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2009年7月5日日曜日

北京留学記~その五、授業

 中国での大学の授業期間は日本と同じく前期、後期の二期制が基本です。ただ授業が行われる期間は日本とは少し異なって前期は三月から七月まで、後期は九月から一月までと、日本の大学と比べると終了時期こそ一緒なれど開始時期は一ヶ月ほど早く始まります。そして授業は基本的には午前中に一コマ五十分の授業を合間に十分休みをとって合計四コマで、正午過ぎに正規の授業は終わります。

 なお補足しておくと自分たち留学生は始業が八時半でしたが、北京語言大学の一般の中国人学生は八時から始まっていました。理由は何でも以前は留学生、中国人学生ともに同じ八時開始だったのですが、日本を含めて本国では九時開始だったと言い訳しては遅刻する外国人学生が後を絶たなかったため、妥協策として始業をそれまでから三十分程遅らせるようにしたらしいのですが、しかし三十分遅らせたところで遅刻する学生はやはりというか一向に減らなかったそうです。さらについでに書いておくと、やっぱりアジア系の学生は出席率が良くて欧米系の学生は出席率がどのクラスでも悪かった気がします。

 話は戻ってそうやって午前中に授業が行われると、ほかの大学ではわかりませんが午後は特に授業は設けられずずっとフリーでした。学期前に申し込んでおけば課外の授業として武術、太極拳、体育といった授業を受けることが出来ますが、私みたいに何も課外授業を登録していなかった学生は午後は毎日のんびりと過ごしてました。曜日については日本と全く同じで、月曜から金曜まで授業があって土日は完全な休日でした。

 授業で使うテキストは外国人は恐らく全中国共通で、北京語言大学の出版部が出してるテキストを使っていると思います。元々北京語言大学は外国人に中国語を教えるための大学でそうした教材も率先して作っており、現在確認しているだけでも蘇州、広州に向かった留学生も私と同じテキストを使っていたと確認しております。テキスト内容は学期ごとに一冊、もしくは二冊のペースでこなして行き、中身はほかの外国語の教科書と同じように対話形式や文章形式の文章が載せられ、その文章の後に単語と文法の解説が続く形式でした。
 蛇足かもしれませんが、会話形式の文章中に、「山田」という日本人女性が登場したり、「麦古」という漢字で書く「マイク君」というアメリカ人などが登場しますが、何故だか一番たくさん中国に留学に来ている韓国人はテキストには名前つきでは一人も登場しませんでした。国が近すぎるせいでしょうかね。

 正規の授業の科目は大まかに分けるとまず四つに分かれ、日本の英語授業でリーダーに当たる「総合」、スピーキングにあたる「口語」、ヒアリングに当たる「聴力」、サイドリーダーに当たる「閲読」の四つありまいた。この四つの中で特筆すべきなのは「閲読」で、というのも日本人がやけに得意な科目になるからです。
 言うまでも無く中国語の漢字と日本語の漢字は、それぞれ一部が略字化された結果見かけは少し変わってしまいましたが部首のパターンと意味は同じです。そのため閲読で使われる長い文章の読解において日本人だと、多少文法がわからなくとも漢字を見るだけで文章全体の大まかな内容を理解することができてしまうのです。

 ここまでくればわかるでしょうが閲読の時間で日本人はほんの一瞬で問題を解いてしまって、他の留学生が読解に手間取っている間を大抵寝て待っています。授業では最初にその日にやる単元の比較的長い文章を各自で読んだ上で付属の問題を解き、最後に先生から回答とその解説が行われるのですが、ほかの留学生が三十分かける問題を日本人は五分くらいで毎回終わらせてしまうので、終いには「お前らずるいぞ!」とフランス人の姐さんから怒られる羽目になりました。

2 件のコメント:

サカタ さんのコメント...

確かに中国語は漢字を使うので、日本人は得意ですよね。

 マイクが「麦古」というのが、小麦色の古い人って感じをかもし出してるなって思いました。漢字はイメージも伝えられるので、便利ですよね。

花園祐 さんのコメント...

 日本人なんかは初めから漢字名を持っていますが、欧米人は中国語を学習し始めた際にそれぞれの発音に合わせて思い思いに漢字名を作ります。なので音さえ合っていればサカタさんの言う通りに自分のキャラに合わせて作り出せるのですが、マイクは残念ながら元気な白人の少年(当時18歳)でした。

 なお日本人からしても以外な解釈がわかることもあり、自分の本名の苗字が中国語では「宮殿」という意味があるのを現地で知りました。