、一躍民主党を躍進させた長妻昭議員がおります。いわばこの問題は長妻氏がいなければなかったことにされていたかもしれない問題で、私は現時点で長妻氏、もしくは彼とよくタッグを組む山井和則議員でこの問題が処理できないのであればもはや誰にも処理できないとすら考えており、そうしたことを考慮して上記の評価となりました。

2、景気回復
自民× 民主×

 次にこちらも国民の関心の強い経済問題ですが、この問題は言ってしまえばいくら日本だけが頑張ったところでどうにもならないというのが私の結論です。というのも現代の経済は文字通りグローバル化しており、ただでさえ輸出依存を強めてきた日本が成り立つには外国が物を買うまで景気回復しなければならず、内需を増やそうったって昔と今とじゃ違うのだからバラマキが効果を為すとはとても思えません。
 少なくとも現時点の自民党のバラマキ策は現代の若者と子供に借金させているだけで意味が無く、かといって民主党が掲げている経済政策にこれといって私の目を引くものもないため、どっちもどっちということで二つとも×に落ち着きました。

3、財政再建、公務員制度改革、税制改革
自民× 民主△

 私は基本的にこの三つの政策はセットで、なおかつ同時進行で行わなければ実現できないと考えています。まず自民党については先週に財政再建を目指した「骨太の方針」を事実上放棄する形で歳出抑制策を放棄した挙句、いくら経済危機とはいえ補正予算のために大量の国債を発行して借金を増やしたことから、現時点で財政再建の実現力は低いと判断せざるをえません。とはいえもう一方の民主党も政権を取った暁には大盤振る舞いともいえるような社会保障を行うとマニフェストに掲げており、果たしてそんな政策を実現しながら財政再建が行えるのかはなはだ疑問です。

 ただ民主党の場合は数年前から「霞ヶ関埋蔵金」こと各省庁が持つ裏金の存在を指摘してそれを有効に活用すれば再建は出来ると主張していたのに対し、自民党は「そんなものはない」といいながら今年の補正予算では散々否定してきた与謝野氏本人がちゃっかりそれを出してきて使ってたので、こうした点を考えるとまだ民主の方が当てになるかと思って気持ち分として△にしました。
 しかし民主党も必ずしも埋蔵金を発掘できるかというと、民主党の支持母体が公務員で組織される自治労であることを考えるとやはり難しいでしょう。仮に民主党が政権を取ったとする場合に私はこの自治労をどう扱うか、いわばどれだけ味方となる公務員を引っ張り、敵となる公務員を切り捨てられるかが政権維持の上で非常に重要になってくると思います。この辺はまた別に書いてもいいな。

4、外交、防衛問題
自民○ 民主×

 これもはっきりしていて、この問題では自民が圧倒的に有利でしょう。対抗馬の民主党はそもそも党内意見が一致しておらず、北朝鮮問題ひとつとっても政党を瓦解させかねないくらいの脆弱さを持っています。もし今も民主党代表がが小沢氏であればこの民主の弱点はある程度補完されたかもしれませんが、今の鳩山代表ではかえってこの弱点が浮き彫りとなってきたように思えます。

5、司法制度改革
自民× 民主×

 私が見る限り、両者どちらもこの問題にあまり関心がないように思えます。ただ民主党の場合はこの前小沢氏に国策捜査が行われたので、ひょっとしたらやってくれる可能性がありますがあくまでひょっとしたらで恐らく政権とっても手をつけないと思います。

6、農業問題
自民△ 民主×

 この問題はどっちもそこそこ問題視こそしているものの具体的な解決策や提案が何一つ見えてこず、所詮は票田獲得のためのパフォーマンスでしかないという評価からあまり期待しておりません。ただ自民党の場合、現農水大臣の石破茂氏は元々の能力もさることながら農水問題についても知識があるように私には見え、特に今月の文芸春秋においてのミツバチの失踪問題の対談ではその造詣の深さがうかがえるので、石破氏が農水大臣に留まるのならまだ、という期待から自民に△を付けました。

 ざっとこんなもんです。本当なら姉妹サイトのずっと放っている「陽月旦」で表にしてまとめて公開するべきなのですが、現時点で争点となりうる政策を比較すると私の中では以上のようになります。基本、政治というのはわかりにくいものですから、こういう風に比較を用いて政策ごとにいろいろと解説するべきなのですが、どうもニュースを見ていてもこの辺をしっかりやっているところが少ないので今回やってみました。
 このほか比較してもらいたい政策や課題、果てには議員ごとの比較などがあればどしどしリクエストをください。対応できる範囲で対応いたします。

 さて、今日は「パチパラ13」をやろうかな。